« 前へ | Main | 次へ »
在庫を考える2
まずは前回のおさらいです。在庫回転率の計算式を以下記載すると。

”在庫回転率=(期間)売上÷(期間)平均在庫”

ということになります。簡単に説明すると、年間1億円で粗利益率50%(売上原価5000万)組織の平均在庫原価が1000万円だとすると、在庫回転率は5ということになります。

5=5000万÷1000万
(*在庫回転率は基本点数計算がベター。今回は点数計算に近い原価計算を用います。売価計算は、意図的に売価変更で在庫金額を少なくすることが可能だからです。)

年間の在庫回転率が5ということは、
”365÷5=73日。”1000万円の平均在庫をすべて消化するのに約2か月半弱かかっているということになります。

当然、在庫が多い組織は、在庫回転率が低く出ます。

在庫回転率をアップさせるには?

@ 売上(原価)を上げる。
A 平均在庫を減らす


のどちらかが必要です。

前回のブログでは@のことについて、かなりの極論ではありましたが、検証してみました。今回はAのこと平均在庫を減らす。このことについて考察していきます。

平均在庫を減らす。には簡単に言えば、2つのことしかありません。

A 仕入を減らす。しない。(水槽の蛇口を閉める)
B (セール等の手段を使っても)売上原価を施策を打つ(水槽の中の栓を抜く)

この2つです。

Aの方法も用いるデメリットについて考えると?当然、売上の低下が予想されます。そもそも長く滞留している在庫は商品としての鮮度も下がっている可能性が高い商品が多くあると想定されます。そんな品揃えだけで勝負しては、売上低下は免れません。仕入と売上金額が相対的な関係にある組織も多く想定されるので、最低限の仕入枠は確保しておきたいところです。

では?最低限の仕入枠とは?当然のことながら、売れた分だけ仕入れる。売上原価分だけ仕入原価を発生させるということです。そうなれば消化率は100%と言いかえることもできます。

この方法は、精度の高い期中でのMD運営が必要になるのと、事前のMD設計の緻密さが重要になります。

しかしながら、もともとの平均在庫が高い組織になると、期首在庫の金額がそのまま期末在庫の数値とイコールになるだけなので、在庫が増えることはないが、減ることもないということです

となると、Bの方法を同時に行わない限りは、平均在庫が減ることはないということです。

このことが大変です。考えられる方法は私が知る限り、以下のことになるでしょうか。

1 実店舗での消化
2 実店舗以外での消化(催事・FS・OL等)
3 卸売りでの販売
4 バッタ屋に売る(海外に売る含む)。
5 慈善団体に寄付
6 廃棄する


当然このことはメリット・デメリットが存在します。とくに6の手段は避けたいところです。更に、前回のブログでも書いたように、MD自体の見直しを含め、検討してみるとよいのではと思います。

最後に、2度にわたって在庫回転率について考察しましたが、当然在庫回転率ばかり気にして事業運営を行っていけません。売上・粗利益・在庫回転率・交差比率(粗利率×在庫回転率)等を連動して考えることが必要です。

そのためには、正しい指標の存在・チェック機能・MDの在り方等多くの見直しが必要です。在庫にお悩みの組織は是非検討してはと存じます。

ファッションMD・マネージャー講義「正羽村塾」生徒募集してます。(個人・企業等)ご興味のある方は下記連絡フォームより気軽にご連絡ください。
http://www.msmd.jp/

私の記事はフェイスブックからご覧になれます。気軽にフォロー・友人申請してください。
https://www.facebook.com/masafumi.sato.777
このたびはこのブログを閲覧いただきありがとうございます。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。
 2017/09/21 08:00  この記事のURL  / 

在庫を考える1
昨今、在庫過多にお悩みの組織も多いことだと思います。当然在庫が増えれば、在庫がお金に変わっていないということですから、キャッシュフローが悪化し、経営を圧迫することになります。

