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今、問われるローカリゼーション
パリ地域経済開発局主催により、パリ副市長ならびにパリで開催されるファッションとインテリアの見本市主催者がこぞって来日。記者会見・パネルディスカッションとレセプションがキャピタル東急にて開かれた。

昨年と同様、日本で活躍するフランス人ジャーナリスト、ドラ・トーザン氏を進行役にしたパネルディスカッションは、フランス側の主催者と日本側の出展者や関係者がそれぞれの立場からコメントするというもの。
今回は見本市別の構成だったが、出席者のエピソードを通して、見本市出展の背景にはいろいろなドラマがあることを興味深く聞いた。商売だけの割り切った関係ではないところに、この異質な二つの国の関わり方、その歴史の長さを感じさせた。

「パリ国際ランジェリー展」紹介の際に興味深かったのは、潟Aイ・ピー・エフ 中西社長(仏ブランド「シャンテール」などのインポーター)の以下のコメント。

「日本におけるランジェリーのインポートブランドの市場シェアはわずか1%以下。なぜランジェリーは日本で伸びないのか。フランスのものはそのままでは日本では売れない。これからはフランスからデザイナーが日本に来て日本市場に合うものを作り、生産はアジアというふうに考えていかないといけないのではないか」
ランジェリービジネスを始める前、フランスの赤井電機で仕事をしていた自身の経験をもとに「ローカリゼーション」(現地化)の大切さを説いたものだった。

主催者であるユーロベットのマリ=ロール・ベロン氏は、あとから「政治的には正しくない」とつぶやいていたが(今回のイベントのそもそもの目的は製品輸出の促進であるから当然である)、中西氏のコメントはある意味でリアリティがあると思った。

「ローカリゼーション」と聞いて、私がすぐ連想したのは、中国企業に買収されたレナウンの中国での奮闘ぶりを紹介した、先日のNHKのテレビ番組。
生き馬の目を抜くような競争が繰り広げられている中国においても、まだ日本のやり方を引きずっている様子に、親会社である中国側の我慢も限界という状況がありあり。徹底したローカリゼーションで躍進している韓国のアパレル企業に完全にやられている様子を伝えたものだった。
ファッションに夢のあった時代ははるかかなた(一攫千金の夢はあるだろうけど)。時代はまったく違う価値の方向に進んでいる。

ランジェリーにおいても、フランスのブランドはできればオリジナルなかたちでその文化を伝えてほしいという気持ちが、私も強いが、これほど時代が変わると、そうも言っていられない。オリジナルだけで数字を伸ばせといわれても限界があるのだ。
拡大路線でいくものと、小規模でオリジナルの良さをそのまま伝えるものというふうに、ブランドによって明確に戦略を分ける時代に来ているのではないだろうか。

マリ=ロール・ベロン氏がこう語っていたのも印象的だ。
「日本の偉大な企業であるワコール(同社フランス法人は「パリ国際ランジェリー展」の出展者)とも強力して、ランジェリー文化を日本で広げよう。日本にはフランスの強みであるモードを学んでほしいし、フランスは日本の企業の社会的責任や、快適性を作る技術力を学びたい」
 2011/10/31 23:57  この記事のURL  / 
プロフィール
武田尚子(たけだなおこ)
ジャーナリスト・コーディネイター

ボディファッション業界専門誌記者を経て、1988年にフリーランスとして独立。
ファッション・ライフスタイルのトータルな視野の中で、インナーウエアの国内外の動向を見続けている。
また、セミナー講師やコンサルタント業務も行っている。
武田尚子プロフィール
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