« 前へ | Main | 次へ »
言葉だけが先行する
言葉だけが、メディア等で先行しもてはやされることはこの業界ではよくあることです。

昔で言えば、「POSシステム」 「52WMD」「アパレル小売業のSPA化」「GMS」。現在で言えば、「AI」「ICタグ」「オムニチャネル」「EC」等にでしょうか?

当然、技術革新によって、この業界の状況は日々進化しています。私も20年前。10年前に比べると随分変わったなと感じることがとくに最近多くなりました。

元がアナログ脳の私にはついていけないことが多くあります。しかしながら、何だか耳障りの良い新しい言葉を鵜呑みにし、深く意味も考えず、安易に上記のような言葉に踊らされ失敗した例も多くあるように思えますし、実際、私自身そのような光景を目にもしてきました。

メディア等で新しい言葉が登場しているときには、業界・現場ではすでにレッドオーシャンであることも少なくありません。

最近、よくアパレル・ファッション業界に足りないものが、メディア等で議論されていることが多くあります。そんな場でも、耳障りに良い「横文字」の言葉や、抽象的な論調等が多く、実際何を言いたいかが、全く意味が良く解らない言葉が躍っていたりもします。

組織を長く継続させるには、マンネリ化した思考や成功体験に捉われることはあってはなりません。どこかのタイミングでリスクを負うことと、変化と実践のスピードが求められます。

しかしながら、上記の「言葉だけが先行し、実際よく意味の解っていないもの」に安易に飛びつき、実行に移しても、これもまた失敗することになります。

この業界に、ある意味一番欠けているもの。それは、「隣の芝生は青く見える」「先行しただけの新しい言葉」に流される、飛びつきそうになったとき。一度立ち止まって、「深く考えること」という習慣に欠けていることではないでしょうか??

厳しい局面を打開するには「変化とスピード」は不可欠なことです。しかしながら、そのことを実行する前に、見栄えが良く見えるもの。言葉にこそ「疑い」をもち、一度立ち止まって「深く考えること。」この姿勢こそ、この業界に携わる人たちに今一番欠けているようなものに思えてなりません。

ファッションMD・マネージャー講義(基本カリキュラム掲載中)「正羽村塾」生徒募集してます。(個人・企業等)ご興味のある方は下記連絡フォームより気軽にご連絡ください。
http://www.msmd.jp/
私の記事はフェイスブックからご覧になれます。気軽にフォロー・友人申請してください。
https://www.facebook.com/masafumi.sato.777
このたびはこのブログを閲覧いただきありがとうございます。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。
 2017/11/20 04:25  この記事のURL  / 

ECの方が実店舗より在庫溜まりやすい?
先日、親交の南充浩さんのブログを読んでいてとても感銘を受けました。
”中小零細企業や組合のウェブ製作が成功しない理由”
http://minamimitsuhiro.info/archives/1914.html

「集客の努力、コンテンツ作りの努力がほとんどないから中小零細企業や組合のウェブは成功しない。」

これは当然のことながら、弊社にも該当することです。昨今、声高に「ECの売上構成を上げないと、生き残れない〜」と叫ばれますが、ただ参加しただけでは効果はなく、むしろ逆効果になるケースも見受けられます。

私はITやECに詳しい人間ではありません。MDを中心とした小売業の仕事を主としています。そんな私に最近EC関連の相談が増えています。

そんな私への相談はほぼ共通しており、
「ECの在庫が多く残る。EC用のMDが解らない??」

というご相談です。EC用のMDなんてものは、組織によって相対的に変わるものですから、置いといて、一見「打ち出の小槌」のように言われ、販管費も低いと考えられているEC事業ですが、実店舗以上に在庫が滞留し、逆に組織にとって不利益になっている所が多いようです。

ましてやECに参入すれば、売上が伸びると考えている安易な組織もまだ多いですから、今後そういう組織がもっと増加するように思われます。
また、ECが在庫が残りやすい理由に関しては、私自身もっと深く考察している最中ですが、私なりにMD視点で考えると、大きく考えて2つの理由があるように思われます。それは?

