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表参道で「フレンチ・ランジェリー展」
来週月曜日の7月28日まで、表参道のバツ・アート・ギャラリーで、「
フレンチ・ランジェリー展
」(入場無料)が開催されている。
フランスのランジェリーといっても、決して限られた人が着用する超高級なクチュールでも、デザイナーブランドでもない。フランスおよび世界の有力百貨店のランジェリー売り場のどこにでもコーナーがあるような、ポピュラーなナショナルブランドである。
工業製品だからこそ、フランスの伝統というものを強く感じさせる――この点が重要であると思う。
同展はフランスブランドのランジェリー協会PROMINCORの主催。同協会の加盟企業が所有する歴史的アーカイヴを時代別に展示することによって、フランスならではのクリエイティビティと技という芸術的遺産を、世界に、そして後世に伝えようという狙いがある。
2012年7月のパリを皮切りに、ロンドン、上海、ドバイ、ベルリン、ニューヨーク、トロント、モスクワと世界を巡回し、今回の東京は9都市目。今後はスペインが予定されているという。
私はサントノーレにあるエスパス・ピーエル・カルダンで開かれた初回のパリ展を見ている(以下参照)が、今回、新しい発見もあった。
http://www.apalog.com/inner/archive/227
同展の詳細は改めて場を変えてお伝えしたい。
今回の東京展はコストなどの関係から、出品数はパリ展のおよそ3分の2(その分、2012年以降の最近のコレクションが加わっている)。
ロケーションも、シャネルやディオールのブティック近くとはいえ、キャットストリートそばの若者が多いカジュアルなエリアなので、だいぶ雰囲気は異なる。いろいろ意見はあるとは思うが、高級感はあっても閉ざされた場所で開催するよりは、スペースは狭いながらこのようなオープンな路面立地で開催できて、私はかえってよかったと思う。
一般の日本人にとって、フランスのランジェリー、しかもその変遷を一堂に観る機会はほとんどないに等しいからである。
中村江里子をゲストに迎えたプレス向けオープニングレセプションには、私は残念ながら欠席。翌日のビジネスレセプションに出席した。
時代の大きな変化、世代交代の渦の中、ともすると今まで積み重ねられた歴史は忘れられがちだが、20年、30年にわたって顔見知りのインポーターや小売店主などに久しぶりに会うことができて、私はある種の感慨があった。ある小売店主とは無言で手を握り合っての再会となった。
キュレーターのキャサリン・オーメンさん。
来日は渋谷文化村で開催されたシャネルのイベント以来久しぶり。今回は表参道界隈の建築に感動し、街を歩くのを楽しんだと話す。
2014/07/24 11:06
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新パートナーシップでモスクワ進出
今回の「モードシティ」では、初日の記者コンファレンスでちょっとしたニュースが発表された。
「パリ国際ランジェリー展」「モードシティ」の主催者であるユーロベットは、ランジェリー分野の国際展示会において、これまで香港、上海、ニューヨークと次々に進出を果たしてきた。それが次は、ドイツのIGEDOと新たなパートナーシップを組んで、新たにモスクワに進出するという。
IGEDOといえば、「パリ国際ランジェリー展」が今のように成長する以前は、日本人業界関係者も視察に行っていたところ。私も20数年前位に2,3度、デュッセルドルフに足を運んだことがある。
既に2003年から「CPM」でモスクワ進出を果たしているIGEDO(下着のボディ&ビーチ分野は2012年から)、そしてモード性の高いランジェリーのプロであるユーロベット。その両者がお互いの強みを活かしながら新しい可能性に挑戦するのだという。
ロシアは、ヨーロッパの中でも一番といえる成長市場である。多くのブランドが世界でも伸びている国の筆頭にロシアをあげているが、モスクワはその首都である。
目的のためには、たとえコンペチタ―である相手ともパートナーシップを組む――ビジネスというもののあるべき姿を見せられたような気がした。
ちなみに同発表前夜は、サッカーワールドカップの注目すべきドイツ×フランス戦。「試合では我々ドイツが勝ったが…」というIGEDO主催者(左2人の男性)のコメントに、会場は沸いていた。
2014/07/17 21:40
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仏ブランド「シャンテル」の強さ
フランスの老舗ランジェリーブランドの中でも、際立った強さを見せるのが「Chantelle(シャンテル)」。
古い歴史を背景に、グローバルに成長し続けている理由を、同社輸出ディレクターのアラン・ドゥ・ロドゥレック氏は次のように語る。
「世界に進出し、ヨーロッパのランジェリーブランドのリーダーとしての地位を築いてきたのは、女性のからだの変化に的確に対応してきたからです。従来は広告においても実売モデルもBカップを主軸にしていましたが、今はDカップが中心に変わり、E・Fも増えています。この傾向は我々の強みに沿ったもので、追い風になっています」
