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エスモード卒業の安居院さん
今回の「モードシティ」展の模様は少しずつお伝えしたいが、まずとても幸せな気持ちになったのが、素材展アンテルフィリエールでの“才能あるランジェリーの世界”と名付けられたコーナーだった。

パリ・エスモード校の今年の卒業生の4人の卒業作品が並んでいたが、その中に「TOMOKO AGUI(安居院智子さん)」の名前があった。

彼女が日本の大学でグラフィックデザインを学んで卒業するかしないかの頃、いずれにしても
パリにランジェリーを勉強しにいく決意をかためた頃にお会いする機会があったのだった。
その言葉通り、エスモードでの3年間を終え、今年卒業したばかり。
しかも、ランジェリー科の最優秀賞(major de promotion)をはじめ、シャンタル・トーマス賞(本人の前でプレゼン)、さらにトレンドオフィス賞(プリンセスタムタムの創業者妹であるValerie Delafosse で、有名ブランド複数のデザインを手掛けている)の3つの賞を獲得した。

卒業作品のテーマは、“おばあさんの家の裏庭で(Dans l’arriere-cour chez grand-mere)”。
そのテーマの情景が浮かび、懐かしさや愛おしさがこみあげてくるような作品だ。
自分でストーリーを作ってリサーチを行い、製作、そして審査会に至るまで1年を費やしたという。
「ダイナミックさはフランス人にかなわないので、日本人ならではの繊細さを完璧に表現したいと、細かいディテールまですべて手縫いでおこないました」と安居院さん。
20人のクラスに日本人は一人だったという。

この3年で自分が変わったと思うことは?と尋ねると、「感謝ですね。両親をはじめ私を支えてくれている周りへの感謝の気持ちが強くなった」と話してくれた。
その謙虚なひたむきさ、フレッシュさは、最初にお会いした4年前と少しも変わらない。
今後、彼女がどう活躍していくかが楽しみになってきた。




 2017/07/19 21:20  この記事のURL  / 
ランジェリーもテクノロジー新時代
最近、「AI(人工知能)」と共に、何かと話題となっているキーワードが、「フィンテック(金融×テクノロジー)」。その対象が、食や健康の分野から住や衣の分野へと広がり、1年半位前から「ファッションテック(ファッション×テクノロジー)」のうねりが来ているという。

こう話してくれたのは、FITTIN(フィッティン)を運営する潟tィッティン・代表取締役社長の本間佑史子さん。
ファッションの中でもインナーウエア(ブラジャー)に特化して、オンラインフィッティングの会社を起業した32歳の女性だ。
2009年、新卒でトリンプ・インターナショナル・ジャパンに入社。当時、開発途上だった同社のEC事業の部署に配属され、半年後にはアモスタイルのECの責任者になってサイトの運用を任されたという経験がベースにある。
その後、独立して2015年にサイトを立ち上げ、今年4月からはオリジナルのオーダーメイド(国内生産)システムもスタートさせた。

FITTIN(フィッティン)が注目されるのは、特定のメーカーやブランドに限らず、複数のブランドからニュートラルな視点で自分に合うものが見つかる点で、現在は10社10ブランドが参加している。
つまりユーザーにとっては、メーカーの違いを超えたウェブ上のフィッティングアドバイザーが、自分に合ったものを導き出してくれるというわけだ。
実際に8人の同社スタッフは、アモスタイルやピーチジョンの店頭での販売員経験者。体型別フィッティングモデル(100人)試着による商品データをもとに、プロならではの視点で評価を行っている。化粧品サイトとして知られている「アットコスメ」にも近いビジネスモデルといえる。
既に、同サイトは月間30万PVに成長し、オーダーメイドも月間100枚の受注と順調にスタートしている。

「下着については悩んでいる人が多いのに、それを店頭では恥ずかしくてなかなか声に出すことができないんです。そういう意味で、ウェブとの相性がいい分野だと思います。まずFITTINでまず下調べしておよその知識を得てから、店頭で買い物をするという使い方もできます。次の課題は、ユーザーの選択肢を増やすために参加ブランド数を増やすこと。メーカー各社さんにとってはEC事業の底上げのサービスとして活用していただけます」と、本間さんは熱く語る。

