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東コレ2012-13AW(JFW)
 銀座、渋谷、六本木でファッションショーやアートイベントを開催しているファッションウィークですが、今シーズンのコレクションは独自のコンセプトを強く打ち出しながらも全体に着安さ、楽しさ、神秘的な美しさや可愛さを感じさせました。
 中でも素材の大きなテーマでもあるナチュラル感は粗野感ではなく自然の美しい色や優しい風合い、微妙なドレープなどが、天然、化合繊を問わず巧みな表現力で登場しました。
 気になったコレクションの幾つかを順次ご紹介します。

「Cune」(キューン)(デザイナーは安田裕紀氏)
 1994年にスタートしたこのブランドは 過去に発表したテーマ「腸」と「白目」が不評だったことへの再挑戦として、今シーズンはインスタレーションの形で商品を紹介しています。
 特徴はなんと言っても白く丸い目玉の釦と紐のように、又は一筆書きのように表現された腸です。
 どちらもあまりにリアルでファッションのテーマとしては異質なものですが、茶目っ気たっぷりなディテールや付属として使われ思わずくすっと笑ってしまう楽しさがあります。
 プリーツスカートやジャケット、デニムアイテム、ニットワンピース、カットソー、シャツ、靴など(メンズ向けも含み)縫製、カッティング、シルエットとも商品の出来栄えのよさを感じました。
 このことが少々奇異とも取れるこのテーマをユーモアに変えてくれるのかもしれません。
 ブラブラしたピンクのニットの腸や太いコード刺繍で表した腸、丸い白目はちょっと変わった可愛いシュールです。









 更に興味のある方はwww.cune.jpへ。
 2012/03/27 22:14  この記事のURL  / 

PVより来シーズンの素材予測
 プルミエールヴィジョンの概略をお知らせしてきましたが、日本の店頭もやっと春たけなわの様相を呈してきました。
 次回のリサーチ状況をお伝えする前に、PV全体を通して2013年春夏の素材ポイントをまとめておきたいと思います。
 帰国して一月の間にそれを裏付けるような新鮮な素材が東京の店頭でも見られるようになりました。
 厳しい時代は未だ続きそうですが、新しいエネルギーが感じられるのが何より嬉しいですね。


 Premiere Vision 2013 S/S 素材のポイント

・合繊(特にポリエステルとナイロン)が堂々と存在感を持つ
・ハリのあるシルエット、フォルムを形作る、のりを利かせたような感覚を表現する素材。ボリューム感、丸みのあるシルエットを作る素材。
・プリーツ、洗い、しわなどでふわっとした感覚、流動感、揺れを感じさせる素材。
・つるんとした素材で身体に沿った滑らかで流れ落ちるようなしなやかなラインを作る素材。
・透ける素材。アイレットやケミカルレースで手持ち感のある素材。ランジェリー風の柔らかく繊細なレース。シルクオーガンザ、カンレーシャ、ゴースなど、ハリハリ感で風をもてあそぶ。
・二重織りはハードからソフトへ。肌合いの優しさが大切。
・三層、サンドイッチ型はコーティングや防水、撥水機能を付加させ、更に機能性を高める。ゴワゴワ感も機能効果を感じさせるもの?
・クレープ、梨地などの繊細な凹凸感がプレーンの代表格。
・ポリアミド(ナイロン)が脇役として大活躍。
・ざっくりした織り地。バスケット、ブッチャー、網のような織り目。
・細番手の高密度。手持ち感のある、しなやかさ。
・厚地の合繊。軽く反発力のあるもの、アクアラングウエアのような。
・色が決めてのツィード。(春色の爽やかな華やぎを表現)
・メッシュ、網のような、資材のようなラッセル。
・プラスティック素材。それに似た仕上げ加工、コーティング。
・相変わらず多彩なレース。付属からガーメントの素材として存在感を増す。
・豊富なプリントに圧倒されるほど。花や幾何。フラットから滲んだものまで。










25色、25種類の味のボンボン
 2012/03/20 23:17  この記事のURL  / 

PV テーマとキーワード 3
Special Dernieres スペシャル・デルニエ(6号館)

 前もって行われる周到な準備に間に合わず、開催ぎりぎりに運び込まれた出来立てホヤホヤの素材を一同に集めたフォーラムがあります。
 新しい試みや手の込んだもの、思案を重ねた自信作など型にはまらない思い切った素材が並ぶのでコンパクトでインパクトのあるスペシャルデルニエを毎回楽しみに見ています。
 分類はジェネラルフォーラムの三つのテーマや用途別の各テーマに見られるものと重複していますが、全体を通して強調されるポイントが浮かび上がってきます。
 ファクトリー名や品質は荷札のようなタグに手書きされ生々しさがあるのも楽しい演出です。

