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レース
 かつて無い市場の変化に伴って、それにも増した素材を取り巻く環境の厳しさが気になります。
 アパレルトレンドの推移に同調することはもちろん、素材独自の仕上げ加工、機能性、透け感や光沢感などにも日進月歩の開発が行われていることが複雑さにつながるのかも知れません。
 合繊を中心に高度なテクノロジーを駆使したハイテク素材は世界で高く評価されていますが、同時に先シーズンより市場で少しレトロ感覚の「レース」が見られるようになりました。
 レースにはウエディングドレスから下着まで多岐にわたる使われ方がされますが、フォーマルやおしゃれ要素の高いものを別にするとリボンや下着などに使われ付属素材の分野に入るという位置づけが一般的です。
 一方で「刺繍」と同様に扱われることも多く、両者がミックスされて使われることもしばしばあります。
 日本ではミセス向けに夏のプリントドレスに並んでレースのブラウスやスカートが人気になったシーズンもありました。
 そんなところから若い人にとって綿のアイレットレースや細いステッチ刺繍と組み合わされた総柄のレース素材がレトロと捕らえられるのでしょう。
 昨年のプラダのコレクションに見られたケミカルレースのコスチュームやバッグは新鮮なインパクトを与えました。
 以来、市場でもリバーレース、チュールレース、トーションレースなどが急増しています。
 格調の高さを追求したコレクションラインはもちろん、ネットやメッシュのような目の細かな編み物のレースはカジュアルラインまで幅広く使われています。
 レトロ、懐かしさ、優しさ、豪華さなどを思わせるレースは今までにないデザインやアイテムの広がりで全く異なった世界を表現するような気がします。









 2009/07/26 00:24  この記事のURL  / 

秋の立ち上がりはやっぱり黒?!
 市場がこれほどまで不確かだと秋の立ち上がりへの興味も薄らいでしまう感がありますね。
 ここ数年、秋のスタートは6月の第1週に伊勢丹からというのが楽しみでした。
 今年は服をはずして雑貨やインテリアなどにシフトしたかのように見え、少し遅れてのウィンドウプレゼンテーションのようでした。
 かつてのような思い切った秋の様子というより、薄い素材を使った汎用性の広いもの、そして黒と白で「Season in Autumun&Winter」というテーマでまとめられています。
 全身黒もあり、反射してよく見えないマネキンも沢山いました。
 D&G,リミフー、アルベルタ・フェレッティー、メゾンマルタンマルジェラ、サンローラン、フィロソフィーと人気どころのブランドが並びます。
 マスターマインド・ジャパンのニットが際立っていましたが、今年の秋のインパクトが何であるかは、例年に無く不明な気がしました。
 春にも黒と白がたくさんありましたから・・






 ミウミウもやはり黒と濃紺。
でもこちらはきわどささえ感じさせるセクシーな表現にやはり新鮮な興味を持ってしまいました。
 素材と色、そして形(デザイン)のどれかひとつでも季節感を感じさせてくれるはずなのに、というのが正直なところです。
 少しずつ秋がやってくるのでしょうか。

 2009/07/20 22:52  この記事のURL  / 

フリル現象
 今春最も目に付いたディテールはフリルではないでしょうか。
 見慣れたフリルが小さなものから大きなうねりのようなものまで、さまざまな部分に使われています。
 その素材も千差万別。
 軽くオーガンジのような薄い素材もあればタオルのようなテリークロスも使われています。
 これらのフリルは華やかさはもちろん、可愛さ、可憐さの表現でしょうか。
 ビーズやスパンコール、刺繍などの装飾効果を狙ったものが継続していますが、その延長線上にフリルのバリエーションも加えられているようです。
 いくつになっても「カワイイ」が大好きな日本の女性のために、少しナチュラルな手作り要素の感覚を持つ一連のフリルの人気はまだまだ続きそうです。





 2009/07/12 00:05  この記事のURL  / 

技とデコレーション
 安価で楽しいファストファッションに納得したり感激していましたが、素材を見る目にとっては生地値を割り出すことに驚きを禁じえないことが多く、こんなことでよいのか、と不安を覚えるようになりました。
 そんな中、季節柄セールに入りましたが値下げをしないラインもあり、使われている素材にわくわくしたりホッとするものを感じました。
 そのひとつは共布をカットして優しく刺繍にしたものと大きくタックをとりフリルのようにデザインしたもの。
 上質なコットンに淡く上品な色使いでプリントされた素材を効果的に使っています。
 光るわけでもなく派手なコントラストカラー使いでもないのに優雅な華やかさが漂います。






 もうひとつは鉱物や岩を思わせるような、異質な感じさえ持つ新しい素材感です。
 光る糸を数種類引きそろえて織ったもの、脹れジャカード風のものでラフィヤ糸を使ってハイテクでもあり、岩のようなナチュラル感もあり、軽く、といった不思議な味わいの素材です。





 どちらも技が感じられ、素材の新鮮さが伝わります。
 2009/07/06 00:16  この記事のURL  / 

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名前:北川 美智子
Michiko Kitagawa

テキスタイルディレクター

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