Premiere Vision 2018-19 A/W 3 The FORUM
 シーズンの方向性を示す膨大な素材が一堂に集められるフォーラムですが、今回も二つの大きなくくりが提案されています。
「Cloud of Fashion」にある様に
・表情豊かで熱いエネルギーを感じる
・社会的責任、環境への配慮
・ユーモラスなひねり
・現実とデジタルのぶつかりと融合
・テクノロジーは生活の中に大胆に浸透
などのポイントが強く感じられます。

 FORUMの素材は二つのテーマである
・ERRIE IMAGININGS (夢幻的な空想の世界)
・IRREVERENT ELEGANCE (反逆的なエレガンス)
でくくられていますが、中央に二つのテーマに共通するようなキーワードと素材が提案されていました。
 代表的なものをご紹介いたします。

キーワード:
・Compressed knits (圧縮されたニット)








・Asphalt texture (アスファルトのようなテクスチュア)








・Graphic puzzles (グラフィカルなパズル)








・Geometric imbrications (幾何学的なうろこ柄)








・Imprinted darks (印刷されて押しつぶされたような暗さ)








・Majestic spontaneity (堂々とした自発性)








・Hollowed diagonals (くぼんだ綾)








・Mismatched (ミスマッチな)








・Merged needlepunchings (交差したニードルパンチ)








・Rubbery handle (ゴムのような手持ち感)





                 
                 (写真撮影 北川美智子)
 2017/10/25 21:42  この記事のURL  / 


2017・FASHION WEEK Matohu(まとう)
 PVの報告の途中ですが、東京ではファッションウィークがスタートしました。
 昨今のコレクションでは素材も多種多様、テーストもコレクションのイメージを彷彿とさせる高価なものだけではなく、日常の中のこだわりであったり、スポーツ意識の高いものやストリートカジュアルに対応したものまでと幅が大きく広がりました。
 PVをはじめ素材展では手の込んだ豪華なものやハイテク素材、日本の伝統を活かしたものが沢山見られます。
 現市場ではこれらの高級素材が存分に使われるケースが減少する傾向にありますが、これは求められる価格と価値のバランスがうまく取れていなかったり、異なるステージにあったりすることが原因の一つです。
 求められる素材価格が低くなっていることも否めません。
 このバランスが取れているときに高くても価値のあるものとして受け入れられることになります。

 matohu(まとう)にその絶妙なバランスを見ることができます。
 matohu(デザイナーは堀畑裕之、関口真希子)の今シーズンのテーマは「かざり」。
 日本の侘び・さび、優雅さ、伝統工芸、古来からのモチーフなどを好んで使い表現する同ブランドには新しい試みのテーマですが、江戸切子を象徴した天井の高いキリコラウンジでランウエイショウが開催され、飾りのイメージそのままのような帽子(オードモードヒラタとのコラボレーション)、豊かな色のモチーフをあしらった靴、金箔銀箔をあしらったバッグ(伝統工芸士とのコラボレーション)、堂々としたアクリルアクセサリー(ミスティックホームズとのコラボレーション)など今までにない新しい表現が加わりました。
 とりわけテキスタイルは西陣の織物、八王子のジャカードなど徹底した国産を使い、国内で生産し、常に日本人としての誇りを感じさせてくれる服作りに、会場では惜しみない拍手が送られていました。















 2017/10/17 18:51  この記事のURL  / 


Premiere Vision 2018-19 A/W 2 カラー
 今シーズンは全21色、タイプが異なる色を使って創造的で陽気な冒険をしよう、と5つのグループで提案されました。
 それぞれのグループは明快な直線のように走り、交差し、溌剌と会話します。
 実カラーとは少し異なりますが、会場でのプレゼンテーションとともにイメージしてください。









1〜7  傍若無人に騒動を引き起こす、陽気で色素がたっぷり詰まったような濃色。











8〜11  マットな又は毒々しいくらいの光沢をもつ謎めいたダークカラー。深遠なカラー。











12〜15 水銀のような光沢を鈍らせたスモーキーカラー。











16〜18  やや甘ったるいくらいのペールカラー。ペーストのようにねっとりとしたニュートラルカラー。











19〜22  既成の権利を認めない現代性を表す色。リッチでニュアンスに富んだ半濃淡。からかい半分に、ユーモラスに。エレガントに生意気に。たっぷりと使うべきカラー。











