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2012SS PV 3 梶原加奈子コレクション(株)ソトー
 今シーズンのP.Vには日本から26社のテキスタイルメーカーが出展しています。
 潟\トーのブースでは梶原加奈子さんの新コレクションが展開されました。
 3年余前、パリのエスモード校の一室で展示会をして以来、着実にヨーロッパやアメリカのデザイナーの注目を得、かつ国内でも素材とともに昨年はその持ち味を生かした製品のブランド「グリデカナ」を発表しています。
 今シーズンのテーマは「Camouflage of earth」(カムフラージュオブアース)。
 岩や土、石のイメージを余りナチュラルになりすぎないよう心に留め、モダンにカムフラージュしたい(梶原さん談)とのこと。
 見る人触る人にとってどこか新しく未知の世界を感じさせてくれる素材です。
 ナチュラルの表現にはコットンやリネンにポリエステルやナイロンをミックスしてデニム風に、カルゼなどの畝を立たせたもの、麻の持つ皺感を生かしたり、皺にステッチ効果を加えたものなど、バリエーションが充実しています。
 コットンを基調にポリウレタンとナイロンを使ったジャカードのフクレもトレンドを感じます。
「フォトジャカード」は写実的な図柄をあえて崩してぼかしたような表現が特徴。動きや立体感のあるプリントになっています。
 テキスタイルの範疇をぐっと広げた資材からの転用も彼女の得意とするところです。

 ぱりぱりしたペーパー風のラッセルは、タテにポリエステル、ヨコに王子製紙の「Ojo」のスリット糸をつかったもの。
 ポリエステルのメッシュ風のラッセルや不織布に転写プリントを施したもの。
 見た目にも触感にもコットンのようなポリエステルなど見るものを飽きさせません。
 大きなヘリンボンは麻100%とポリエステル100%の2種類があり、ざっくり感は共通していますが、張りやしなやかさに差があります。
 カルゼタイプはコットン100%とポリエステル100%、C/Pのミックスで同じように作り上げていますが、畝の表情、光沢、各々の風合いに特徴を出しています。












(写真は梶原加奈子コレクションより)


 今回のコレクションは天然繊維、化合繊の融和を行いながら麻をポリエステル風に仕上げるなどの新しい感覚の表面感やタッチと、ベーシックな織りにムラ染めやステッチ効果をもたらすなどの更なる工夫が加えられています。
 価格と量の課題が着いてきますがこのような時代感覚をとらえたクリエイティブな素材が、多くのデザイナーやマーチャンダイザーの目に留まることを願ってやみません。
 2011/02/28 01:01  この記事のURL  / 

PV 2012 S/S 2
 GeneralForum
テーマ・イメージ・キーワード

 昨年にもまして明るさや楽しさが打ち出され、その反面緻密に計算されたナチュラル感が充分に表現されました。
 革新ともいえる機能性や色のぶつけ合いはきちんとベーシックを押さえた後の広がりでもあります。
 そんな意味をこめて「広い視野」で思考するという強い姿勢でシーズンの方向性をうちだしました。
 不均衡、不完全、混沌に深い関心を寄せ、軽快で愉快なアプローチを行う、そのためには柔軟な意志を持ったり、個性を発揮することが大切。
 一見シンプルなようで実は複雑であり、ちぐはぐのように見えて本質を感じさせる素材を沢山目にしました。
 そんな効果を狙ったかのような表面変化、繊細な透け感や光沢、自由奔放な柄、色のミックス、ファンタジックなレースや刺繍が、メンズ調、スポーツ風を問わずいたるところで見られました。

 特別テーマとしてダイロン(ファッション、テキスタイルの研究開発プロジェクト)と企業グループによる「サーモボンディング」(熱接着)の先端テクノロジーが提案されました。
 接着という技術が縫製分野にまで広がることを試みています。
 表裏のボンディングから部分をつなげる接着や洋服作りに大きな影響を与えそうな気がします。

