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今、求められているシンプルとは?
長年、ランジェリーを見てきたせいか、ワンパターンを踏襲しているものにはあまり新鮮さを感じなくなっている。それでも感動を覚えるのは、作り手のキラリとした感性を感じさせるものだ(私の場合、記号としてのブランドというとらえ方はしないので、究極は作り手自身への興味が基本となる)。

ランジェリーについては、グローバルトレンドと国内トレンドには多少のズレがあって、その違いがまたいいのではあるが、たまにはいつもとちょっと違うもの、見たこともないものも食べてみたいという気持ちにもなるものだ。

今、グローバルなランジェリートレンドはといえば、複雑で高度なテクニックをベースにしながら、一見、シンプルに見えることが重要になっている。
シンプルといっても、単にレースや装飾を控えるといった意味ではない。

よく「インポートテイスト」という言い方がされるが、そもそも「インポート」(輸入ランジェリー)のテイストが限定されたかたちでとらえられているのはおかしなもの。
日本市場にはここで比較的売りやすいものしか入っていないので、なかなか一般の人の目には触れにくいが、世界には多様なファッション、ランジェリーがある。

というわけで、今、こういうものが欲しい、こういうものが今求められている「シンプル」なのではないかという、その例をご紹介しよう。

まず一つ目は、デンマークのブランド「UNDERPROTECTION(アンダープロテクション)」。
パリ国際ランジェリー展のような場所では、西欧勢の華やかさに押され気味だが、ライフスタイルに根差した北欧のブランドには好感が持てる。
ツートン配色、胸元のストラップ使いと、トレンドはしっかり押さえながら、シルク素材で実にリラックスしたモード感をかもしだしている。胸元の開いた夏のTシャツにもぴったり。
バスト部分が一枚仕立てのところがネックだが、ここを工夫すればユーザーは広がるに違いない。

次は、ニューヨークを拠点にする「CLO INTIMO(クロインティモ)」。
デザイナーには10年以上前にパリの展示会で1、2度お会いしただけだが、その後も何かと情報を届けてくださる。これはFacebookで紹介されていた写真。
見るからにリラックスした安定感のあるスタイルで、いかにも心地よさそう。ひすい色のグリーンもいい。
これもバスト周りに多少の補整機能があれば、日本でも売れそう。

どちらも胸元のカッティングがきれい。立体的な女性のからだをきれいに見せてくれるし、上に重ねる服とのレイヤードも楽しめる。
 2014/04/28 16:38  この記事のURL  / 
レッグウエアのトレンド
レギンスブームが大きな転換期となったレッグウエア。レギンスもすっかり落ち着いて、また次なるボトムの変化が見られる。

スカート復活のファッショントレンドにも連動し、「スカレッチ」というネーミングで気軽にはけるスカートを打ち出しているのがブロンドール(17℃、ブロンドール)。ウエストはゴム、後ろ見頃には体にフィットするストレッチ素材を使用した、非常に着やすいもの。下に合わせるレッグウエアとの組み合わせが楽しめる膝丈のタイトスカートとなっている。
「17℃」ブランドでは3千円台から。

「ブロンドール」ブランドは、ジャガードやツイードなど凝った素材でよりおしゃれに。

靴下といえば、最近、モードな話題となっているのが、白い三つ折りソックス。海外コレクションからのトレンドでありながら、NHK「あさイチ」でもとりあげられているには驚いた(普通の40代アップはなかなか気こなせないと思うけど)。肌色のプレーンストッキング人気など、レッグウエアはベーシック回帰が顕著(若い世代はベーシックなものを新鮮にとらえている)だが、ソックスの世界でも同様。
ブロンドールでは、ベーシックソックスをすべてシルク混紡で差別化しているという。

さらに、ローゲージソックスも復活。

同社お得意のキラキラ光るタイプも、今年はやや厚手。

くるぶしの見えるパンツにぴったり(冷え性の私はこういうソックスがありがたい!)。大人のカジュアルスタイルの完成だ。

豪華なビジュー付きのソックス。

人気が続いている透けるシアーソックスは、今や重ね履きなどにも活用されているという。

マーケット全体では、今ひとつ動きの鈍いファンシーストッキングではあるが、同社は根強い人気で、アンクル、バック、サイドなど、多様な柄をそろえている。ただ以前に比べるとおとなしめ。

