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プリントなど素材変化満載
7月開催の「モードシティ」展(春夏物)は、1月の「パリ国際ランジェリー展」(秋冬物)とどこが違うか。
春夏シーズンに欠かせない水着やビーチウエアが半分を占めているというだけではなく、併設された素材展アンテルフィリエールが充実していることがあげられる。

今年1月に、木のパルプを原料とするセルロース繊維、「ナイア」で初出展を果たした米イーストマン社は、今回が二度目の出展となった。この半年で、テキスタイルメーカーやデザイナーとのパートナーシップの輪がさらに広がったようだ。
「新素材として、前回は糸の紹介に軸を置いていたが、今回はニット・布帛あわせて素材変化の豊富さを打ち出した」(マーケティング・イノベーション戦略ディレクター、Glenda W. Elio氏)と話していた。

同社はプリント開発にも力を入れており、イノベーションフォーラムのプリントのコーナーでは3Dプリントを訴求。
また、アンテルフィリエールのトレンドファーラムに掲げられていた、「エレン・ヘーザー」の巨大なプリントスクリーンは、「ナイア」の生地にデジタルプリントを施したものだ。


Elio氏の話では、ユニクロの製品にもテキスタイルメーカー経由で「ナイア」の糸が使われているらしく、日本ではその素材名(商標)は一般にはまだ馴染みはなくても、知らないうちに身に着けているのかもしれない。

 2017/08/28 21:23  この記事のURL  / 
日本の技術が光るパワー切り替え素材
今回のモードシティ展では、出展者も日本から有力なメーカーの動きがあった。
製品では、都市型百貨店で固定ファンをつかんでいる「ランジェリーク」が出展3シーズン目であったのに加え、「プルミエ」も初出展。
そして素材アンテルフィリエール展の方では、常連各社に加えて、デジタルプリントの「ビスコテック」で知られるセーレン(福井で大正12年に会社設立)の初出展が注目された。

ちょうど昨年、上海アンテルフィリエールで同社を取材させていただいたのだが、中国市場は香港事務所を拠点に順調に成長しているとのこと。次のステップとして欧米市場への進出を狙い、今回のモードシティ初出展に挑んだものという。

一番力が入れられていたのは、ビスコテックス技術を駆使したインナー・スポーツ用機能素材「VISCOMAGIC(ビスコマジック)」。
一枚のフラットな生地に数種類のパワー切り替えができるというもので、丸編み素材でありながら柔らかいのが特徴だ。ヨーロッパの業界でも最近注目度が高まっている接着技術の進化版といえる。
繊維を溶かしながらプリントするという技術をパワーコントロールの切り替えに使うのは同社ならではのものだが、その良さは生地のみではなかなか伝わりにくいために、今回は大手商社との連携によって製品でわかりやすく紹介している。
このほか、丸編みフリーカット素材の「Flex Move(フレックスムーヴ)」ももう一つの柱となっていた。

最大の課題は、「グローバルな納期にいかに迅速に対応していくか」と話すのは、同社スポーツ・インナー事業部インナー販売課の塩田清太郎課長。

メイドインジャパンの物づくりの強みをこのように世界に発信している姿勢は、来場者であるファンデーションのプロたちの大いなる興味を引いたようだ。
ファンデーションとスポーツウエアが次なるものを求めているこの時期に、非常にタイムリーな出展だといっていい。
 2017/07/27 11:40  この記事のURL  / 
ハイテク×ECO新素材
おかげさまで盛況のうちに大阪セミナーを終わり、東京セミナーを7日(火)に控えている。
インターネットの時代を反映して、ランジェリーもつかみきれないほどの多様性と複合的な要因をはらんでいるわけだが、セミナー参加者の興味を引いたものの一つに新素材があった。

今回の素材展(アンテルフィリエール)は、全体の出展数は多くなかったが、特別展示エクセプション「ウルトラライト(超軽量素材)」に加え、エコロジー新素材「Naia(ナイア)」のデビューも大きな目玉だったといえる。

これはアメリカの化合繊原糸メーカー・イーストマン社が開発したパルプ由来のセルロース素材。
同社と取り組み関係にある福井のテキスタイルメーカー・広燃に聞くと、レーヨン同様に木材パルプのセルロース(繊維素)で構成されているが、合成の酢酸を作用させて作るために半合成繊維であり、日本では「アセテート」のカテゴリーに当たるという(レーヨンはアルカリ処理し、二硫化炭素と反応させて繊維状にしたもので再生繊維)。

