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プルミエールヴィジョン 2015-16 A/W 2 ジェネラルフォーラム
 P/Vへの今シーズンの参加はトータルで780社ですが、例年のようにイタリアからの参加が353社と最も多く、次いでフランスの91社、トルコ74社、日本33社と続きます。
 ヨーロッパ勢で占めて73%になります。
 注目は日本を筆頭に韓国30社、中国22社と急伸し、アジア勢として3国で14%を占めるまでになったことです。
 来場者は3日間P/Vのみで53065人となっています。(P/V発表)

 General Forumではでは展示会の中心になる素材の傾向をFashion Storyとして発表しています。
 テーマとくくりは3つ。
 フォーラム内のプレゼンテーションから幾つかの印象的なキーワードを挙げます。
(詳細やビジュアルはwww.premierevision.comをご覧ください)

HIGH VOLUME(たっぷりとしたボリューム感)
 3D効果からたたみこんでできる量感、建築にみられるような立体感のある素材など、軽くてボリュームのあるもの、メンズとレディスの中間にあるもの、独特のハリ感が作る新しいシルエットやスポーツ、ワークウエアを思わせる用途など。

・Imposing Roundness(際立った丸み)
・Warm Inside(温かな内側、裏側)
・Slippery(つるつるな表面)
・Hiding Seams-splittable Doubles(はがせるようになった二重織り)
・Assembled Twinness(薄でのダブル素材)
・Designs in Perspective(幾何、レース、キルティング)
・Raised Geometry(立体的)
・Faceted(細かな表面効果)
・Prominent 3D(ダンボール、キルティング)
・Bitmap Poetry(パンダのモチーフ、薄手)
・Bi-sensory(ダブル素材、しなやか)









SIMPLY FANCY(シンプルでファンシー)
 これまでの装飾効果の高いファンシーとは異なり、幾何学的なもの、ラメ使い、アーティスティックなどの要素が強い。プリントやジャカード、ドレープの作る陰影のある美しさ、ザックリ感と柔らかさなど大胆さと繊細の入り混じった素材グループ。

・Seriously Flashy(ラメ入り)
・Strident bursts(立体的、明快なライン)
・Artificial Lights(軽さを強調)
・Urban Nights(裏地のようなチェック柄)
・Joyful Backs(しゃれた裏地用素材)
・Cotton Texture(綿のような手触り)
・Tricolores Graphiques(幾何、ジャカード)
・Fantasies Modestes(幾何、ジャカード、リバティー調、アートファブリック)
・Graphic Tri-colours(グラフィカルな3色使い)
・Calins Cuddly(ふんわり、起毛、ファンシーカラー)
・Rustic Beauty(ザックリ、柔らか、ツィード、粗野感)
・Teddy Boom Fur(両面とも柔らか素材)
・Amalgamated(大胆なジャカード、ジャカードライク)
・Warmly Puffed(カシミアタッチ、柔らかさ、しなやかさ)
・Wool Vapour(しっとり感のあるウール)
・Thawing Snow(雪解け)
・Role-Playing(それぞれの役割を持つ素材をミックス)









CHAOTIC ALLURE(混沌をそそのかすような)
 さまざまなミックスの表現。自然のままの美しさと人工的なものを混ぜ合わせる。毛足やナッピングのような表面感。獣毛、野性的な素材感、コーティング、凸凹感、ウールと合繊、サボテンや麦わらのような表現、蜘蛛の巣のようなレースなど、身の回りの自然とテクノロジーのハイブリッド。

・Maleficent(蜘蛛の巣レースからジャカードまで)
・Battered (ふくれ)
・Volcaniques(緞帳のような織物)
・Polluted(レース風、ブランケットタイプ)
・Filtered Transparency(コーティング)
・Bushy-Haired(ヘアリー、ヒゲのような毛足)
・Badly Groomed(不揃いな手入れ)
・En Fusion(ニードルパンチ、チェック柄)
・Geometoricized(幾何学的処理)
・Bubbling(膨らみ)
・Sketch-like(レース、蜘蛛の巣)
・Spontaneous Drawings (飾り絵、芸術的)
・Fragmented(幾何柄風)






※写真は参考イメージ
 2014/09/30 00:21  この記事のURL  / 

PremiereVision 2015-16 AW 1


 9月16〜18日の3日間、パリ北部のParc des Expositionで2015-16年秋冬に向けてP/V展が開催されました。
 テクノロジーの深化、スタイリングとのかかわり、ライフスタイルへの適応など、素材を中心に洋服や服飾雑貨のあらゆる原点を押さえる展示会です。
 糸、ニット、ジャージー、布帛、ファーやレザー、レース、プリント、副資材、生産設備に至るまでの複合展でもあり、膨大な情報が発信されます。
 まずは今回のP/Vの第一印象を簡単にお伝えします。

