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銀座「フォーエバー21」所感
昨日、銀座・松坂屋内にオープンしたばかりの「フォーエバー21」を視察。
百貨店側は低迷する百貨店の活性化刺激策として、フォーエバー側は銀座一等地への進出と、双方の思惑がぴったり合っての取り組みだ。

原宿店の行列が印象に強いだけに、覚悟して入ったが、夕方の混み合う時間帯にもかかわらず、余裕の状況に拍子抜け。
何しろ、1階から5階まで、各フロアとも四方八方に出入り口があるし、フロアもゆったりしているから、人の流れがよくて快適なのだ(試着室やレジは、多少行列していたが)。

ランジェリーの売り場は、5階の服飾雑貨フロアの中。
一部、階下の婦人服売り場の中にも、アウターと同じラックにカラフルなブラジャーが陳列されているところもあったが、メインはここ。
ブラやショーツ、キャミソールやルームウエアなど、多品種少量のMDでいろいろなものがある。
とにかく驚くのは、そのほとんどが3ケタ!という価格であること。ワイヤーブラまで500・600円台だったりする。
プリントブラウスのようなハーフトップのブラがかわいい(これももちろん3ケタ)。

お隣にあるアクセサリーも安い。
私個人はここでランジェリーを買うことはないだろうが(婦人服は昨年一度買ったが、やはり「安物買いの銭失い」であった)、アクセサリー、しかも夏用の遊びでつける大ぶりのピアスやネックレス、ブレスレットならゆるせるという感じ。
ここで何を買うのか買わないのかは、人によって違うが、こういう消費もやはり必要なのかもしれないと思ってしまった。
安いとつい、いくつも買ってしまう。そのすべてを末永く大切に使っていくことはあまりないであろうことはよく分かっている。
それでも、非常に刹那的ではあるが、人は(ことに日本人は)一瞬の満足感を求めて買い物せずにはいられない生き物なのである。

このようなファストファッションは本質的にエコとは真逆であるし、メディアの軽々しい過剰報道もどうかと思う。
ホントのところ、安いというのはそれだけで罪作りだし、ましてや商品の品質については言及するまでもないだろう。
だが、である。
節約を強いられるなど、ここのところ日本社会に蔓延している買い控えからくる欲求不満解消の場として、同店オープンがものすごくタイムリーであることは間違いない。
ここはいってみれば、安価なトレンドファッションを媒介にしたテーマパークなのだ。
 2010/04/30 23:39  この記事のURL  / 
「ラ・ヴィ・ア・ドゥ」
ここに来ると、なぜかいつもホッとするのは、その変わらない姿勢のせいだろうか。
アトリエブランドらしいあたたかさがある。

夏&秋コレクション(デリバリーは5月〜8月)展示会は、明日(4月27日)まで。
 2010/04/26 22:30  この記事のURL  / 
拡大路線進める「CW−X」
国内インナーウエアメーカー関連で、最近、盛況さが際立つ展示会といえるのが、ワコールのウエルネス事業部。
コンディショニングパンツ市場のリード役、「CW−X」を核に、順調に売り上げも利益も伸ばしている。

レッグ、フット(シューズ)、水着まで、幅広い商品群を扱っている事業部だが、共通項といえるのが、同社人間科学研究所のノウハウを活かした着圧機能。
レッグ市場のヒットアイテム、レギンスやトレンカも、「着圧」で他社との差別化を図っている。
そのぶれない姿勢が、この時代においては大きな強みだ。

スポーツからライフスタイルへという大きな方向性のもと、2010秋冬シーズンはよりライフスタイル色を強めている。
「CW−X」のタイツ(ボトム)を例にとっても、アスリート仕様から各種スポーツ愛好者向け、保温タイプまで、バリエーションが広がった。
来年の「CW―X」20周年に向けて、さらに顧客と市場の拡大を打ち出している。


 2010/04/24 23:42  この記事のURL  / 
来季「天使」は2タイプ
社長交代が決まったトリンプ・インターナショナル・ジャパン社。その2010年下半期事業戦略を発表する記者会見が開かれた。

「厳しい年だった」2009年に対し、その大掃除の成果もあって、2010年はいいかたちで売上が伸びているという。
2010年秋冬のキャンペーン商品は「天使のブラ」だが、例年と異なり、シャープでグラマラスなシルエットの出る「天使のブラ・ハイブリッドスリム」と、7枚はぎによりってふんわり丸いバストを実現する「天使のブラ・丸胸セブン」の2タイプが登場。着用シーンや気分に合わせて使い分けられるようなっている(写真は「天使のブラ・ハイブリッドスリム」)。
もはや1タイプですべてをカバーする時代は終わった。

さらに、「骨盤のきもち」(2007年発表のガードル)に続き、「肩甲骨のきもち」と名付けられた新しいブラが発表されたが、これはひよっとすると「天使のブラ」を超える人気になるかも。価格はいずれも5000円台。



