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ものづくりの良さと感性だけでは生き残るのは難しい?
いつも堅苦しい?ブログを書いている私ですが、こう見えてもかなりの「服好き」であります。

ものづくりに拘ったシンプルな服・靴がたまらなく好きです。かつては、服バカであったので、私の収入に見合わない金額の服・靴を買っていました。私の世代(現在44歳)よりも上の人はそういった人が今よりも多かったように思います。

そのような流れを取り戻したいのか?ここ数年「日本製」がもてはやされたときもありましたが、そのことは思ったほど浸透してませんし、私のような業界の人間が考えるほど、お客様は甘くはありません。商品によっては中国製の方が優れているものもたくさんあるというのは周知の事実です。

また、セレクトショップが日の出の勢いで台頭していた20数年前は、今ほど情報を容易に仕入れるのが難しい時代でした。そんな時代だからこそ、セレクトショップのバイヤーの「感性」で仕入した商品には、それなりの価値がありましたし、また消費者である私のような人たちはそれを雑誌で知ることによって、ある種の羨望みたいな感覚がありました。

しかしながら、その頃から20数年経った現在。ユニクロ・ZARA等に代表されるファストファッション(以下FF)の商品はよくできていて、「ものづくり」で差をつけるのが難しい時代になりました。

私のような服マニアからすれば、マニア目線で「ここの部分は価値があるから値段が違うのが当然!」という人も、まだいるかもしれませんが、プロの目から見てもFFの商品の進化は驚くべきものがあると証言している人が多数です。ということは、消費者からみたらより値段の高い商品の「価値」を見出すのは難しい時代になったといえます。

また「感性」の部分も、そのような大企業はお金がある上、情報を仕入れるのも有利です。最早、トレンド商品を最速で店頭展開できるのはFFです。また、その資金力で有名ブランドとコラボしやすいのもFFです。

そして、セレクトショップが苦手としている、データ分析・数値管理系の仕組みも整っているので、その差はますます開くばかりです。

「ものづくり」や「感性」を長所とし成長してきた企業・組織が今後生き残るには、時代の変化を認め、過去の古くなった成功体験を棄て、変わらなければいけません。ではどう変わればいいのか?私なり考えてみると。

・販売

→販売員の個人技に依存した店舗運営。
→価格戦略に見合った販売員の育成。論理的にマネジメントできる人材の育成。
→客数の考え方。来店数目標ではユニーク客数増を目指す。そのための戦略と手段を具体的に考える。
→その他既成概念に捉われない、全く新しい販売手段。(元来は新しいもの好きだから出来る筈?)

・MD

→「感覚」と「数値」を一致させるMD体系の確立。両方を理解できる人材の育成。
→長所の部分をより活かす。MDスケジューリングと戦略と手段の共有。
→データ分析を演繹的に思考できる人材の育成
→わかりやすい価格戦略。(値入率と粗利率の関係を見直し)
→お客様目線で付加価値を見つめ直し、新しい付加価値を確立する。(これ難しい)

・PR

→マンネリ化したファッション雑誌依存のPRの見直し
→既成概念に捉われない新しいPRの確立。(私の頭では手段はわかりません。若い人材にアイデアを考えてもらうのがいいのではないでしょうか。)

私のない頭で考えるとこの程度でしょうか(すいませんm(__)m)他は当事者で考えてください。

元来、この業界の「ものづくり」や「感性」が好きな人は、「新しいもの好き」で「既成概念に捉われない」ような人だったように思います。それがいつしか成功体験に捉われ、いつの間にか「変化を嫌う、時代遅れの人」に成り下がってしまったような気がしてなりません。

だからこそ、本質の部分はブレないが、リスクを負っても「時代の変化を受け入れ、変わることを恐れない。」このことが、この業界で「ものづくり」や「感性」に拘る組織・人に一番必要なことではないでしょうか。

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 2017/07/31 08:00  この記事のURL  / 

売るもの変えても結果は同じ?
このご時世。「服が売れない」厳しさから、服飾雑貨・生活雑貨等「売れそうな??」業種に変更。もしくは、新事業を立ち上げるなんて話をよく耳にします。

業種変更や、新事業を立ち上げる際によく言われるのが、

@ 現在企業として持っている市場・客層をそのまま活かす
A 企業として持ち得ている「技術」を活かす・応用する。

以上2つのことです。このことを無視して、新しい業種に変更・立上げをしたとしてもその事業に前途は厳しいと言わざるえないでしょう。

当然、アパレル小売業から他の業種に変更するのであれば、@のことは無視できません。(顧客の空白ゾーンを狙って@を無視する組織は意外に多い。)

しかしながら、問題となるのはAの方でしょう。

アパレル小売業で持ち得ている技術?というのは、大きく分けて考えると?

