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NY行きあれこれ物語2
ナイスミドルのキャビンアテンダント:
JFKからの帰りの便ではベテランのキャビンアテンダントがついてくれた。この人がすこぶる凄い。オランダに行ったとき以来の経験だった。いつも教育されたとおり、やることだけやったら、人のいうことはあまり聞いていないアテンダントが多い中で、彼女はかゆいところに手が届くほどのサービスだった。ひと寝入りして目が覚めたら、すかさず、飲み物を聞きに来てくれる。小腹がすいたなと思っていると、「何か召し上がりますか」とわが心を読んだように声をかけてくれる。このタイミングのよさはやはり、ベテランだからであろうか。狭い空間の中での彼女の存在はとてもありがたかった。

彼女の態度は担当しているすべての人にフェアであった。斜め前にはトテモわがままな初老の女性が座っていた。フルーツが食べたいというので、彼女が持ってくると、こんなフルーツならいらないという。見ていているだけで「たくーもう」と思うのだが、彼女は嫌な顔ひとつしない。その女性が満足いくまで、なんどもキッチンと客席をいったりきたりしていた。

私達の前の席の男性もわがまま放題であった。JALの顧客名簿にのっているのだろうが、「それはないでしょ」と思うほど「注文の多いお客様」だった。「出来る限りのことはやりますよ」という彼女の姿勢をみていると、ある程度経験を積んだ、お母さんアテンダントって結構いいなと実感してしまう。彼女のようなベテランを現場にキープしつづけること、それはこれからの高齢化社会には必要なことかもしれない。わがままな高齢者や顧客達への対応にはやはり経験がいる。そこをカバーしてくれるのは、きっと人生とフライト経験の豊富な彼女のような人に違いない。航空会社の企業戦略にぜひ、ナイスミドルのベテランアテンダント起用を盛り込んで欲しいものだ。

またまたトイレの話:
さて、最後はトイレの話。以前、飛行機に乗ったら、トイレが問題ということを書いたことがある。これは結構、いろいろな方が読んでくださったようで、反応が多かった。今回、座席に着くとすぐ、チーフらしき女性が挨拶に来てくれた。「以前、JALをお褒め頂きありがとうございました。出来る限りトイレもキレイにしておくつもりですが、今日はお客様が多いので、もし無礼があったら、申し訳ありません。」チープの話ではトイレのブログをよんで、みんなのやる気が増したというのだ。それは嬉しかった。だが、私は事実を書いただけで、ヨイショをした覚えはない。正直に見たまま、感じたままをいつも書いている。

トイレの前で待っていると、男性が出てきた。「うー男性の後か、また、掃除からはじまるな」と観念して中にはいった。ところが、うれしい期待はずれ。洗面の水しぶきは一滴も残らず拭かれており、トイレの蓋もキチンとしめてある。床にも水滴はない。思わず男性の顔をしっかり見ておけばよかったと思った。後の人のためにこんな使い方が出来る日本人男性がいるのだ。これは新しい発見だった。いつもキレイにしてあると、そのキレイさを維持しようとする態度が伝播するのかもしれない。公の場を汚さずという日本人古来の姿勢がこんな小さなところからこれからも実現されていくと嬉しい。

 2007/11/29 00:45  この記事のURL  / 

NYあれこれ物語1

NYはチャレンジの街:
晩秋のNYに出かけた。突然の旅立ちだったため周到なる準備がないまま、JFK空港に降り立った。普段であれば迎車の手配が済んでいるところだが、荷物が少ないということもあり、イエローキャブで行くことにした。空港内で「タクシー?」と声をかけてくる白タクの運転手を尻目に、タクシー乗り場へ急いだ。驚いたことに、イエローキャブがずいぶんきれいになっている。思えば、NYは10年ぶり。変わって当たり前だ。ブロードウェイを抜けて、滞在先のホテルへ。街中の喧騒は相変わらず。寒さもNYだ。うきうき、わくわくするのはなぜだろう。なにかチャレンジを受け入れてくれそうな、そんな雰囲気を持った街、NY.20代のころ、ここでチャレンジ精神を叩き込まれて、今の私がある。今度は娘の番だ。NYで新しいチャレンジをする。彼女の夢に一歩でも近づくために、何でもやってみるがいい。若いのだから。彼女の姿を私は若きころの自分の姿と重ねて、懐かしんでいた。

サービスは天使の声で:
航空会社のマイレッジがたまっている。こんな時こそ、と思いアップグレードやら、特別無料航空券やら申し込んだが、遅すぎた。そこで、ネットでの申し込みから、電話での申し込みに切り替えて、人を通してお願いすることにした。厄介なのは、どの航空会社も自動応答とやらがやたら長くて、痺れを切らしてしまうことだ。それでもすこしでも運賃を節約したいので、ここは忍の一字で頑張った。