 会場の天井には白い大きな風船がぎっしりと浮かんでいましたが、時折大きな音をたてて爆発(?)して来場者を驚かせていました。
 2017/10/07 23:34  この記事のURL  / 


PremiereVision 2018−19 A/W展 1 全体を把握するフィルム
 2018−19秋冬に向けたPremiere Visionが9月19日から21日までの3日間パリ郊外のParc de Expositionで開催されました。
 ファブリックを中心に、デザイン(モチーフ)、ニット、アクセサリー、皮革とファー、生産などの一年先のトレンドが予測され、実際の商品が提案されます。
 今シーズン全体を覆うキーワードは「CLOUD OF FASHION」。
 クラウドは雲であり、ネット上のCLOUDでもあり、テクノロジーとファッションのかかわりを象徴する言葉です。
 ファブリックへの出展は801社にのぼりました。
 カラーと素材の発表の場でもあるFORUMでは二つの大きなくくりに分けられ、それぞれに現実的なキーワードによって素材の特徴を伝えています。
 全体のイメージのポイントをとらえ8つのテーマを付けたフィルムがFORUM の中心で上映されました。
 そのポイントをご紹介します。







・VELVET ATTRACTION (ベルベットアトラクション)
   繊細なタッチ  刺繍  凸凹感













・FARCICAL CLASSICS (茶番めいたクラシック)
   チェック  フィルムヤーン  宮廷音楽













・SENSITIVE LINES (繊細なライン)
   バクテリアのような  コード刺繍  滲んだ花  タータンチェック











・TACTILE TEXTURE (肌ざわりのよい、独特の触感のあるテクスチュア)
   穴あき  幾何  粒々  フリンジ  碁石 ひっかき











・SMOOTH ADDITION (スムースな加わり)
   ツィードと花  ジャカード  毛足のある素材にプリント  ニードルパンチ
   木の皮  棘  変化下地にさらにプリント 枯れ木  土











・MYSTERIOUS SHINE (ミステリアスな光沢)
   紫の色味  万華鏡を見るような  ツィード+光  ラメ













・ENHANCED DENSITY (強調された濃密さ)
   マニキュアをした指で感じる風合い  タッチを味わう  ビロード風
   暖かそうな毛羽たち  チェック  ストライプ











・COLOUR ENERGY (カラーエナジー)
   鮮やか  格子プラス  竹組み  二重にぼかした  玉虫 電球 格子や壁










 2017/09/29 01:51  この記事のURL  / 


2018年春物展示会
 このところ規模は小さいけれど素材を知りデザインとパターンの絶妙なバランスを持つ日本のブランドが出てきたことが気になります。
 基本を学び、技術を加えトレンドを盛り込むことが今の時代の求めるところでもあるからでしょうか。

 2018 S/Sの展示会から二つご紹介します。



「divka」ディウカ  http://www.divkanet.com
 デザイナー田中崇順(たかゆき)とモデリスト松本志行(もとゆき)のデュオによる divkaは、日本の素材を使い国内生産がモットー。
 様々なジャージー素材、細番手のウール、布帛、カットジャカードなどで作った身体に巻き付くようなボディラインにドレープ、切り替え、アシメトリー、ギャザーやフリルなどたっぷりの分量感を出しながらもほっそりと見せるカッティングが美しく、大人のエレガンスを感じさせてくれます。













「In Process」イン・プロセス   http://www.in−process.org/
 ロンドンのセントマーチン校で学んだ大原由梨佳とスティーヴンホールのデュオ。
 今シーズンのテーマは「Refind Tropical」洗練されたトロピカル。
 トロピカル、アマゾン、トライバルを様々な角度から表現したプリント、刺繍、ジャカードを中心にモード感を加えたスポーティタッチのスタイルが特徴。
 形状記憶のジャケット、立体感のある刺繍、柄と柄の組み合わせには抑えの無地が使われるなど、プリントが際立つ効果を見せています。













 両ブランドともに海外での活躍に加えて、今後の日本での展開を見守っていきたいものです。

※写真は展示会より。
 2017/09/25 00:35  この記事のURL  / 

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名前:北川 美智子
Michiko Kitagawa

テキスタイルディレクター

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