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どら焼きでダイエット
 ダイエット中に、どうしても甘いものを食べたくなったら、和菓子。その中でもどら焼きがいい、と教えてくれたのはアスリートのトレーナーをしているK氏であった。洋菓子はバターや生クリームを使っているので、カロリーがどうしても高くなる。その点、どら焼きは甘く煮た小豆をカステラにはさんであるだけだから、身体にいいだけでなく、満足度も高い。また、あんこは漉し餡より、粒餡のほうが砂糖分が少なくていいらしい。で、粒餡のどら焼きがベストということになる。

 どら焼きといえば、和菓子の老舗「うさぎや」のは絶品だ。行列のできる和菓子屋だけあって、どら焼きはかなり早い時間に売り切れてしまう。JR阿佐ヶ谷の北口を出て、線路沿いを新宿に向って細い道を歩いていくと、右側に見えてくる。小さな昔ながらの和菓子屋のたたずまい。一間ほどの店先にお客様が溢れている事が多い。

 30年前、新婚生活を阿佐ヶ谷のIDKのアパートでスタートさせた私たちにとって、この「うさぎや」の和菓子はおふくろの味のような存在である。食後に頂くイチゴ大福、お醤油たれのみたらし団子、ゴマ、きなこ、こし、つぶのおはぎ、そして、季節ごとに姿を変えるうつくしい生菓子。ほんとうにおいしい。いつもおいしい。幸せな気分になる。笑顔がもどる。裏方に徹する和菓子職人の技に感謝する。パティシエのように作り手が表舞台に出てこないところも和菓子の味を奥深いものにしているようで好きだ。お値段も手ごろ。チョコレートのように一粒千円もするものはない。百円玉2個程度で手に入る。気取らない幸せがそこにある。

 ダイエットは一日単位ではなく、一週間単位で考えると続く。例えば、一週間に3回は和菓子を食べてもいいと決めると、ストレスが減る。アスリートには瞬発力と持続力が必要なので、普通の人々のように食べないダイエットをすることはできない。食べるものに気を使いながら「食べるダイエット」をする。その成功のポイントは一週間管理と食べる時間にあるという。夜の9時以降は食べない。夕食はなるべく早い時間に済ます。朝ごはんはきちんと食べる、などなど。そんなに難しいことでないが、持続できないのはなぜだろう。アスリートのようにダイエットがそのまま記録に影響するという経験がないからだろうか。ただ、やせてきれいになりたいだけでは、目的意識が薄れやすいのかもしれない。

 若い頃から何を食べても太らないと安心していた私も50の坂を過ぎるあたりから、食べれば太る、ようになった。しかもお肉はほしいバストにではなく、ウエストから下につく。まったくもって、いらないところばかりにつく。おなかのお肉が邪魔になる。特にスラックスをはいたとき、ううう、くまのプーさんのよう。こんなはずではなかったとそのシルエットに落胆する。そのときだけは甘いものを減らそうと決心する。が、それも短命。だから、どら焼きなら大丈夫と聞いて、ちょっと安心した。が、もちろん、ドラえもんのように食べてはいけない。一週間3個まで。おいしい秋の真っ只中、これなら、続くかも、かもしれない。かもね。

 2006/10/13 01:12  この記事のURL  / 



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プロフィール
蟹瀬 令子(かにせ れいこ)
上智大学文学部英文学科後、博報堂に入社し、コピーライターやコピーディレクターとして活躍。
1999年、「ザ・ボディショップ」を日本で展開するイオンフォレストの代表取締役社長に就任。
ケイ・アソシエイツ代表として、外資系企業、および国内企業のブランディング、マーケティングを手がける。2007年スキンケアブランド、LENAJAPONを立ち上げ現在にいたる。

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