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Alice and Olivia
 新宿の百貨店の店頭で、懐かしいような、それでいて新鮮な秋物に出会いました。
「Alice and Olivia」というニューヨークブランドで、デザイナーはStacey Bendet。
 コレクションの中で扱う素材の幅が広いのに驚きました。
 今求められているカジュアルの特徴でもある、よそ行きの顔をしたオシャレ着からストリートやスポーツテーストまで含んでいます。
 赤や黒、白、黄(ゴールド)、グリーン、杢グレー、紺という単純な色に、思い切った刺繍や豪華な織り組織の素材を交えてシンプルな商品構成にアクセントをつけています。
 かつてのノーマカマリを思わせるカットソーの一連が忘れていた何かを思い出させてくれます。
 スパンコールを散らしたカーディガンもカジュアルな着こなしに対応でき、コーディネートの楽しさが伺えます。
 全体に豪華ではあっても重厚さではなく、複雑に見える素材をシンプルなラインのシルエットで表現したり、手軽に気軽に着るという目的があるような気がします。
 価格も1万円台から3万円前後が中心、毛皮や手の込んだ素材使いのものはそれなりのプライスですが、価格と感覚(テーストや価値観)のバランスが感じられました。
 ランウエイのショーは未だ行っていませんが、展示会形式でコレクションを発表しているようです。
 日本のデザイナーやブランドの中にも同じ趣旨を感じるものがすでにありますが、このようなラインで使われる多種の素材についての物作りとその対応は真剣に考えていかなければならない課題です。















 2012/08/25 23:55  この記事のURL  / 

プルミエールヴィジョン 2013-14 A/W シーズンのポイント
 9月に行われるPV展では、秋冬全体を捉え素材感を特徴とする豊かでセクシーなシーズンを作り上げるために、熟考するセンスとフィーリングを大切にすることが再び求められます。
・たっぷりと手ごたえのある包み込むような素材感
・滑らかさやストレッチ性
・大胆で自由な発想を持つ色や柄
・スポーツとエレガンスを同じシルエットの中で表現する
・日常を忘れさせるようなドキドキ、ハラハラのファッションストーリーを描く
などのポイントが挙げられています。
 このために三つの物語(テーマ)が用意されます。
 今シーズンは素材をファッション全体の中で考えることが試みられています。
 私見を交えて予測をまとめてみました。

時代の物語 Stories of time
 過去と未来の間を行き来する時代錯誤的シルエットを作り出す素材。
 毛足やビロードタッチ 装飾的 絵画的 マトラッセ ふくれ 堂々とした光沢
 イミテーションレザーやアニマルスキン ガードル効果のあるストレッチ
 コンパクトニット 濃密なカラー ダークなマルチカラー使い
などが特徴です。

冒険の物語 Stories of adventure
 冒険の舞台は都会。大自然と大都会の風景を一つにするような素材。
 アクティブスポーツとファッションの一体化。旅の装い。アウトドアとファンタジー。
 暗号やコード化する 擬態 カムフラージュ
 重く高級感のあるもの ダブルフェイスとリバーシブル スポーティーなウール
 ハイテクで高性能の紡毛 秩序を撹乱させたような表現(絵画的な迷彩柄など)
 モワレやマーブル柄 写真によるグラフィカルなデザイン
 表裏別の色使い 思い切ったアウトドアーカラー 都会風ナチュラルカラー
などが特徴です。

フィーリングの物語 Stories of feeling
 誘惑、空想に感情を傾ける。鏡のいたずら、サイケデリックな歪みの世界を楽しむ。
 セクシーにも慎み深くにもなれるような素材。ソフトで官能的な素材。
 身体を包み込むような厚み フェルト モールスキン ベロアタッチ
 ウエットスーツのようなボンディング
 官能的で滑らか ウルトラソフト 羽のように軽い
 うっすらとした柄 まだら ブラシ加工
 砂糖をかけたような艶 柔らかな影のような色 刺激的なビビッドカラー
などが特徴です。

