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店頭の電球切れから学んだこと
日々、SNS等インターネットを見ていると、「良くそんなことに気づくな〜」と関心することしきりです。ときに行き過ぎた内容もあるかもしれませんが、それは自分なりの良識をもって判断すれば良いことです。

ここで話は変わりますが、20年前くらいの私が販売員時代。とにかくよく気づく店長がいました。現在と違い、当時は指導も厳しめだったので、あまり鈍感だった私はよく店長に怒られていました。

そもそも、その店長が何が凄いのかと言うと、棚の上段のほこり。たたみの数ミリのズレ。ハンガーの向き。から始まり、床のガム。そして、店内照明の電球切れ(当時はLEDでなかったので電球がよく切れた)。このように店舗の隅々のことが、一見で気づくことができる人でした。

「この人は全方位に目があるのか?」といつも怒られないようにびくびくとしながら、仕事をしていましたが、床のガムや電球ばかりが気になると、通常の業務でミスをし、また怒られるの繰り返し。どのようにすれば、店長のように店頭の「不備」にすぐに気づくのだろうと?悩んでいました。

これは、慣れで解決できる部分もありますが、ちょっとした「コツ」があるということに気づいたのは随分あとのことでした。

例えば、電球切れは「上を向いて確認しよう♪」ではなく、商品を見ていれば解ることです。当然照明の向きは商品をお客様にとって一番良く見える向きになっている筈ですから、当然お客様視点でみれば、そんなことはすぐにわかる話です。そのことが理解できたときから、その店長に怒られることもめっきり減りました。

こうして、いつしか私も「小うるさい店長」になってしまったのですが。このときの経験が活き、今でもそのときの店長には厳しく指導してもらったことを感謝しています。

「気づく力」というものは、このアパレル小売業にとって不可欠な重要な力です。

例えば、複雑な数値ばかりが並んだ資料を具体的問題点に気づく。現場・商品・データから、誰もが気づかない問題点に気づく。等のことは、実は簡単そうで中々難しいことです。

だからこそ、電球が切れているときは上でなく、商品を見ることによって、電球切れに気づくように、売上の上下だけで何かを短絡的に判断するのではなく、違う目線・顧客目線で考えることによって、現状の問題を打破するきっかけが生まれます。

気づく力を磨くには、商品やトレンド。売れ筋等の売上数値だけを見るのではなく、小売業の原点である、店頭。現場での気づきが何よりも重要なのです。

ますは、「ECの売上構成ガ〜」とか、「リブランディングガ〜」等と言う前に、基本に立ち返り販売の現場から気づく力を磨くことこそが、偉い人ほど、なによりも必要なのではないでしょうか。

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 2017/09/28 08:00  この記事のURL  / 

高すぎる壁は越えられない??
最近、時間が空いたときに、よく上場企業の決算資料をみています。今では、そのことが趣味になりつつありますが、当然会計士的な専門知識があるわけでないので、現場(店頭)と数字から読み取れる物事を結び付け、自分なりの見解をもつ。そんなところでしょうか??

どこかのタイミングでその見解を披露する場を設けようかと考えていますので、ご興味ある方はご連絡くださいm(__)m

そんなこんなで資料を見ていると、ごく稀に今期・時期売上見込み・目標?が「現状を鑑みて、高すぎじゃねぇ?」って組織があります。新店増やECの拡大で売上ガ〜というのは、まだ納得できますが、既存店昨年売上に対して、大幅に目標をアップさせているケースがあります。

この手の目標で多いのが、昨年が良くなく、昨昨年レベルに戻すという目標を掲げたがために、昨年に比べ大幅に目標がアップというケースです。一見この目標設定は根拠があり、行けそうな気がする?のかもしれませんが、下記のケースでみてみると。

例えば、既存店売上ベースで昨昨年の指数が100で、昨年は90。で今期の目標は昨昨年ベースの100に戻すという目標を掲げたとすると、昨年に対しての売上目標は111.1%になります。

しかしながら、昨年に比べ10%以上の既存店売上アップという目標は、よほど売上ダウンの要因を具体的に掴んでいて、改善策も完璧に近いものでないと現実的とは言えません。

万が一、ありきたりな顧客心理の変化や価格帯等の誰もがわかる要因しか見出していない組織が、昨昨年ベースの目標を掲げると危険な場合が多くあります。

例えば、売上目標が111%の目標ということは、当然その売上アップ分仕入を起こさなければいけないということになります。仮に売上が昨対の95%になった場合は、単純に考えても昨昨対ベースで85%の売上になる。けれども仕入は昨対ベース111%しているということになり、多くの在庫が残ってしまう。ということは誰にでもわかる筈です。

そうなると、在庫を減らすために必要以上のセールを強いられることになり、ブランドイメージを回復させるのが難しくなります。そして、来年の売上が更に下がる可能性が増えます。そして、そのことがサイクル化します。

