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パリ・プレタポルテ展−1
1月末にパリ・ポルトドベルサイユで開催された09−10秋冬向け既製服展は、数年前からその領域やコンセプトに変化が出てきています。



集合型の大規模な展示会ですが中心となっているのは「プレタポルテ展」(PRET A PORTER PARIS)と「フーズネクスト展」(WHO’S NEXT)です。
その他にアクセサリーの「プルミエールクラス展」(1ERE CLASSE)、ランジェリー、子供服なども併催されます。
プレタポルテというイメージに対応するかのように同展ではやや大人の女性に向けたエレガントなラインが中心でしたが、次第にカジュアル性が高まってきました。
今シーズンはバービー人形が生まれて50年を記念し、デザイナーによる人形衣装で50年のファッションの歴史を披露しました。




テーマとコンセプトは次のとおりです。

1)21−09  future と tradition
現在に軸足をおいて過去への思いや遺産を探す旅、テクノロジーや精神性を重んじた未来への旅。




2)abra cadabra(呪文?)
エッヂとファンタジー クリエーションに富んでいてスーパーナチュラルの味わいがある。
パンツをはかない女性。




3)N&B B&W 
フェミニンとマスキュリン 黒と白のみで表現 インテリジェンス ダンディの中の極めつけのフェミニン インクのダークブルー




コンセプトを解読するのが難解なテーマですがインスタレーションを見ると民族、地域、歴史、インテリジェンス、テクノロジー、自然などへの思いがいたるところにあらわれていました。
 2009/03/31 22:14  この記事のURL  / 

東京コレクション・ウィーク
今シーズンの東コレはキャットウォークのショーを外し、AMBIANCEやLuxe by PLUG INで小規模ながら自身のコレクションを丁寧に見せたデザイナーが沢山います。
ヨーロッパでもその実力を認められている秋山フミオさんもその一人。
彼の特徴は合繊のドレスやコート、ジャケットを格調の高いものに仕上げることです。
一見ベーシックでプレーンなポリエステル素材を、撚糸にこだわり、風合いに執着し、軽さ、適度なハリ感、ソフト感で勝負しているように見受けられます。
素材がプレーンな分タックやフリル、ギャザーなど素材感を引き立たせるようなディテールにもこだわり、全体のシルエットとともに少しカジュアル要素を持つエレガントなプレタポルテラインを作り出しています。



若干25歳の吉崎結一さんのブランドGANGLIONはやはり上品なプレタ感覚の丁寧なものづくりが印象に残りました。
軽くざっくりとしたニット、上質のウールとファーを組み合わせながら遊び心のあるデザインがベーシックな味わいに個性を加えています。
色も素材も絞り込む潔さに将来を期待したいデザイナーです。



福岡に拠点を持ちながら、東京伊勢丹、梅田阪急を始め全国の主要百貨店ですでに販売を始めているUNDER CASTLEは宇宙空間を思わせるメンズの「クロスウエア」コレクションです。
この意味はインナーとアウターウエアの両方の意味を持つもの、更に動きを妨げずに身体を暖めてくれるという一枚で暖かくスマートな機能性と省エネも兼ねるというエコロジカルな面のクロスオーバーの二つの意味があります。
デザイナーの下城進一郎さんはニューヨークでも活躍しているアーティスト。
ボディに対するアーティスティックな切り口が未知の世界に飛び込んだような新鮮な衝撃を与えています。
中心となっている素材は旭化成の「サーモギア」を使ってグンゼが進化したアンダーウエア素材として開発した“ホットマジック”です。
ソフトで優れた吸湿発熱性のあるのが特徴。
これをアンダーウエアからアウターまで、機能性と感性を十分に発揮しながら展開しています。
ここに「宇宙」のテーマが合体し更に魅力的なラインが完成しています。

 2009/03/29 00:40  この記事のURL  / 

プルミエールヴィジョン6
SpecialDernier スペシャルデルニエール

出展社の最新作とも言える前日に持ち込まれた製品を徹夜で作業して整えたフォーラム。
ファッションテーマ(キーワード)にあわせて分類し、手書きのラベルを貼ることで生々しさを一層盛り立てる。