メンズのソックスもおしゃれなプリントなど、いろいろなデザインがそろっている(足のサイズの大きな女性の需要もあるはず)。

同社は直営ショップを展開しているため、小物の提案にも力を入れている。
ストッキングを入れるポーチから、冬のリラックスアイテムまで、身の周りで使える便利な小物は、ギフトにも欠かせない。

 2014/04/21 11:28  この記事のURL  / 
「ランジェリーク」の魅力分析
設立3周年を迎えた「ランジェリーク」(カドリールインターナショナル)。
「クロエ」のライセンス終了に伴う自社ブランドという経緯を忘れてしまうほど、チーフデザイナーの有馬さんを中心に独自の世界を確立し、今や業界における一つの指針ともいえるブランドに成長している。
展開店舗はあくまで都市型百貨店および主要セレクトショップに限定し、市場の中でもあまり例を見ないスタンスとなっている。

他社が追随しようにも追随できない「ランジェリーク」の魅力とは何なのか。
先日展示会が開かれた2014秋冬コレクションを軸に、勝手に分析を試みた。

@ テーマ性
2014春夏シーズンに続き、今シーズンもコレクションの基本テーマにしているのが、ヴァージニア・ウルフ。難解かつ、いろいろなとらえ方のできる作家だが、今回はウルフが26年間綴った日記から印象的な6日間を選んで、6グループのテーマに落とし込んでいる。
ウルフにちなみ、展示会は20世紀初頭のイギリスを思わせる会場設定がされていた。イギリス的であると同時に、アールヌーボー期のジャポニズムの香りも。

A アーティストとのコラボ
前シーズンに続き、イラストレーターBaccumの絵とともに、Baccum作のインスタレーションが来場客を迎えていた。

B 微妙な色合い
通常、カラーMDは見せ筋と売れ筋をしっかり計算し、パッと目をひく差し色を必ず構成するものだが、「ランジェリーク」の場合、そういうコントラストがあまりない。色は全体に地味。売り場ではあまり目立たないかもしれないが、その微妙でスモーキーな色合いが実に美しい。

ランジェリーとガウンを重ねて着た時のグラデーションも計算されている。

C 控えめに主張するレース
国産にありがちな、これみよがしなレースは使用しない。適度にラフなドット柄のエンブロイダリーレースはスイス・ビショッフ製。こういうレースの選び方が「ランジェリーク」らしい。

D 細部のさじ加減
シンプルでデリケート。言葉で表現するのは難しい。これはデザイナーのメンタリティの反映に違いない。

E 何気にシルク
ワンランク上のメチエラインには、モードなシルク素材が欠かせない。シルク100%のこういうストライプ柄はなかなかない。マスキュラン・フェミナン。ジェンダーレスの今の時代の空気にも合致する。

F あくまで優しいブラ
当初からトライアングルブラを提案しているように、ソフトなブラジャーがお得意。今回は新たに、下部だけに優しいパッドを入れた縦長の軽やかなトライアングルブラが登場。

G モダンなテクニックも
「何を取り入れるかではなく、いかに取り入れないか」がモットーというようにランジェリーのトレンドにはむしろ慎重な同ブランドだが、便利なエンジニアリングは活用する。外にラインがひびかないヘム切りっぱなし

H 意外性に満ちたクリスマスコレクション
赤やゴールドを多用する通常のクリスマスコレクションとは一味もふた味も違う。暖かなジャケットやガウンとランジェリーのコーディネイト。

I ヨーロッパの匂いのするラウンジウエア
ウインターバカンスにぴったり。一番右はつなぎ状のジャンプスーツ。一番左のドレスは背中が大きく開いている。色数をそろえず、バニラ1色に絞ってあるのがいい。

これらのベースを支えているのは、カドリールグループという製造業ならではの強み。
その背景を再確認したうえで次なる歩みを進めていこうとしている同社の姿勢が印象的であった。