また、高すぎる売上目標は、現実がよく理解できている店頭スタッフの「やる気」を削ぐだけでなく、過度な負担を強いることになります。敷いては販売員の離脱に繋がります。

当然、このご時世ですから、販売員は引く手あまたですし、優秀な販売員であれば、条件の良いところに移ります。そうなると、優秀な人材は離れ組織は空洞化し、ますます現状を打破することが難しくなるでしょう。

Mr.childrenの歌に「高ければ高い壁の方が登ったとき気持ちいいもんな〜」という歌詞がありますが、自身の目標としてその目標を掲げるならいざ知らず、組織の目標として、現実に見合ったものではない、高すぎる目標の辿りつく果ては、在庫の山と、組織の空洞化になるやもしれません。

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 2017/09/25 08:00  この記事のURL  / 

在庫を考える2
まずは前回のおさらいです。在庫回転率の計算式を以下記載すると。

”在庫回転率=(期間)売上÷(期間)平均在庫”

ということになります。簡単に説明すると、年間1億円で粗利益率50%(売上原価5000万)組織の平均在庫原価が1000万円だとすると、在庫回転率は5ということになります。

5=5000万÷1000万
(*在庫回転率は基本点数計算がベター。今回は点数計算に近い原価計算を用います。売価計算は、意図的に売価変更で在庫金額を少なくすることが可能だからです。)

年間の在庫回転率が5ということは、
”365÷5=73日。”1000万円の平均在庫をすべて消化するのに約2か月半弱かかっているということになります。

当然、在庫が多い組織は、在庫回転率が低く出ます。

在庫回転率をアップさせるには?

@ 売上(原価)を上げる。
A 平均在庫を減らす


のどちらかが必要です。

前回のブログでは@のことについて、かなりの極論ではありましたが、検証してみました。今回はAのこと平均在庫を減らす。このことについて考察していきます。

平均在庫を減らす。には簡単に言えば、2つのことしかありません。

A 仕入を減らす。しない。(水槽の蛇口を閉める)
B (セール等の手段を使っても)売上原価を施策を打つ(水槽の中の栓を抜く)

この2つです。

Aの方法も用いるデメリットについて考えると?当然、売上の低下が予想されます。そもそも長く滞留している在庫は商品としての鮮度も下がっている可能性が高い商品が多くあると想定されます。そんな品揃えだけで勝負しては、売上低下は免れません。仕入と売上金額が相対的な関係にある組織も多く想定されるので、最低限の仕入枠は確保しておきたいところです。

では?最低限の仕入枠とは?当然のことながら、売れた分だけ仕入れる。売上原価分だけ仕入原価を発生させるということです。そうなれば消化率は100%と言いかえることもできます。

この方法は、精度の高い期中でのMD運営が必要になるのと、事前のMD設計の緻密さが重要になります。

しかしながら、もともとの平均在庫が高い組織になると、期首在庫の金額がそのまま期末在庫の数値とイコールになるだけなので、在庫が増えることはないが、減ることもないということです

となると、Bの方法を同時に行わない限りは、平均在庫が減ることはないということです。

このことが大変です。考えられる方法は私が知る限り、以下のことになるでしょうか。

1 実店舗での消化
2 実店舗以外での消化(催事・FS・OL等)
3 卸売りでの販売
4 バッタ屋に売る(海外に売る含む)。
5 慈善団体に寄付
6 廃棄する


当然このことはメリット・デメリットが存在します。とくに6の手段は避けたいところです。更に、前回のブログでも書いたように、MD自体の見直しを含め、検討してみるとよいのではと思います。

最後に、2度にわたって在庫回転率について考察しましたが、当然在庫回転率ばかり気にして事業運営を行っていけません。売上・粗利益・在庫回転率・交差比率(粗利率×在庫回転率)等を連動して考えることが必要です。

そのためには、正しい指標の存在・チェック機能・MDの在り方等多くの見直しが必要です。在庫にお悩みの組織は是非検討してはと存じます。

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 2017/09/21 08:00  この記事のURL  / 

在庫を考える1
昨今、在庫過多にお悩みの組織も多いことだと思います。当然在庫が増えれば、在庫がお金に変わっていないということですから、キャッシュフローが悪化し、経営を圧迫することになります。

小売業で、在庫を見る指標として使われるのが、在庫回転率です。式は要約すると

”在庫回転率=(期間)売上÷(期間)平均在庫”
ということになります。簡単に説明すると、年間1億円で粗利益率50%(売上原価5000万)組織の平均在庫原価が1000万円だとすると、在庫回転率は5ということになります。

5=5000万÷1000万

(*在庫回転率は基本点数計算がベター。今回は点数計算に近い原価計算を用います。売価計算は、意図的に売価変更で在庫金額を少なくすることが可能なので今回は用いません)

年間の在庫回転率が5ということは、
”365÷5=73日。”1000万円の平均在庫の商品が入れ替わるのに、約2か月半弱かかるということになります。

当然、在庫が多い組織は、在庫回転率が低く出ます。

在庫回転率はあくまで指標であるので、組織によって数値の出方は全く違います。アパレル小売業でいうと、

・販売期間
・リードタイム(LT)
・仕入体制


等スタイルによって適正値は相対的に変わります。在庫回転率が高すぎても、そのブランド・ショップのスタイルと相容れないケースもあります。自分たちに近いスタイルの企業の数値(上場企業)を調べると比較対象になります。(是非調べてみてください)