キーワードと素材
・ bruts かすかな光
・ rough ラフ ツィード 甘め ザックリ
・ refind vegetal 植物に関連した素材
・ translucent 玉虫 ファンシー
・ washed レースから光物まで
・ shivering 柔らかタッチと光
・ frissonnants ぼかし
・ tricolores ストライプから大柄まで
・ check 小〜中のチェック 光沢 サッカー
・ ultra matt ジャージーやガーゼ
・ 3D 織り変化 つまみ細工からレース
・ wet gleam ビニール メモリー
・ fluid てろんてろん PTT風(伸縮性のあるポリエステル風)
・ lustrous lacy film 麻にビニールを混ぜたような 点描柄 黒
・ bucolic プリント 華やか
・ airy レース ファンタジー
・ pixels プリント スパンコール M.ローランサンのような色使い
・ lachistes 中小柄 プリント
・ precious reflections レース モアレ 光沢 ベルベットに箔プリント ベージュ+グレー+シルバー
・ eristallins 透明度の高い パール付きチュール スパン付
・ opaque lightness スキンタッチ(N100%)にプリント ペーパーナイロンのプリント 
・ whitened 白っぽさ プリント ジャカード
・ partial transparency カットジャカード
・ precise 地味系小チェック
・ binary 白、黒 手の込んだもの 赤、白 2色
・ simples ジャージー ボーダー 水玉



 2009/03/08 00:31  この記事のURL  / 

プルミエールヴィジョン5
※ジェネラルフォーラム続き

3) Secret Nobirity(内に秘めたような高貴さ)
本質的なものと特別なもの 倫理と審美の合体
快楽主義と慎みの調和 退屈と節度
豪奢より優美 内面の贅沢
細部の豊かさなどが大切

・ 外観のみならず素材そのものの完成度を高める。きめ細かな表現
・ ノーブルな素材―ピュアで高密度のシルク エクストラファインの梳毛ウールとモヘア 滑らかなリネンとラミー シルク カシミア 綿麻の強撚 
・ デリケートで高性能素材―心地よい皮膚感覚のタッチ 高性能な合繊をリサイクルする
・ 慎み深い透け感―トランスペアレント トランスルーセント トレーシングペーパー ダマスク 刺繍 内側に隠された装飾 ダブルフェイス(裏面にこだわる)

会場で見たキーワードと素材
・ linen―y nobility 麻の風合い
・ linen―y distination 麻風合いのしなやかさ
・ naturally noble 薄手 しなやか
・ structured limpidity 薄くやわらかなネット ジャージー
・ moving evanescense からみ 張りからふんわりまで 細い糸使い
・ non−violent combinations ナチュラルを引き出すような加工 刺繍 コーティング
・ virtuoso discretion 表ギンガム/裏ベルベット



4) Fluctuations(揺らぎ)
会場のコーナーはスモーキーなメッシュパネルを使い、黒グレー白などで表現された。
生命の力に導かれ時間と運動の影響を受けて変動する揺らぎの世界。
実りのある優しい出会いや活気あふれる組み合わせを引き起こす。
・ 生き生きしたテキスタイル−カラーや仕上げを工夫しテキスタイルの性質や外観の変身、変化、変貌を狙う

・ 成熟―洗いやエメリー(味起毛)を施し古びた柔らかな外観を作る 着古したイメージ
・ Turbulent揺れー脈打つような表面 イレギュラー表現 変化のある糸を組み合わせる 均一ではない糸を緯糸に挿入
・ ナノな起伏(リップル)−グラニテ シアサッカー 畝織り オットマン
・ 優しく刺激的―ドライでザラザラした ソフトな感触 ペーパーヤーン(ドライかつソフト) リネン ヘンプ イラクサ 膨らみのあるクレープ
・ 混成パターンーハイブリッドでグラフィカルなプリント ジャカード 刺繍 相反する特徴を組み合わせるパターンを使う

会場で見たキーワードと素材
・ stimulating static 目立たないが確かな表面感
・ lively deteriorations 滲み 透け デニム風 ローケツ染風
・ mutations joviales 表面に粉が吹いたような素材
・ tender alterations 絹のスカーフプリント 同じ柄をタオル、プリーツ、ゴースにも ワックス染め風
・ paisiblement brutus 張り
・ silently aged デニム風ウール
・ gently prickly ジャージーのようなタッチ 張り感のあるもの
 2009/03/03 13:47  この記事のURL  / 

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名前:北川 美智子
Michiko Kitagawa

テキスタイルディレクター

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