25年もの間、日本で同社に勤務したクリスチャン・トーマ社長(5月末に引退)は、記者会見の最後に次のように挨拶した。
「以前から55歳を過ぎたら自分の好きなことをやりたいと思っていた。1年早いが、決断した。今後1年は同じ業界で仕事をできない契約になっているが、また、皆さんに会える機会ができると思う」
と、近い将来、日本でインナーウエアビジネスにかえってくることをにおわせた。
優れたマーケッターであるトーマ社長のこと、次なる活躍の場は用意されているに違いない。
 2010/04/22 23:48  この記事のURL  / 
鴨居羊子の『前衛下着道』
川崎市岡本太郎美術館(小田急線向ヶ丘遊園駅よりタクシーで4分)で、昨日、あるレセプションが開催された。
題して『前衛下着道・鴨居羊子とその時代』。サブタイトルがどこかで聞いたことのあるのが?!であったが (左のポスターはチュニックのHPより)。

1950年代の大阪で、新聞記者から下着デザイナーに転身し、きらめく才能を発揮し社会にメッセージを投げかけた鴨居羊子の、「言葉」「絵画」「下着」を紹介したものだ。
非常に中身の濃いかたちで鴨居羊子の全貌が紹介されるのは初めてのことであるだけでなく、鴨居羊子の世界が映像やパフォーマンスも含めてそのままに再現されていたのに驚いてしまった。

私が鴨居羊子の評伝、『下着を変えた女・鴨居羊子とその時代』(平凡社1997年・現在絶版)を出版してからもう10年以上が経つ。
今回の会場に並んでいた絵画などの作品は見覚えのあるものばかりだが、実物を目の当たりにするのは初めてのものも多かった。特に、なかなか見ることのできないチュニック初期の下着が、数多く紹介されているのは注目したい。

川崎市生田緑地の中に立つこの美術館は、岡本太郎の歩みをすばらしいかたちで紹介した美術館だが、なぜここで鴨居羊子なのかというと、同時代の今東光や司馬遼太郎とともに、彼らは親しい友人関係であったからである。
ゆったりしたスペースの会場には、岡本太郎自身が撮影した鴨居羊子の下着の写真(1950年代)が大きく引き伸ばされて展示されていた。
同展覧会を企画実行したのは、現代美術のキュレーター、室井絵里さん。何と、鴨居さんの友人のお嬢さんであったと知り、深く納得したのであった。

レセプションに集まった多くは美術関係者(私の知人だけでも、画廊と絵描きの2人のもとに招待状が届いていた。もちろん鴨居羊子とは特に関係がない)。そもそも会場が美術館なのだから当然といえば当然で、その立地からいっても集客には相当努力していることは頭が下がるのだが、この場にいるべき人が決して多くは来ていなかったし、さらにはファッションのジャーナリスト、ましてや下着関係者がほとんどといっていいほどいなかったのはさびしいものがあった。

鴨居さんは美術業界でもかなりの異端的存在だが、それ以上にファッション業界においては異端者で、鴨居さんに関心を寄せる人は今も昔も多くはない。
私が評伝を出した時も、興味を持ってとりあげてくれたのは朝日新聞をはじめとする一般紙や地方紙の書評欄であって、女性誌、ファッション誌は皆無ともいえる状況であった。

どのジャンルにも属さない、というよりジャンルといった狭い枠(ムラ的な人間関係や権威主義)にはまらないのが鴨居羊子だったのである。
最近になって若い世代がサブカルチャーの一つの流れとして鴨居羊子を再見直しする機運があるようだ。正直のところ、それには何か遠い別世界のように違和感を覚えてしまう自分がいるのだが、それはそれでいいのではないかと思える。

彼女を思う気持ちのある人それぞれに鴨居羊子像があったとしても、「わたしのもの」といった思い込みや勝手な妄想から解放された時に、初めて彼女が真に普遍的なものになっていくように思う。
何やかんやと言いながらも、確実に後世に受け継がれていく存在であることを昨日は痛いほど感じた(ただ、重要な人物がこの展覧会では「抹殺」されていたことは付け加えておきたい)。

下着が「文化」であった時代…。それを遠い過去にしてはならない。

とにかくこの『前衛下着道』を見てください。開催は7月4日まで。
少し不便な場所にありますが、一見の価値はあります(図録もお勧め)。
 2010/04/17 22:37  この記事のURL  / 
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プロフィール
武田尚子(たけだなおこ)
ジャーナリスト・コーディネイター

ボディファッション業界専門誌記者を経て、1988年にフリーランスとして独立。
ファッション・ライフスタイルのトータルな視野の中で、インナーウエアの国内外の動向を見続けている。
また、セミナー講師やコンサルタント業務も行っている。
武田尚子プロフィール
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