 2014/04/17 21:42  この記事のURL  / 
ZARA HOME旗艦店オープン
「ZARA HOME」の青山旗艦店が、オープンした。
国内3店舗目に当たる同店だが、青山という都心の中でも一等地(表参道交差点に程近く、ビルには地下鉄連絡口)、しかも海外でもあまりない規模を誇る。
店内に足を踏み入れるととにかく広い。ずらり商品が陳列されているのに圧倒される。程よく雑然としているのが同店の魅力だ。

店内は部屋ごとの用途別ゾーニングというよりは、シーズンテーマやカラーテーマの方が軸になっている。週に2度は新製品が投入され、棚が移動していくという。
よく見ると、寝具用品に混ざってキッチンアイテムがさりげなくミックスされ、アクセントの小物がちりばめられている。例えば、ランチョンマットのようなアイテムは方々で見られた。

一方では、ハンガー、室内履き、インセンス、キッチンタオル、タッセルというように、アイテムを絞り込み集めた壁面もある。

リラックスシーンに対応すべく、ルームウエア関連にも力が入れられている。
インドで刺しゅうを施したようなコットンガーゼのナイトウエアなどは、以前から「ZARA HOME」お得意の分野だが、ナチュラルな着心地をベースにしながらデザインバリエーション豊富でおしゃれなコーナーとなっている。
百貨店や専門店のランジェリー売り場にはあまりないコロニアル感覚といったらいいか。6千円台から1万円台という中心価格は適正だと思う。


市場の可能性が大きいと思えたのが、一番奥にあった子供部屋。
表のウィンドゥディスプレイの一角も子供用品で飾られていた。


2014春夏シーズンはアマゾンの熱帯雨林をテーマにしているだけに、非常にカラフルだが、蜷川実花のニナデジがウィンドゥディスプレイやノベルティバッグに使われているのはちょっとやりすぎ感があった(この位しないとこの広さでオープニングの迫力がでないかもしれないが、同店のテイストとは異質)。

大きなウィンドゥディスプレイに使われていたカラフルな刺しゅうの椅子カバー。こういうエスニックな工芸品感覚を取り入れているのがもともとの「ZARA HOME」の持ち味。ZARAグループが世界に開拓している生産基地を生かしたインテリア用品の発信がこれから期待される。

価格帯はミドルアッパーというところ。いつもソルドの時期にパリで購入している者としては、全体的にやや割高感があるのは否めない。他店との差別化によって優位性をいかに出していくかが勝負だろう。

 2014/04/11 11:23  この記事のURL  / 
モダンなセクシーランジェリー
前回のセクシーランジェリーの話題が好評(?)だったので、その第二弾。

最近、ネット販売などで際立った伸びを見せているブランドが、「IMPLICITE(アンプリスイット)」。
ネット上で目をひくコントラストのはっきりした色づかい、ボディを強調した大胆なカット。素材やレースの使い方は非常にモダンな感覚だ。
実物を手にすると、色々なところが開くようになっているなど、細かい仕掛けが施されているのがわかる。
しかも、フランス正統派ブランド「シモーヌ・ペレール」の別ラインだけあって、機能性や着用感といったランジェリーの基本はしっかりおさえている。

2014秋冬シーズンの新製品は、「隠す」と「見せる」がさらに絶妙なバランスになっている。
ドレープに包まれながら、一方では異なる顔を見せるボディやブラ。
アイラッシュ(まつげ)を模したアールデコモチーフのハーフカップ。


従来、セクシーランジェリーのターゲットは男性と相場が決まっていたが、最近は女性自身にも直球で投げられている。
まさに女性の多面性をあらわす現象だと思う。
 2014/04/07 11:12  この記事のURL  / 
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プロフィール
武田尚子(たけだなおこ)
ジャーナリスト・コーディネイター

ボディファッション業界専門誌記者を経て、1988年にフリーランスとして独立。
ファッション・ライフスタイルのトータルな視野の中で、インナーウエアの国内外の動向を見続けている。
また、セミナー講師やコンサルタント業務も行っている。
武田尚子プロフィール
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