加えて指摘しているのが、多色化。以前は白・黒のベーシックな色が中心だが、ことに2015春夏シーズンは非常にカラーが豊富になっている。
これは同ブランドに限らず、今回の「モードシティ」に明確にあらわれているランジェリー全体の傾向だ。
「シャンテル」の場合は、シーズンごとの新グループはもちろん、継続グループへの新色追加の仕方が絶妙で、リピーターをうまくつかんでいる。
2015春夏の新色は、全体で16色にも及ぶ。新グループは4つ。
下の写真は、新グループの中でもメモリーフォームを特長とする〈マドモアゼル〉ライン(ジーンズと呼ばれる色だが、ライラックに近いブルー系)。
全部で20ラインが常に構成されているのは、「世界各国のあらゆる女性を満足させるため」(アラン・ドゥ・ロドゥレック氏)。
色やデザインのバリエーションだけではなく、それぞれにブラジャーのフォームが一つ一つ異なる。つまり自分に合うものが必ずその中にあるというわけだ。
技術面では、シームレスのモールドタイプの技術革新が進んでおり、より軽く肌に優しく快適なものが開発されている。今回新たに投入されたのは〈イレジスティブル〉。
ブラの世界的ベストセラーは、モールドタイプの〈ヘドナ〉ラインだが、1枚物に近いソフトなカップなので、日本やアジアでは売るのが難しいという。
セカンドブランド「パッショナータ」、小売りチェーンの展開はもとより、デザイナーブランド「シャンタル・トーマス」も傘下に加わり、グループとして成長を続けるシャンテール。3年前にスタートした水着のビジネスも本格化している。
世界の有力メーカーであることは間違いない。
2014/07/15 10:52
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2014「モードシティ」を俯瞰する
パリから戻り、片付けや家のことに追われているうちに、「モードシティ」から1週間経ってしまった。
3日間たっぷり取材した同展のニュースはたくさんあるので、追々紹介していきたい。
まず、2015春夏ランジェリー・水着コレクションを発表した今回の「モードシティ」で、力が入れられていた新しいエリアを。
素材展「アンテルフィリエール」の中の〈Moment di Passione〉。新しいビーチウエア(水着)とスポーツウエアのスペースで、この分野の新しい素材開発や新しいスタイルを披露していた。
イタリア語のエリア名に象徴されているように、水着といえばイタリアの影響力が強い。最近はことにデジタル化によってプリントが実に多彩、かつ複雑になっていることに驚く。
世界の中で日本は水着市場に偏りがある特異な存在だが、スポーツウエアとの中間領域、プリントのドレスというように、別の視点でとらえると、新しい市場が創出できる分野なのではないかと思った。
ちなみに、前回の素材展でフォーカスされていた〈エンブロイダリー〉に次ぎ、今回、焦点が当てられていたのは〈ファイバー〉。次回、2015「パリ国際ランジェリー」では〈シルク〉が予定されているという。
1月開催「パリ国際ランジェリー展」に比べると、素材展「アンテルフィリエールは2倍近い規模。会場のイベントにも当然力が入っていたわけだ。
初日に行われたプレス向けコンファレンスでも、製品よりも素材展の話が先。
また、全体を通し、いつも以上に水着に比重のかかっていた「モードシティ」といえよう(水着のトレンドにはランジェリーにとって多くのヒントが隠されているのも事実)。
2014/07/14 13:03
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ワコール欧州戦略が次の段階
今夕(7月3日)、パリのグランパレ内レストラン、ミニパレを会場に、ワコールイヴィデン社が、フランスのプレス関係者を集めて、2015年春夏新製品の発表会を行った。
これまでワコールフランスによって展開されていたワコールの欧州事業は、同社に引き継がれて本格化し、企画の拠点もパリからイギリスへと変わる。
社名も、2015年1月から、ワコールヨーロッパへと変更する。
ショーに先立ち行われたスピーチや配布資料では、日本のワコールという企業の紹介に力が入れられていた。
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2014/07/04 06:53
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プロフィール
武田尚子(たけだなおこ)
ジャーナリスト・コーディネイター
ボディファッション業界専門誌記者を経て、1988年にフリーランスとして独立。
ファッション・ライフスタイルのトータルな視野の中で、インナーウエアの国内外の動向を見続けている。
また、セミナー講師やコンサルタント業務も行っている。
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