@ 実店舗と違い無限に商品展開ができること。
A 各ECプラットフォーム(以下PH)のルールに振り回され、ショップ・BRとしての管理帳票が
ごっちゃにになっていること。


この2つです。

@に関しては、ECは実店舗のように展開商品数の限界は、基本ありません。実店舗ならば、店頭から商品があふれ出る状態になれば、店頭から商品を引かざるえません。しかしながら、ECにはある意味その必要がないということです。(各PHによって事情が違うが・・・)

故に、多くの商品アイテム数を投入してしまいます。しかしながら、売れるのはごく一部の商品。また、各PHからの要望で専用。限定商品等も作りますから、アイテム数が無限に増えていきます。また、店頭とは違い、現場で直接商品に触れる機会も少ないので、実店舗のスタッフよりは、在庫意識も薄く、気づいたときには倉庫がパンク!そんなことになりかねません。

Aに関して言うと、各PHによって管理ルールが大きく違うということです。実店舗で言えば、卸・百貨店・SC等以上の商売手法に違いあるということです。そのことに振り回され、自社のMD管理・運営を自ら複雑化させ、本来の自分たちのBR・ショップの立ち位置がまるで見えなくなっているということです。

となると、仕事の量は増えるが、直接の利益には一切繋がらず、ただただ現場には疲労感が増幅します。そして、例えば、組織の在庫一つ調べるにしても、データや紙が何枚も必要になり、独自解釈をして先の方向性を間違ったり、場合によってはメンドクサクなり、対応をそのまま放置になんていうことにもなりまかねません。

結果的に@Aがあいまって、気づきをときにはゲームセットなんてことになります。
ECをうまく運用するには、

A ページの見せ方。欲しくなる工夫等→販売面
B 多くの人に知ってもらう工夫→PR面
C 顧客ターゲット・心理に則した品揃え→MD面


この3つを揃えた上で、更なる工夫が必要です。

そして、MD面からで言えば、まず自組織のショップ・BRの状態が一気通貫で見られる、MD管理帳票とそれを基軸にした、MD管理・運営のルールを定める。このことがまず必要なのではないでしょうか??

ファッションMD・マネージャー講義「正羽村塾」生徒募集してます。(個人・企業等)ご興味のある方は下記連絡フォームより気軽にご連絡ください。
http://www.msmd.jp/

私の記事はフェイスブックからご覧になれます。気軽にフォロー・友人申請してください。
https://www.facebook.com/masafumi.sato.777
このたびはこのブログを閲覧いただきありがとうございます。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。
 2017/11/13 08:00  この記事のURL  / 

自分では得意だと思っていたことが本当は・・・
このブログでは服そのものに触れる機会は少ないですが、私はかなりの服好きであります。一般の人に比べればそこそこ知識もあります。(今は忘れてしまった知識が多いですが)

そんな私は、このブログでも何度か触れているように、過去ブランド責任者として、商品全般に携わる仕事をしていました。そのブランドが会社の協力もありたまたま売れるブランド・ショップになりましたが、当時の私は天狗になっており、組織や周りのメンバーの力を私の力と勘違いし、服好きのディレクション能力が私の中では一番得意な能力と感じていました。

しかしながら、そんな私も会社を退職し広い世界に出てみると、私なんかよりも上より上がいて私の能力を自分自身が履き違え過信していることに気づきました。

それから悩み、考え。自分自身の得意??長所とは何度も問いかけましたが、答えは見つからず、悩み続けました。その後、独立し現在に至るのですが、最初のうちはまだ悩み続けていました。しかしながら、かつて後輩が「MDに関することを勉強したいので、教えてほしい!」ということで、後輩に私がわかる範囲で教えることにしました。

そんな私に、後輩は「マサさんの説明は解り易く、実感が湧きやすい」と褒めてもらえたことで、実は私の進むべき道は「このことでは??」と考え、現在そのスキルを磨く努力をし、現在に至ります。

今でもその後輩には感謝です。

ここで、話は変わりますが、この業界でも実は「得意だと思っていたことが得意でない!」なんてことが多くあるのではないでしょうか??

例えば、日本製の商品はあたかもクオリティの高さが長所だと思われている節がありますが、現在では、消費者はそのことに魅力を感じていません。物によっては中国製の方がクオリティが高いのも厳然たる事実ですし、日本製を残したい、発展させたいと願うのであれば、違う視点も持たなければなりません。

私が従事しているMDの仕事目線でいうと、日本製のメリットはリードタイム(以下LT)の短さです。

私は長年、自社企画・生産の組織のブランドに携わることが出来たので、日本生産の商品に多く関わることができました。生地・付属が揃っていれば、縫製から納品までがあっという間です。