キーワード
・fluidity(多数の出展) サテン調、滲んだようなプリント
・delicately washed デニムから綿麻のシャツ素材まで幅広い
・rural elaborations レース、刺繍 デニム地にファンシーな加工
・lively irregularities 二重織り ふくれ 柔らかい
・blurred (二通りのパネル)ポリエステルに滲むプリント ウラ毛 ざっくりニット ジャージー 箔 ジャカード スパンコール(シルクの軽い素材に)
・graphic neatness チェック ボーダー 日の丸 水玉 幾何柄
・hazy 多種多様のプリントミックス
・precise irregularities ジャージー ヒッコリー調のストライプ シャツ地
・plastic 光り コーティング ビニール これらにプリント
・smooth density 密度 ハリ(オチよりも)
・soft garden 花畑のよう プリント 鳥 クローバー
・floral simplicity 
・elaborated transparencies レース アイレット 薄地 オパール
・evanescent 透け透け
・spontaneous 中〜大の花柄 プリント 刺繍やレースと組み合わせファンタジックに
・tropical 植物プリント
・frow レース 装飾
・colored スパークリング ラメ スパンコール 箔 ジャージーのボーダーにも
・precious gleam 光り色々 メタリック 金銀中心
・vitality color ビビッド カラフル
・ethno graphic 茶色 レース 光沢
・stretch compact 二重織りにも
・double face 多種多様
・shivering ふくれジャカード ヒダ サッカー しぼ 





 2012/03/14 00:41  この記事のURL  / 

PVテーマとキーワード 2
用途別テーマ

ジェネラルフォーラムの様子から2013年春夏の素材のポイントは知ることができますが、
ここ数年素材の切り口として最終用途を意識したテーマでの分類を続けてきました。
テキスタイルは何に落とし込まれ使われるかが最大の目的であるだけにこの四つのフォーラムは大きな目安になります。

4,5号館の広い会場にいくつもの風合いや光沢、透け具合、重さを確かめることが出来るのは素材展の醍醐味です。
でもともするとあまりの多さに分類や区分を忘れてしまうこともありますね。
実際にテーマをタテとヨコで解釈することも出来るし、
重なる部分もあって更に色のインパクトや各々が感じるテーストの違いなどもあり、
誰もが納得するテーマや分類を作るのは困難なことと推察します。

そんな中、継続して「Seduction」「Pulsation」「Relax」「Distinction」のテーマが掲げられ
年月や時間の経過と共に内容にも少しずつ変化が起きましたが
素材と時代の背景がリンクしていて分かりやすいように思います。

今シーズンのSeductionはファンシーで美しい夢のある世界を作ってくれる役割りを持ちますが、
現実味も兼ね備える素材が増えました。

Pulsationはテクノロジーを使ったものがスポーツと結びつき更にオシャレ感覚が備わりました。
市場と共に来シーズンは最もホットな展開を見せそうです。

RelaxとDistinctionはナチュラル感やミニマリズム、メンズウエア感覚などをテーマにしていますが、
先シーズンからそのブリッジの役割りをシャツが果たしています。
シャツが注目アイテムであること、トラディショナルやスポーツに欠かせないこと、ポロシャツやブラウスに近いものまで、トップスとして広く私たちのライフスタイルに浸透しているからでしょう。
この二つのテーマは隣り合って一つのフォーラムになっていました。

特徴とキーワードは次の通りです。写真はPV本部がプレス用に発表したものから選びました。

1 Seduction 
ファンシーで流れるようなラインを作る素材。ドレス、アンアンブル、ファンシーなコートやジャケット。
クチュールエレガンスや自然を強く意識している。
・ plastic gleam
・ transparence (虹のような色)
・ shivering
・ kinetic geometry (水玉+プリーツ+グラデーション)
・ bold pleats
・ vegetal luster
・ rural hysterica 透け感 花園 蝶
・ home interior scales 大柄
・ jarring gardens ビーズステッチ キラキラ ネオンカラー ジャカード
・ champagne  デリケートかつ豪華 繊細と大胆
・ ethnic signs
・ その他






2 Pulsation 
スポーツからランジェリーまで。テクニカル素材(機能性) 活動しやすいウエアの世界。
・ outdoor stretch
・ meticulous protection
・ shock proof
・ functional transparency 蝉の羽のような素材
・ silky sensations
・ solar protection UVカット
・ fast dry 速乾
・ organic crops
・ eco-friendly finishings ナチュラル仕上げ
・ vegetal technicals 植物染料
・ rubberized 薄いゴムのよう
・ cottony feel 綿のような合繊



3 Relax 
カジュアルなデイリーウエア スポーツウエア ジーンズの世界。シャツやデニムアイテムからワンピースまで。
シャツ
・ semi plains
・ full of lines
・ bar codes
デニム
・ clean
・ supple
・ lightened
・ fantasy
アウター
・ lived in
・ waxed
・ plastic mania
・ naturally coated
・ rubber


4 Distinction 
エレガントでフォーマル、そしてテイラードの世界。ジャケットやドレス、スーツ、コート、シャツアイテムのために。
・ cottony ultra-neatness
・ water proof elegance
・ technowool
・ impeccable
・ bonded
・ glazed & satiny きれいな色
・ crepe fluidity
・ 100 herringbone 繊細なヘリンボーン
・ wool/linen
・ intense fluidity
その他
 2012/03/05 20:33  この記事のURL  / 

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名前:北川 美智子
Michiko Kitagawa

テキスタイルディレクター

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