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月夜にたたずむ
東京ミッドタウンにあるサントリー美術館で、「WACOAL DIA」の2010秋冬物展。
シーズンテーマは、“月夜の華”。春夏の“太陽”に対して、日本独自の情緒に基づく“月”を、未来的、宇宙的な表現にまで昇華させていた。

「虫になった気持ちで、月夜におこっている自然の変化を眺めている感じ」というように、揺らぎ、輪郭、陰影を、シルエットやレースモチーフに反映させている。

メインカラーは、カシミヤベージュ(キャラメルゴールド、カフェオレ、マスタード…)にセーブルブルー。
今、同美術館で開催中の能衣装展の色と、見事に呼応している。

インナーウエアにお決まりの用途や機能性といったうんちくを、はるかに超越した稀有なコレクション。

「もう“モノ”はいっぱいあるからいい。私は“夢”を伝えたい」――。
トータルクリエイターの神尾敦子さんがそうつぶやくのを耳にして、深くうなづいたのであった。

この時代、才能あるクリエイターに課せられているのは、まさに“夢”以外のなにものでもない。
 2010/06/25 17:46  この記事のURL  / 
中国で遺伝子伝える日本人デザイナー
今から8年前、54歳の時に転勤で行った中国。そこで思いがけない第二の人生が待っていた…。
Xiang(シャン) Design Worksの相 逸男さん。自分の姓の中国読みを冠につけ、フリーランスのデザイナーとして活動している。
元ワコールの社員。社内でも数少ない男性の下着デザイナーであった。
「スタディオファイブ」の立ち上げメンバーで、私にとっては「スタディオファイブの相さん」という印象が強い。
東京で奥様の看病、そして看取りを経て、広州のジャクリンという下着メーカーで仕事をするようになって2シーズン。
月の半分以上は広州郊外での生活である。

――中国はものすごい競争になっているんでしょうね。
「中国でもメジャーリーグの方は、アイム、エンブリー、トリンプの上位3社の強さが安定していますが、マイナーリーグは数多くのメーカーがしのぎを削っています。香港にも程近い広州は、もともと縫製地として知られていますが、この広州だけでも下着メーカーが80社はあるといわれています。創業7年のジャクリンは、最近、旭化成のCADシステムを導入。3年以内に1億元(13億円)の売上達成を目指しています。40代の社長をはじめ、皆、虫のようによく働きますよ」

――そこでデザイナー契約を。
「ワコール時代に一緒に仕事をしたCADの専門家であるパタンナーと、共同生活をしながら仕事にあたっています。初めは、経営者の意図を社内のデザイナーに伝える通訳のような役割でしたね。デザイン専門学校を出ているけれど、広州から一歩も外に出たことのないようなデザイナーたちに、デザインとは何かとか、企画スケジュールの立て方や会議の仕方なども含めてアドバイス。2シーズン目からは、実際に我々日本人チームも同社の製品デザインにかかわっています。中国で仕事をする日本人というのは技術指導が中心なので、まれなケースかもしれません。通常、デザイナーというのはインプットの場所を欧米や日本においていますが、大事なのはそれを加工するデザイナー自身であって、生活の基盤を中国におくのもいいなと思っています」

――新天地での仕事や生活を楽しんでいらっしゃる様子ですね。
「自分にとっても初めての市場でおもしろいですね。ワコール時代は高級品ばかりを手掛けていましたから新鮮です。広州は部材屋さんの競争も激しくて、レースメーカーからの提案やサービスも活発です。ジャクリンは、ブラジャー単価で100元(1300円)から200元(2600円)というボリュームゾーンなので、使うレースも限られますが、1元(130円)のレースも結構使える。二浴染めストレッチも1元であったりするんです」

――今後は?
「ジャクリンとは複数年契約をしたので、当分はこの生活を続けます。私の場合は、『日本にひきとめるものが何もない』と感じて決断しましたが、やはり日本に自分をつなぎとめておく“アンカー(碇)”は必要ですね。私の場合は車。車(イタリア製スポーツカー)が心配で日本に帰ってくるようなものです」
 2010/06/21 12:32  この記事のURL  / 
京都企業のコラボ
ランジェリーとジュエリーは、どちらも女性の肌に近いところで、精神的な満足感やプライドを与えてくれる。

