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トレンドセミナー開催します
「パリ国際ランジェリー展」が開幕したのは、ちょうど1か月前。日本に帰ってからも実にめまぐるしい日々であった。
いろいろな作業をしながらも、自分の中で今回の展示会を反芻し、じっくりと熟成させるには、最低1か月は必要である。
この間、いくつかのメディアに投稿した。
2月24日(月)付『WWDジャパン』には、特にセレクトショップバイヤーを対象にしたレポートを寄稿しているのでご覧ください。

このINNER通信でも時々発信しているが、今、世界のランジェリーがどのように変化しているのか(私自身のフィルターを通したものですが)といったまとめとしては、やはりセミナーに帰結する。
セミナーも私にとっては、重要なメディアの一つ。話をしながらも新しい発見があり、回を重ねるうちに伝えたいことも少しずつ変化していく。

「パリ国際ランジェリー展」もフランス国内業者の小さな合同展だった時代から数えて51回目。
私はそのうち28回を知っているわけだが、今回は大きな変化がいくつかあった。約30年前からアウトソーシングでプレスを担当していた女性の会社が去ったこと(ここ20年近くはアンテルフィリエールのプレス会社だった)。世代交代の時期に来ていることを痛感させられた。

会場内の大きな変化としてあげられるのは、次シーズンの最新トレンドを見せるトレンドフォーラムがなくなったことであろう。
いや、正確にいうと、従来の製品トレンドフォーラムが「ブティックトレンド」というかたちへ移行。あくまでショップの中でどのように新しいコレクションを見せるかというところに軸が映った。これも時代の変化だと思う。


これは主催者の考え方で、ここ数シーズン、コレクションをテーマごとに陳列するトレンド発信よりも、会場デザインによって世界観を伝えることに力点が置かれるようになっていた。
詳細は、トレンドセミナーでお伝えいたします!
http://www.apalog.com/news/archive/4861

日本のランジェリービジネス関係者、ファッションビジネス関係者も、「トレンド」というものへの考え方、とらえ方を変える時期に来ているような気がする。単に表層的なモノの変化だけを追うよりも、もっと個々の内なる声を聞きたい。

私はランジェリーのマニア的な要素は皆無である。世の中に対するインパクトには欠けるかもしれないが、常に俯瞰した視線でランジェリーのことを見続けてきたし、これからもそういう立ち位置でいたいと新たなる決心をしている。


 2014/02/25 11:42  この記事のURL  / 
ショッピングセンター詣で
世界どこもかしこもレジャー型の大型商業施設がバンバン出来ている。
SPAチェーンやブランドショップが多く入ったショッピングセンターにアクトレットモール。それらは便利に違いないが、どこか無機的で無国籍の空気の中で、自分がどこにいるのか分からなくなるような錯覚に陥る。
日本国内と比較すると、海外のショッピングセンターはとにかく広い。1店舗当たりのスペースもパブリックスペースもゆったりしているので、一周りするだけで相当の体力を使う。

欧州最大といわれるのが、ロンドンのウェストフィールド。西ロンドンの方にも、東ロンドンのストラットフォードシティも既に経験済みなので、今回は新しいところへ。

情報誌を頼りにWembley Stadium近く(降車駅は同名の駅)にある「ロンドン・デザイナー・アウトレット」へ行ってみたが、その名に裏切られた恰好だった。
その立地のせいもあって、1階の多くを占めていたのはポピュラーなスポーツブランドやシューズブランド。奥には「マークス&スペンサー」が大きなスペースを割いている。
階上も、イギリスで広く支持されている一般的な中級ブランドばかり。
ファッションというよりはキッチングッズやテーブルウエアの店が目立っていた。

何より閉口したのは、屋根があまりない建物の構造なので、店から店への移動にも雨でずぶぬれになったこと。
テナントがまだ全部埋まっていないところを見ると、評価のほどが伺える。やけに派手な駐車場ビルが物悲しく映った。

駅のそばには客を誘導するサインがあふれていたが、Wembley Stadium駅から実際に歩くと結構な距離。突き当りの競技場を右に折れ、さらにその先

スポーツブランドが勢ぞろいの中で、インナーウエアが目を引いたのは、かつての北欧テニス選手の名をつけたライセンスブランド「ビヨン・ボルグ」

キーテナントはここでもやっぱり「マークス&スペンサー」

パリでは、セーヌ左岸に昨秋オープンした「ボーグルネル」へ。
10年がかりで開発を進めていた所で、パリ在住の友人からは異口同音で「あのプールのあるそばね」。子供を持つ親にとっては、すぐ近くにある市営プールは前から馴染みがあるところらしい。

