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2011−12AW PremiereVision まとめ カラー
 来秋冬に向けたシーズンカラーとして三つのグループに分け、23色が提案されました。
 全体感としては強いコントラストを狙うよりもやわらかいものからぶつかり合うものまでカラーミックスが大切になります。

1)more than nourishing (滋養のある)
 No.1〜8
 温かみやコクがあり滋養が凝縮されたカラーグループ。
 熟した果実のように親しみやすく食欲をそそられる色。
 レッド、オレンジ、ピンクなどジャムを思わせる色と優しく繊細な湯気のような色調。
2)more than natural (自然の)
 No.9〜16
 力強く、やや冷たく奇妙なカラーグループ。
 自然が残る工業地帯の風景のような曖昧さを漂わす色調。
 凍りついたり、光り輝いたり、鉛色に変わる地平線の色。
 クールで濃厚なブラウン、フィルターを通したような有機的なグリーン、写真のようなカラー表現(人工的な)で現実と非現実をつなぐ。
3)more than essential (本質的)
 No.17〜23
 基本的だが決して凡庸ではない色。
 落ち着いたかラードダーク、柔らかく輝くブロンド、完璧にエレガントで親しみやすいニュートラルカラー。
 オリジナリティーのあるコンテンポラリーカラーは安心感を与え、大胆な飛躍への踏み切り板となる。




11-12AW PremiereVision カラー 全23色名称

No.1 dahlia noir / blak dahlia 黒いダリア
  2 pavot / poppy ポピー
  3 vinaigre d'echalote / shallot vineger エシャロット入ビネガー
  4 coing / quince マルメロ
  5 jus de groseille / gooseberry juice スグリのジュース
  6 rose vapeur / pink vapour ピンクの霧(湯気)
  7 tache de rousseur / freckle そばかす
  8 iceberg / iceberg 氷山
  9 ristretto / ristretto エスプレッソコーヒー
  10 olive / olive オリーブ
  11 absinthe / absinthe ニガヨモギ
  12 peau d'ane / mule back ロバの皮
  13 anti-gel / anti freeze アンチフリーズ
  14 sate / satay サテ
  15 oxyde de bronz / bronz oxide ブロンズ色の酸化物
  16 the fume / smoked tea スモークティー
  17 nuit / night 夜
  18 cookie / cookie クッキー
  19 mine de plomb / pencil lead 鉛筆の鉛
  20 selgris / salt marsh 粗塩
  21 conifere / conifer コニファー 針葉樹
  22 blond platine / platinum blonde プラチナがかった金髪
  23 titane / titarium チタン





 ダークカラーはそれぞれのグループに散り、押さえや必要なコントラストのために存在します。
 人気カラーはそのほとんどが2と3のグループから選出されているところを見ると、ベーシックやクラシックが基調になることは変わらず、一方で豊かで豊満、生き生きとした動きのあるカラーミックスの大胆さが積極的に使われそうです。
 カラー一覧と呼称、人気カラーを参照してください。
(一部適切な翻訳が見つからないものは原語で扱いました。前回も含めて会場で拾ったキーワードなどは、フランス語が混じっていたり記録違いもあるかも知れず、お詫びいたします。)
 2010/09/26 23:23  この記事のURL  / 

PremiereVision 2011−12AW展



まとめー1
 例年より一日少ない9月14−16日の三日間にわたりPV点が開催されました。
 出展社数は682社で、前回の2月の開催に比べ5,7%増加です。
 最も多いのがイタリアの321社、次いでフランスの87社、トルコ47社、イギリス35社、スペイン30社、日本とポルトガルが27社となっています。
 気になるアジア勢では韓国22社、台湾10社、中国3社となっていて、今後の中国の出方が注目されます。
 日本からの27社のうち初出展は瀧定大阪、坪由織物、日本綿布テキスタイル、Kライン、セーレンの5社です。
 会場には7つのフォーラムが作られ、その中心はGeneralForumです。
 三つのテーマで提案されたファッションと素材の方向性を簡単にまとめました。



