« 2013年01月 | Main | 2013年03月 »
実用的なシルクの魅力
ヨーロッパでは、シルクやカシミヤを使った衣服が多い。それほど高級品ではなくても、カシミヤ混のニットやカットソーは日常的に見られる。
ランジェリーもいかにもシルクという気どりではなく、モード性の強いものにシルクが多く使われ、市場にあふれている量販品との差別化にも貢献している。
カシミヤはラウンジウエアによく使われている。
つまり、シルクやカシミヤの糸を使ったファブリックの種類が圧倒的に多いと思う。
機能性やコストから考えると、化合繊が主体になるのは当然なのだが、五感に敏感な人にとって、天然素材ならではの肌触りの良さは何物にも代えられない。

シルクといえば、日本もかつては国益を担っていたほどの歴史と伝統があるが、近年は影が薄かった。それが、昨今の天然素材回帰によって、再びシルクの良さも見直されてきている。

国内生産、天然素材を重視しているメーカー、美光の2013秋冬の展示会では、シルクのインナーウエアがいくつか見られた。

寒がりの私が個人的に一番興味をもったのは、この肩かけ。
フリースやキルティングなどの素材は多いが、これはシルク100%のニット素材。体にフィットして、ベッドの中でもごろごろすることがなさそう。

また、ファンデーションにもシルクが使われている。
肌に当たる内側がシルクになったリバーシブル天竺のブラキャミは、肌の弱い人に喜ばれるに違いない。

ヨーロッパのモードとは異なる日本的な実用発想は、海外市場でも武器になるのではないだろうか。


 2013/02/26 17:03  この記事のURL  / 
ルーマニアのブランド
世界のランジェリービジネス関係者が集まる「パリ国際ランジェリー展」。今回は世界32カ国から550ブランドが集結した。
このクローバルな時代において、それぞれのブランドがどこの国のものであるかの明確な線引きは難しくなっているのだが、それでも背景にあるお国柄というのは出るものだ。

ヨーロッパの中でも、決して出展者数は多くないが、気になる存在となっているのが東欧のルーマニア。
ルーマニアというと、あの悪名高きチャウシェスクの政権時代や、ロマ人が多いことがすぐ思い浮かぶ位で、実はどういう国であるか私はあまりよく知らない。
それでもランジェリーを見る限り、非常に豊かでハイソサエティな文化があることが伝わってくる。

中でもいつも感心させられるのが、「I.D.サリエリ」。どれも実用とは対極のスタイルで、フェミニンかつセクシーでありながら、強烈な新しさがあるのだ。

写真のベロアと透ける素材のコントラストが非常にモダンなブラは、カポーティ原作でA・へプバーン主演の映画としても有名な『ティファニーで朝食を』がグループ名となっている。
総レースも美しいが、こういうレースを使わないスタイルも魅力的。




やや、クラシックではあるがヨーロッパ的な正統派エレガンスの「プレリュード」(右下の黒のボディ)、またセクシーなテイストも持ち味の創業20年の「ジョリドン」(オフホワイトの袖付ボディ)も、ルーマニアのブランド。いずれも華やかな演出がいつも目立つ。
「ジョリドン」はランジェリーショーのフィナーレに登場し、華やかなコレクションを見せた。


「I.D.サリエリ」の輸入歴は意外に長く、今のインポーターはアイ・ピー・エフ。
「ジョリドン」来シーズンからアルテックスが輸入を始める。

 2013/02/25 13:42  この記事のURL  / 
コラボで親子ルームウエア
セレクトショップの草分け、ビームスが、ファミリー3世代に向けてスタートした新業態「B:MING LIFE STORE(ビーミング ライフストア)では、「my panda(マイパンダ)」とのコラボレーションによって新しいルームウエアを発売する。

「my panda(マイパンダ)」は、スープ専門店「スープストックトーキョー」やネクタイ専門店「giraffe」を手がけるスマイルズが2012AWから展開しているファッションブランドで、色と色、素材と素材の組み合わせによるツートンがテーマにしている。
ツートンで自分らしい”カワイイ“のものさしを発見し、ツートンを通してコミュニケーションが生まれていくという、新しいファッションのあり方を提案しようというもの。

今回のコラボで発売するルームウエアは、上質な肌触りのオーガニックコットンを用いたバイカラ―で、キッズとレディースの展開。
地味になりがちなオーガニックコットンウエアだが、「マイパンダ」らしいカラーリングをプラスして、親子で楽しめるようになっている。
色は、ブラック/ホワイト、ブルー/ピンク、ライトイエロー/ライトグレーの優しい3色展開となっている。
写真は、肩にリボンのついたタンクトップ。キッズが7245円、レディースが8295円。
ルームウエア自家需要としてのこの価格は、ある意味で挑戦といえるが、コラボ双方のブランドの魅力で新しい市場がつくられることを期待したい。

