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ラコステ2011年春夏展
 テキスタイルの新しい活用の場としてスポーツウエアが注目されています。
 専門性の高いアクティブスポーツウエアから派生したカジュアルやストリートファッションとしてのスポーツウエアはメンズ、レディスを問わず更にグレードも幅広く市場性を持つようになりました。
 最近スポーツウエアやスニーカーを柱にしているブランドのファッション化が注目されていますが、今回はその中からラコステの春夏商品を一部ご紹介します。

 フランスのブランドでありながらNYコレクションに参加しているラコステの狙いはヨーロッパの伝統的なクラシック感覚を持ちながら、明るくモダンでミニマルな世界を表現するところにあるようです。
 クリエイティブディレクターのクリストフ・ルメールの今シーズンのテーマは「スポーティー&シック」。
 クリーンでクリアな表現の中に気楽さや遊び心を込めたものです。
 素材はコットンを中心にナイロンやウルトラスエードが適度なボリューム感とフィット感で登場しています。
 根幹のインスピレーションでもあるテニスウエアをどこか感じさせながら、一方でモダンなクラシックの世界が伝わってきます。




※クリックで拡大

 展示会場では同シーズンに向けた通常のラインが発表されました。
 かの子のポロシャツは紳士を中心に配色のラインを入れた新提案がなされています。
 同ラインの婦人ものは襟の配色を変えた天竺で同じシリーズを感じさせる細やかな配慮がされています。
 レディスのギフトを意識してリバティの花柄(ベティ)を綿とナイロンで展開しています。
 布帛、ジャージー、プリント、無地、そして配色と素材とアイテムの広がりを持たせ、シャツからパーカー、小物まで対応しました。
 カラーはコレクションにも見られたマーキュリーオレンジやブラッドレッドといった明るいさわやかなオレンジ系が目立ちます。
 一方でプレッピーを強く意識したようなグリーンやブルー、ピンクなどが要所々を引き締めています。
 紳士の鹿の子のポロシャツは定番に新色を6〜7色加えた25色で、婦人は新色5〜6色を加え18色で展開。
 ハート型のワッペンは赤と紺に絞りクラシックテーストを表現しています。
 ラックに掛けられた様々なアイテムの赤、オレンジ、グリーン、黄、紺、黒などと2色ボーダーがクラシックな中にも華やかな躍動感を伝えています。
 来春の店頭が楽しみです。





 2010/11/28 22:37  この記事のURL  / 

尾州展
「ジョイント尾州」展として続いていた尾州産地の展示会が「Bishu Material Exhibition」2011/12AWと名前を変えて11月9日から11日まで恵比寿のザ・ガーデンホールで行われました。
 参加は21社。
 トレンドでもある「クラシック」の影響もあって市場では久しぶりにウールのコートやジャケットが目に新鮮に映ります。
 忘れていたものを思い出すかのように、ホッと人心地を付く人も多いでしょう。
 中でもツィード素材がその演出に効果的な役割を務めています。
 デザインやシルエットによって素材使いが大きく変化しますが、その観点からも今回の尾州展は的確な製品見本(ガーメント)を伴い「ウールを見たい、触れたい」というユーザーたちに応えるものでした。
 掲げられたコンセプトやテーマは理解が難しくても、提案された素材そのものがわかりやすく深さや広がりを感じさせてくれます。
「北欧風」「自然で優しい」「ドラマティック」という内容が各々の色と素材で提案されました。
 表面感や糸使いの新鮮さ、ベーシックなフラノタイプをさらに変化させたもの、二重織り、ニットのバリエーションなど、気になる素材をご紹介します。


○テーマ「Far North」 (北欧風)
  アウター向け、ペブルツィード(粒粒感のあるツィード)シャギーチェックなど




(1)ロービングツィード 森織物合資会社
   W83/P10/R5/N2



(2)ループカットシャギー 中伝毛織株式会社
   W49/Mo35/N16



(3)ランダムスクエア みづほ興業株式会社
   W68/Cu32 (写真右)
(4)リバーシブル 石慶毛織株式会社
   W60/C38/P2 (写真左)