1 Rigorously Offbeat(リゴロウスリー オフビート)
  −粛々と常道を外すー
 クラシックを基本とし、自由奔放にひねりが加えられた素材。
 しなやかで流動感のあるウール。厚みがありフレキシブルなニット。
 ウォッシュをかけたり機能性を加えたオーセンティックな素材。
 織り組織を強調したもの、幾何学パターン、コントラストのあるダブルフェイスなどが際立つ。
○会場での素材のくくり(キーワード)
・Tastily Fruity レース ボンディング ネップ
・Hilightening Visibility 凸凹
・Amplifying Singularity デコボコ ジャカード フクレ 立体的
・Foiling Geometry 細かな幾何柄 カットフリンジ ビーズ
・Defying Rectilireality 縦の畝 プリーツ
・Casualised  裏表が異なるチェッ
・Two earout  ダブル チェック
・New Strict デニム調 ウール 縦のしわ
・Upsetling Classics +ストレッチ 洗い
・Easy Living ヘリンボーン ギャバ サキソニー
・Rich Modesty 高密度 ハード
・Dense Fluidity デニムから厚手合繊まで
・Non Boxy テロテロ 厚みもしっかり レース
・Dazzling Simplicity ジャージー 中肉素材
・Matt Density レース





2 Authentic & Eccentric(オーセンティック&エキセントリック)
  ―「伝統と前衛」を用途、色、柄、風合いの中で自由に操り新たな個性を生み出した素材―
 ツィードを中心とした紡毛素材に大きな変化が起きたことになる。
 ベロアやデニム、さらにイミテーションファーも益々の進化を感じる。
 チェックやフォークロア、高機能を持つ天然素材、エコ素材、十分に手を施した刺繍や
レース、パッチワークなど。
○会場での素材のくくり(キーワード)
・Vibrant Intensity 表面感 柄物 デニム
・Abundant Generous
・Lively Roundness 大柄
・Soft Weight デニム調のふっくらキルト
・Luxurious Heaviness
・Lourdeur Noble
・Compact 厚地で軽い ふくらみ感
・Deceptively Austere
・Naturally Imperfect
・Fierce Softness
・Dented フクレ ジャカード
・Riotous Felts 縮絨 ブランケット
・Warmly Quiet レース
・Waxed and Rough 艶感
・Eye Fooling ツィード スパンコール カットボイル
・Torsades Cables ケーブルステッチ
・Rustic







3 Poetic Conqusts(ポエティック コンケスト)
  −詩情あふれる領域―
 自然をさらに追求する中に「不思議」が存在したり夢と現(うつつ)の境を発見するような詩的イメージの表現。
 テクノロジーと心理作用が接合したような世界観。
 ウールの温かさに軽くファンタジックテーストが加わる。
 テキスタイルを重ねることで微妙な表現や温かさ、柔らかさを強調する。
 ダブルフェイスの再構築から多層構造まで。
 ロマンティックな要素を持ちながらテクノロジーを加えソフトさと高性能を持つ素材。
 未来志向も併せ持つ。
 2010/09/20 14:05  この記事のURL  / 

店頭に見る秋の素材
 前回もご紹介しましたが、今年の秋の立ち上がりは記録破りの残暑でなかなか秋の気分にはなれないものがあります。
 一方ではファストファッションとは異なるグレードやこだわりのあるものが少しずつ動き始めていることも確かです。
「ツィード」は素材の面白さや豪華さが魅力であることが挙げられますが、このような季節にズレが出たときは消費者に与える印象は難しいものがあります。
 アパレルデザインと一体化して「ツィード」の魅力がどれだけ引き出せるかが課題です。
 猛暑の秋立ち上がりは改めて素材の役割りを痛感しますね。