 言葉の表現と実際に展示会で見る色や素材感には格差があります。
 一ヵ月後の報告でご確認ください。 
 2012/08/20 23:07  この記事のURL  / 

プルミエールヴィジョン2013-4 A/W 予測
 9月19日からパリで行われるプルミエールヴィジョン展の予測が少しずつ発表されています。
 7月にN.Yでのプレビューでは21色のカラーが提案されました。
 今シーズンのカラーは、素材の持ち味やデザイン、シルエットと一体化した表現が大切なようです。
 ビビッドな色ともいえる中間色8色は跳ね返るような強さよりも濃厚さを感じます。
 このところ毎シーズン登場するダークな色は深まる秋を感じさせますが、どこと無く神秘的で陰のように寄り添うような6色です。
 パステルは砂糖菓子のような甘さと人工着色料、香りの高いアメリカのジェリービーンズのような7色です。
 色名と近似色を出してみました。
 画面では大体の様子しかお伝えできませんが来月の展示会情報にてご確認ください。




1 tears of hope(希望の涙)グリーン
2 heart of granite (花崗岩の心)つぶつぶのあるグレー
3 golden syrup (ゴールデンシロップ)黄土色
4 purple haze (紫色の霞)フーシャピンクのような紫
5 drop of drama(ドラマのドロップ)濃厚な赤
6 majestic orange(マジェスティックオレンジ)オレンジ
7 copper broth (コパー色のスープ)茶
8 superhero(スーパーヒーロー)ロイヤルブルー




9 haunted forest(幽霊の出る森)深い緑
10 blue melancholy(ブルーメランコリー)濃いブルー
11 strange earth(見知らぬ地) 深いオリーブグリーン
12 mystic violet(不思議な紫)青みがかった紫
13 elixir of youth(若さを保つエリキシール)少し紫がかった赤
14 lyrical wood(叙情的な木)こげ茶




15 shaded pearl(陰のある真珠)淡いグレー
16 incognito (お忍び)甘いコーラル
17 digital cloud (デジタルな雲)薄紫がかったブルー
18 bitter yellow (ビターイエロー)グリーンがかった黄
19 iron mauve (モウブ色の鉄)グレーみの混じったモウブ
20 ruddy chemistry (血色のよい化学物質)鮮やかな赤
21 endless blue (終わりのないブルー)ブルーの混じったグリーン

※タイトルの邦訳はイメージを伝えるための参考であり、公式のものではありません。
 2012/08/13 19:33  この記事のURL  / 

秋立ち上がりの黒
 8月第一週の秋のウィンドウは意外にも黒が存在感を示しました。
 例年はウール系やダウン、毛皮などを使った軽くて暖かなコートやジャケットが季節の切り替えを表現します。
 キャメルやパープル、茶やグリーンがよく使われていましたが、今年の秋のスタートは薄手の素材を使ったドレス、ブラウスやジャケットが登場しています。
 セールも終わり、暦の上では秋でも実際は猛暑続きの日々には大きな矛盾を感じますが、そんな違和感が少しずつ解消されてきているような気がします。
 黒で表現するスリムなラインやエレガントなディテール、透け感や軽さ、プリントモチーフ、ジャカード柄、話題の水玉など、トレンドカラーとしての存在感はなくなったもののやはり奥の深い色といえます。
 でも今年の秋のウィンドウは多彩に変化しているように思います。
 恐らく黒も秋のパステルやグラフィカルなモチーフなどに変わるでしょう。
 そのぶん目は楽しめますが、この秋は何色が流行るのかなかなか見当が付きにくいかもしれません。
 そんな中で黒は格調が高く、素材を選び、クラシックでもありモダンにも欠かせない色であることを実感します。









 2012/08/05 21:41  この記事のURL  / 

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名前:北川 美智子
Michiko Kitagawa

テキスタイルディレクター

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