(5)絣スラブツィード ファインテキスタイル株式会社
   W68/P21/R11



(6)ガーゼダブルワッシャー ファインテキスタイル株式会社
   W80/N20



(7)シャギーチェック 三星毛糸株式会社
   Mo63/W34/N3





○テーマ「Human Escape」(自然で優しい)
  優しさ、フェミニン、エレガント 色がポイント



(1)ウールキュプラスーパータンブラー  ファインテキスタイル株式会社
   Cu51/W49



(2)エタミン起毛 昭和毛織株式会社
   W100



(3)モコモコラッセル 後藤毛織株式会社
   W93/N7



(4)ストライプラッセル 森織物株式会社 
   P90/N10



(5)モヘアファンシー 渡六毛織株式会社
   W42/C24/N15/Ac11/Mo8





○テーマ「Theatrical」(ドラマティック、エキセントリック)
  ダーク、きれい、秋らしい



(1)ウィントンベネシャン 三星毛糸株式会社
   W100



(2)梳毛アンゴラ二重織り 長大株式会社
   W64/Ag30/P3/N2/Ca1



(3)テンセルストレッチポンチ 株式会社モーリタン
   Te67/P33



(4)シルケットポンチ 渡六毛織株式会社 
   C47/W31/S12/N9/Pu1
   
 2010/11/23 22:06  この記事のURL  / 

gredecana(グリデカナ)オープン
 テキスタイルデザイナーの梶原加奈子氏のプロデュースによる「gredecana−MovingTextile(グリデカナ)」ブランドがスタートしました。
 このブログにも何度か登場していただいた梶原さんは日本のテキスタイルのクリエーションを担うデザイナーの一人です。
 よいパートナーやチームに恵まれ“商品”としてのテキスタイルの企画を行うと同時に商品開発や新しいもの作りに挑戦しています。
 その特徴は特定地域や限られた機やさん、加工やさんにとらわれずに日本の産地を廻り技術を結びつけ、さらに共有するところにあります。
 彼女の作る素材の中には時折テキスタイルだけで満足してしまうものや、手の届かない存在?と思うほど高度な技術を結集させたものがあります。
 これらも含んで「MovingTextile」と名づけた新しいテキスタイルの使い方を製品にまで作り上げたコレクションが「gredecana」です。
 これらのこだわりの美しいテキスタイルや新しい発想のもとで使われる技術は、コンセプトにあるように姿や形や色や柄や織りを自在に変化させ、私たちの暮らしを包んでくれるものとして商品化されました。
 10月に北青山にオープンしたフラッグショップはバッグ、スカーフ、雑貨を中心にしたラインアップで構成されています。
 大量に作りコストを削減することとは正反対ですが、一つ一つに作る人がこめた気持ちが伝わってくるような、商品としての価値と価格のバランスに納得するものがあります。

写真1 上質な素材と様々な技の詰まったストール



写真2 資材用のポリエステルを使ったボーダーのバッグ 手作りの房つき。



写真3 色と風合いを吟味したタオル(今治)



写真4 麻にプリント 17色(17版) (京都)



写真5 カットフリンジを施したメタリックチェックのデニムジャカード(岡山)

 2010/11/19 23:48  この記事のURL  / 

11-12AW向け素材展 2
桐生テキスタイルコレクション2011 (10月21〜22日)

 安定した開発力を持つ桐生産地で最近話題になっている、澤利一氏率いる「TexBox」はニードルパンチの草分け的な存在です。
 でも“昔ながら”とか“伝統的”名という言葉がまったく相応しくないことと、逆に未来志向さえ感じる同社の素材は絵の具をパレットの上に置いて混ぜ合わせたような、同時に膨らみやふんわり感、グラデーションやミックスを自在に作り出してくれる絵画のようです。
 二枚の布の間に何かを挟んだり、フェルト化したような起毛の味わい、曖昧な色と色の境目の美しさなど、ナチュラルでファンタジックな表現に魅せられます。



米沢テキスタイルコレクション 2011A/W

 優雅なジャカードに定評のある米沢織の展示の中で、「東北精錬」が研究開発中のニットをフェルト状に加工した製品に興味を持つバイヤーを何人か見かけました。
 軽さやバルキー調がポイントの横網みに縮絨をかけ、やわらかさを失わずに安定感を出したり、フェルト化を楽しんでいるような製品加工の商品です。
 同社は染色や整理加工の会社ですが、その技術を生かしてこのような最終用途にまで範疇を広げての挑戦にぜひ期待したいものです。



テキスタイルネットワーク展(TN展)

 決して広くはない会場の小さなコマで、各社が一押しの商品をディスプレーしている様子に思わず触れたくなるような親しみを持ってしまう展示会です。
「みやしん」と「福田織物」が作るFMプロジェクトでは、職人のプライドが伝わるような新鮮なツィードを見つけました。
 モヘアの毛足を長く引いたような立体感のあるテクスチュアでスカートが作られていました。
 斬新なウールを提案する「細川毛織」は伝統へのこだわりをきちんと取り入れることに定評があります。
 薄く透けるカシミアのストール、アンゴラ/ウールのベルベット調のチェック、穴の開いた四角いカードをまわしながら織り上げる“カードウィービング”は、一工程ふえることによって独特の程よいふくらみと艶が出ます。(S45,W46.N7.Pu2)
 ベテランはもちろん、若いクリエーターにも支持され、東コレのショーにも同社の開発素材が沢山使われています。



アヴァンティ:PRISTINE COLLECTION

 オーガニックコットンの草分け的な存在でもある(株)アヴァンティの製品ブランド「PRISTINE」のコレクションが発表されました。
 オーガニックコットンを最大限に生かし、優しさも美しさもある自然そのものを感じさせる製品は意外に多岐にわたっています。
 アンダーウエア、ストール、アクセサリー、雑貨、寝具、タオル、バスグッズ、ぬいぐるみなど。
 今シーズンは特にオーガニックコットンと麻のミックスによるソフトで上品なストールが際立っています。
「オーガニック」という制限を大切にしながら縫製の糸、染色、仕上げにも条件に適った物を使い自然の味を損なわない努力をしています。
 妥協を許さない徹底したもの作りは、多少高くても納得のいく価値観をもち、確実にフアンを増やしています。
 写真は「PRISTINE2011SS」展のご紹介です。







 2010/11/07 00:56  この記事のURL  / 

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名前:北川 美智子
Michiko Kitagawa

テキスタイルディレクター

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