気持ちよくつながったのはJALであった。担当の女性の声が天使のように聞こえた。まあ、やさしく相談にのってくれる。どうしてもビジネスクラスでいきたのであれば、ビジネスセーバーを安全のために予約しておく必要がある。ここが判断のしどころであったが、思い切ってこの天使の声に賭けてみた。エコノミーセーバーを確保して、希望の便の空席待ちをしたのだ。出発ぎりぎりになって、携帯電話がなった。あの天使の声である。「アップグレードが取れました」 彼女の嬉しそうな明るい声にNY行きまで運を開きにいくような気分になった。

電話でのサービスの差は応対するものの声にでる。「ご希望に添えるよう、頑張ってみます」といっているのか、「こんな時期にいってきて、希望が叶うわけないでしょ、空席待ちだらけなんだから」といっているのかは言葉にしなくともそのトーンや言葉尻でわかってしまう。いくつかの航空会社に電話した結果、今回はJAL一本に絞って待つことにした。かつての栄光に浸ることなく、ひとりひとりが会社の再建にかけるその意気込み。それはエンドユーザーにもしっかり伝わっている。がんばってほしい。



 2007/11/29 00:39  この記事のURL  / 

ANAかJALかBAかーロンドン、モナコへの旅。
ロンドンからモナコへ、5月の連休にでかけた。モナコの海洋博物館でのTV撮影やロンドンでの視察など、仕事がはいっての渡航であるが、ひさびさに海外にでるので、なんとなく心が弾んだ。昨年はアムステルダムに出かける時ほとんどJALを利用させてもらっていたが、今回はANAにお世話になった。1年ぶりである。

以前ロンドン通いの時はANAがお気に入りだった。その理由のひとつはフライトアテンダントのサービスがすこぶるいいからだ。2番手をいくANAの一生懸命さが好きだった。食事も手を変え品を変え、空の旅を少しでも楽しくしようという姿勢が伺えた。ま、いいとこばかりでなく、ときどき料理が懲りすぎて滑っていることもあったが、この辺はお愛嬌として許容範囲といえよう。

久々にANAにのって逆に気づいたことがあった。不祥事続きで低迷していたJALがかなりサービスの回復をしてきているということだ。JALのサービスについては苦言を呈してきたが、ここにきて、ANAに負けず劣らず、謙虚に自社のサービスの見直しを始めている。そのためか、ずいぶん、心地よくなってきた。食事もおいしい。

そして、なにより素晴らしいのは、トイレがいつもキレイなことである。空の上ではトイレは男女共用だから、かなり気になる。特に男性の後はとびちっといて、まず掃除からはじめなければいけないことが多い。しかし、JALに限って、掃除をしなければいけないことはまったくといってない。おそらく、フライトアテンダントのみなさんが、なんども掃除にはいってくださっているからだろう。洗面や金属部分がピカピカに磨かれ、床も汚れが飛び散ったままにはなっていない。これはかなり精神衛生上いい。

一方、今回乗ったANAのトイレは汚れに悩まされた。毎回掃除から始まって、使用後に掃除をして出てきた。特に男性客が多いときは女性専用トイレをつくってください、といいたいほどだ。どうして、男性達はアンナに使い方が下手なんだろう。
お食事もよくなり、サービスも向上したと思っていたANAが今度はくすんで見える。本当にサービスって難しいなと感じた。

ロンドンからモナコまで2時間。BAの格安航空券をつかい、eチェックインで自分で席を選んで旅した。これが結構快適だった。ビジネスと格安エコノミーの違いは食事のみ。全席皮張りの椅子なので、すわりごこちに大きな差異はない。そして、たった2時間なのに、エコノミークラスにもサンドイッチと飲み物が出るから凄い。配られたパックの中身はサンドイッチ、デザート菓子、手拭にごみ袋。通勤飛行のような気軽さなのに、なぜか食事つき。新聞も乗る前のところにおいてある。必要な物は揃っていますよ。特別のサービスや笑顔を要求しなければ、というこの経営姿勢はこれはこれで、合理的でいいかもしれない。こちらも諦めがつく。

限られた空間での窒息しそうな時間。それをどう快適に過ごしてもらうか。それはとどのつまり、精神衛生の管理の問題ともいえそうだ。基本に戻ってサービスを考えると、意外に客の満足度は高くなるかもしれない。ヤッパ、基本でしょ。トイレでしょ。



 2007/05/11 01:11  この記事のURL  / 


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プロフィール
蟹瀬 令子(かにせ れいこ)
上智大学文学部英文学科後、博報堂に入社し、コピーライターやコピーディレクターとして活躍。
1999年、「ザ・ボディショップ」を日本で展開するイオンフォレストの代表取締役社長に就任。
ケイ・アソシエイツ代表として、外資系企業、および国内企業のブランディング、マーケティングを手がける。2007年スキンケアブランド、LENAJAPONを立ち上げ現在にいたる。

蟹瀬令子 プロフィール
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