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3つのモード展覧会
7月8〜10日に開催された「モードシティ」展の取材出張を終えて、帰ってきた。
「モードシティ」展はランジェリーと共に水着・ビーチウエアの比重も高いので、1月の「パリ国際ランジェリー展」に比べると、日本からの来場者も少なめ。
ただパリおよびヨーロッパではこの時期に思いがけない質の高いモードやアートの展覧会に出会うことができる。

今回はパリで「ディオール展」と「バレンシアガ展」。さらにベルギーのアントワープまで足をのばして「エルメスーマルジェラ展」を観てきた。
インナーウエア業界関係者にとって、ランジェリーの国際見本市で最新の情報を知るというのも重要だが、それと共に(いやそれ以上に?)ランジェリーやモードの背景にある文化や歴史に触れるということは、日本国内にいては絶対に体験することができない。
そういうことも含めての海外出張であることを、このビジネスに関わる人々に伝えたいと私は思う。

ルーブル装飾美術館で開催されているクリスチャン・ディオール展“COUTURIER DU REVE(夢のクチュリエ)”。
その規模、点数、構成力、空間演出の仕掛け等々、圧倒される。もう言葉がない。
ディオールはまさにフランスのシンボル、モードの歴史そのもの。

モンパルナス近くのブルーデル美術館で昨日まで開催されていた“バレンシアガ 黒の作品展”。
かつてブルーデル自身が住んでいた邸宅は、庭園も含めて心地よい美術館。
荘厳なブルーデルの彫刻作品が散りばめられた館内には、黒のドレスが不思議に溶け合う。
そのシルエットの美しさの秘密が垣間見られるような美しい展覧会だった。
アートとモードのこういった邂逅はやはりパリならでは。

パリから片道2時間で行くことのできるアントワープは、王立芸術アカデミーでも知られる場所。同出身の「アントワープの6デザイナー」の一人、マルタン・マルジェラの“MARGIELA THE HERMES YEARS(エルメス時代のマルジェラ展)”がMOMU(ファッション美術館)で8月まで開催されている。
マルジェラ自身のコレクションとマルジェラがウィメンズアーティスティックディレクターを務めた時代のエルメスのコレクションが、テーマ別に隣に並んでいる。
内側と外側の境を外すなど、ランジェリーの本質にも通じるコンセプチャルかつ実験的なデザインで支持されるマルジェラが、エルメスのデザイナーに就任した時は一瞬意外に感じたものだが、こうしてみるとマルジェラならではのエルメスコレクションであったことを実感した。
エルメス時代のマルジェラの服が似合う女は、私にとって永遠の憧れ。


 2017/07/17 10:15  この記事のURL  / 

プロフィール
武田尚子(たけだなおこ)
ジャーナリスト・コーディネイター

ボディファッション業界専門誌記者を経て、1988年にフリーランスとして独立。
ファッション・ライフスタイルのトータルな視野の中で、インナーウエアの国内外の動向を見続けている。
また、セミナー講師やコンサルタント業務も行っている。
武田尚子プロフィール
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