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2013-14 A/W Premiere Vision テーマとポイント
 2013-14A/W向けのPV展では秋冬全体をとらえ、素材感を生かした豊かでセクシーな表現を作り上げるためのセンスとフィーリングが大切になりました。
 ○たっぷりと手ごたえのある包み込むような素材感
 ○滑らかさやストレッチ性
 ○大胆で自由な発想を持つ色や柄
 ○スポーツとエレガンスを同じシルエットの中で表現するような素材使い
 ○日常を忘れさせるようなドキドキ・ハラハラのファッションストーリーを描く
などのポイントが挙げられています。
 このために三つの物語(テーマ)が用意されました。

@ 時代の物語(Stories of Time)
A 冒険の物語(Stories of Adventure)
B フィーリングの物語(Stories of Feeling)



@ 時代の物語
 過去と未来の間を行き来する時代錯誤的シルエット
 身体を覆ったりぴったりフィットしたりの両極端の追及
 装飾的 絵画的 ダークカラーの彩りなどを現代風にアレンジ
 様々な時代と様式をミックス 異素材のミックス ディテールを際立たせる
 色は濃密なカラー、ダークなマルチカラー、紋章に使われるようなツートーン
 素材のポイントは ・たっぷりな毛足とビロードタッチ(ベロアやラチネ、シルクのカットヤーン)
・豊饒な装飾(マトラッセ、ふくれ、刺繍、ドビー、フロッキー、渦巻き柄)
・贅沢な盾のような素材(堂々とした光沢、銅やゴールドの暗い輝き)
・ワックス、コーティング、オイリーな光り
・イミテーションレザーやアニマルスキン、玉虫
・ガードル効果のあるストレッチ(ツーウェイ、コンパクトニット) ストレッチデニム










A 冒険の物語
 冒険の舞台は都会。大自然と大都会の風景を一つにする。
 アクティブなスポーツとファッションの一体化。旅の装い。
 アウトドアとファンタジーの接近。都会風エレガンスとワークウエア。
 メジャーなファッションピースを暗号化、コード化、擬態、カムフラージュなどで飾る。
 色はrecto-verso(表・裏)方法(表裏別々の色)、思い切ったアウトドアカラーとナチュラルな都会風配色
 素材のポイントは・高級感のあるもの(ずっしりとしたブロードクロス、コットン、デニム、コンパクトシルク、ウールやコットンのヘリンボン、ブロークンツィル)
・ダブルフェイスとリバーシブル(天然/合繊のコントラスト、柄と無地のコントラスト)
・こなれた味わいのある天然繊維(スポーティーなウール、ハイテクで高性能の紡毛、ざっくりしてソフトなニットやウール、雑然と見えるもの、整然として見えるシネ調)
・都会風に見える攪乱(マルチカラーのツィード、迷彩 モアレ、マーブル、写真画)








Bフィーリングの物語
 誘惑に心と身体を傾ける。空想をめぐらせる。鏡のいたずら。サイケデリックな歪みの世界を 楽しむ。
 クリーム、ムース、シロップの美味しそうな感触。
 セクシーにも慎み深くもなれる。 線(ライン)は強調することも隠すことも。
 色は美味しそうな砂糖がけ菓子のような艶、柔らかな陰のような色、刺激的なビビッドカラー
 素材のポイント・身体を包むような厚みのあるもの(フェルト、モールスキン、ベロアタッチ)
・ウェットスーツ風のボンディング素材、多層のシースルー、軽い綿入れ
・濃密で滑らか(トロトロしたシルク、滑らかでフェミニンなカジュアル素材)
・官能的なウルトラソフト(ふわふわしたウールやモヘア、蜘蛛巣のようなレースやニット)
・パウダリーで羽のように軽い  ゼリーのような光沢
・うっすらとした柄(影絵、花や植物のシルエット柄、地に溶けたような柄、ブラシ加工、同系色のチェック、スモーキーな柄、カラフルでまだらな柄)





※写真は公式サイトより
 2012/09/28 23:21  この記事のURL  / 

rooms展より 注目したいブランド
 シーズンを追うごとに充実感をますrooms展です。
 最近は特に雑貨やアクセサリーの出展が多く、斬新なアイディア、ファンシーやキュートなメルヘン調、シックな大人のアクセサリー、自然をテーマにしたものなどすでに実績を得たブランドも沢山あります。
 洋服は一見アクセサリーに主役の座を奪われたかのような感がありますが、立ち上げたばかりのものからベテランの域に入ったものまで幅が広く、それぞれにこだわりを見せました。
 この展示会でビジネスのきっかけをつくる来場者も多く、出展者の意欲は満々といったところです。
 幾つかあるこだわりの中で、今回は国内でのもの作りに重きを置いたものをご紹介します。