素材開発の大きな流れである持続可能なエコ素材の一環であり、久々の大型新素材の発表だったといえる。しかもラグジュアリーでコンフォート、さらに湿度管理やイージーケアといった機能性があるとくれば、肌に着けるランジェリーにぴったりというわけだ。
モダールなどはそのいい例だが、もともと特に欧米においてセルロース素材はエコロジーな天然素材として人気が高い。イーストマンが世界にさきがけて同展をデビューの場に選んだのは、ランジェリーモードの発信力の高さにあることは間違いない

マーケティング手法的にいうと、素材(繊維)を市場に浸透させるために重要になってくるのがそのネーミング。
「Naia」は、ギリシャ語で英語の“flowing”、バスク語で英語の”desired”、さらに調べるとハワイ語では”イルカ”。まさにエコロジーなムードたっぷり。
同社のブースでもブランド名の背景を次のように説明してくれた。時代を暗示するようだ。
”go with a flow flexibly”
(私は「流れに身をゆだねよう」というニュアンスに受け取った。

残念なことに、このネーミングは日本では使用せず、それ以上に今のところ国内インナーウエア分野での積極的な計画はないようだ。
いずれにしても、素材の動きひとつとっても、時代というものと深くリンクし、我々に深いテーマを投げかけている。

素材トレンドフォーラムの一角にあるイノベーションを見せるコーナー「whisperings(囁き)」では、新素材「Naia」のプレゼンテーションを

ブラジャーからキャミソール、リッチ感のあるラウンジウエアまで用途は幅広い




 2017/03/04 14:02  この記事のURL  / 
多層的に選択肢広がるランジェリー
パリ取材からもどって2日目。いつものことながら身の回りと仕事の整理に追われ、時間がどんどん過ぎていく。

ちょうど大寒の日(第45代アメリカ大統領就任の日でもあった)に日本を離れたのだが、パリはこの30年来ないほどに極寒であった。
おかげさまで冬展連続31回目の記録を達成したのだが、今回ほど追い詰められた気分の時はなかった。それは世界を覆う不安と危機感の影響もあるに違いない。ただ、終わってみると今回ほど感謝の気持ちが大きい時もなかった。

今回の「パリ国際ランジェリー展」では大きな時代の変化を痛感した。
主催者の変革の意識も高く、会場では新しい仕掛けが少なくなかった。
その代表といえるのが、「UNCOVER」エリアの新設。
従来のナショナルブランドとも独立系デザイナーブランドでもなく、明日のランジェリーを示唆するというか、ランジェリーの領域を広げる約40ブランドが集合していた。カテゴリーやアイテムは多様だ。
決して市場のマスになるものではないが、ある意味では実験的なブランドのポップアップショップを集めたスペースといえる。

まさにインターネットの次の時代、ランジェリー市場もこのような多層的な構造になり、その選択肢はこのようにどんどん増える一方。
マスを狙うか、オルタナティブで行くか、売り手も買い手もスタンス次第なのだ。
この複雑な状況をカバーできるように、私も体力、気力を養い続けなければならない。


 2017/01/30 11:50  この記事のURL  / 
パリ国際ランジェリー展開幕
大寒と、アメリカ大統領就任が重なった20日、日本を飛び立ち、寒い寒いといわれているパリに到着した。
空港に降り立った昨日は格別の寒さは感じなかったが、今日は建物の中でも寒くてダウンが手放せない場所があったほど。
今週末のパリでは、ファッション・ライフスタイル関連の見本市が目白押しとなっている。恒例のランジェリー展も、今日からスタートした。
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今回の「デザイナー・オブ・ザ・イヤー」は、フランスを代表するランジェリーブランド「シモーヌ・ペレール」。これまで同賞をとっていないのが不思議なほどのブランドだが、あえて今がふさわしいかもしれない。
同社2代目の会長をはじめ、ご家族総出で記者会見にのぞんだ。


いつも痛感するのは、この展示会は一人で取材する規模ではないということ。
規模というより、多様性。まさにインターネットの次の時代だ。
今回もいつも以上に伝えるべき情報量が多すぎて、茫然としてしまうのだが、3日間、何とかがんばりたい。
 2017/01/22 05:47  この記事のURL  / 
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プロフィール
武田尚子(たけだなおこ)
ジャーナリスト・コーディネイター

ボディファッション業界専門誌記者を経て、1988年にフリーランスとして独立。
ファッション・ライフスタイルのトータルな視野の中で、インナーウエアの国内外の動向を見続けている。
また、セミナー講師やコンサルタント業務も行っている。
武田尚子プロフィール
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