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量販店の新しい風「アルラ」
2014秋冬シーズンの新製品を発表する展示会は、いくつかの直営店系ブランドを残してほぼ終わり。
新ブランドの中でも強く印象に残っているのが、ワコールブランド事業本部がGMSなどチェーンストア向けに開発した「アルラ」だ。

ワコールブランドは百貨店を主力とするが、チェーンストアの量販店チャネルのシェアも36%ある。チェーンストアの下着売り場を見ると、PBを主力とする平場以外に、ウイング、トリンプ、ワコールという3つのメーカーブランドのインショップが並ぶ光景はすっかり定着した。
ワコールブランドの場合、その多くは百貨店の売り場でも販売されている商品だが、量販店チャネル限定ブランドとしては「ルジェ」に続き2つめとなる。

40代・50代の大人の女性をターゲットにしたもので、ブランドコンセプトは“ここちよく、うつくしく、いつも私に、キレイな羽を。”(ブランド名の「アルラ」には「羽」という意味があるという)
分かりやすく同社ブランドでいうと、エイジは「ラゼ」、テイストは百貨店向けの「インカラット」というわけだ。
「アルラ」の価格帯はブラの平均上代が6000円で、量販店チャネルではアッパーゾーンだが、「ラゼ」に比べると買いやすくなっている。

パッと見ただけでも、シンプルでモダンな機能美を感じさせる商品構成となっており、姿勢美、痩身美、造形美、快適美という4軸をMDの基本にしているのがワコールらしい。
初年度130店で3億、年後に5億円という規模設定にも納得。
ワコールの長年のエイジング研究の上に立ちながら、今の時代感をバランスよくデザインに取り入れた洗練されたブランド開発となっており、成長が見込まれる。


ブランドコンセプトの「羽」を連想させるバックレース。きゃしゃなYバックのストラップは今のランジェリートレンドでもある

 2014/06/30 11:25  この記事のURL  / 
ブラ意識のグローバル調査
先月末、トリンプ・インターナショナル・ジャパンから、【トリンプグローバル調査〜国別調査のブラジャーに対する意識を比べてみました】というデータが届いた。
日本VSフランス・ドイツ・イタリアのブラジャーに対する意識を比較したもので、以下の8項目となっている。

ただ、この調査の実施期間は2008年7−8月となっており、必ずしも最新のものではないし、サンプル数も各国1000名なので、全体像平均像とはいえないが、ある傾向はあらわしていると思うので紹介したい。

◆ブラのカップサイズは4か国ともBカップが最も多い
(そもそもサイズの考え方そのものが日本とヨーロッパとでは違うので、実状とは異なるであろう:武田の私見(以下同))

◆ブラのアンダーサイズで最も多いのは、日本が75cmに対し、他国は85cm以上
(それ以上に目を引くのは、日本が75cm38%に次ぎ、70cm以下も36%あること。他国は70cm以下は一桁にとどまっている。日本人はやはり細い。それとバストの大きさは別の問題です)

◆ブラの所有枚数は、日本は5〜6枚が最も多いのに対し、他国は9から10枚。平均枚数でも日本8.6枚に対し、他国は約10枚となっている

◆日本とイタリアでは4人に1人が寝る時にブラジャーを着用。着用理由は、日本の「安心感」に対し、イタリアは「魅力的に見せるため」
(着用理由の対比はいかにもという感じだが、そもそも22〜23%という着用率にはびっくり。イタリア22%に対し、フランスとドイツは4%と低い)

◆朝、ブラを選ぶ時、日本は「クローゼットで手に届いたもの」に対し、他の3国は「その日の服装にあったもの」
(これはどういう層に調査したかの違いだろう。実際は世界の違いはあまりないと思うが)

◆最近購入したブラのカラーについて。日本は1位ベージュ、2位ピンク。フランス、イタリアは1位黒、2位白、ドイツは1位白、2位黒
(色の傾向はそれぞれの国をよく反映している。かわいいパステルカラーまたは実用志向の強い日本に対し、大人のヨーロッパ)

◆ブラとショーツのセット購入率は、日本50%に対してフランスは85%
(以前に比べると、日本でもセット購入が増えました)

◆自分のバストのサイズおよび形への満足度は、日本が低いのに対し、他国はいずれも高い
日本は不満とやや不満を合わせて62%(バストのサイズ)−67%(バストの形)。
他国は、満足・とても満足・非常に満足の割合の方が高く、フランス70%−68%、ドイツ69%−65%、イタリア70%−73%が、満足している。
(これは自己肯定度のバロメーター。ただ、バストの「形」に対する満足というものさしはあるが、他国は「サイズ」そのものの満足度という尺度がうすいのではないかと思う。サイズというのは一つの目安に過ぎない。自分に合った正しいサイズのブラを着けているかという問題はまた別。それはさておき、日本はすべてにおいてサイズ意識、数値の意識が強い国民性がある)

「日本の女性も自分のバストにもっと自信を持ち、毎日着けるものだからこそ、より自分を魅力的に見せてくれるアイテムとして、洋服を選ぶように日々のブラジャー選びを楽しんでほしいと思います」
同調査はこのように結ばれている。
 2014/06/20 10:08  この記事のURL  / 
シニアを意識した取り組みが進行
最近、「シニア」という言葉に敏感に反応してしまう。
国内インナーアパレルの2014年秋冬展示会では、この「シニア」という言葉を度々耳にした。

消費をリードしてきた団塊世代がまさにシニアとなっていること、今回の消費税導入前で堅実な購買動向を見せた(かつブランドロイヤリティが高い)のもこの世代であったというわけで、ますます注目と期待が集まっているのだ

