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ウールへの期待はいかに??
秋の予感がしてくるといっせいに素材の方向性が取りざたされます。特にコートは売り上げを左右するものとしてウール、非ウールに各社各様の対応を迫られます。
今年はおおむね非ウールに軍配が上がっているようですが、より高級なダウンを使った軽いショート丈のラグジュアリ−コート、という下馬評(?)の商品はまだあまり店頭にお目見えしていません。
8月も下旬に入ると、うだるような暑さをよそに日々秋の気配(冬の気配も含めて)が濃くなります。昨年のこの時期は毛皮のついたニットジャケットにブーツ、高級獣毛混のベーシックなウールのコート、一昨年は非ウールのジャケットやショートコート、別珍のジャケットが店頭を飾っていたのを思い出します。

そんな中で8月は意外にウールが目に付きます。少し厚みのあるジャカードからボイルのような薄いもの、複合素材、二重織りなど様々です。レースを張り合わせたようなもの、布帛と同じように加工が施されたジャージー、見慣れたざっくり感など、素材を取り上げていうより、これらは今までにないコートを表現したり、新鮮なデザインと結びついていたり、或はレトロの大胆さを誇張し、スタイルの重要な要素となっています。

 
 

厳しい戦いになるといわれているウールですが、暑さを尻目にその存在感は案外に大きなものです。
 2007/08/26 23:24  この記事のURL  / 

秋の立ち上がり 4
暑さのあまり、ではないのですがPCがダウンしてしまいブログが書けず失礼いたしました。
この間の記録的猛暑は秋物を考えるなんて!としり込みをしてしまうほどでしたね。それでも店頭は着々と秋の準備を進めています。

昨年と異なる立ち上がりの様子が気になり、少しずつまとめてきましたが、8月も下旬に入り更に意外な動きに驚いています。
「新富裕層」、「格差社会」と興味深い課題が囁かれています。この背景にラグジュアリーブランドの存在があることは間違いないのですが、ファッションを楽しむ消費者にはどれくらいの実感がともなうのでしょうか。これらのブランドについての情報は既にたっぷりと彼らに届いていますが、そんな満ち足りた気分の次には・・・意外にもシンプルで、ベーシックで、少しレトロな品のよいコーディネートかもしれません。

   

いつもコレクションでの影響が気になるミラノの人気ブランドとそのセカンダリーラインは新しい表現にことのほか自信を見せているような気がします。
極上の(ラグジュアリー)素材が使われたシンプルな単品の組み合わせですが、触ってみると実によく計算された素材バランスが感じられます。
「満つるはかけたるが如し」の諺のようにラグジュアリーブランドの満ち足りた世界が「今欠けているもの」を問う姿勢に脱帽です。
素材はそれだけで満たされるものではなく形になって組み合わされて、洋服のスタイルを作る最も大切な要素なのだということに気づかせてくれる店頭です。
 2007/08/23 15:03  この記事のURL  / 

秋の立ち上がりー3 ツィード
冷夏など大外れの暑さ!さすが気分もしてやられています。
でもMDローテーションは予定通り秋をプレゼンテーションしてくれています。

シーズンの立ち上がりのウィンドウは消費者にとって季節へのアッピールを強く印象付けるものです。作り手や売り手にとってはその反応をうかがう絶好の機会でもあります。
今年は各店、各ブランドでそれぞれの秋を打ち出していて、素材の特徴も多岐にわたっています。
この暑さで「秋色、夏素材」という便利な言葉が頭をよぎりますが、実際に新鮮さを感じさせてくれるのは「秋素材、夏デザイン」ではないでしょうか。つまり透けない素材やニットを使った袖なしや半袖のトップスやワンピース、分量感の少ないウールや合繊のジャケット、薄い中綿入りの軽いショートコートなどは、昨年この時期にはあまり見られなかったものです。
これらは夏のアイテムとも組み合わせられて、寒くなれば冬のコートインにも着られるものがあります。

  



そんな合理性さえ感じられる素材として薄手で軽く上品なツィードが気になります。微妙な色合いを演出してくれるツィードをレトロ感やオトナっぽさに走らず新しい切り口として表現するブランドを見かけました。ごく薄手でありながら表裏を異素材で合わせた二重織りやボンディングのダブルフェイスも見られます。素材や存在感も軽くかつ品のあるものです。
素材の持ち味とデザイナーの思いが一つになって極上のカジュアルの表現が出来上がっているような気がしてなりません。
 2007/08/11 10:49  この記事のURL  / 

秋の立ち上がりー2 ニットドレス
秋の立ち上がりー2 

例年秋の立ち上がりの様子をチェックしそのシーズンの予測を立てるよう心がけています。これから梅雨に入る、という6月中旬に暖かそうな秋物を見ることは場合によっては「??」という気分になることもありますが、テキスタイルを考える上ではキュッと引き締まる思いです。

夏のセールと秋の立ち上がりがお客様の期待と共に順序立てられていたのは昔の話。
今は実際の気温、実売り場、段々早まる先取りのプレゼンテーションがズレていて、ウォッチャーの目と頭と気分も錯綜してしまいます。

そんな中で、9月の秋物が本格的にスタートするまで、立ち上がりを追ってみることにします。
昨年は横編みのトータルルックや毛皮をあしらったジャケット類と獣毛混の高級感のあるウールのショートから普通丈(90−95cm)のコートの打ち出しが印象的でした。
今年は先月ご紹介した一見薄手のウールのように見える複合素材、次いでやはりニットへと移行しました。

 



特に新鮮に見えるのがニットドレス。ドレスがベストセラーアイテムであったことを考えれば当然の推移です。ロングカーディガンやニットコートは過去何度も登場しましたが、セーターの延長戦ではないワンピースはすばやくヤングの目に留まりそうです。
細い糸使いの繊細なレースのような編地も出ていて秋のドレスに更に期待がかかりそうです。
 2007/08/03 10:44  この記事のURL  / 

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名前:北川 美智子
Michiko Kitagawa

テキスタイルディレクター

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