A 販売(店頭・ECの運営。商品の売り方・見せ方・接客等その他)
B MD(商品・ショップ品揃え・価格・売価・原価・粗利等のコントロール)
C PR(人を集める手法・宣伝・SNS等メディア戦略等)

この3つでしょうか。(他にもあるとは思いますが)

現在ではAの部分の未発達さ。販売員に極度に負荷をかける販売戦略等がブラック企業と批判されます。Bの部分では再三このブログで私が指摘しているように、「感覚重視の行き当たりばったり」的な戦略。杜撰な数値・在庫管理が多々見られます。

また、Cの部分。PRの重要性が意外に認識されていないのも、この業界ではよくみられる光景です。

「服が売れない時代」になったから業種変更を考えるのは別段否定することでもありません。しかしながら、業態変更を考える前に、まず販売・MD・PRの精度を高めることをしなければ、どのような業種に変更しても失敗は免れないでしょう。

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 2017/07/27 08:00  この記事のURL  / 

定番品を決めるのはお客様
この業界でいう、定番品とは?
”流行に左右されず、長年愛用できる商品”そんな感じでしょうか?

実際、私も販売員時代何年もセールしないで売れる商品を見てきましたし、実際20年以上愛用している商品もあります。

また、ブランドによっては仕入れる際にセール禁止の契約があるブランドなんかもあります。

そういった定番品と言われる商品はMD・バイヤーにとっては、例え一定以上の在庫を抱えていても、「定番品だから何年在庫であっても大丈夫!」という意識が働き、ふと気づくと、店頭が定番品と言われる商品だらけに陥ったりもします。

冬に色んなショップで見かけるダウンブランドなんかはその典型でしょう。

どんな商品が売れるかわからないこの時代。定番品と言われる商品は、MD・バイヤーにとってはある意味「精神安定剤」ような存在なのかもしれません。

かつて、私がよく通った裏原宿にあるショップはそんな定番品と言われる商品が充実していました。しかしながら、数年するとそのショップはなくなり、風の噂では在庫過多に陥り、資金繰りが悪化しなくなったとのことでした。

しかしながら、いくら作り手や売り手側が「この商品は定番品だからセールしない」と謳っても、お客様に支持されていなければそれは定番品と言われるものではありません。

商売の常として、需要が供給を上回らなければ、あっという間に在庫過多になります。たちまち資金繰りが悪化し、企業の業績も悪化します。

そのような状態にならないためには、常日頃からMD・バイヤーが売上以外の数値。粗利や売上原価・在庫原価の知識・活用の仕方を身に着け「売れなければ定番品ではない」という意識を持たなければなりません。

あくまで「定番品」を決めるのは、お客様です。もし作り手の言うがままに「この商品は定番品です。」と文言を鵜呑みにする、MD・バイヤーを多く抱えている組織は、もうこの時代厳しいと言わざるえません。

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 2017/07/24 08:00  この記事のURL  / 

アウトレットだからって高を括ってはいけない
昨今、EC販売の伸びが著しいと言われる場合があります。しかし、実際はアパレル小売業全体の売上としては伸びていない、下がっているのが現状です。また、一見ECの売上が伸びている組織も組織全体の売上がいまいち。また、ECがアウトレット(以下OL)化し、売上が伸びているところも多いようです。

そんな中、実店舗もOLモールもまだ増えているのが現状です。(そもそも売上規模の割にやたらとOL店舗が多いところもあるが)

多くのアパレル小売業がOLで出店をしていますが、中にはプロパー店での消化はそこそこに、早めに商品をOLに展開するなんて組織も多くあります。企業組織全体としては、早めに在庫をお金に換え、在庫回転をよくすることは好ましいことではありますが、そのことでプロパーショップ・ブランドのMD・バイヤーの商品に対する執着・責任感が希薄となり、将来的にみればそのショップ・ブランドを窮地に追いやる行為です。

そんなところの、MD・バイヤーに限って、お花畑を歩いているような非現実的なことを言うのですが・・・

私も時々OLモールを見に行ったりしますが、その多くのショップ・ブランドが、プロパー店とは大きくかけ離れた状態になっています。見るからに、店舗自体が疲弊して見えます。以前であれば、そのことが気にならなかったのですが、10数年前に比べ、来客数が減少している現状を見ると、そう感じるのは私だけではないでしょう。

このことは、昔からよくあることですが、プロパー事業部とアウトレット事業部のコミュニケーションがうまく行っていないところに起因します。

OLはある意味、プロパー店・ブランドよりもすべての面において難易度が高い部署になります。そのことに気づいている経営者やリーダーが何人いるのかはわかりませんが、下記にそのことを書いているみると?