 そんな中でウールの訴求が様々な方法で店頭を飾っています。
 一つはウールならではの手仕事風の味を出したもの、もう一つは懐かしいようなウールの持ち味をストレートに表現したもの、そして遊び心一杯のパッチワークやオブジェ風のものなどです。
 少しでも新しさや差別化のために素材自体にこだわること、アパレルデザインにこだわること、使い方にこだわることなど、バッグや靴、インテリアまで様々なアイディアや工夫が凝らされています。
 さらにジャージーやニット、レザーやファーなどにも広がりウールに新しい風が吹くかもしれません。





 2010/09/07 22:14  この記事のURL  / 

rooms展
 市場の流れが今までとは違う!という実感は、このところの展示会を見ても強く感じます。
 先のIFF展もそうですが、主催者側の努力もあって出展内容がとても充実してきたように思います。
 rooms展そのものについてはホームページその他で周知の通りですが、来春夏に向けて「rooms21 NEXT」が8月31〜9月2日まで国立代々木競技場で開催されました。
 これからのデザイナーを育てるインキュベーターの役割りや、個性やこだわり、アイディアにあふれたものが約420社(ブランド)出展しました。
 階上から見てもぎっしりと並ぶ小さなブースが今までにない数の多さを感じさせます。
 有名どころや実績のあるブランドと肩を並べて初めての参加や「デビューです!」と熱く語るデザイナーも沢山いました。
「大手に任せて置けない」という機運が伝わりクリエーションの高さに驚くと同時に、「一点もの?」と思わず尋ねたくなるようなものもあり、ビジネスを考える立場としてはいささか疑問も持ちました。
 しかし小売りの形態がこのように変化してる今、売るチャンスは限りなくあるのです。何よりも彼らにとって一度に沢山売れる、大量に生産することに抵抗を感じているようです。
 創作の意図を伝えたい、思いを解って欲しいという気持ちがあること、そして大手のバイヤー(名の通った全国の百貨店やセレクトショップ)が沢山来場していることを思うとこれからの仕入れの方法が変わると感じました。
 この10年の変化に対応していくには、売り方も作り方も今までにない土台の上に立っての新たな仕切り直しが必要になります。
 同展に来春夏の素材トレンドを見つけるとしたらナチュラル感のある天然繊維風と合繊にストレッチなどの機能性を持たせた軽く薄い素材でしょう。
 素材が一人歩きしているようなものは殆どありませんでした。
 さらに服飾雑貨の出展が多く、その中ではカラフルでポップな表現に沿った使われ方がされていました。
 作り方、売り方、買い方の変化は商品の領域を超えたものになっています。
 そんな思いを痛感する充実したrooms展です。
 会場でいくつもの気になるブランドに出会いました。
 丁寧なもの作りとこだわり、そして充分とはいえないがビジネスを考えた小さなブランドをご紹介します。

「LOWRUNDER」(ローランダー)
 市井じゅんや、斎藤菜奈両氏のアイディアとデザインによる素材の再利用をテーマにしたものつくりをしています。
 写真は手刺繍をしたテーブルクロスを利用して丁寧に作られたガマ口スタイルのポーチとバッグ。
 裏地にもプリントや刺繍の布を使っている。
 バッグの縫いは職人に任せるものの最新の注意を払って裁断をする、布の配色を一点一点決めていくなど殆ど手作り感覚です。
 古着やアンティークの布で作るぬいぐるみやブローチ、ユーモアのあふれた雑貨のグループとシャツやワンピースなどのガーメントを作っています。

 このような洋服だけではなく、素材も布帛だけではなく、カットーソーや横網みニットも自在に組み合わせるなど、適切な言葉ではないかもしれませんが、「間口を広く奥行きを浅く」という感じに異議を唱える人も多いようです。
 でもこのことが一つの変化の象徴のような気がします。

www.roomsroom.com


 2010/09/02 20:29  この記事のURL  / 

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名前:北川 美智子
Michiko Kitagawa

テキスタイルディレクター

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