ルームウエアは、インナーウエアとアウターウエアをつなぐ中間領域として、以前から様々なアプローチがされているが、アパレルのカテゴリーとしてはまだまだ未成熟で確立されていない。
人々のリアルなライフスタイルに沿ったものがファッションに求められているなかで、このような提案はますます増えそう。
 2013/02/22 10:34  この記事のURL  / 
ランジェリー次世代ブランド
考えてみると、ここ1カ月近く、パリ滞在中から日本にもどってからも、ずっとランジェリー展の写真や資料の整理に関する業務に追われているのだが、やっても、やっても終わらない。効率化できないところが悩みの種だ。
セミナーでは、その凝縮したエッセンスをお伝えしたいと思っているので、ご期待ください。

さて、昨日は、2月に入ってから初めて東京へ。
恒例の「ルームス」を一巡りした。相変わらず、服のブランドは今ひとつ影が薄いが、個性ある小物や雑貨類がバラエティに富んでいて、地場産業ブースもぐっと楽しくなった。
会場を回るにはエネルギーを要するが、とにかくファッションのインスピレーションをかきたてる仕掛けには満ちている。

そんな中でも、今回はランジェリーの出展があった。
黒髪のちょっと不気味なモデルの写真に目がとまり、話を聞くと、デザイナーの高崎聖渚さんは、パリのエスモードでランジェリーを学んで帰国したという。

オーナーの力を得てデビューさせたランジェリーブランド名は「N.SENS(エヌ・センス)」。
パンフレットにはこうある。

感情を纏うランジェリー美人画の匠 池田蕉園の―夢の跡―にみる「日本的精神美学」と「パリモダン」を融合させたオリエンタルランジェリーメゾン
各年代の女が抱く鬱屈した感情を繊細なリバーレースや生地に置き換えてミステリアスなディテールへと昇華する女による女のためのメゾン


そういう意識を早い時期から育てたいと、ファーストブラ(ローティーンの着け始めブラ)を同時に展開しているのが特徴だ。

最近、パリのレストランの業界では、若い日本人シェフが新しく店をオープンする動きがあるようだが、ランジェリーの世界でもぽつぽつと、日本帰国組も含めて日本人デザイナーの存在が出てきたように思う。
ファッションの次世代に期待したい。

 2013/02/15 11:27  この記事のURL  / 
トレンドの変わり目
今、フランスでは、同性婚の問題が社会的な話題となっている。
シャネルのオートクチュール・コレクションにも、ELLEの表紙にも、同性婚を意識したかのような美しいモデルの女性カップルが。
かの国では、ファッションが社会問題に直結している(しかもその表現はあくまで美しい)ことを痛感しながら、日本に帰ってきた。

日本でも急激な変化を見せているのは何も株価だけではなく、いろいろなところで時代を検証しようという動きが出ている。
「日本人は何を考えてきたのか」というシリーズ(NHK・ETV特集)の一環で、女性解放運動のリーダー役であった2人のシンボリックな女性、平塚らいてうと市川房江に焦点を当てたテレビ番組が放映されていた。これは非常に興味深いものだった。
日本における「女性解放」と下着の関係を改めて考えてみたいと思いながら、日々、目の前のことに追われている私である。

さて、ランジェリーの世界は、ここ数シーズン続いた「シェイプウエア」(体型補整下着)トレンドが落ち着き、時代は再び、「セクシー」を模索し始めている。
「セクシー」とひと言で言っても、いろいろなセクシーがある。
ヴィクトリア・シークレットの、あのわかりやすい派手なセクシーだけがセクシーではない(!)。

機能性からモードへ、実用から情感に訴えるものへと、トレンドの振り子が大きく揺り戻しているのである。
久々に、インナーのアウター化、クロス化の動きも復活している。

今、世界のランジェリーはどう動いているのか、その背景にあるものは何か――。
大阪と東京で開催するトレンドセミナーでは、今回の「パリ国際ランジェリー展」を中心に、ヨーロッパ取材で感じたことを詳しくお話させていただきたいと思っている。



 2013/02/04 23:16  この記事のURL  / 
プロフィール
武田尚子(たけだなおこ)
ジャーナリスト・コーディネイター

ボディファッション業界専門誌記者を経て、1988年にフリーランスとして独立。
ファッション・ライフスタイルのトータルな視野の中で、インナーウエアの国内外の動向を見続けている。
また、セミナー講師やコンサルタント業務も行っている。
武田尚子プロフィール
リンク集
2013年02月
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28
カテゴリアーカイブ
最新記事
月別アーカイブ

http://apalog.com/inner/index1_0.rdf
アパレルウェブ
QRコード
アパレル業界の情報満載の「アパログ携帯版」
右のQRコードで読み取ってアクセスしてください。こちらからも自分の携帯URLを送れます。 QRコード