« 前へ | Main | 次へ »
2012春夏向け 展示会 アディダス展 ラコステ展
 合繊の進化や素材に課せられた機能性を考えるとスポーツウエアの広がりに目を見張るものがあります。
 競技用やユニフォームとして専門分野を作ってきましたが、90年代からそのラインを拡張し枝葉をつけ別の花を咲かせる妙技を見せてくれます。
 身体を動かす、健康、安心、安全、ゲーム感覚など、スポーツの持つ基本概念をはずさず、他方でファッション性、デザイン性を融合させブランドに新鮮なインパクトを与えました。
 世界的にファンに支持されている幾つかのブランドからアディダスとラコステの展示会を見る機会を得ました。

Adidas
「アディダス・オリジナル」
 ブルーコレクション、オリジナルデニム、ロッド・レーバー(シューズ)、ポロシャツ、とお馴染みのアイテムを扱いますが、伝統、ファッション性、機能性が程よくバランスが取れていて魅力的です。
 ポロシャツとシューズに更にシンプルと爽やかな味が加わりました。
 デニムは今年から真のオリジナルになり(以前はディーゼルとのコラボ)ビンテージやストレッチ、デニムショーツにも力を入れています。
 特にブルーコレクションではカジュアルでスポーツテーストを強く抑えながらエレガントなヒールやストラップシューズも加えています。




※クリックで拡大


「アディダス・ネオレーベル」
“自由でキミらしいスタイルを探す”というコンセプトでファッション性にとんだ魅力的なガールズ&ボーイズウエアのコレクションです。
 ナチュラル感を失わない合繊や機能素材とファッションの楽しく夢のある融合を感じました。




※クリックで拡大



LACOSTE
 フランスを代表するスポーツブランドの一つ、ラコステは伝統を重んじるステイタス性で知られており、いまやニューヨークコレクションでも注目されるファッションラインを持つブランドになりました。
 今シーズンから新たにフェリペ・オリベラ・バティスタ(ポルトガル人。ロンドンで学び、2002年にパリコレでデビューした)をクリエイティブディレクターに迎え「カジュアルとイージーラグジュアリーの間の手の届くワードローブ」を発表しました。
 スピリッツは「パリジェンヌ」。
 三つのテーマで構成されています。

Monochic  フレンチシック
Safari en Ville  サファリルックを取り入れたスポーツウエア。
SailAway  ビーチウエア  ラコステらしいポップなカラー使い

 バッグやシューズもエレガントでシック、そしてどこかスポーツを感じさせる遊び心が私たちを楽しませてくれました。






※クリックで拡大

※写真はいずれもカタログより
 2011/11/29 23:49  この記事のURL  / 

尾州展(尾州マテリアルエキジビション)
11月8〜10日 於 恵比寿ガーデンプレイス ザ・ガーデンホール3F

 2012-13秋冬向け尾州産地の展示会が行われました。
 場所も名称も改めての開催です。あえて日本文字を使わない「Bishu Material Exhibition」と題した展示会には三つの大きなくくりと二つずつのサブテーマが付いたコンセプトが掲げられ、厳格さや伝統、重厚さが感じられました。
 ウール産地として歴史も実績もある尾州ですが、新時代を築く過程の中で天然繊維、化合繊を問わず、ウール以外の素材との融合が多くなりました。
 時代の急激な変化と共に全く今までになかった加工や仕上げ、組み合わせ、撚糸方法が取り入れられています。
 それが今のアパレルや小売りの求めるところでもあるからでしょう。
 尾州展には欠かさず見に行っている身として、今回は参加17社の商品の中に“尾州らしさ”を強く感じさせてくれる現代のウールが沢山あったことに共感をもちました。
 尾州のウールといえばすぐツィードやフラノが浮かぶかもしれませんが、まさに歴史の中に新しさを加えるともいえる“軽さ”“薄くしなやか”“温かみを感じさせる優美さ”などを発見しました。
 これらの素材はテーマの枠を越えて手に取る人にアイテムやデザインへの思いを大きく広げてくれます。
 難しいコンセプトよりも素材が雄弁に語ってくれるのかも知れません。
 ほんの数点ですが、会場の様子と注目した素材をご紹介します。

テーマ
ULTRA SECRET (ウルトラシークレット)
       HIDDEN(隠されたもの)
       CRYPT(聖堂地下室)
ULTRA FEMINITY (ウルトラフェミニティ)
       LADY PRETTY(レディープリティー)
       ANTIQUE CHIC (アンティークシック)
ULTRA PREHISTORIC (超有史以前)
       MOTHER EARTH (母なる大地)
       IRON AGE (鉄器時代)





素材(テーマ順不同)