LTの短さというのは、MDを管理・運営することにおいて最大のメリットになります。ある意味素人MDでも運営可能です。

しかしながら、工場の縫製がいくら早くても、生地や付属が揃っていなければ、中国生産よりLTが長いという経験を何度もしました。完全に日本製の場合は、生地は生地。付属は付属。縫製は縫製と窓口が組織が別の場合が殆どで、MDとしてはこのことを完全把握・コントロールすることができれば、日本製の最大のメリットLTの短さを活用することができます。しかし、そんなMDはほぼ存在しないでしょう。

LTのメリットを享受できないとなると、当然中国生産にシフトします。中国生産は価格だけでなく、生地・付属・縫製の窓口が一括になっていることも多く、仕事の組み立てもしやすくまります。ましてや、商社のOEM部隊やOEM/ODMメーカーを経由すれば、メンドクサイやりとりも解消されますし、ある意味素人でも商品を作ることが可能になります。

現状、色んなしがらみがあって、日本製が分業なのを変えられないのは理解できます。しかし、常に状況に応じて変化できなければ、存続が厳しくなるのも、この世の常です。

であるならば、自分たちが得意だと思っていたことが実は違うという視点に立って、顧客側からみて、褒めてもらえるところ、認めてもらえているところに注視し、考えることで、自分たちの現状を打破できるきっかけになるのではないのでしょうか?

このようなことは、上記の例以外にもたくさんある筈です。一度他者からみて褒められること、認められていることは何のか??一度考える。良いきっかけになればと考えます。

所詮、人という生き物は、自分自身のことが一番理解出来ていない生き物です。

ファッションMD・マネージャー講義「正羽村塾」生徒募集してます。(個人・企業等)ご興味のある方は下記連絡フォームより気軽にご連絡ください。
http://www.msmd.jp/

私の記事はフェイスブックからご覧になれます。気軽にフォロー・友人申請してください。
https://www.facebook.com/masafumi.sato.777
このたびはこのブログを閲覧いただきありがとうございます。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。
 2017/11/06 08:00  この記事のURL  / 

高すぎる壁は越えられない??
最近、時間が空いたときに、よく上場企業の決算資料をみています。今では、そのことが趣味になりつつありますが、当然会計士的な専門知識があるわけでないので、現場(店頭)と数字から読み取れる物事を結び付け、自分なりの見解をもつ。そんなところでしょうか??

どこかのタイミングでその見解を披露する場を設けようかと考えていますので、ご興味ある方はご連絡くださいm(__)m

そんなこんなで資料を見ていると、ごく稀に今期・時期売上見込み・目標?が「現状を鑑みて、高すぎじゃねぇ?」って組織があります。新店増やECの拡大で売上ガ〜というのは、まだ納得できますが、既存店昨年売上に対して、大幅に目標をアップさせているケースがあります。

この手の目標で多いのが、昨年が良くなく、昨昨年レベルに戻すという目標を掲げたがために、昨年に比べ大幅に目標がアップというケースです。一見この目標設定は根拠があり、行けそうな気がする?のかもしれませんが、下記のケースでみてみると。

例えば、既存店売上ベースで昨昨年の指数が100で、昨年は90。で今期の目標は昨昨年ベースの100に戻すという目標を掲げたとすると、昨年に対しての売上目標は111.1%になります。

しかしながら、昨年に比べ10%以上の既存店売上アップという目標は、よほど売上ダウンの要因を具体的に掴んでいて、改善策も完璧に近いものでないと現実的とは言えません。

万が一、ありきたりな顧客心理の変化や価格帯等の誰もがわかる要因しか見出していない組織が、昨昨年ベースの目標を掲げると危険な場合が多くあります。

例えば、売上目標が111%の目標ということは、当然その売上アップ分仕入を起こさなければいけないということになります。仮に売上が昨対の95%になった場合は、単純に考えても昨昨対ベースで85%の売上になる。けれども仕入は昨対ベース111%しているということになり、多くの在庫が残ってしまう。ということは誰にでもわかる筈です。

そうなると、在庫を減らすために必要以上のセールを強いられることになり、ブランドイメージを回復させるのが難しくなります。そして、来年の売上が更に下がる可能性が増えます。そして、そのことがサイクル化します。

また、高すぎる売上目標は、現実がよく理解できている店頭スタッフの「やる気」を削ぐだけでなく、過度な負担を強いることになります。敷いては販売員の離脱に繋がります。

当然、このご時世ですから、販売員は引く手あまたですし、優秀な販売員であれば、条件の良いところに移ります。そうなると、優秀な人材は離れ組織は空洞化し、ますます現状を打破することが難しくなるでしょう。