 General Forumは「attitude」として三つのテーマを設けています。
 キーポイントは1月のブログでお伝えしましたが、会場の展示の様子と素材イメージ、キーワードをご紹介します。

Perspectives(展望)
 技術と洗練が融合したようなファブリック。
 建築資材に触発されたような革新的な素材。
 これらの矛盾を結合させたり組み合わせたりする素材と、溶接とも呼べる組み立て方によるハイテク仕立ても登場する。

・透明感  抜けるような(ストレッチナイロン、半透明)
・ architectured transparency(軽い、ピケ、膨れ、畝、つまみ)
・ smooth density(滑らかで密度のあるもの)
・ variable Geometry
・ restrained shine
・ smoothed−out corners(コンパクト、二重織り)
・ airy carapaces(甲羅のようなふくらみや皺)
・ airy apullence(つぶつぶ感、ワッフル状)
・ fabiric articulations(波、鎧、ゴムのような)
・ architectured trans parency(柔らかい)
・ weightless constructs(穴あきレース、ネットにスパンコール、海の泡のような)
・ variable geometry(幾何柄)
・ fluctuating geometry(大きな水玉、刺繍風、不安定)
・ plastic breezes
・ noble regurarity
・ fully matt(厚手のコート地、合繊)
・ polished materials
・ shape−memory materials(形状記憶)
・ material refinement
・ restrained shine(レースからごわごわまで)
・ gold dust(カラー参照)
・ light−infused material
・ perly mist
・ anti show off
・ solid materials(硬さ)
・ curved sculptures(丸み)









Openmind(オープンマインド)
 小気味よい生意気さや不均衡が大胆な対比や不完全な調和を作り出し、折衷的で開放的なファッションを生み出す。
 極端なまでのスポーツマインドは、シックなものと興味深いコントラストを作る。
 ニュートラルカラーはマルチカラーと同居し、プラスティックのような光沢はナチュラルと連携する。
 強制されることを否定して独自性や自由奔放を主張する。

・ あるがまま なすがまま
・ urban rawness
・ urban primitive
・ plasutic shines
・ exuberant decors(多色縞、花畑)
・ bizarre natural world(風変わりな)
・ storng personality(ごわごわしたもの)
・ raw(生成り 麻)
・ brazen alliances(柔らかいもの 硬いもの)
・ strenge nature(プリント、葉)
・ exuberant nature(フェミニン、生き生きとした、華やか)
・ sturdily tender(二重織り、ソフトデニム、膨れ、ジャカード、ピケ、ざっくりデニム)
・ cut−up flowers (ジャカード、プリント、レース、モダン、千代紙風、アールデコ風)
・ agglomerated(密集した、ざっくりも、ツィード、ジャージー、プリント)
・ unusual alluabces(70年代風、薄地に水玉、ネットに水玉、水玉プリント)
・ deceptively rigid(硬い)
・ opposing combinations
・ urban tribal
・ plastic lipstick(ラミネートコーティング、濡れたよう)
・ modern primitives (下地にレースやレザー、ブッチャーを使ったプリント)
・ sophisticated ethnics(レース、レザーレース)
・ seeming paradox(コギン刺繍、横畝、ドンゴロス、両面)
・ eclectic(大柄、薄地)
・ multicolour confrontation(対決するような)
・ energetic assemblies(一面スパンコール、カラフルプリント、チェック、大ネット)
・ joyous collusions(プリーツ)







Sense & Essence(感性と本質)
 回顧趣味ではなく現代の技術によって、より豊かになる本質と感性。
 シンプルなファブリック。
 天然、合繊の緊密な交じり合い。コレラハ更なる新しい触感と性能を生み出す。
 色は洗ったりオーバーダイをかけて微妙に変化させるがどれも清潔感を残す。
 服は装飾を排除し簡素にして素材を引き立たせる。
 包み込んだり、巻きつけたり、たたんだり、軽くドレープをつけたりして、素材の端はしまでファンシーさを失わない。

