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流れ星と、服の周辺のながれないなみだ。
ながれないなみだを見た。

忘年会の一幕だったんだけど
午前4時ごろまで
服をつくるデザイナーと
服を考える批評家が

時がとまったようにむかいあっていて
質問と応答をくりかえしていて
でもせきがきられたような発見が
ぼろぼろと
時のかわりにながれていた。

こうこうと燃える
キャンプファイヤーの炎を
みつめるように
服の周辺のひとたちが
炎が消えないようにみまもって
そのまわりを囲んでいた。

デザイナーは時おり 
めがしらを指でぐっと伸ばす。
目の白い部分が充血してゆく。
ことばとことばの空白に
力学的に出てくることはなかった涙が
ながれているようだった。

そのデザイナーの服を
着ている女性が居て
批評家の指示でおもむろにたちあがった。
きれいな黒いワンピースや
ふかふかとしたピンクのコートが
ひりひりするような舞台の上で
かわいらしく注目を浴びていた。

彼女のつけたオーロラのネックレスが
黒いワンピースに合うなぁと
ぼおっと思っていたのは
そのとき戦っていないわたし。

服のシルエットをたしかめるために
むけられた背中の襟がかわいいなぁとも。
服をうつくしくみせるために
姿勢をただしくする彼女をみて
まだ見たことのない
コレクションのステージのようだとも。


なみだをながせない
たたかいの中では
降りそそぐ言葉のあめがすこしでも
実をむすぶようにと
いろいろなブランド名が発せられたので
後からしらべようと
わすれないようにメールを書いていたら
40件もじぶんあてに届いていた。

この40件のメールの内容は
批評家のきもちの一部でしかなく
あれだけの言葉をつくしても
それは厳選された一節なんだろう。

わたしも最近
ながながとした大切な手紙をかいたけれど
つたえたいことなんてほんのすこししか
紙にのせることはできなかった。

その後もこころに
言葉がせりあがってきてとまらないのは
伝えたい想いをもったひと
きっと皆おなじはず。

奇跡のような討論会だった。
その場所に自分がいることができて
びっくりすることだった。

世の中のいろいろなことが
気づかないうちに着実にまわっているように
服のまわりのできごとも
確かな想いを持ったひとたちが
着実に一歩一歩せかいをすすめている。

その服が生まれた意図は
デザインの必然性は
素材の選定は
ブランドのメッセージは
着て欲しい人は誰か


わたしは、皆が憧れたような有名な服は
勉強不足でまだ知らないけれど。

「いくら過去はよかった」って言い方はできても
どれだけ景色が近未来的になっても
昔より酸素が少なくなっても
景気がわるいんだとしても
情報化の網がはりめぐらされて
身動きがとれなくなっったとしても
よかった過去より、
今のほうがぜったい良いと思う。

だって、そんな「よかった時代」
に生きてきたひとたちが悩んで考えて実験して
すすめていってくれた今日がきているんだから。

もっと良い服だって
これから生まれるに違いないんだよ。






願いごとをつぶやきながら
ぼおっと帰り道を歩いていたら、
流れ星がながれた。

それだけで、
もう叶ってしまった気になってしまった。

わたしの知らないところでも
着実に世界は動いているし
ゆめもほしもながれている。

もっと目がよくなったら
夜の星だけじゃなく
服の上にながれるなみだも
見ることができるはず
きっと。


山田命音
2013年12月31日(火)  21:32  / ラメピスト_ミドリ  / この記事のURL

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