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経営リテラシー
 日本は識字能力としてのリテラシーは世界のトップクラスにある。それが情報リテラシーとなると少し怪しくなって、経営リテラシーとなるとかなり怪しい。我が国のビジネスパーソンに経営リテラシーを磨けと声高に警鐘を鳴らしているのは三枝匡氏だ。

 70年代以降のおよそ半世紀にわたる経営環境の変遷は「日本の経営を創る」で概観することができる。その70年代は戦略論の時代と言う氏のセミナーは、経験曲線、PPM、セグメンテーション、SBU、差別化戦略、マトリクス思考の意味が分かりますか、使いこなせますかという問いかけから始まる。

 フレームワークは、目の前で起きている事象の「抽象化、理論化、敷衍化」を助けてくれる。ミンツバーグの“MBAが会社を滅ぼす”にあるように、ツールとしてのフレームワークを駆使した分析屋ではマネジメントにならない。アートやクラフトを理解して操って統合することは並みの力量では叶わないが、一定レベルのミドルから上のビジネスパーソンにはその素養が十分に備わっていると感じている。

 今年は合わせて4トラックの戦略ワークショップを経験した(している)が、そこでひしひしと感じられる実感だ。アッパーミドル層に素養はあるが開花できていない理由は二つ考えられる。ひとつは上が蓋をして彼ら彼女らの可能性を阻害しているケースだ。意図せざる善良な場合も少なくないだろうが、未必の故意や不作為の作為にまで広げて考えると世は確信犯に溢れているのではないか。

 ふたつめはまさに経営リテラシーが十分に備わっていないことに起因する。思考の道具を知らずして、またその道具を使って練習や試合を重ねないことには腕は上がらない。ワークショップでは、道具を知って使っていくに従って、あれよあれよと創造的な議論が百出する。

 三枝氏はミスミにおいて戦略研修として全五講を100日/77回にわたって開講したという。こういうことを語って実行させてきたと日経ビジネスセミナーで教えられてから1年と3ヶ月。
彼がことごとく成功し続けてきた訳がわかってきた。

 経営者にとって重要な必要条件のひとつに教育者的側面があることは間違いない。自らは何も知らなくてもできなくてもかまわない。誰に何を訊けばいいか、誰に何を頼めばいいかわかっていれば、それがプロの経営者だ。

 そこでは質問する力が問われるが、それと同等もしくは以上に重要となるが当事者に考えさせる力ではないかと。もはやライン参加する機会はないと思われるが、間接的であれ次世代経営者のリテラシー向上に少しでも寄与できればとの思いで頑張り続けようと思う。
 2016/09/26 10:34  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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