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アウター(コート・ジャケット)素材
 定まらない天候の中で街は11月も終わりに近づきました。
 クリスマスの装いやウィンタースポーツなどの際立ったものが見せ場を作ってはいますが、温かく快適な日常の装いのためにコートやジャケットが新しい表情で興味深く展開されています。
 昨年に比べてウール系が増えていること、非ウール(合繊系の素材)を使ったデザイン性の高いもの、スポーツテイストがエレガントに着こなされ新しいスタイリングを作っていること、さりげなく毛皮が組み込まれていたり、布かレザーか分からないような革の楽しいデザイン(見ただけでは本物かフェイクかの区別もできません)、インナーテイストを払拭するようなニットのコートやジャケット、3Dプリントを施したものまで。
 ウィンドウのコートウォッチングはウキウキするものがあります。
 同時に増加したウールでは、縮絨や起毛がかかったようなソフトなブランケットタイプ(実にベーシックなもの)が最も多く、ピーコートやダッフル、トレンチタイプにテイラード、ステンカラーと襟も見慣れたものが多いのに驚きました。
 コートの丈が短くなり、スカートスタイルともマッチングするプレゼンテーションが増えたのも今年の特徴かもしれません。
 更にウォッチングを進めていきたいと思っています。









 2013/11/25 21:12  この記事のURL  / 

尾州素材展 2014-15A/W
 厳しい環境にありながらかつて毛織物の産地として名をはせた尾州は新しい価値観を持った素材作りに励んでいます。
 展示会では見た目の変化や技術の効果だけではなく、より市場に添った様々な条件をクリアすべくモノつくりの工夫が伺えます。
 10月下旬に東京青山で開催された展示会の様子をまとめました。 
 参加16社。
 テーマは「Smart Bohemian(洗練されたボヘミアン)」、「Volcanic Conqueror(火山の征服者)」、「Lady Gentleman(紳士のような女性)」、「Arctic Adventure(極地の探検)」の4つ。
 それぞれにイメージするスタイルと色が提案されました。
 今回は目付(1uあたりの重さ)を参考までに付加しました。
 軽さが大きなポイントになっていますが、同時にふわっとしたハリ感や、起毛、二重織りによる膨らみ感も大切です。
 着て心地よいシルエットと素材のバランスが決めてになるでしょう。



スマートボヘミアン(ブルジョアジーをシックにエレガントに日常に登場させる)




1 ロービングスラブツィード ファインテキスタイル株式会社
  N61/L31 目付360g  カラフルなスラブ糸を使ったリネン調ツィード




2 リング2ウエイストレッチ 西川毛織株式会社
  W88/N10/Pu2 目付700g




3 ドット白黒リバーシブル  渡六毛織株式会社
  W85/N12/Ag1/C1/Ca1 目付 725g




4 ガーゼクロスドット ファインテキスタイル株式会社
  W90/N10 目付 170g   薄く軽いガーゼにドビー柄を織りこんだ素材




5 ファンシースラブボーダー  林実業株式会社
  W42/N16/Ac12/E21/C9  目付378g  発色のよいスラブ糸とダルなスラリットのボーダー







ヴォルカニックコンカラー(街の女戦士、現代のバロック)




6 ローズジャカード 株式会社ヒラノ
  W30/Ac22/Pe35/N5/R8 目付380g ブラック&ホワイトのクラシックジャカードビーバー




7 カシミア混ビーバー起毛  宮田毛織工業株式会社
  W81/Ca17/N2 目付496g  カシミア混の高密度のビーバー起毛加工[ニット]




8 キュプラスラブボーダー  渡六毛織株式会社
  C63/R22/Cu15  目付288g  肉薄ツィード調ボーダー




9 ミックスインレーニット  宮田毛織工業株式会社
W57/C8/E30/N5 目付430g  三つ杢ミックスカラーの深みのあるインレー







レディジェントルマン(マスキュリンであり英国調でもある、ピンクベージュが代弁するエレガントでフェミニンなスタイル)




10 トリアセウールサキソニー  森織物合資会社
  W78/Ta18/Pu4 目付265g どっしり感、トリアセ/ウール混紡のさらっとした風合いのサキソニー




11 トリアセ/ウールサテン  森織物合資会社
  W78/Ta18/Pu4 目付290g トリアセ/ウール/ストレッチによるソフトでさわやかなサテン




12 バックモッサー経畝  中伝毛織株式会社
  W96/Ag3/Ca1 目付 775g 表梳毛、裏紡毛のダブルフェイス。構築的な肉感




13 60/1テンセルミニ裏毛  株式会社モーリタン
  Te75/E25 目付 315g 60/1を使用した薄手のストレッチうら毛




14 ツーウエイリバーシブル  長大株式会社
  W96/Pu4 目付 423g  2ウエイストレッチの二重織り







アークティックアドベンチャー(極地の探検)