インナーウエアの中で、デザインやモノづくりを切り口にした起業はこれまでも少なくないが、このようにITを活かした新しいビジネスでの起業は画期的といっていい。
しかも、ファッションのオンラインフィッティングの会社は国内に他に3社あるが、インナーウエアに特化した同業者は世界でも他に3社しかないという。
国内インナーウエアも新しいうねりが確実に生まれている。その主軸になっているのは、本間さんのように30代の若い世代。
こういう時代になったのだと実に感慨深い。



 2017/06/08 11:30  この記事のURL  / 
NATORIの新たな挑戦
アメリカ高級百貨店のインティメイト売り場で、長年にわたって、ラグジュアリーな雰囲気を漂わせているのがNATORI。もともと銀行家だったジョジー・ナトリさん(フィリッピン人でご主人が日系3世)が、1977年に創設したランジェリーブランドだ。

アメリカのランジェリーは流通面のみならず、商品面でも世界に影響を与えている。特にホームウエアの豊かさは世界に秀でたものと言えるし、近年では、ランジェリーの原点回帰の中で、アメリカ発のシェイプウエアが世界的なトレンドになっている

そういう中でこの方は今、何を考えていらっしゃるか―忙しい来日の折、商談の合間を縫って、インタビューを試みた。
20年以上前に東京で、約10年前にはパリで、ジョジーさんには確か2、3回お会いしているが、女性起業家の草分けらしい意欲的な姿勢は少しも変わらなかった。



――ずっと東西文化の融合をテーマに、ブランドビジネスを展開していらっしゃいますが、時代と共に何か変化は感じますか。

「気軽さ、着心地、快適さといったもの、あるいはクラフトマンシップや美的センスがますます重要になり、NATORIのブランドコンセプトがさらに受け入れやすい環境になってきました。また現代の生活の中では、東洋と西洋がお互いを尊重し、それぞれの魅力を自然に受け入れるようになったので、グローバルな雰囲気が増していると思います」

――今後の世界戦略についてはどのようにお考えですか。

「現在はアメリカでの売上比率が9割を占めていますが、改めてグローバルな戦略を進めているところで、特にアジアには焦点を当てています。日本の次に中国進出を計画しています。NARORIの世界を表現するには、直営のブティック展開が欠かせませんが、それ以外はお客様がいらっしゃるところへ出るというのが私共の考え方です。それぞれの国や市場に合わせて、直営店と卸の組み合わせで対応しています」

――「ライフスタイルブランド」を標榜し、インティメイトアパレルに限らず、ホームアクセサリーにもカテゴリーを拡大していらっしゃいますが、今後、強化していく分野は何ですか。

「最も強化したいと考えているのは、Ready-to-wear(婦人既製服)です。売上全体の半分以上の構成にまで高めたい考えです。ランジェリーの売り場で革命をおこしたいと、創業当初はスリープシャツ、さらにその後もイブニングなどを提案してきましたが、そのやり方に限界があったことから、ランジェリーと婦人服を区分けして事業展開していく方向に切り替えました。ランジェリーの売り場でいくらライフスタイルやソフトスタイリングの考え方を表明しても、お客様は受け入れてくださらない。ランジェリー売り場にはランジェリーを買いに行くのです。ここで革命を起こすのには無理というのが現実です。NATORIのコンセプトには少しも変わりはないですが、お客様がいらしてくださるところに行きたいのです」

――アメリカのランジェリー市場といえば、相変わらず「ヴィクトリア・シークレット」が強いですね。

「ファッション化されていること、何といってもマーケティング技術が高いのが彼らの強みでしょう。百貨店のランジェリー売り場と違って、買い物をするのに便利な店の形態であることも大きいです。NATORIのヤングカジュアルライン『Josie』のコンペチターは、『ヴィクトリア・シークレット』ととらえています。でも、コレクションラインの『Josie Natori』にはコンペチターはいないと自負しています」


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 2012/06/28 23:16  この記事のURL  / 
好調なワコールフランス
昨年2010年、売上トータルで前年比34%という驚異的な伸びを見せているワコールフランス。
イタリアをはじめ、フランス以外の国への輸出が伸びていることも要因だが、フランス国内においても、信頼できるブランドとして専門店における店頭シェアを広げている。
同社の山本正司社長に、今の思いを伺った。

「市場がどんなに変化しようと、大手資本のチェーン店が乱立しようと、下着専門店が生きのびているのはなぜか。それをずっと考えて来ました。専門店が生きのびているのは〈専門〉だから。顧客のことを知りつくしたプロフェッショナル性がその理由であると思います。今、消費者が求めているのはクオリティの高い商品とクオリティの高いサービス。商品供給側もクオリティを同じレベルにしておかなければなりません」


