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新素材
今回のジャパンクリエーションはCBFとの併催で新しい魅力が加わりましたが、そんな中でこだわりの布を見つけました。
福井県越前市中津山町(旧今立町)の且R崎ビロードでは、ビロード(またはベルベット)と和紙を一枚の布に作り上げました。
紙?、布?と思わず手に触れるとそのどちらともいえないタッチに一瞬言葉を失います。越前和紙とビロードを始め、とうもろこしや帆立貝との組み合わせで新しい機能性や風合いを求めての研究開発が行われていますが、県からの支援を得ることが出来、更なる完成品、バリエーションに向けて力の入るところです。
特に帆立貝を砕き和紙に混ぜて手で丁寧に漉いたものは抗菌、消臭、アトピー、防カビなどの効果があります。ホタテの優れた効能をフルに生かして和紙に、更にベルベットと組み合わせ繊維に活用したことになります。



「紙」や「ベルベット」であってももちろん洗濯も可能。写真は完成品ではありませんが軽く、張りがあり水をはじく機能性がコート素材にも適していることを感じます。
丈夫で軽く鮮やかな色はおしゃれなエコバッグにも大人気とのこと、ナチュラル、エコ、機能性と少々欲張りな素材の今後が楽しみです。
 2008/04/26 22:03  この記事のURL  / 

東コレの素材−3
FUMIO
このところのFUMIOのコレクションはインスタレーションの形で行われています。「静」の状態でコスチュームを発表するのはよほどの完成度が必要になりますが、秋山ふみお氏の素材へのこだわりにはいつもハッとさせられるものがあります。
今回は会場を国立新美術館に移し力強く静かなる華やかさを見せてくれました。主な素材と美しいフォルムを紹介します。

・素材自体に鈍い光沢感のあるポリエステル素材のコートとジャケット。
・クラッシュ加工を施したジャージーのベロアのドレス。
・レーヨンとウールの混紡糸を使った薄くドレープ性に富んだジャージー素材のドレス、トップ ス、スカートなど。
・毛足の短いベルベットにオリジナルの花柄をハンドオーバープリントした素材のドレスとコート。
・二色使いの薄いポリエステルクレープを二枚重ねにして刺繍をし、ハンドで模様を切り抜い たオリジナル刺繍素材のドレス。
・先染めのポリエステルあや織り素材のダウンと中綿のコート。
・レーヨンとポリエステルのストレッチ天竺のドレス。
・バイアスにカットしたポリエステルシフォンをテープ刺繍し、チンツ加工かつ平らに仕上げた オリジナル刺繍素材を使ったドレスとドレスコート。
・シルクのような風合いをもつポリエステルの形状記憶素材(イタリア製)を使ったコート、ドレ ス、ドレスコート。
・ブライトレーヨン糸コットンのミニウラケ素材のドレス。部分にシルクシャンタン。





 2008/04/21 00:56  この記事のURL  / 

東コレの素材ー2
4月7日表参道ヒルズにおいてラコステの08−09AW向けコレクションの展示会がありました。
このところのスポーツブランドの活躍ぶりは世界から注目されているところです。
クリストファー・ルメールをクリエイティブディレクターに迎え本格的なスポーツウエア(カジュアルウエア)のラインを目指しているラコステの商品は、ニューヨークコレクションの中でも最も人気のあるブランドの一つです。
アディダス、ナイキ、Y3などややハードなスポーツウエアやアウトドア用、競技用の素材は日本のテクノロジーを一躍有名にしましたが、一方でトラディショナルなスポーツを得意とするジャンルでは素材の幅が大きく広がる結果となりました。
今回のラコステのラインも「マウンテン・ハイスキー・ホリデー」と言うテーマのもと、機能とクラシックやトラディショナルの感覚がバランスよく取り入れられた素材使いがされています。
ラコステらしいポロシャツからのバリエーションには鹿の子はもちろん、そのボーダー使い、天竺、スムス、微起毛、光沢感のあるものなどでシャツやワンピースまでの展開、様々なブルゾン、プレッピースタイルを代表するようなピーコート、ブレザー、コートなどなど、クラシックテーストを新しい素材使いで新鮮に見せてくれました。中でもウール/ナイロン/PUの布帛はまるでジャージーのように柔らかな風合いとフィット感を持ち、クラシックなジャケットと細身のパンツはスキーと言うテーマを離れた新しいスポーツウエアのジャンルを作っています。

 2008/04/14 22:34  この記事のURL  / 

東コレの素材ー1
08AW東京コレクションの素材について

素材を扱う立場から、シーズンイベントとしてコレクションは多くの情報を発信してくれます。時期を同じくして素材展(一年先の春夏ものから今年の秋冬の現物に近いものまで)、ショート併行して行うところも多い製品展が一斉にJFW(ジャパンファッションウィーク)として開催されています。
08−09秋冬に向けての東コレは期間中(3月10日から15日)メンバー(東京ファッションデザイナーズ協議会)による約45のインスタレーションを含むショーと合同展が行われました。
幾つかのショーを見ただけの判断は難しいのですが、今までとの違い、新しさについて感じたことをお伝えします。

欧米のコレクションにも共通していますが、東コレはベテランの力と若いデザイナーたちの参加による新しいパワーを感じさせてくれるところでもあります。そのことを顕著に物語るのが素材の使い方と言えます。
ブランドやシーズンのテーマに沿って、自在に素材を使いこなしクリエーションを極める大御所と言われるメゾンには、顧客にも素材に関わる私たちにも「さすが!」と思わせるものがあります。
一方デビュー仕立てのデザイナーには高級感よりむしろナチュラルや可愛さ、エッジを利かせた個性的なもの、オーソドックスな伝統を大切にしたテーストが目立ちました。
綿や麻を中心にストリートカジュアルで等身大のラインを狙ったもの、合繊のハイテク素材に挑戦し、フューチャーやスポーツウエアにこなしたものなどルール違反ともいえる素材使いに逆に新しい発見をします。

そんな中、いまや中堅どころとなった「ソマルタ」や「マトフ」はニット(横、丸、経編みともども)と布帛の組み込みの程よいバランス、ふくらみ感が適度なボリュームの表現と包み込むような優しさを表していました。

コレクションの中には日本の産地の応援を得たものもあり、彼らのコラボレーションには今後の日本のモノつくりに大きな可能性を見出したようです。













jfw
 2008/04/13 11:26  この記事のURL  / 

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名前:北川 美智子
Michiko Kitagawa

テキスタイルディレクター

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