@MDが難しい

・残り物を消化できる。技術(VMD・売変政策・販売等)
・残り物だけでは、売上とれないのでOL用商品を仕入れる(原価・既存商品とのバランス・数量・型数)
・OL用商品の数値設計(キャリー以外の商品の数値的根拠)
・その他諸々

A販売が大変

・商品の出し入れ(SKUが多い・バラバラ・納品状況・バックヤード)
・VMD(残り物を消化する技術。昨年の商品を今年の商品のように見せる技術等)
・プロパー事業部とのコミュニケーションが悪いと大変
→知らない商品が勝手に入ってくる→モチベーションの低下
・その他諸々

その他にも書ききれないことが多いですが、OL店は現状のアパレル小売業の仕組みだと、プロパー店よりもはるかに難易度が高いと言えます。

また、昨今のオーバーストアの状況から、ただ商品を安くしているだけでもダメで、プロパー店並みのサービス・品揃え・VMD等の商品の見せ方・販売が求められる時代です。

かつては私自身も経験しましたが、「アウトレットだから売れる」という時代は、もう何年も前に過ぎ去りました。

だからこそ、現状の組織を見直し、OLとのコミュニケーション体系を整える。OLの仕事の大変さを理解し、組織としての人事・評価基準を再考する。プロパー店・ブランドそのものの魅力を向上させる。そのために、プロパー店・ブランドのMD・バイヤーを甘やかせない評価基準を作る。このことが求められるのではないでしょうか。

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過去を悔いるよりも先をどうするかが重要
ここ最近、「昨今のアパレル小売業の不振の要因の一つはセールの前倒し」なんてことが言われていますが、そのことが事実かどうかは別として、まず考えるべきことは、何故「セールの前倒し」がここ十数年進んできたのか?なのではないでしょうか?

要因は、様々に考えられますが、ディベロッパー側からの視点で見ると、そのことで得することが多いからでしょう。当然売上も上がりますし、セールの前倒しを実行することで、「先にやったもん勝ち!」という状況になっていたということも事実です。殆どの商業施設がそのことに追随したという事実があります。

また、アパレル小売業の視点から見ると、やはり在庫過多でセール前倒しの方が都合が良いということが挙げられます。とくに、この数年の衣料品需要の低迷?成熟?で、旧態依然のMD管理の組織の多くが、在庫過多に陥っていることが推測がされます。

以前ブログにも書きましたが、在庫過多になってしまう要因というのは?
http://www.apalog.com/fashion_soroban/archive/44

簡単に言うと、売上以上の仕入をしているから。ということになります。では、何故そのような状況に陥るのかというと?

事前準備。MDの予算設計が楽観的過ぎるということと、杜撰であるということがあります。適当な仕入予算設計。行くはずもない売上に対して、仕入を起こしたりすると更に在庫が溜まっていく要因になります。

そして、更に大きな要因というのは?MD判断が都度都度の「感覚」で行わてしまっていることです。

何故、そんなことが起こるのか?というと?その時々の時点数値しか見ていないということになります。売上・粗利益・仕入・在庫しかりです。であるから、都度都度の判断になってしまいます。

だから、大手アパレル小売業でさえ、適当で大雑把なセールを行ったりします。そうなると、ブランド・ショップのイメージが低下するのは免れません。また、カッコつけて、「セールは後ろ倒しにする!」なんて判断しても、在庫が溜まる一方で、後悔しても後の祭りです。

終わってしまった事実をいつまでも悔いても仕方ないですし、「誰が悪い!」なんて犯人捜しをしても、そのこと自体が無駄な時間です。

大事なのは?過去の事実を分析し、先の見通しを立て、どのような手段を用い、現在の状況を打破するのかを考える。このことが重要です。

だからこそ、終わった時点での結果だけを見るのではく、先の見通しのわかる仕組みにMD・店舗の数値管理の在り方を変えなければならないということです。

更に、経営陣含めた本社の人間が共通の帳票で共有する。その中から問題点を抽出し、具体的に解決策を練る。実行する仕組みにすることです。帳票もできるだけ、シンプルにまとめたものが良いでしょう。

商業施設等のスケジュールに左右されず、自分たちのブランド・ショップを良くしたいと思うならば、「感覚」だけでの適当な運営を見直し、先の見通しが見える仕組み・体制に見直す。まずこのことが必要です。

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プロフィール

マサ佐藤(佐藤正臣)

(株)エムズ商品計画・代表取締役

95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。
02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立ちあげをMDとして担当。
10年よりフリーランスとして活動開始。
シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。
その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。
企業へのMDアドバイスや文化服装学院で講義・また海外での講義等。
「お客様の側に立ち、人の役に立つ仕事をする。」
をモットーに、アパレル業界発展のため活動中。

株式会社エムズ商品計画
http://www.msmd.jp/


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