ランジェリー専門誌『インティマ』で実施された、シェイプウエア(体型補整ファンデーション)に関する専門店アンケートによると、ワコールフランスの評価は、フランスで第1位、アメリカで第3位。フランスにおいては、機能性においてもファッション性においても名実共に1番の人気ブランドとなっている。

いよいよこの4月からは、サイズの大きな女性を対象にした新シリーズ「アンヴィ」の店頭発売がスタート。今回のパリ国際ランジェリー展で発表されたセルライト対応「ビューティシークレットスリム」も、その後に続く。
同社が強みとするこのような機能商品だけでなく、シーズントレンドを反映させたファッションラインも洗練さを増している。機能商品の基盤が整えば整うほど、ファッション商品の輝きも増す。

続々と話題商品が登場し、ワコールフランスは今年もますますパワーアップしていくに違いない。
WWW.WACOAL.FR

 2011/01/31 21:46  この記事のURL  / 
中国で遺伝子伝える日本人デザイナー
今から8年前、54歳の時に転勤で行った中国。そこで思いがけない第二の人生が待っていた…。
Xiang(シャン) Design Worksの相 逸男さん。自分の姓の中国読みを冠につけ、フリーランスのデザイナーとして活動している。
元ワコールの社員。社内でも数少ない男性の下着デザイナーであった。
「スタディオファイブ」の立ち上げメンバーで、私にとっては「スタディオファイブの相さん」という印象が強い。
東京で奥様の看病、そして看取りを経て、広州のジャクリンという下着メーカーで仕事をするようになって2シーズン。
月の半分以上は広州郊外での生活である。

――中国はものすごい競争になっているんでしょうね。
「中国でもメジャーリーグの方は、アイム、エンブリー、トリンプの上位3社の強さが安定していますが、マイナーリーグは数多くのメーカーがしのぎを削っています。香港にも程近い広州は、もともと縫製地として知られていますが、この広州だけでも下着メーカーが80社はあるといわれています。創業7年のジャクリンは、最近、旭化成のCADシステムを導入。3年以内に1億元(13億円)の売上達成を目指しています。40代の社長をはじめ、皆、虫のようによく働きますよ」

――そこでデザイナー契約を。
「ワコール時代に一緒に仕事をしたCADの専門家であるパタンナーと、共同生活をしながら仕事にあたっています。初めは、経営者の意図を社内のデザイナーに伝える通訳のような役割でしたね。デザイン専門学校を出ているけれど、広州から一歩も外に出たことのないようなデザイナーたちに、デザインとは何かとか、企画スケジュールの立て方や会議の仕方なども含めてアドバイス。2シーズン目からは、実際に我々日本人チームも同社の製品デザインにかかわっています。中国で仕事をする日本人というのは技術指導が中心なので、まれなケースかもしれません。通常、デザイナーというのはインプットの場所を欧米や日本においていますが、大事なのはそれを加工するデザイナー自身であって、生活の基盤を中国におくのもいいなと思っています」

――新天地での仕事や生活を楽しんでいらっしゃる様子ですね。
「自分にとっても初めての市場でおもしろいですね。ワコール時代は高級品ばかりを手掛けていましたから新鮮です。広州は部材屋さんの競争も激しくて、レースメーカーからの提案やサービスも活発です。ジャクリンは、ブラジャー単価で100元(1300円)から200元(2600円)というボリュームゾーンなので、使うレースも限られますが、1元(130円)のレースも結構使える。二浴染めストレッチも1元であったりするんです」

――今後は?
「ジャクリンとは複数年契約をしたので、当分はこの生活を続けます。私の場合は、『日本にひきとめるものが何もない』と感じて決断しましたが、やはり日本に自分をつなぎとめておく“アンカー(碇)”は必要ですね。私の場合は車。車(イタリア製スポーツカー)が心配で日本に帰ってくるようなものです」
 2010/06/21 12:32  この記事のURL  / 
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プロフィール
武田尚子(たけだなおこ)
ジャーナリスト・コーディネイター

ボディファッション業界専門誌記者を経て、1988年にフリーランスとして独立。
ファッション・ライフスタイルのトータルな視野の中で、インナーウエアの国内外の動向を見続けている。
また、セミナー講師やコンサルタント業務も行っている。
武田尚子プロフィール
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