Mr.childrenの歌に「高ければ高い壁の方が登ったとき気持ちいいもんな〜」という歌詞がありますが、自身の目標としてその目標を掲げるならいざ知らず、組織の目標として、現実に見合ったものではない、高すぎる目標の辿りつく果ては、在庫の山と、組織の空洞化になるやもしれません。

ファッションMD・マネージャー講義「正羽村塾」生徒募集してます。(個人・企業等)ご興味のある方は下記連絡フォームより気軽にご連絡ください。
http://www.msmd.jp/

私の記事はフェイスブックからご覧になれます。気軽にフォロー・友人申請してください。
https://www.facebook.com/masafumi.sato.777
このたびはこのブログを閲覧いただきありがとうございます。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。
 2017/09/25 08:00  この記事のURL  / 

店頭起点が良いことなのは間違いないけれども・・・
昨今、アパレル小売業を運営する上において、「店頭起点」は大事だと言われます。また、「店頭起点」の企業・ブランドの成功事例の記事もよく目にします。

「お客様を獲得し、喜ばれる。」ことを目指す小売業に、おいて「店頭起点」で考えるということは基本中の基本になります。

日々のPOSのデータや商品のデータ分析も、「店頭起点」の考え方があってこそ、活きるものです。

また、お客様と直接接する機会が多い店頭スタッフの意見を品揃えに反映させる。ときには、権限を与え商品ディレクション・発注数にも関わってもらう。このこともとても有意義なことです。

しかしながら、この業界の多くの組織・企業が「店頭起点」を謳いながら、うまく行かない例の多々散見されるのは何故でしょうか?

とくに、店頭スタッフに権限を与えたことがある意味。裏目に出るケースも多くあるということです。

店頭スタッフの多くは、広い視野で物事を見られる状況ではありません。だからこそ、その時々での感想・主観が多く入っている。ということもMD・バイヤーは考えておかねばなりまん。

また、違う視点で見ると、店頭スタッフが本部に「忖度」しているケースを考えられます。立場の違いから組織に気を使い、本来店頭スタッフが日々感じているいるところを拾えない可能性があるということを予め想定し、店頭スタッフが「忖度」しなくてもよい環境を作っておかねばなりません。

商品やMD数値の専門家ではない、店頭スタッフの意見を取り入れることは、「お客様の動向」を知る上でおいて大変有意義なことです。しかし、商品の発注する立場にあるMD・バイヤーにとってみれば、「店頭スタッフの意見取り入れたから売れなかった」という「責任逃れ」の格好の材料になるということです。

そのような状態に陥ると、「店頭起点」は名目上のものに成り下がり、厳しいショップ運営を強いられるのは間違いありません。

商品を発注する立場にあるMD・バイヤーは「店頭起点」を言い訳にするような仕事の姿勢ではいけません。

MD・バイヤーにとって一番大事なのは、「店頭起点」を店頭スタッフの意見を聞くこと。と意味を履き違えるのではなく、店頭に定期的に自らが足を運び、店頭スタッフとコミュケーションをとること。商品と店頭からみえる事実から、現状の問題点を抽出し改善すること。先のことを推理し、考えを巡らせ、この先もお客様の期待に応える仕事をすること。このことではないでしょうか

ファッションMD・マネージャー講義「正羽村塾」生徒募集してます。(個人・企業等)ご興味のある方は下記連絡フォームより気軽にご連絡ください。
http://www.msmd.jp/

私の記事はフェイスブックからご覧になれます。気軽にフォロー・友人申請してください。
https://www.facebook.com/masafumi.sato.777
このたびはこのブログを閲覧いただきありがとうございます。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。
 2017/09/07 08:00  この記事のURL  / 

« 前へ | Main | 次へ »

プロフィール

マサ佐藤(佐藤正臣)

(株)エムズ商品計画・代表取締役

95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。
02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立ちあげをMDとして担当。
10年よりフリーランスとして活動開始。
シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。
その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。
企業へのMDアドバイスや文化服装学院で講義・また海外での講義等。
「お客様の側に立ち、人の役に立つ仕事をする。」
をモットーに、アパレル業界発展のため活動中。

株式会社エムズ商品計画
http://www.msmd.jp/


最新記事
月別アーカイブ
カテゴリアーカイブ
更新順ブログ一覧