ワコールの高級ブランド「トレフル」では、同じ京都企業の京セラの、再結晶宝石「パパラチア」を使用したブラジャー・チャームの予約販売を開始した。
京都を代表する両社のコラボーレションは、昨年に引き続き第二弾。

天然の「パパラチア」は、スリランカが唯一の原産国という産出量が極めて少ない宝石。京セラの再結晶宝石は、天然の物と比べて内部に傷や不純物が少ないので、宝石本来の鮮やかな色調を再現し、カットもきれいだという。

今回のチャームは、ランジェリーと共通した楕円型モチーフをベースに、K18ピンクゴールドの台座に3.00カラットの「パパラチア」を乗せ、周りに天然ダイヤモンド(44石、合計0.41カラット)があしらわれている。
ペンダントとしても使用できるように、18Kピンクゴールドのチェーン付き。

予約会は32店舗で実施予定、価格は39万9000円。


また、京セラが開発した人工オパール「クリエイテッドオパール」をチャームに使用したブラも、10月中旬から店頭で発売される(こちらは2万62250〜2万7090円)。
 2010/06/16 20:25  この記事のURL  / 
「モード・シティ」最新情報
翌年春夏シーズンのランジェリーとスイムウエアを発表する国際展示会、「モード・シティ」。
9月の開催を前に、今回の輪郭もほぼ見えてきた。
詳細は以下を。
www.mode-city.com

加えて、来年2011年の情報も入ってきた。
これまで9月開催が定石となっていた同展だが、来年2011年からは7月初旬の開催に大きく変更されるとのこと。
2011年は7月9・10・11日の3日間。
詳細はこちらから。
 2010/06/10 22:47  この記事のURL  / 
新しい時代に新しい枠組み
政治も経済も、あらゆる産業も、枠組みやくくりが大きく変化している。というより、旧来のそれが時代に合わなくなってきた。
つい我々は従来的価値観でものを見てしまいがちだが、まったく新しい時代に突入しているのだから、枠組みやくくりも変わらなければならない。
再出発した民主党政権に、我々がかすかな望みを託すのは、新たな社会の基本となる枠組み作りを期待するからだろう。
もう、元には戻れないのだ。

インナーウエア(ランジェリー)も然りである。
衣服という大きなくくりの中で、外側(アウター)と内側(インナー)の境界線は、身に着ける人にとってはあまり重要ではないのかもしれない。
そこまで言い切らなくても、同時に両方を兼ねるものが時には求められている。
快適性や機能性、おしゃれ性において、インナーウエアとアウターウエアとでは確かに異なる面もあるが、今の時代は両者が限りなく近づいているように思う。
1点1点の完成度はもちろんのこと、それ以上にトータルな世界、MDが重要で、そのためには作り手の思想やヴィジョンというものが欠かせない。

こういった時代性を見事に表現しているのが、若いデザイナー、ミキさんによる「MEMAI」。
ファッションの合同展、プラグインで何度か見てきたブランドで、3シーズン目を迎える。
ファッションの魅力、ランジェリーの魅力がつまっている。

●2009SSシーズン(レオパード柄、紫のシフォンがグッとくる)


●2010SSシーズン(サテンのイエロー、グリーンのバランス絶妙)


●2010AWシーズン(赤と黒を基調に、クリスマスムードの小物も)


「MEMAI」のデザイナー、ミキさん
 2010/06/08 10:06  この記事のURL  / 
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プロフィール
武田尚子(たけだなおこ)
ジャーナリスト・コーディネイター

ボディファッション業界専門誌記者を経て、1988年にフリーランスとして独立。
ファッション・ライフスタイルのトータルな視野の中で、インナーウエアの国内外の動向を見続けている。
また、セミナー講師やコンサルタント業務も行っている。
武田尚子プロフィール
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