シニアの定義はいろいろあるだろうが、一般的には60歳以上を指すことが多いようで、経済的にも時間もゆとりがある層と見られている。
現実はそんな人は一握りとも思われるが、それでも代官山「蔦屋書店」のもともとのターゲットはこの層と聞くと、ある意味で市場のトレンドをリードしているといっていい。

インナーアパレル各社も、機能性を軸にした単品展開やブランド開発の時代から、シニアのライフスタイルを見つめた動きを見せている。

エイジングステップ別にブランド構成しているウイングで、一番エイジングが進んだ層向けに展開している「グレイシス」。

メンズインナーも、シニア向けの「ブロスグランデ」が好調。拡販を狙う。

百貨店を主力とするワコールブランドでは、「らくらくパートナー」が躍進中。“なるほど着やすいラク親切設計”をベースに、インナーウエアからナイトウエア、カジュアルウエアまで、高齢者の24時間をサポートするライフスタイルブランドとして、発売からまる10年経過し店舗数も拡大している。

ことさら年代はうたっていないが、インナーウエアブランドの中で加齢変化の中でも筋肉低下の顧客ニーズに応えた「グラッピー」も安定した歩み。

「グラッピー」冬の人気アイテム、カラフルな毛パン素材のレギンスは、今や年代を超えた広がりを見せている。

2013年春夏にデビューしたグンゼの「グランフィット」は、当初から50代、60代男性対象を明確にうたい、加齢による体の変化に対応した快適性を端々まで追求している。

シニアでは先行した取り組みをしてきた美光の「癒しの工房」は、日本製にこだわり、国内産地を活用したアウターウエアまで、アイテムを広く充実させている。
 2014/06/12 15:04  この記事のURL  / 
「かわいい」の先へ
クールジャパンの「かわいい」とも、甘いロリコン風の「かわいい」とも違うが、「ラ・ヴィ・ア・ドゥ」のランジェリーはかなりかわいいと思う。
いくつになっても少女の気持ちを忘れず、同時に洗練された大人の女にあこがれる乙女心が微妙に表現されている。理屈抜きにおしゃれ。ナショナルブランドともインポートブランドとも違う、独自の立ち位置を外さないドメスティクブランド。
20年いや30年近く経っても自然体でこんなにオシャレ度が冴えている(それはデザイナーである松村明子さんそのもの!)ブランドはそうない。

その「ラ・ヴィ・ア・ドゥ」が、2014秋冬物で一大決心をした。
市場ニーズをそのまま受けていると、ブラジャーは補整機能が優先され、市場に多くあるような若い人向けのぽっこりしたフォルムになってしまうが、それを振り切って、軽く、ヌーディにという原点に帰ったのだ。
「ディティールに頼ることなく、余計なものをそぎ落として、内から自然ににじみ出るような”かわいらしさ”というものを考え直してみたかった」と、松村さんは話す。

胸元に沿った透けるトリミングが効果的なリジットレースのシリーズ。
裏打ちのバイリーンも面積を小さく、サイドにボーンを入れるのもやめた。肩ひもも細く華奢に。自然な補整効果で大人っぽいシルエットが。

モザイク柄のオーパールプリントのシリーズ。バスト中央もちょっと間隔をあけると大人っぽい印象。

北欧調のフラワープリントは色がおしゃれ。着やすいスムースで体に程よくフィット。

ピスタシオグリーン(オリーブゴールド)とミントグレーの組み合わせが美しいインケミカルレースシリーズ。サイドのハシゴテープが心憎い。

ケミカルレースのシリーズ。紋章のような幾何学柄がチャーミング。

シンプルでナチュラルな大人っぽさを追求すると、行きつくのはやっぱり、ブラのプロポーション。身に着けた時のさりげないからだの表情が想像できる
 2014/06/06 11:33  この記事のURL  / 
バニラエア×サクセスウォーク
何かと話題のLCCだが、レジャー・リゾート路線を強みとするバニラエア(ANAホールディングス100%出資)の公式シューズに、ワコールの機能系ビジネスパンプス「サクセスウォーク」が採用された。
既にこの6月から、同社150名の女性社員が履いているという。
また、バニラエアのメインターゲットである20代女性の旅のロールモデル“たびトモ”に、モデル・女優である岩崎名美を新たに起用したのを兼ねて、そのお披露目記者発表会が表参道のカフェで開催された。

「サクセスウォーク」は発売から10年で累計50万足を販売。
今やデザインバリエーションも広がっているが、基本となるのはベーシックな黒パンプスで、立ち仕事などで足に悩みを持つ働く女性に人気がある。
さらなる認知度アップをめざし、LCCの機内や空港内で働く女性たちに狙いを定めたのは絶好のアイデアといえる。
今後は様々な職業に就く女性の快適な美足のサポートを目指し、新規顧客の拡大を目指していくという。

企業コラボも今後ますます多様になっていく気配だ。宣伝やタイアッププロモーションのあり方が確実に変化していることの典型例となっている。
ワコールの製品の中でも対象商品がシューズであることは、事前には知らされていなかったのも心憎い演出であった。
 2014/06/05 23:14  この記事のURL  / 
プロフィール
武田尚子(たけだなおこ)
ジャーナリスト・コーディネイター

ボディファッション業界専門誌記者を経て、1988年にフリーランスとして独立。
ファッション・ライフスタイルのトータルな視野の中で、インナーウエアの国内外の動向を見続けている。
また、セミナー講師やコンサルタント業務も行っている。
武田尚子プロフィール
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