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ノリコフクシマ2013-14AW展
 NORiKO FUKUSHIMAの2013−14AW展が同社青山工房で行われました。
 プレタポルテならではのこだわりを持ちながら身を入れると体をすっぽりと包みこんでくれるような着心地の良さは、このコレクションの最大の特徴でもあり、顧客の顔が見え一人ひとりの身体に添ったパターンオーダーが基本だからかもしれません。
 そこには量産では見られない技の数々が詰まっています。
 シーズンテーマは「フォレスト(森林)」。
 紅葉するさまざまな木樹、落ち葉、少しメランコリックな気分に寄り添う気持ちを表したツィードやジャカードはストレッチ性を持った膨らみ感としなやかさを持つウールです。
 大柄のハゥンドトゥースやヘリンボン、フラノやシャンタンなどのベーシック素材が色使いやカッティングで未来志向を感じさせるほどのフォルムを作り出しています。
 バイカラー(2色使い)の表現には大胆な切り替えが使われます。
 ツィードはややザックリ感のあるものから小粒の凸凹感のあるストレッチツィードやリボン入りのものまで、べーシックパターンと遊びが程よく取り入れられています。
 ジャケットは最も好評のアイテムですが、色の異なるストレッチツィードをはぎ、ゆったりとしながらもフィット感のあるショルダーラインがポイントです。
 同じカッティングラインをスカートにもつなげ、ドレスのようなスーツになっています。
 極めつけはシルクシャンタンのコート。
 美しいハリと光沢で軽くエレガントなリッチ感があります。
 正当派ともいえる素材の使い方はこのところ忘れられていた「本物」「職人技」「クラシック」などを思い出させてくれました。
 インポート素材にこだわってきましたが、今回のコレクションにはいくつもの国産の素材が含まれていることもうれしいことです。





 2013/05/28 00:22  この記事のURL  / 

シンプルis ラグジュアリー
 今夏のスタートを思わせる店頭は昨年に比べて単純明快なものが多く見られます。
 方法としては色使いや素材使いに依るところが大きいようです。
 ほんの少し色のついたオフ白とダークカラーのコントラスト配色が切り替えやパイピング、トリミングに使われていたり、白と黒の大胆な配色、表現が新しくなりよ蘇ったようなトリコロール、微妙なニュアンスをもつパステルの単色使いなど、多色使いのプリントがあふれる中でシンプルな表現がいかに明快なメッセージを発信しているかが見て取れます。
 同時にそこで使われている素材はよく見ると、或いは触ってみると予想以上に表面に繊細なシボが立っていたり、細かな畝があったり、膨らみ感、ざらざら感などに気付きます。
 キャッチワッシャーや形状記憶が存在感を示していること、二重織りが配色効果として使われていること、一見無地に見えるジャカードや同色プリントがさりげなく組み合わされているのを見るとこれらがラグジュアリー表現にも直結していることを伺わせてくれます。
 素材へのこだわりが本領を発揮したというところでしょうか。





 2013/05/19 23:36  この記事のURL  / 

テイセン2014SS向け麻素材展
 麻がさまざまな角度から見直されています。
 L100%からコットンやナイロン、レーヨンとのミックス、機能や表面感のための新加工への挑戦、織物からジャージーまで、麻の提案は驚くほど新鮮です。
「貴族の皺」と言われていた皺になる欠点にも防皺加工や逆に自然の皺を楽しみ余裕さえ感じられます。
 美しい色や光沢感のある麻に出るしわはノンシャランではない別の美しさがあり新しい表面感につながります。
 階上のフロアでは同社の歴史ある「Linen Fruits」(リネンフルーツ/FL)の新コレクションが紹介されていました。
 今までのLFは「Club Herdman」のブランドのもと高級なアイリッシュリネンを使ったベーシックでステイタス性の高いラインが特徴でした。
 今シーズンから新しい時代に対応するために梶原加奈子デザインオフィスが参加して、日常の中で楽しめる新しいリネン製品が開発されました。
「Linen Fruits」はその名称通り果物のイメージを通して色はもちろんみずみずしさ、甘さ、酸っぱさ、優しさ、自然観などを表現しています。

 そのコンセプトは:
 リネンフルーツを作るものとして―陽光、風、空気、雨、大地、フラックス、人。
 リネンフルーツが役立つのは―月曜から日曜までの毎日。
 リネンフルーツがもたらすものは―心地よさ、楽しさ、清々しさ、よろこび。
 リネンフルーツにふさわしい時間―朝から真夜中まで。

新しい商品ラインも加わり、今回はキッチン、バス、ベッド、ルームウエア、ハンカチ、靴下(L/CN)、Tシャツ(L100%のバイオ、ありそうでなかった麻のTシャツがうれしい)、カーディガン(インターシャによる微妙な色の切り替えが好評)、泉州で作るタオルなどなど。
 素材の一部は中国から、でも縫製はすべて国内産地との共同作業。
 作り手としての専門技術がディレクター梶原氏の指揮のもとに融合された商品です。
 毎日の生活のために真っ向から麻と向き合った商品たちの今後を楽しみに見守りたいものです。























 2013/05/12 22:42  この記事のURL  / 

楽しい素材使い
 2013-14AWに向けてのコレクションは、シーズンがらウールやハイテク素材、起毛、縮絨、獣毛混、毛皮などに注目が集まりますが、色使いも含めて他の天然繊維や薄手の化合繊、レースなどがめだちました。
 素材の季節感が薄れたとも取れますが、デザイナーによる素材の使い方の巧みさに魅せられるものが沢山ありました。
 中でも世の中の不安な出来事を受け止めながらもそれを跳ね返すようなパワーを感じさせるショーを二つご紹介します。

 トクコプルミエール・ヴォル(前田徳子)はフランスのワインの里、アールヌーボーの都市、南仏のハーブの大地などの各都市のイメージをテーマに25周年を祝いました。
 黒をベースにしたポップ調の柄、インターシャニット、水玉とレース、白と黒のプリント、犬、ネコのモチーフなどの楽しいモチーフ使いが会場を沸かせました。
 キルティングに刺繍を施したコート、ブークレー風のジャージー、ファンタジックなレース、モヘアに刺繍、カラーブロックなどなど。
 フィナーレは赤白紺のトリコロールで「フランス万歳!」というところでしょうか。
 大人が楽しむカーニバルのようでした。
 着る人を喜ばせるというファッションの大切な役割を感じさせてくれるショーです。












 もうひとつ楽しいショーの代表格はメルシーボクー(宇津木えり)。
「メルシー祭り」と称してかわいさ、楽しさ、自由、組み合わせの妙など商品の持つ魅力を存分に伝えるコレクションです。
 多色、さまざまなモチーフの組み合わせ、異素材使いなど、シンプルやミニマルとは対照的。
 メンズや子供ものにもつながるストーリーを持つためファミリーでのファンも多いブランドです。
 機能性を含めアイディアが込められた使い方に素材へのこだわりを強く感じます。
 特に動物やサッカー(スポーツ)、今回のテーマでもあるコーヒー豆など、生活の中で身近にあるものを茶目っけたっぷりに表現します。
 さりげないハイテク素材を使っていますがメインは天然繊維やその混合。
 人の笑顔が浮かんでくるメルシーボクーのランウエイでした。





 2013/05/05 00:10  この記事のURL  / 

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名前:北川 美智子
Michiko Kitagawa

テキスタイルディレクター

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