しかしながら、現状多くの組織が少しでも在庫回転率を上げ、経営を良くしたいのは間違いのないことです。では?どうしたら在庫回転率をアップさせることが出来るかと言うと?方法は2つだけです。

@ 売上(原価)を上げる。
A 平均在庫を減らす。


皆さんも当然お判りだと思いますが、この2つです。今回はこの@のことだけを考察していきます。

@売上原価を上げるということは、言葉を言い換えれば、仕入から売れるまでの速度を高めるということになります。当然、このことを現実にするのは「売れる商品を仕入る。作る!」ということが当たり前です。しかし、今回はそのことは皆さん方の商品開発能力に任せることにして、他にどのような方法があるのか?ということを考えてみます。

今回は敢えて極論で言います。それは、強制的に販売期間を短くするということです。これはただ販売期間を短くするということでは、売れない商品の在庫がどんどん積みあがっていくので、同時にセール施策も考えておかねばなりません。売上原価を上げるというのは、同時に粗利益率を下げると言い換えることもできます。

例えば販売期間を1か月で新規商品を設定するれば、売れればプロパーのまま、販売10日で在庫消化日数が20日以上ならば、自動的に20%オフ等の条件を予め設定する等の、自動セールのようなことを行えばいいということです。

デメリットとしては、店頭に常にセールコーナーが存在。発注精度が低いと売れ筋はすぐになくなる。初回発注が少ないので原価率が上がる。しっかりした仕組みがないとただただ仕事が増える等が考えられますが、適正な粗利益率コントロールができれば、平均在庫が増える可能性は下がる筈です。現実にこのことを精度高く行っている組織もあります。

逆の視点で考えれば、販売期間が短いということは、初回発注が少なく、多くの商品が品切れになると考えられます。しかし、新商品入荷のサイクルも早いので、店頭の鮮度が上がります。例え常にセールコーナーが存在しても、お客様の視点で見れば、「この店は人気商品がなくなるのが早いから、早く買おう!!」という心理に訴求するかもしれません。

ブランド・ショップのイメージを良く保つには、セールは諸刃の剣ですが、昨今のセール状況等をみると、セールの前倒し後倒し論がどうこうより、逆にこのくらいことも検討してもよいのでは?という組織も多いのではないでしょうか?

次回はAの平均在庫を少なくするには?について考察していきます。

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 2017/09/19 08:00  この記事のURL  / 

隣の芝生はキニナル??
アパレル小売業に従事していると、競合店や他社の情報がやたらと気になるものです。

時には他店に足を運んで数字を聞きにいったり、館の数字情報を調べたり、噂を嗅ぎ付けたりして情報を集めたりしていることでしょう。

そもそも、何故そんなに他店情報が欲しいのか??と言えば、好調と言われるところを少しでも参考にし、売上アップを狙っている??かどうかは解りませんが、人間心理として周りの情報は気になるものです。

そんなときに、一番手っ取り早い?のは、上場企業の数値を調べることです。上場企業は決算説明会資料や、四半期(3か月)で決算短信でP/L・B/S・C/F情報を公開している等、様々な数値を公開しています。

とくに自分たちに近いスタイル・組織の数値を調べてみると、何かの足しになるやもしれません。そこで、最近好調と言われるTOKYO BASE調べてみると下記のようになります。

非の打ち所がない数値ですね〜。また、TOKYOBASEは仕入原価金額を公開していますが、仕入原価金額を公開していない場合は、

(期末在庫原価+売上原価)−期首在庫原価=仕入原価

の数式を用いれば、期の仕入原価は算出できます。期の売上原価と仕入原価がわかれば、期での消化率は算出できるということになります。(調べたところで・・・ということもありますが)

また、四半期の決算短信で在庫金額が公開されているので、平均在庫を算出できれば、在庫回転率も算出可能です。(あくまで目安の数値ですが)

また、現場に足を運び、品揃え・仕入業態・原価率等が経験値で推測できれば、年間のOFF率も推測でき、どのようなMDを実践しているかということが数値の側面からも推測できます。

もし、「隣の芝生が気になる」のであれば、一度自分たちのスタイルに近い、上場企業の数値を調べ、推理し、自分たちの商売に活かすのも悪くないかもしれません。

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プロフィール

マサ佐藤(佐藤正臣)

(株)エムズ商品計画・代表取締役

95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。
02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立ちあげをMDとして担当。
10年よりフリーランスとして活動開始。
シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。
その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。
企業へのMDアドバイスや文化服装学院で講義・また海外での講義等。
「お客様の側に立ち、人の役に立つ仕事をする。」
をモットーに、アパレル業界発展のため活動中。

株式会社エムズ商品計画
http://www.msmd.jp/


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