 秋冬らしいのダークカラーと柔らかく華やいだ色、天空を思わせるような冴えた寒色などがベースになっていますが、特に赤、オレンジを中心としたホットカラーが強調されました(ネームタグのリボンとプレスルームの花の色を参照)。






 素材感は上質で繊細なウールタッチ、ボリュームがあっても高級感たっぷりの技術が施された軽い合繊、ワイルドタッチのさまざまな表情、アウトドア系のゴワゴワ感など両極がみられました。
 大胆で大きな柄、ぼかしや滲みのあるカラーミックスの表現、繊細な線画、急増した幾何柄、デニムや二重構造の素材の相変わらずの人気、アニマルや迷彩も沢山見られました。
 いくつもの技術を重ねた新しさのある素材にまぎれて、ベーシックなウールに新しい加工を施したものやキルティング、マトラッセなどの見慣れた表面感にも光りや透けが加わったり、ファーのような毛足のあるものとのドッキングなど、あらゆるミックス効果が広がります。
 これらの素材が一般的なガーメントに落し込まれるには今少し時間が必要になるでしょう。
 でも、これぞクリエーターたちの触手を動かすものでもあります。

 今回新しい存在感を示したものは「ファー」です。
 アクリルにかぎらず素材は多様ですが、アザラシやダックスフントの毛のような艶のある短い毛並みからシャギーやモップのような毛足、ナッピングやボアといったフェイクファーが新しい展開を見せています。
 エコの意識も失われることなく、機能性にも強い関心が示されています。
 夢と現実が共存している印象を受けました。
 2014/09/28 18:11  この記事のURL  / 

ハイテク素材
 日本の素材開発力が優れていることは周知の通りですが、展示会で見るだけで終わってしまいがちだった新素材が次第に店頭で見られるようになりました。
 吸汗速乾、保温蓄熱などの機能素材は広くいきわたりお馴染みのものになってきましたが、表面感や光り、透け、重ねる技術を洋服に取り入れるには少し時間が必要とされていました。
 ボリュームにつながるものではなくても様々なヒントを与えることにもなり、何より新しさの表現につながります。
 素材の役割はそれ自身に色、柄、風合い、機能としての新鮮さがあることですが、もうひとつ他の素材と組み合わせることで更にクリエーションが生まれます。
 高度化したテクノロジーがよりシンプルなシルエットにつながったり、複雑な組み合わせの中にハーモニーを作ったり、伝統や格式を新しく変えたりします。
 そんな兆しが見える今秋のウィンドウです。





 2014/09/14 00:44  この記事のURL  / 

ウールについて 2
「トラディショナルな装い」「クラシックテースト」「エレガンス」「オトナの女性」などの表現にはウール素材がよく似合います。
 前回は典型的な上質感のあるウールが目に付いたことをお伝えしましたが、秋の様相が進むにつれて残暑を意識しながらも今までとは少し異なる表情が見られるようになりました。
 一見ウールに見える素材、ウールとは正反対の性質、またはルックスを持つ他の素材との複合によるものなど、合繊との区別のつかないものや光沢感、つるっとした表情を持つ梳毛やわずかに起毛したり、つぶつぶ感のあるもの、縮絨のかかったもの、ミドルゲージを中心としたニットなどとバラエティーに富んだものになってきました。
 その結果ドレスやコート、ジャケットなど従来のウールの牙城のほかにセーターやカーディガン、スカートやパンツといったカジュアルで組み合わせの利く単品アイテムにもウール使いが見られます。

 合繊を中心に日本の技術開発力は世界の舞台でも注目されてきましたが、従来の殻を破ってウールにもテクノロジーが施され、今までにない風合いや表面感、機能性が付加されるようになってきました。
 素材開発と店頭では少しズレがありますが、思いがけない仕上げ加工やブレンド、異素材との組み合わせなど今までにないウールの分野が広がりました。
 来週パリで開催されるPremmiereVisionでの提案も楽しみです。
 素材の新しさがトレンドの一翼を担っている今シーズンは更なるウールの活躍が見込まれます。



 2014/09/06 23:20  この記事のURL  / 

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名前:北川 美智子
Michiko Kitagawa

テキスタイルディレクター

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