地下から天井までの吹き抜けとガラス屋根がパリらしい

広々とした館内。ここもSPAチェーン系のテナントが中心だが、グランドフロアには「ゲラン」「バカラ」、そしてなぜかアメリカのデザイナーブランド「マイケル・コース」

未来的な雰囲気の渡り廊下で別棟に行くと、ここにも「マークス&スペンサー」が

こういう休憩スペースがフランスらしい(空港や展示会場とも共通点)。そこに置いてあるグランドピアノも自由に弾くことができる

日本の「ユニクロ」「MUJI」もこのショッピングセンターに入っている。
「MUJI」のある地下のインテリアフロアにはこの店も。

 2014/02/17 20:46  この記事のURL  / 
産学共同イベント「ニケ像」
東京表参道のランドマーク、スパイラル1階入り口にあるショウケースに、「勝利の女神 ニケ」が出現した(2月10日から12日までの3日間限定)。

幅180cm、高さ95cm、奥行35cmの、大きな羽根の形をしたこのオブジェ。よく見ると多くのブラジャーが重なり合ってできている。
白とピンクを中心にした色のグラデーションが美しく、彫刻的。羽根の立体的な雰囲気がよく出ている。


これを制作したのは、女子美術大学芸術学部アート・デザイン表現学科のファッションテキスタイル表現領域の学生。
女子美といえば「ニケ」(ルーブル美術館・ダリュの階段踊り場にある首のないニケ像)というように、同校にとってはシンボル的な存在だが、これは一般社団法人 日本ボディファッション協会からの依頼(テーマ:「百花繚乱!」)を受けて創作された。

実は、今年は、アメリカでブラジャーが発明されて100年という記念すべき「ブラジャー100周年」の年に当たる。
国内ボディファッション製造業者の団体である同協会は、今年1年間、「百花繚乱!」をテーマにさまざまなイベントを企画しており、その第一弾として、春のキャンペーン「春はボディファッションを贈る季節です」に合わせ、協会としては初の産学共同イベントを企画したという。「百花繚乱」にはすべての女性が社会で活躍する姿が重ね合わされている。
ちょうど、このイベントの最終日、2月12日が「ブラジャーの日」に当たる。

このオブジェへの素材提供に参加したのは、同協会会員企業7社で、使われたブラの数は400枚。
「結構重さのあるものだし、しかも一つ一つ重さが違うので、バランスをとりながらテグスに吊るすのが大変だった。軽い羽根の感じを出すのに苦労しました」。
制作にかかわった学生の栗原綾乃さん(右)と小川美咲さん(左)はこのように話している。


背景には、ワコールが進めている産学連携の取り組みがあり、同社が女子美術大学での授業を始めて、今年で2年目に入る。普段はアートやデザインを学問として学んでいる学生にとって、自分の体について向き合うこと、また市場リサーチや商品企画も含めて実際に産業に触れる機会は非常に貴重な経験になっているという。

 2014/02/10 22:57  この記事のURL  / 
小さなバストへの救世主
ニッチマーケットへの対応も多く見られるのが「パリ国際ランジェリー展」。
一時は大きなバスト向けのブランドが花盛りだったが、最近はそれも落ち着き、逆に小さなバスト向けのブランドが登場している。
大きなバスト向けがどちらかというとマーケティング主導のマス市場型なのに対し、小さなバスト向けは作り手である女性の実感に基づいた独立系デザイナーブランドによって取り組まれている。見た目の派手さはないが、洗練された知的な印象。

パリのギャラリーラファイエットのランジェリー売り場にも展開されている「yse(イセ)」(仏)に続き、今回初登場したのが
AIKYOU(アイキョウ)」(独)。
スタートから3シーズン目の新しいブランドで、このブランド名は日本語からインスピレーションを受けたらしい。

「女性の25%はバストが小さくて悩んでいる」(ドイツでも!?)として、「Dカップなど大きなバストには似合わないシンプルなカットを特徴にしている」と話す。

小さなバストというと、日本だったらおもいっきり厚いパッドを盛り込みそうなところだが、これは「yse」も共通し、フリルなどの大げさな装飾や派手な色は使わず、ソフトなカップ(ワイヤー入り)のコンパクトなフォームが中心となっている。小さなバストはそのままで美しい! 無理して大きく見せる必要はないというわけだ。


