« 2013年12月 | Main | 2014年08月 »

機械の部品たちがつながって持つ熱と、関係の無いような文字。
わたしが働いているところは工場で

でも役割として、わたしは工場での作業をしていなくて
外に出ていたり 電話をしたり、
パソコンに向かったり お絵かきをしたり、
文字を書いたり 緑色になったりしている。

事務所と工場は隣接しているので
工場で 一斗缶を潰す音が響いてくる

機械が同時に電力を使うタイミングには
デマンド値の警報が鳴って、
エアコンや机の上の電気を切ったり

打ち合わせをしに工場に入ると
とんでもなく寒かったり熱かったりする。

機械が止まったり一部壊れた時には
じぶんは何もできないのだけれど 
そこはかとなくドキドキしている。



たまに、機械にさわれることもあって
展示会のために カセ枠にラメ糸を取ってもらっていたら

「ちょっと山田さん ガイドになっといて」
って言われ

糸が変な方向に行かないように
一定に動くような ガイド(糸道) 
兼 ボビンを押さえる
かんたんなお手伝いをさせてもらった。
機械にさわれると 少しでも、うれしい。

糸にも色んな種類があって
しっかりした強さを持ったこの糸が
暴れないように
糸を巻いたボビンを軽くゆびで押さえて
摩擦を加える。

うまく調子が合うと 
ボビンは順調に回ってくれる。

工場は足元から冷えてきていたけれど、
押さえている指が熱くなってきた。
機械って 熱を持つんだなぁと
改めて思った。

一部になることは、とてもあたたくて
工場にはたくさんの機械があるけれど
みんな互いに関わりながら、
こんなに熱くなっていたのか。

糸道の気持ちになって
ぼおっとしてしまったら何回か
ボビンが弾けて飛んで行ってしまった
本物には勝てない。


ある日、なかなか難しい作業が
必要な糸がいて
撚糸機のまえで、工場長から改善策を聞いていたら
順調に回っていたはずの糸の紙管が
突如、わたし目がけて飛びかかってきた。

イキがいいのは良いけれど
わたし何か悪いことしたかしらと案じていた時

別のひとから
「その糸、山田さんのことが好きだったんだね」
って返してもらったから
「それなら仕方ないなぁ、もうっ!!」
って 思っている。



工場は好きだし楽しいけれど
最近は見学に来てくれる人も増えて
みんな目をきらきらさせてくれるけれど

わたしが自分の手で作っているわけではなくて
作ってもらっていて、
ただ、良いところでしょう伝えて
終わってしまってはいけないだろう。

雰囲気を伝えただけで、
良いですねって言ってもらって
満足してしまったらいけない。
これから先も、
もっとこの工場が続いてほしいのなら。


ということで「文字」がたくさん必要になった。

もうすぐ始まる展示会のためには
文字をたくさん考えて
たくさん書いた。

それは、作り手側は当たり前に分かっている
糸の基本のことであったり、
普段の売買には必要ないような
化学変化や素材の成り立ちについてであったり、
ラメ糸を使ってもらった生地についての説明だったり、
おおよそ 
「絶対必要」では無い説明を
たくさん書いた。

繊維業界は、それぞれの道の
ものづくりのプロばかりだから

あまりにも簡単なことや基本的なことや、
学問的にすぎることは
説明されないことが多い。
特にラメ糸の業界では。

それでも 私は意味を感じるので書いた。
工場が音を立てて熱をもって、
良い商品を作るのと同じくらい
大切なことにちがいない。

作っている糸たちのことを、知ってもらったり
起きてしまう事故について、自ら考えたり
基本を確認しあって、みんなで共有していくのは
それを 
一見熱を持たない、
文字にするのは。

学も、文章力も足りないけれど。
いま下手なものは 
次上手くなったらいいんだし。


社内ではしょっちゅう
改善策が話し合われている。
ということは失敗もたくさんしている。
失敗をするってどういうことかって
新しいことをたくさん始めているっていうことだろう。

もうすぐ50年になる工場なのに
びっくりするほど知らないことばかり始めて
毎日見たことないものが工場にかかっていて。
機械の持ち前の設備ではカバーしきれなくて、
天井に糸道がついたり、
一斗缶に加工がされて
ボビン台になったりして 日々、
工場のかたちがかわっている。

わたしが迷っている暇なんてたぶん無くて
とりあえず
どんどん文字にして絵にして
糸の拡大写真をばしゃばしゃ撮って
記録して発信していくことだけが
きっとなんとかなっていく 近道なんだと思う。

入社の面接に来た時、
あんまり深いことは考えてなかったけど
会社概要に たくさんの保有機械が書いてあったから
実家が工場で、「機械=高価なもの」と
認識していたわたしは 
迷いながら着いた
この城陽の工場をみて

「このトタン屋根の下に、たくさんの宝物が眠ってるんだなぁ」
って思った。
外観が京都駅前のビルみたいじゃなくっても、
中にはすごい財産があるんだ。

今は、「機械」だけが大事なものでないって知っているので
それが文字に表れたらいい。
工場のできることで わたしでもやれることを 
もっと広げられたらいい。

動くものが好きだから動かないことをするなんて
回りくどいことしかできないけれど。


片想いは叶わないことが多いような気がする
だから、片想いじゃないはずだって信じるしかない。
信じて書き続けたらまた、糸が飛び込んでくるかもしれない
わたしめがけて。

山田命音

 




2014年02月12日(水)  19:06  / ラメピスト_ミドリ  / この記事のURL

リンク集
2014年02月
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリアーカイブ

http://apalog.com/izumikingin/index1_0.rdf