・ デニムのbond−in
・ attention to detail
・ creative thermo welded
・ smoothed asperities(微起毛)
・ barely slubbed(スラブ糸のかすかなざらつき)
・ slender precisions(ウールの強撚、膨らんだピケ)
・ extreme delicacy(柔らかなワッフル)
・ sky textures
・ barely washed
・ perfectly imperfect(色、ぼかしジャカード、ツィード、ギンガム、にじみ まだら)
・ willing discretion(繊細な厚地、二重織り、細かなコーデュロイにレース、パキっとした ダーク)
・ glazed powder(パウダリー、無地、メモリー、デニム)
・ hand drawn(手描き、30年代風も)
・ delicate suggesirous(レース、線画、陰影)
・ exceptional(縮み、膨れ、刺繍のようなふくれ)
・ sensitive geometry(70年代風、膨れやタフタ風に幾何、ジャカードのプリント)



 2011/02/22 00:12  この記事のURL  / 

PremiereVision 2012 S/S
2月8〜10日にパリ郊外のパルク・ド・エクスポジションで行われたプルミエールヴィジョン(2012SS)展のレポートを、数回に分けてお届けします。



1,カラー

上昇するように配置された24色が提案された。
豊かで変化する色たちで構成される。
元の部分にアースカラー、ストリングス(紐や糸)の色、ゴールド、ホワイトが配され、全体を和らげたり、鎮めたり、補い、明るくする役割を持つ。
エネルギッシュであり、甘美であり、軋むようなまたは繊細な調和を作り出す。

パレットは 
・白くなりすぎず色味のあるペールトーン
・ナチュラルとドリーミーの合間のハーフトーン
・暗くなりすぎず色素が詰まったようなダークトーン
の三つのグループ。
インパクトの強い大胆な選択が行われ、マルチカラーに注目する。
 2011/02/17 22:15  この記事のURL  / 

2011年春立ち上がり
 2012SS向けのプルミエールヴィジョンが来週パリで開催されます。
 市場での実シーズンでもその兆候を見ることができ、トレンドとの整合性や差を感じます。
 来年どの素材がどのように加工されて新鮮に映るのだろうか、市場ではどのような反響があるのか、など色々思いをめぐらせます。
 夏ともなると求められる機能性も多い、しかし価値と価格のバランスが冷静に問われるようになった最近のマーケットではなかなか一筋縄では行かないことが容易に想像できます。

 前評判では麻の進展が期待されています。
 市場でもすでに見られますが、秋冬のクラシックラインの継続を思わせる上質でシンプルなラインには麻とともにしなやかで柔らかい綿が使われています。
 しかしよく見ると糸の撚りに工夫がしてあったり、裏に微起毛がかかってひと味違ったタッチになっています。
 一見ベーシックでも、70年代調といわれているものでもどことなく「今の時代」そのもののイメージが伝わることが商品価値として認められるところですが、そこにはスレスレの際どさもあります。
 昨年春立ち上がりシーズンには化合繊の活躍が際立っていましたが、今シーズンは天然繊維調の見せ場が多いような気がします。
 しかしテクニックが施され機能や新タッチ(触感)をもった綿や麻や絹は化合繊と錯覚するものであったり、逆のこともあり素材の複雑さを物語っています。

 一方市場ではラグジュアリーやステータスブランドの地位はゆるぎないものですが、日常のオシャレ心を充分に満足させてくれる様々なテーストやグレードのブランドが新たな存在感を持ち始めました。
 ラグジュアリーブランドのセカンドラインもこれに当たります。
 個人的な見解ですが、ランバンオンブルーやレッドバレンチノ、ジルサンダーネイビー、マークバイに魅かれるものがあります。
 素材とデザインのバランスが絶妙なことは言うまでもありません。
 綿や麻の価値観をどのようにアピールするかは簡単ではありませんが、PVの素材を見て次シーズンのマーケットが描けたら最高ですね!







 2011/02/06 00:00  この記事のURL  / 

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名前:北川 美智子
Michiko Kitagawa

テキスタイルディレクター

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