1アルパカ混パネルジャカード(宮田毛織工業株)
W32 Pe50 アルパカ18




2アルパカループカット (株ソトージェイテック)
W59 N11 アルパカ27 ラメ3




3アンゴラ・カシミアフラノ(三星毛糸株)
アンゴラ50 カシミア20 ポッサム30




4アルパカループ(後藤毛織株)
W68 アルパカ22 N10




5シャギー調起毛(林実業株)
W66 アルパカ17 N17




6パッチワークチェック(林実業株)
W86 N14




7タムジャカードシャギー(宮田毛織工業株)
W32 アルパカ18 Pe50




8フリンジパネルボーダーシャギー(岩田健毛織株)
W85 N15




●アルパカ入りに魅かれるのも来シーズンの特徴を物語るのでしょうか。
 2011/11/21 21:58  この記事のURL  / 

こだわりのガーメントを作るための素材の工夫
 春もの素材展の予定が3.11の災害の影響を受け変更されました。
 その分、来秋冬ものの展示会には「思い」の込められたものが多いように思います。
 そこで今シーズンは比較的小さくまとまった素材展に注目しました。
「PLUG IN」に参加したファクトリー、「Textile Network」に初めて参加した機屋さん、形を変え新たな方向性を打ち出そうとしている尾州産地の総合展「THE 尾州」など、各々の立場で新しい時代を目指してものづくりをスタートさせています。
 こうした展示会の様子は幾度となくお伝えしてきましたが、今回は初展となる「Japan in East Knit」での様子を簡単にまとめました。
 同展は東日本のニットメーカーによるOEM、PB生産のためのニットの総合展という位置づけです。
 参加は福島ニット、五泉ニット、見附ニット、大田ニット、山形ニットに属する23社のニットメーカー。
 横編みとカットソー、素材から製品までを扱っています。
 ホールガーメント製品も多種出展され、日本のニットの進展ぶりが伺われました。
 印象に残ったものの一つに(有)フォルツのマーブル染めがあります。
 一点一点に手仕事が加わるもので、同じ柄にならないのが特徴です。
 水にテレピン油などで油膜を張り、染料を流して形を作り染め上げる手法は、配色の美しいマーブル模様を生み出します。
 中心は30番単糸の14G(ハイゲージ天竺)の編地を使ったもの。
 素材は綿、レーヨン/シルク、これにポリエステル麻の編地を重ね、透ける効果をねらったものなども魅力的でした。
 手間のかかるものとビジネスはえてして反比例しますが、これからのオリジナリティーの高いもの作りには欠かせないポイントでそのバランスが課題です。




写真は全て(有)フォルツの製品

有限会社フォルツ http://www.forze.co.jp/
 2011/11/13 21:45  この記事のURL  / 

「gredecaqnaグリデカナ」展
 10月はじめに行われた梶原加奈子さんによる「グリデカナ」展の素材は、そのあと続いた2012年SSのアパレルや雑貨、ひいては2013年春夏に向けたテキスタイルトレンドへの思いをかきたてるものでした。
 美しく生き生きとした素材が、そのよさを最も生かしたものへと商品化された様子をお伝えします。

 テーマは「NATUREROID」(ネイチュアロイド)。
 nature とandroid(アンドロイド:人造人間)を合体させたものです。
 人間に限りなく近づこうとするアンドロイドと自然に限りなく近づこうとするネイチュアロイドを、アフリカの部族(トライブ)の変装の面白さに例えるかのように素材やアイテムに落とし込みました。
 自然とテクノロジーの融合を目指しています。

「ペーパーヤーン」はエクアドル産のマニラ麻を原料にした紙にプリントを施し、細長い短冊状にカットして糸に撚りあげラッセル編みにしたものです。
 カラフルな配色ですが繊細さもあり、案内状やポスターにも使われました。





「コンブ」は触感がまるで海草のコンブのようなナイロン素材。
 張りと皺がとてもナチュラルです。
 小松精練とのコラボです。





「リバーシブルジャカード」人気のリバーシブルジャカードは2配色で新柄が登場しました。
 帽子、バッグ、スカーフに展開されています。



「有松しぼり」は手仕事の奥の深さを感じさせてくれるストールに仕立てられています。
 チェック地に絞りをかけたり、アフリカ調の色使いがとても新鮮です。





「デニムジャカード」は藍染ではないことから色落ちがしないことが特徴です。





 そのほか塩ビに転写プリントを施し、3枚あわせて水彩画の水のイメージを施す。
 綿を裏に使い配色をし、塩ビの部分にパンチ(穴)を開けて相乗効果をならったもの。
 包帯要の綿ガーゼにインクジェットを施し柔らかさとのアンバランスを楽しむ。
 同じ柄のジャカードと転写プリント。
 楽しいモチーフやキレイな色が魅力の靴下などなど、グリデカナの商品は沢山のインスピレーションを語りかけてくれます



 2011/11/06 21:06  この記事のURL  / 

« 前へ | Main | 次へ »
名前:北川 美智子
Michiko Kitagawa

テキスタイルディレクター

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリアーカイブ