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メリット・デメリットをテーブルの上に並べてから
「コインの裏表のように〜♪」

と言われるように、どんな物事も必ず表と裏の関係があると言われます。

例えば、この業界で新しい事業を立ち上げるとき、物事の裏表。言い換えれば、メリット・デメリットをテーブルの上に並べず検討しないことによって、「バラ色の未来」と言える楽観的な事業計画で新業態を立ち上げ失敗する。なんてことをよく目にしたりします。

デメリットはある意味「リスク」になります。しかしながら、どんなことにも「リスク」が付きまとうのは当然です。そして、その「リスク」を理解し、背負わない限りは新しい物事。とくに事業なんてものは成功する余地さえありません。

ここで話は変わりますが、下記写真のパーカーは私の長年の友人である。(株)Dklabo代表取締役。加藤大輔氏自身のブランド。Dkmadeの裏毛のパーカーになります。彼がブランドを立ち上げたときの商品になりますから、かれこれ7年ほど愛用しているでしょうか。

この商品の(私からみた)メリットは?

・メイドインUSAの固めの裏毛の生地。洗ってもくたびれない。独特の風合い。
・フードを被らないときの見え方を計算している等秀逸なパターン
・メイドインジャパン
等です。

逆にデメリットは?
・固い生地。昨今主流の柔らかい裏毛とは対極。
・値段。(1万以上する。)
等です。

先にはっきり言ってしまうと、私からみるこの商品のメリットは、多くのマジョリティーであるお客様からみれば、デメリットでしかありません。むしろ、固めの裏毛なんて多くの人が敬遠するでしょうし(古着好き等マニアから見ればたまりませんが)、パターンの良さなどは、一般人にはわかりづらい部分です。メイドインジャパンも某商社の社長がいうような売りにも全くなりません。

しかしながら、こういったメリット・デメリット。顧客ターゲットを加藤氏自身は最初から理解し、研究した上で商品を作っています。よって、そんな彼のもとには、こんなご時世にセレクトショップ等多くの仕事依頼が舞い込みます。

http://www.dklabo.com/

この業界でよくある、今後起こるべき事態のメリット・デメリットを考えず、「隣の芝生が青く見える」体質で、安易に真似をしてしまう。もしくは、マジョリティーに支持されるようなブランド・ショップでもないにも拘らず、マジョリティー狙いのようなことをしてしまい。ブランドコンセプトが大きくずれる。見失い。大失敗する。このようなことが多々見受けられます。

こんなことにならないよう、一度メリット・デメリットをテーブルに並べ俯瞰し、デメリットをよく理解したうえで、自分たちのすべきことを深く考えた上で実行する。このことが必要なのではないでしょうか。

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 2017/11/16 08:00  この記事のURL  / 

感覚と事実のズレに鈍い業界
私が販売員時代。店がずっと代わり映えしないと不安になりました。また売れないと、「店頭に鮮度がない」のを言い訳してもいました。また、このようなことは他でもよく言われ、「店頭には鮮度が大事。」ともよく言われます。

しかしながら、科学的に分析・検証してみると、ズバリ言うと店頭の鮮度は、売上の貢献度からみれば、優先順位は随分と低くなるところが殆どです。ヒット商品がある一定の期間、金太郎飴のように在庫が続いた方が遙かに売上の貢献度が高くなります。

また、ある程度の組織であれば、POINTカードの顧客データを集積できるところもある筈です。いざデータを調べてみると。月2回以上、買上されているお客様は、おそらく数%にも満たないところが殆どではないでしょうか?(来店回数は別)私のような服好きであっても実際、よく通い店頭スタッフと仲の良いところでもせいぜい2か月に1回の来店です。

得てして、人間は感覚での思い込みと事実の認識が大きくずれる生き物です。

わずか数%のお客様の為に、常に店頭の鮮度を気にする。更には、そういった「お得意様」の思考・傾向が「多数派」のように勘違いし、「少数派」の思考でMD等も品揃えを考えるようになります。このことに大きな問題があります。

個人経営の個店さんであれば、「お得意様」が「多数派」であるので、そのような思考でも構いませんが、ある程度の規模で店舗展開してる組織は、「来店頻度の多いお得意様」ではなく、年に数回買ってくれる多数派のお客様の思考で考えなければ、売れるポイントを見誤ることになります。

このようなことは、この業界では多く起こっていることです。少数派であるファッショニスタたちの思考が、この業界では主流・多数派になっています。以前であれば、ファッショニスタがトレンドを産み出し、それから時間が経過し、「マス」である一般のお客様に浸透する。このことが通用したかもしれません。

しかしながら、トレンド分析は今やファストファッションの方が早く、また以前のように大きい影響力をもつモデル・芸能人もいなくなりました。

そろそろこの業界も「少数派」の思考で「多数派」を支配する。ファッションメディアも含めてこのことを改める時期に来ている。ということに気づくべきです。

逆に言えば、「マス」の視点で足りない部分。便利なことを考えた方が、新しいファッションが産み出すことのできる可能性が高いのではないでしょうか。

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店頭の電球切れから学んだこと
日々、SNS等インターネットを見ていると、「良くそんなことに気づくな〜」と関心することしきりです。ときに行き過ぎた内容もあるかもしれませんが、それは自分なりの良識をもって判断すれば良いことです。

ここで話は変わりますが、20年前くらいの私が販売員時代。とにかくよく気づく店長がいました。現在と違い、当時は指導も厳しめだったので、あまり鈍感だった私はよく店長に怒られていました。

そもそも、その店長が何が凄いのかと言うと、棚の上段のほこり。たたみの数ミリのズレ。ハンガーの向き。から始まり、床のガム。そして、店内照明の電球切れ(当時はLEDでなかったので電球がよく切れた)。このように店舗の隅々のことが、一見で気づくことができる人でした。

「この人は全方位に目があるのか?」といつも怒られないようにびくびくとしながら、仕事をしていましたが、床のガムや電球ばかりが気になると、通常の業務でミスをし、また怒られるの繰り返し。どのようにすれば、店長のように店頭の「不備」にすぐに気づくのだろうと?悩んでいました。

これは、慣れで解決できる部分もありますが、ちょっとした「コツ」があるということに気づいたのは随分あとのことでした。

例えば、電球切れは「上を向いて確認しよう♪」ではなく、商品を見ていれば解ることです。当然照明の向きは商品をお客様にとって一番良く見える向きになっている筈ですから、当然お客様視点でみれば、そんなことはすぐにわかる話です。そのことが理解できたときから、その店長に怒られることもめっきり減りました。

こうして、いつしか私も「小うるさい店長」になってしまったのですが。このときの経験が活き、今でもそのときの店長には厳しく指導してもらったことを感謝しています。

「気づく力」というものは、このアパレル小売業にとって不可欠な重要な力です。

例えば、複雑な数値ばかりが並んだ資料を具体的問題点に気づく。現場・商品・データから、誰もが気づかない問題点に気づく。等のことは、実は簡単そうで中々難しいことです。

だからこそ、電球が切れているときは上でなく、商品を見ることによって、電球切れに気づくように、売上の上下だけで何かを短絡的に判断するのではなく、違う目線・顧客目線で考えることによって、現状の問題を打破するきっかけが生まれます。

気づく力を磨くには、商品やトレンド。売れ筋等の売上数値だけを見るのではなく、小売業の原点である、店頭。現場での気づきが何よりも重要なのです。

ますは、「ECの売上構成ガ〜」とか、「リブランディングガ〜」等と言う前に、基本に立ち返り販売の現場から気づく力を磨くことこそが、偉い人ほど、なによりも必要なのではないでしょうか。

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 2017/09/28 08:00  この記事のURL  / 

発注したら、そこで試合終了だよ?
昔からあったことではありますが、この業界の販売の現場と本社・本部との意識の乖離。この問題は中々解消されません。

店頭・WEB含め、売上をアップさせるためには、何よりも商品が大事になります。売れない商品。を製作・仕入をしては、販促や販売の現場がどんなに頑張っても売上がアップする可能性は少なくなります。

そして、その商品。品揃えに関して重要なポジションにいるのが、MD・バイヤーの職です。(今回の記事はディレクターはMDに含む。)

MD・バイヤーは基本。店頭での販売の現場を経験し、そのポジションに就いていると思われますが、本部に入り、商品に関わる仕事に就いた瞬間、店頭で感じた問題点や自身の「志」忘れ、「本部病」に感染し、現場での「気づき」を活かせない仕事をするようになっている方が多くいるようにも感じます。(典型的な例として、本部の椅子と自分をアロンアルファでくっつけたように現場にいかない。)

そして何よりも肝心なことは、MD・バイヤーがもつ権限において、最重要な権限は「発注権」を握っているということです。

あくまで個人的経験談ですが、発注数量を決めてしまった段階で、そのシーズン、いや次のシーズンの売上の命運のほぼ半分は勝負がついたといえます。それだけ責任が大きいということです。

一度、商品を発注してしまえば、もう後戻りはできません。しかしながら、この業界のMD・バイヤーの現状を鑑みると、そのことに関して、どれだけ責任を感じているか疑問を感じざるえません。

昨今、リードタイムの問題や、原価等の問題で発注時期が半年前。1年前になることなんてことも多く発生しています。ただ未だに下記のようなことが発生しているのでしょう。

・海外バイイングで気分が高揚し、わけのわからない商品をバイイングし過ぎて、ファミリセール在庫になってしまう。
→でもその失敗は誰も責めない。理由はそのことが偉い人の行ったことだから?

・「トレンド分析が出るまでは発注できない」といい発注時期が遅れる。
→トレンド分析見て、売れるんであれば、素人でもバイヤーできるのでは?

・昨今、売上が厳しいのを理由にますます発注の決断が遅れる。

→決断できないMD・バイヤーはいらない。

・自分が決断できないのがいけないのに、納期遅れは他人の責任する。
→事前にMDスケジュール作成しておけば、納期遅れは誰の責任なのかはっきりする。ただそんな準備をしてる筈がない。

こんなことが起きると店頭・現場が疲弊するのが当たり前です。ましてや販促やVMDとの連携にも支障をきたしてしまいます。

当然、人間が行うことですから、発注でミスをするなんてことは多々あります。しかし、「発注権限」の責任の重さを理解できない。または軽々しく考える。そして、売れない要因を他人(とくに販売)に求めるならば、そのMD・バイヤーはすぐに職を辞するべきです。

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男はすぐ脱ぐ?生き物
今回は、私がかつて立ち上げにも関わったメンズのことについて話をしようと思います。

今年の4月5日。仕事で新宿に出かける用事があり、外に出ると温度計は21℃を指していました。その前週がとても寒かったので、その反動からか気温以上に体感温度は暑く感じられました。事実、新宿で見かけた、白人系の外人の男の50%以上は半袖で街を歩いていました。

また、日本人で太ってはない20代くらいの男性の10%くらい?が半袖を着て歩いていました。服屋であった私からするとシンジタクナイ光景です。

人が半袖になる気温の目安は、25℃以上と言われます。そのことは、女性を含めての気温であると推測されるので、男の場合はもっと早く半袖にチェンジする人が多いと思われます。(当然個人差があるのは当たり前ですが・・・)更にここに湿度が絡むとより暑苦しさを感じるのが男です。(今回はややこしくなるので湿度のことは語りません。)

このことは、夏の職場で男がガンガンに冷房で冷やしていると、女性が寒がる。そして着こむ。そんな傾向にも表れています。(サラリーマンはスーツを着なければならない職場もまだ多い。脱げばいいのに・・・)

とくに今年の4月の東京は、25℃以上の日も連発で、春物を通り越して一気に夏物に移り変わってしまったと言えます。(その後春らしい気温の日も増えたが)

春物をより多く売りたいこの業界にとっては、甚だ迷惑な話です。

しかしながら、実はこの傾向はたまたまではありません。4月の平均気温は11月とさして変わりませんが、4月・11月の1か月間は、上旬の下旬の気温の変動がもっとも激しい1か月になります。また、ここ5年は例年よりだいぶ平均気温が高い状況ですから、今やこれがスタンダードです。

レディースはファッションで季節感を演出することで、売上に繋がる余地はまだまだあります。また、冷房対策等。女性ならではのきめの細かい対策も必要でしょう。しかし、ことメンズに関しては、2極化していると割り切り、現行のMDを見直すべき業態も多い筈です。

当然、メンズと言えどもそのブランド・ショップでスタイル・価格帯等でシーズンの基本のMD構成が変わるのは当然のことだと言えます。

しかし、まず思考の出発点を、春夏秋冬の、所謂ごく当たり前のシーズン構成で考えるのではなく、夏・冬そして春・秋を一括りで考える。といった思考の出発地点そのものを今までと変える必要性があるのでは感じています。

そのことで、販売期間が短い春・秋物を一括り考え、無駄な商品開発を減らす。そして、その余った時間を基に、商品一つ一つにかける時間を増やし、トレンドを追うのではなく、実用性・汎用性を重視した商品を作る。私ならそういう方向性に持っていきます。

季節感を演出したければ、売上の数%に満たない枠で、色・生地を表現すれば十分店頭でそのことは表現できますし、色んな表現を増やそうとするばかり、商品品番数を増やしても、1品番辺りの仕入数の限界からコストを価格に反映する。その商品が売れず、在庫が滞留する。そんなことが起こりかねません。

こんなことを書くと、各方面からお叱りを受けそうですが、私ならそう考えます。

昨今、この業界で問題になっているのは、商品を作り過ぎるが上に、多数の過剰在庫が発生してしまうということです。このようになる要因はMDのテクニック的な問題が一つでもありますが、こういった状況を「景気や天候のせいだ!」というのであれば、過去の成功体験・当たり前を捨て、全く違う思考からスタートする。こんな思いきりがこのご時世必要なのではないでしょうか。

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プロフィール

マサ佐藤(佐藤正臣)

(株)エムズ商品計画・代表取締役

95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。
02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立ちあげをMDとして担当。
10年よりフリーランスとして活動開始。
シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。
その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。
企業へのMDアドバイスや文化服装学院で講義・また海外での講義等。
「お客様の側に立ち、人の役に立つ仕事をする。」
をモットーに、アパレル業界発展のため活動中。

株式会社エムズ商品計画
http://www.msmd.jp/


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