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11月1日、素肌で生きる人のためのスキンケアが生まれます。
スキンケア商品の開発をしよう。そのきっかけは20歳になる娘の肌荒れだった。15歳のときから温度差のきびしいヨーロッパで生活しているうちに、肌はすっかり乾燥肌になり、乾燥ニキビが治らない。「青春のシンボルだから、大人になったら治るよ」といってもそれは大人の理屈。「私にはいまが大事なの」と反論された。「そうだね、いまが大事。一番きれいな時だから、」と妙に納得した私は、いままでの私のキャリアを活かして、娘のためにスキンケア商品を開発することを決心した。それはもう1年以上前のことになる。

スキンケアのもうひとつの原風景は明治生まれの祖母の肌であった。きれいに洗顔した肌に化粧水を何度も何度も浴びるように繰り返しつけているその姿が、スキンケアそのものの基本を教えてくれた気がする。たっぷりと化粧水をふくみ、保湿された祖母の肌は透き通っていてとても美しいものだった。原点に戻り、肌のケアを考える。このことを実現したいと思ったのだ。

しっかりと洗顔すること。そしてたっぷりと保湿すること。この2点に焦点を絞ってのシンプルなスキンケア商品の開発プロジェクトが始まった。チームはOEM(実際に商品を製造してくれる会社)先のプロの女性と、50年以上美容業に携わっている美容家の先生とそのお弟子さんたち、昔からいっしょに仕事をしてきた美容ライターの友人たち、そして、娘。プロ集団でのプロジェクトとなった。「スーと浸透して、いつまでも保湿が持続する成分はないですか」その答えは簡単に見つかった。しかも、植物の中にある。これはうれしいスタートだった。私たちはその成分に注目し、成分量のテストを何度も繰り返した。もちろん、他のすべての主成分もできれば、私たちが口にしている誰もがしっている植物由来のものがいい。これは私の強い希望であった。アルコールフリーで。水にも凝って。香料は顔につけるものだから、さわやかでちょっと癒されるくらいのものを。と次々にイメージができた。

イメージがはっきりすると、研究者たちはすぐさま形にしてくれた。そのサンプル商品を何度も何度も試しては、納得いくまで改良をお願いした。最後は娘の意見が大きく左右した。なぜなら、彼女は成分のことも何も知らずに一人の生活者としてサンプルを使い、感想を述べてくれたからだ。実際にサンプルを使っているうちに娘の肌はみるみる潤いを取り戻し、乾燥ニキビはうそのように消え去って、自慢できるほどのしっとり肌になった。これは私も驚いた。

洗顔石鹸も50種類以上試しながら、イメージを固めていった。手で柔らかな泡ができるもので、しっかり汚れが落ちて、しかも洗い上がりがしっとりするもの。石鹸にも化粧水と同じ成分をいれてもらった。こんな贅沢な開発はないだろうと思うくらいみんなが協力体制を組んでくれた。これは本当に開発者冥利に尽きた。うれしかった。ひとりひとりが本当にいいものを作ろうとする気持ちがひとつになって、商品ができあがっていった。

たった、これだけで、本当にスキンケアが終わったら、他の商品がいらなくなるから、化粧品会社としては成り立たないのではないかともいわれた。しかし、私は食べ物でいえば、お米の部分を作りたかったのだ。お米はこれが我が家に合うときまったらなかなか変えることはない。本当においしいお米は継続して食べてもらえる。だから、ほんとうにいい基礎スキンケアを作る。あとはお米にあう料理をその人の気分でほかのブランドから選んでもらえばいいのだ。

最終サンプルのモニターは友人50名にお願いした。最初は30mlの小さなプラスチック容器にはいったものを1週間使ってもらった。成分のことは一言も説明せず、使い方のみを書いて送った。いわゆる感応テストである。実際肌に使ってみて、「浸透、香り、保湿感、感触」などの好き嫌いをきいた。どんなに成分の話をしようが、感応テストが悪いものは長く使ってもらえない。スキンケアは我慢してまでやるものではないというのが私の持論でもあった。だから、あえて、成分の話はしなかった。もちろんアンケートの中には何が入っているかわからないから、継続して使うかどうかはわからない、というのもあった。しかし、2回目のロングユースモニターテストも同じように成分は伏せて行なった。結果は90%の人が継続して使いた、というものであった。モニターをやってくれた友人の中には、「もうすぐ化粧水がなくなるんだけれど、いつから販売するの」と電話やメールをくれる人もいた。これには勇気づけられた。

「蟹瀬が作るんだから、成分はきかなくてもいい。あなたが変なものを使うわけないでしょ。」と頭から信じてくれた友人もいた。その友人たちの期待にこたえる意味でも私はとことん成分と使い心地と保湿にこだわった。
こうやって、多くの人々に支えられて完成したスキンケア商品が11月1日に発売の運びとなった。そのブランド名は娘の名前をとってLENAJAPON(レナジャポン)。オンライン注文とフリーダイヤルを開始する。ピンクのかわいいボトルでライトとリッチの2種類の化粧液と石鹸が登場する。パッケージデザインの開発秘話はまた後日。

URL:http://www.lenajapon.com (11月1日から)。
フリーダイヤル:0120−071-714(10:30-17:30 土日祝日を除く)

 2007/10/29 22:52  この記事のURL  / 


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プロフィール
蟹瀬 令子(かにせ れいこ)
上智大学文学部英文学科後、博報堂に入社し、コピーライターやコピーディレクターとして活躍。
1999年、「ザ・ボディショップ」を日本で展開するイオンフォレストの代表取締役社長に就任。
ケイ・アソシエイツ代表として、外資系企業、および国内企業のブランディング、マーケティングを手がける。2007年スキンケアブランド、LENAJAPONを立ち上げ現在にいたる。

蟹瀬令子 プロフィール
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