Building ビルディング
デザイナー:新井敏夫さん
 メンズを中心にTシャツと布帛のシャツを制作。
 ブランドを立ち上げて2シーズン目。
 特にTシャツに施されたグラフィカルなモチーフは緻密にかつ優しく、紳士婦人を問わず手にしたくなる出来栄え。
「WORK」と記されたロゴは働く蟻の集団をイメージしている。
 生地も縫製も日本製。
 全て自らの目と手の行き届く範囲でのもの作りを心がけている。
 小ロットで丁寧に売っていくのが信条。










Miutt ミュート
 東伸工業(株)のインクジェットプリントの技術を駆使した布とそれを使った製品のブランド。
 写真で見るありのままの風景、無限に広がる小付きの柄、グラデーションや多色使いでプリントの醍醐味を表現している。
 日本でしか出来ない技術を生かしたオリジナリティーがポイント。
 洋服のみならず新しいアイディアを盛り込んだ様々なアイテムがあるが、特に京都の二葉家具と共同で開発した木にプリントを施した机は初の試みとして興味深い。












Iliiliili イリイライイリ
(有)hapuna&Co
 長谷山さとみさんと伊東友さんのデュオで企画デザインされたナチュラルで美しいシルエットが魅力のブランド。
 日本の素材と日本の縫製にこだわる。
 天然繊維を中心にゆったりと羽織る感覚が特徴。
 着る人のボディによって様々に変化するフィット感が楽しい。





 2012/09/14 21:44  この記事のURL  / 

Jil Sander NAVY
 Jil Sander のセカンダリー「NAVY」の路面店が今日オープンしました。
 表参道のみゆき通りを一本入った欧米ブランドの並ぶ小さな通りです。
 ジルサンダーのシグネチャーラインに比べると若々しさや可愛さ、カジュアル感なども伴い、ミニマル路線を貫いてきた今までのものとの違いを感じます。
 ナチュラルなニュートラルカラーが中心ではありますが、分量感、ディテール、バッグや靴などとのコーディネートがどこかお嬢様っぽさがあり、少し買いやすい価格であることもこれからの時代や消費者心理をついているような気がします。
 上質な素材を使い入念な縫製、シンプルで美しいシルエットのイメージが強い本来のジルサンダーの味を持ちながら、新しい特徴をアッピールして20代、30代の顧客を掴むことが出来るか、豊富な雑貨、アクセサリーと共に顧客を掴むことができるか、とても楽しみなブランドです。
 これらのプチラグジュアリーブランドに対応する素材がこれからのもの作りの重要な役割りをもつことになりそうです。
 ベーシックなウール、刺繍を施したシルク、装飾的なフクレやジャカード、プレーンでどこか手作り風のニット、ブロードクロスのようなコットンなど、店頭での訴求効果が新鮮なジルサンダーの新ラインを表現しています。











 2012/09/09 21:05  この記事のURL  / 

秋立ち上がり店頭
 残暑厳しい9月のスタートですが、ウィンドウはしっかりと秋物がそろいました。
 欧米とは少し異なり肌理細やかに目先の変化をつけていく日本の店頭展開ですが、秋の立ち上がりは暑さの中でも季節の変わり目を新鮮に、かつ購買意欲につながるようなプレゼンテーションが望まれます。
 この意味では昨年から大きな対応の変化が見られます。
 本格的にウールや毛皮をあしらったものは9月に入ってからの展開になる一方で、年間を通して薄物の存在感が増したことが際立ちます。
 一見プレーンや平凡に見える素材が、実は微妙な光沢、撚糸の変化、織りによる表面変化、繊細なカラーミックスなどの効果を伴い複雑な素材感を作っています。
 一方デザインによる装飾性、カラーブロックや切り替え、異素材の組み合わせ、プリントのパワーなどでも新しい切り口が沢山あります。
 アイテムではコート(ロング、ショート)、ジャケット、ワンピースなどの重衣料と、ニットを中心にしたロング&ビッグカーデ、さらにドレスやコートまでの広がりに注目しています。
 テイストはスポーツとエレガンスの融合に新しいカジュアルが見えます。
 ポロシャツスタイル、チュニックやアーガイルがエレガントなワンピースにつながったり、アクティブスポーツやユニフォームスタイルが刺繍やビーズ、レースと組み合わされ、キュートな表現をつくりだしているものもあります。
 厳しい状況が続いていますが市場ももの作りも格段の進歩を感じます。

















 2012/09/02 22:47  この記事のURL  / 

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名前:北川 美智子
Michiko Kitagawa

テキスタイルディレクター

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