15 トリプルリバーシブル  長大株式会社
  W58/C32/N10 目付 592g 真中に綿を挟んだ三重織り




16 2/60 超圧縮 虫文毛織株式会社
  W100 目付 480g 梳毛を限界まで圧縮したナチュラルな表情とボリューム感




17 ロービングツィード  中伝毛織株式会社
  W72/C27/Pu1 目付 553g 柔らかなロービング使いのツィード




18 アドリアーナループ二重織り  株式会社ヒラノ
  W80/N18/C2 目付 470g アドリアーナループのソフトで膨らみのある二重織り
 2013/11/17 21:04  この記事のURL  / 

T.N Japan展(テキスタイルネットワークジャパン)
 2014-15A/W T・N展が開催されました。
 複合出展も含めて16社(ブース)、山形、静岡、愛知、福井、東京、岸和田、兵庫、山梨、今治など各地の機やさんが集まりました。
 今回のテーマはMIYAVI「雅」(気品ある色気 大人のおしゃれ)です。



 前回気になった渡邊パイル織物(株)(愛媛県西条市)の草木染めはそのデリケートでシックな色が相変わらずの魅力でした。
 自然の原料なのでわずかに出るムラがシャンブレーのような味わいを見せてくれます。
 二重ガーゼ、ガーゼとパイル、ハチス織りなどに織られた大判のタオルとヒザ掛けはハト羽ネズミ色、古代紫、りかん茶の色などの日本の伝統色に染め上げています。
 片面シープ加工、もう片面にシャーリングを施したやや厚手のリバーシブルパイルはコットンにヤク、カシミア、キャメルなどの高級獣毛と複合しました。
 パーカーやジャケットに最適なカラーと風合いの差別化素材です。
 従来のタオルやハンカチとは異なる新アイテムへの挑戦が期待されます。

















 ウェディングドレスや舞台衣装素材で定評のある富士吉田の宮下織物(株)は、追い風のジャカードを得意としています。
 色や柄だけではなく風合いを出すために撚糸や仕上げ加工、光沢の加減などにもこだわり、挑戦もしながら伝統を守ってきました。
 最近はその技術を若い人に伝えるために造形大の学生の研修を引き受けています。
 彼らの作ったものも展示場に飾られていました。
 華やかなドレス素材はもちろん、ポップなモチーフや更紗、幾何風の柄、ゴブラン織りなどなど、配色とともにこれらの広いアイテム展開が楽しみです。







 2013/11/09 23:35  この記事のURL  / 

東コレの素材 3
素材にこだわる実力派ブランド

A Degree Fahrenheit エ ディグリー ファーレンハイト
 全身を隠すような細身の黒いドレスの下に鮮やかなオレンジのワンピースを重ねた着こなしが印象的なコレクションはそのほとんどがオレンジ色で構成されていました。
 特別なアクセサリーや髪飾りもない、でも瞼やマスカラにもオレンジを使い、エレガントなドレスからリゾートを意識したものまで幅広い展開です。
 流れるようなドレープ性のある素材からザックリしたツィード風、透け感のあるもの、素材によるオレンジ色の発色の差などなど、一色に絞り込んだ効果を楽しませてくれました。
 ちなみにコンセプトテーマは「1652°F(900°C)Volatilization(揮発)」です。







JBNY
 中国のデザイン集団によるJBNYはナチュラルとエレガンスのバランスを狙った大人のテーストが特徴です。
 素材使いは綿や合繊を問わないが自然の味を失わない加工が多く着やすさを感じさせます。
 テーマは「ビンテージ」、古い工芸の回帰、破損摩損、鈎針編みがキーワードです。
 グリーンを中心としチャコールグレーなどのナチュラルカラーを透明感や無機質な表現で、これらを柔らかさ、ゆらゆら、適度なハリ、テロテロなどの素材感と連動させました。
 シンプルで美しい大人のリアルクローズです。













LAMARC ラマルク
 完成度の高い単品の組み合わせで終始し“売れそう”と思われる商品を作り上げました。
 ニットと布帛の組み合わせ、前ボーダー、背にギンガムを使ったシャツなど、カジュアルでありながら品の良さも伺わせます。
 テーマが「ユビキタス・エクスプレッション」副題がフェミニニティーへの憧憬とクリーンシックの深化とあるので難解かな?と思いましたが、実物は分かりやすく日常の中で捕えた自然で上品な装いのためのラインでした。



 2013/11/04 23:50  この記事のURL  / 

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名前:北川 美智子
Michiko Kitagawa

テキスタイルディレクター

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