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秋本番を伺う
 猛暑の末、突然訪れたかのような涼しさで一瞬ホッとしたような8月末です。
 感覚だけのトレンドにあまり踊らなくなった消費者の目にもようやく秋への気持ちが動き始めたようです。
 店頭では全体を通してクラシックや民族の意識が盛り込まれた少し重厚な装飾性と、シンプルで落ち着いた上質感のあるオーセンティックなラインの二手の表情が見られます。
 ファーのような表面感、フリルやプリーツ、チェック、プリントの軽いコート、キルティングダウン、光る素材など。
 アイテムの表現はラグジュアリー、重厚さのあるもの、シンプルでベーシックなもの、スポーツテイストの強いもの、これらを少し取り入れたストリート感覚のものなどです。
 最近のトレンドは方向性や特徴があっても複雑に組み合わされていたり、遊び感覚のミックスであったりしてとらえにくいかもしれませんが、これも大きくは70年代風とみるべきでしょうか・・
 ラグジュアリーも自然も、カオスもスポーツも様々な形でミックスされた70年代ですが、確実に異なるのは現代のハイテック素材は使われていないことです。
 忘れてはならない培われた大切なものと、すでに手放せなくなったテクノロジーをいかに組み合わせるかが素材にとっての大きな課題ですね。













 2015/08/29 20:09  この記事のURL  / 

2015夏物総括 1 レース
 立秋が過ぎ今年は残暑と台風に振り回された8月です。
 店頭は夏物セールが一部残りますが、日に日に秋の様子になりつつあります。
 この時期は店頭の秋ものとは別にストリートでは実質的な気温、天候を反映した最終夏物が見られます。
 アイテムではスカート、ジーパン、ワンピース、コットンシャツ、カットソーブラウス、Tシャツなどが基本で暑い日でもビルや乗り物の中ではカーディガンなどの羽織るものを持つ人も多くいます。
 帽子や日傘とともに日焼け対策もこまめに行われているようです。
 吸汗、速乾、洗濯可能などの夏素材の必須機能も強く求められました。
 ここ数シーズン来すっかり定着したレースはワンピース、カバーアップ、トップスなどの素材として店頭でも沢山見られましたが、街でもレースのエレガントな味わいや日常の中で気軽に着られる大人のカジュアル素材として進展しました。
 レースの形状や色使い、洋服のデザインや組み合わせで来シーズンも大きな市場性を持つような気がします。
 レース風に仕上げる、レースに加工を施す、ゴージャスに、エレガントに又さりげない大人のカジュアルに大いに期待したいものです。














(写真は初夏の店頭の様子と8月のストリートです。今まであまり見られなかったミセスの人たちや若い人のレースの着こなしです。)
 2015/08/23 16:33  この記事のURL  / 

雨の日の装い
 防水や撥水加工を施した素材を使ったレインコートやレインシューズは昔ながらの雨の日の装いです。
 昨今の高度な技術革新による合繊の機能性と素材感はレインウエアを更にオシャレなものにしています。
 加えてこの10年でレインシューズは子供から大人まで高感度なブーツのバリエーションに変わりました。
 ゴムや樹脂、プラスティックといった素材にも大きな変化が起き、ただの「雨靴」や「長靴」ではなくなりました。







 関連雑貨では傘が不可欠ですが、軽くて小さな折りたたみ傘はもちろん、突然のゲリラ雨に備えて今年は晴雨兼用傘の売れ行きが好調と売り場の声があり、パラソルの分野でも様変わりです。
 傘の素材は殆どがナイロンですが、そこに配色の美しいプリントが施されていたりレースや刺繍の付いたものもあります。
 限られた世界の中で機能と形態が一体化した様々なデザインが見られます。
 日々の暮らしの中の極当たり前の装いですが、それだけに気軽に楽しめる素材に改めて親しみを感じます。

 写真は自由が丘に昨年オープンした傘の専門店です。
 紳士婦人子供用、雨傘、日傘、長傘、折りたたみと気軽に使える傘がそろっています。









 2015/08/19 00:53  この記事のURL  / 

秋の店頭4 伝統柄
 毛足のあるものやスポーツテーストには欠かせない合繊の機能素材とともに、ウールが新しいクラシックやベーシックラインを作り出しているのがとても印象的な秋のスタートです。
 その中で日本古来の柄が新しい技術のもとに身近なものとして蘇っている場面に出会いました。
 ひとつは24Kの金糸を使ったシルクのジャカード。
 黒とゴールドの程よい調和がとれ、ゴースのようにハリのある地にゴールドの糸で浮き彫りにされた「四つ手雲」の文様。
 孫悟空が乗った金とん雲を連想させる四つの手が出ている雲の形が優雅な連続模様を作り出しています。
 幾何柄のようでもあり、エスニック、民族衣装のようでもありモダンでもあるモチーフが立ち襟のシンプルなワンピースになっていました。







 他にも着物の柄として源氏香や鮫小紋、市松などおなじみのモチーフがありますが、和を充分に感じつつ更に新しいクラシックを感じさせることに驚かされます。





 もうひとつは友禅の技術とモチーフがトラベルバッグに使われていることです。
「サファリ×友禅」としてトランクの内側を飾る布に日本の文化を見つけました。





 価格に課題の残るものもありますが織りや染めの技術の進化と蘇る伝統柄が新しいベーシックを彩りクラシックを支えるものになってほしいと願います。
 2015/08/14 22:39  この記事のURL  / 

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名前:北川 美智子
Michiko Kitagawa

テキスタイルディレクター

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