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プルミエールヴィジョン08−09AW
08−09AW Premiere Visionが先週パリで開催されました。
ほぼ前年と同様の来場者があったと言われますが、中国勢の増加が気になったというのが正直なところです。
数回に分けて色と素材のポイントをお知らせします。

その1 カラー

4つのグループで計25色を提案。
一見すると秋冬向けの色としては久しぶりに赤みのきれいなグループとグリーンと黄みを帯びた茶系に二分される。



@ No. 1から7迄のオレンジ系や赤を中心に「大胆で危険な関係」
  を表す色

A No. 8から13迄の曖昧模糊とした靄(もや)のような色として濃い
  ピンクや紫系で構成。「先取りをするようなドキドキ感」を表す色

B No. 14から19迄のグリーンやブルーを中心に「波乱万丈の探索」
  を思わせる色

C No. 20から25迄 「錬金術」のように、原材料が変化していく過程
  を表現しているかのような黄みを帯びた色

人気カラーは会場で発表された3日間のバイヤーによる投票を独自に算出しました。

  

意外にも毎シーズン登場していたオレンジ系やベージュ系にあまり票が入らなかったのは何故なのだろうか。
「隕石」や「腐葉土」(腐蝕、腐食質)などのグレー味を帯びた色はトレンドのキーワードとも連動し、紫の根強い人気を感じる。

カラーブックの表紙に見る色は毎回象徴的でもあるが、明るくきれいな風船とは少なからず遠い色たちでもある。
 2007/09/29 00:35  この記事のURL  / 

秋の店頭@
いつまでも残暑が続く9月の店頭です。その暑さに対応するかのようなすける素材が見られます。オーガンジであったり、レースであったり、透かし編みのようなニットであったりしますが、どれも秋の表情をしっかりと見せています。
その中で、見た目は繊細で軽ろやかでありながら、触ってみると意外に強い張り感があったり、フェルトのような硬さのある素材に驚かされます。見た目と触感の違い、期待と実感の違いがその技術の高さを教えてくれるような、近頃にない新鮮な発見です。

           

写真は繊細で軽く豪華に見える透けた素材ですが、タッチはまるで金属を触ったような不思議な感触があります。さては金属ヤーン?と思いきやナイロン100%。でもこの意外性に何となく納得してしまうところがミソかもしれません。
同様の素材感はシルクやポリエステルのゴースのような素材でも見られ、独特の張り感と膨らみ感のような反発性があります。東京コレクションでも何度か登場しました。
予測されたトレンドを目の当たりに見るようなこんな素材を見つけたら是非触ってみてください。
 2007/09/16 21:23  この記事のURL  / 

東京コレクションの素材 B
08年春夏にむけての東コレで見られた素材は、その殆どがデザイナーの手により感性の表現の一翼を担ったといえます。換言すれば、強く主張する際立った素材が無かったことであり、デザインを引き立たせたり、見事に使いこなされていたりという従来のあるべき関係に戻ったといえるかもしれません。透けたり、光ったりということも特別なものではなく、売れるポイントにさえなっています。素材を意のままに扱い組み立て料理し、クリエーションを完成させたメゾンを幾つも見ることが出来ました。

そんな中で特に新鮮な驚きを感じたのは、Noriko Fukushima(福島紀子)のコレクションで見られたタオルのゴブラン織りです。

タオル産地今治で織られたジャカードはタオルの域を超えた印象さえ与えます。会場で配られた資料によると「糸五彩織り(ごさいおり)」(登録商標)−糸偏につくりが五ですがワープロで出てきません、お許しくださいーという名のゴブラン調の織物で、上質な綿で出来ています。デジタル技術を併用する為に伝統の技を活かしながら、複雑な絵画の色まで表現できるようです。(下図はイメージですが絵画やタペストリーのようなモチーフで作られたガーメントをご想像ください)




いつも生活の周辺にあるタオルをゴブラン織りの素材として高め、それをジャケットやスカートに使う技は目から鱗の感がありました。
ジャージー素材がカットソーと呼ばれ、下着でもあるTシャツの主たる素材であったにもかかわらず、今最も注目を浴びる素材となり、あらゆるアイテムに展開されていることを考えると、タオルにも無限の可能性があるように思えてなりません。

注;糸五彩織りは今治の鞄。高の登録商標です。
 2007/09/16 17:00  この記事のURL  / 

東京コレクションの素材 A
コレクションで見られたプリント、先染め、モチーフなどについてお伝えいたします。

春夏の市場には色やプリントが華やかさを添えます。各コレクションのステージにはそれを占うかのような素材の表情が登場します。東コレの前半を終えたところでは、前回に比べてプリントは大柄、幾何、エスニック、モチーフミックスなどの特徴こそありますが、全体には減少した印象が残りました。
しかしプリントに代わって光沢(箔のように光り輝いたり、ラッカーのように艶やかであるものが中心)のあるもの、大胆な先染めの柄、レースなどの扱いに特徴があった感じがします。

ポップで可愛く華やかなプリントでデビューしたドレスキャンプは、今シーズンはより立体的な薔薇のコサージュを敷き詰めたドレスでフィナーレを飾りました。ピンクの薔薇の総柄を思わせ、また、花壇がそのままドレスになったような迫力は、プリントに新しい方向性を示唆したとも言えそうです。

ユージュではアメリカンポップを思わせるストライプやチェックでオトナの可愛さを表現しました。
メルシーボクーのモチーフの楽しさとそれを組み合わせる柄の構成のすばらしさ、matofuのグラデーションをかけたようなハンドペインティング風プリント、SOMARTAの民族意識や文化の原点を問うかのようなモチーフは古くて新しい未来につながるものを感じました。

今シーズンのプリントは減少したからこそ、逆に強く心に刻まれるものがあったような気がします。
 2007/09/09 14:24  この記事のURL  / 

東京コレクションの素材@
「JFW in Tokyo−東京発日本ファッションウィーク」が開かれ、その中心となる東コレが行われました。2008年春夏に向けて欧米のコレクションに先駆けての早い開催として業界での注目が集まったイベントです。

幾つかのコレクションを見た中で、来春夏の素材について気のついたことをまとめます。
残暑の中の秋の立ち上がりとは季節を異にするコレクションですが、素材上では合繊の使い方や重ね着などのスタイリングによって、春・夏・秋の3シーズンをカバーできるものと、綿や麻タッチ、プリントなどでリゾートやストリートカジュアルを表現するものに二分されたような気がします。
残念ながら直接触れてはいないので、確かな素材構成や混率は判りませんが:
☆広いシーズン性を感じるものには、ジャージー素材や合繊(ポリエステルやナイロンなど)での表現が多いこと。ドレープ性やとろみ感のあるもの、微起毛がかかったようなもの、特に透け感を重視したシフォンやオーガンジとは対照的な中肉の合繊の織物(ジョーゼットやタフタタイプ)が使われている。
☆コットンや麻を夏ならではのリゾートアイテムで展開したものが新たなレトロモダンの表現に繋がっていること。
などが気になりました。
コットンが「洗いを中心としたナチュラル感」ではなく高級感や華やかさを感じさせてくれる素材に変化しているのも新鮮でした。
matohuで見られた織り、編み両方の素材をバランスよくつなぎあわせたり、ウールと麻をミックスさせ高級感とナチュラル感を品よく扱うデザイナーも多く見られます。
若いクリエーターたちの素材への関心が並々ならないことを感じます。
 2007/09/08 11:33  この記事のURL  / 

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名前:北川 美智子
Michiko Kitagawa

テキスタイルディレクター

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