翻って日本市場を見ると、長い間、Aカップは日陰者扱いであったが(その昔、ブラはほとんどがAカップだったのに)、ここにきてやっと日が当てられてきている。

ワコールは、ネット通販ワコールウェブストア限定で2012年から展開している『Aカップさんのためのブラ』の中で、AAカップタイプ(特許出願中)を発売(2014年1月30日〜8月31日限定)。カップと上胸の間の隙間をなくし、ワイヤーが当たって痛いという悩みを解消している。
ちなみに同商品を開発している「すごい下着発明部」では、大きなバストを小さく見せるミニマイザーをヒットさせている。

国内メーカーの下着ブランドのほとんどのブラジャーからAカップサイズが消えて(ベーシックな定番商品や量販店商品はのぞき)からどれだけ経つだろうか。
市場全体からすると、大きいサイズの悩みよりは少数派かもしれないが、確実にこの層は存在する(その悩みゆえ、なかなか声があげられない)。

カップサイズが豊富なことが強みの日本。今一度、Aカップを復活していただきたい。

 2014/02/08 11:32  この記事のURL  / 
立体的、複合的に売り場が変化
世界のファッションのセンターといえるのは、今も昔もやはりパリ。パリを拠点としながらもう1都市という時に、婦人服ビジネスの人々はミラノへ行くらしいが、ランジェリー関係者はロンドンに足をのばす人が多い。
ニューヨークまで周るまでもなく、世界の小売流通市場の趨勢や新しい動きが感じられるからだ。百貨店(高級店からお手頃版までさまざま)やチェーン店を見るのには欠かせない。

というわけで、私も年に1回、1月にはパリの前か後かにロンドンに寄るようにしている。空港からの移動のストレスをはじめ、とにかく歩け歩けの街なので、しんどい思いしてロンドンに行くのはもうやめようと思いながら、やはりロンドンの街を見る重要さを感じる。

大規模ショッピングセンターは既に見て回っているのでパス。今回、私が改めて注目したのは、ロンドン一大繁華街といえるオックスフォードサーカス界隈である。
これだけ多くの人が通りを歩いているのは、ヨーロッパではあまり他に見られない。「ユニクロ」も「トップショップ」もここにある。
ちょうど「バーニーズNY」のような質感や規模感が心地いい「リバティ」は、私にとっては安らぎの場所だが、目抜き通りの話題の店では、まさに今の時代というものを肌で感じた。

その代表が、「アンドアザーストーリーズ(& other stories)」(実は店に行った時はそうとは気がつかなかったのだが、H&Mグループの新業態)〈売り場写真上〉と、「アーバン・アウトフィッターズ」(ロンドン進出の早いアメリカ小売業グループだが、最近移動してリニューアル)〈売り場写真下〉。
共通して、売り場構成が、立体的、複合的になっているのが特徴だ。

吹き抜け構造の多層階で、階段をのぼりながら階下の様子が一目で見渡せる売り場づくりから始まり、婦人服もランジェリーもアクセサリーもコスメもステイショナリーも、以前のようにコーナーで分けずに、一つの世界の中でミックスさせてある。
まさにアイテムミックス、カテゴリーミックス。もうカテゴリーごとのMDでは物が売れなくなっている時代の反映ともいえる。
目的買いではなく衝動買い。それだけで消費者ニーズをカバーすることはできないだろうが、今、新鮮さを出すために売り場に必要なのは、やはりこの手法なのである。ただセレクトすればいいというものではない。

まさにデジタル時代、3D時代を象徴している。
ああ、世の中、何事も複雑になってきた。シンプルだった昔はよかったとぼやくことだけはやめようと思うが、店頭だけ見てもこうなのだから、市場全体はいったいどういうことになっているのか、考えただけでも気が遠くなる。
 2014/02/03 21:46  この記事のURL  / 
プロフィール
武田尚子(たけだなおこ)
ジャーナリスト・コーディネイター

ボディファッション業界専門誌記者を経て、1988年にフリーランスとして独立。
ファッション・ライフスタイルのトータルな視野の中で、インナーウエアの国内外の動向を見続けている。
また、セミナー講師やコンサルタント業務も行っている。
武田尚子プロフィール
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