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コレクションーその光と影ー1
ゴミ拾い

最新の情報や話題の合間に、報道されることのなかった海外コレクションでの裏話や舞台裏を
「コレクションーその光と影」と題して、これまで私が体験してきたことをときおりUPして行こうと思います。

第1回目にも多少書きましたが、私は1979年から春秋の年2回、一度も休む事なくミラノやパリコレクションを32年間撮影してきましたが、華やかなショー会場やその周辺ではいろんな出来事がありました。

つい先頃閉幕したサッカーのワールドカップ ブラジル大会、残念ながら日本代表は予選で敗退しましたが、試合後のスタンドのゴミ拾いが日本人の美しいマナーとして全世界に配信され話題となりました。しかし私はこのニュースを複雑な想いでうけとめていました。

あれは確かパリコレへ行き始めたばかりで、カメラ席が現在のように客席最後方ではなく、カメラマンはステージを取り囲むようにコの字型に陣取り、いわゆるステージにかぶりつくような状態でした。

またその頃から2000年前半まではフィルム撮影のため、コレクションのたびに日本から300本ほどのフィルムを持ち込んでいた。そしてショーが終わるとステージ周辺のカメラ席はフィルムの空き箱とプラスチックのケースで脚の踏み場もないくらいゴミでいっぱいだった。

私が用意してたビニール袋にとりあえず自分の廻りのゴミを袋に入れてると、隣にいたドイツ人カメラマンが、

「なにやってるんだ?」と真顔で私に言った。私はごくふつうに
「汚いから、拾ってるんだ!」すると彼は、
「ホラ、見ろ、そんなことすると、あそこにいる人達の仕事を奪ってしまうんだよ!」、

そこには青いツナギの服を着たベトナムからの移民の作業員達がいた。私は複雑な気持ちになったが、そうした考え方も有るのかと妙に納得するしかなかった。しかしこの事は外国で初めて仕事をする私にとってはかなり衝撃的で、国民性の違いを感じさせる出来事でもあった。


1980年代のパリコレのステージとカメラマン席の場所取り


1980年代のパリコレのカメラマン席
 2014/07/29 13:12  この記事のURL  / 
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プロフィール


大石一男 (おおいしかずお)
KAZOU OHISHI


写真家・フォトジャーナリスト

長崎市生まれ。大学卒業後、テレビ番組の制作に8年間携わる。1979年に初めてパリコレクションを撮影。以降、ミラノやロンドン、ニューヨーク、東京、ソウルと世界のコレクションを長年に渡り撮り続ける。 東京ファションウィークには、第1回目からオフィシャルカメラとして参加。

2013年、第31回「毎日ファッション大賞」鯨岡阿美子賞受賞。著書に「カメラマンのパリコレクション」(読売新聞社)、おもな写真集に「Paris collection 1981〜2000」(新潮社)がある。

大石一男 オフィシャルサイト
http://www.kazouohishi.com/


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