小売業で、在庫を見る指標として使われるのが、在庫回転率です。式は要約すると

”在庫回転率=(期間)売上÷(期間)平均在庫”
ということになります。簡単に説明すると、年間1億円で粗利益率50%(売上原価5000万)組織の平均在庫原価が1000万円だとすると、在庫回転率は5ということになります。

5=5000万÷1000万

(*在庫回転率は基本点数計算がベター。今回は点数計算に近い原価計算を用います。売価計算は、意図的に売価変更で在庫金額を少なくすることが可能なので今回は用いません)

年間の在庫回転率が5ということは、
”365÷5=73日。”1000万円の平均在庫の商品が入れ替わるのに、約2か月半弱かかるということになります。

当然、在庫が多い組織は、在庫回転率が低く出ます。

在庫回転率はあくまで指標であるので、組織によって数値の出方は全く違います。アパレル小売業でいうと、

・販売期間
・リードタイム(LT)
・仕入体制


等スタイルによって適正値は相対的に変わります。在庫回転率が高すぎても、そのブランド・ショップのスタイルと相容れないケースもあります。自分たちに近いスタイルの企業の数値(上場企業)を調べると比較対象になります。(是非調べてみてください)

しかしながら、現状多くの組織が少しでも在庫回転率を上げ、経営を良くしたいのは間違いのないことです。では?どうしたら在庫回転率をアップさせることが出来るかと言うと?方法は2つだけです。

@ 売上(原価)を上げる。
A 平均在庫を減らす。


皆さんも当然お判りだと思いますが、この2つです。今回はこの@のことだけを考察していきます。

@売上原価を上げるということは、言葉を言い換えれば、仕入から売れるまでの速度を高めるということになります。当然、このことを現実にするのは「売れる商品を仕入る。作る!」ということが当たり前です。しかし、今回はそのことは皆さん方の商品開発能力に任せることにして、他にどのような方法があるのか?ということを考えてみます。

今回は敢えて極論で言います。それは、強制的に販売期間を短くするということです。これはただ販売期間を短くするということでは、売れない商品の在庫がどんどん積みあがっていくので、同時にセール施策も考えておかねばなりません。売上原価を上げるというのは、同時に粗利益率を下げると言い換えることもできます。

例えば販売期間を1か月で新規商品を設定するれば、売れればプロパーのまま、販売10日で在庫消化日数が20日以上ならば、自動的に20%オフ等の条件を予め設定する等の、自動セールのようなことを行えばいいということです。

デメリットとしては、店頭に常にセールコーナーが存在。発注精度が低いと売れ筋はすぐになくなる。初回発注が少ないので原価率が上がる。しっかりした仕組みがないとただただ仕事が増える等が考えられますが、適正な粗利益率コントロールができれば、平均在庫が増える可能性は下がる筈です。現実にこのことを精度高く行っている組織もあります。

逆の視点で考えれば、販売期間が短いということは、初回発注が少なく、多くの商品が品切れになると考えられます。しかし、新商品入荷のサイクルも早いので、店頭の鮮度が上がります。例え常にセールコーナーが存在しても、お客様の視点で見れば、「この店は人気商品がなくなるのが早いから、早く買おう!!」という心理に訴求するかもしれません。

ブランド・ショップのイメージを良く保つには、セールは諸刃の剣ですが、昨今のセール状況等をみると、セールの前倒し後倒し論がどうこうより、逆にこのくらいことも検討してもよいのでは?という組織も多いのではないでしょうか?

次回はAの平均在庫を少なくするには?について考察していきます。

ファッションMD・マネージャー講義「正羽村塾」生徒募集してます。(個人・企業等)ご興味のある方は下記連絡フォームより気軽にご連絡ください。
http://www.msmd.jp/
私の記事はフェイスブックからご覧になれます。気軽にフォロー・友人申請してください。
https://www.facebook.com/masafumi.sato.777
このたびはこのブログを閲覧いただきありがとうございます。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。
 2017/09/19 08:00  この記事のURL  / 

隣の芝生はキニナル??
アパレル小売業に従事していると、競合店や他社の情報がやたらと気になるものです。

時には他店に足を運んで数字を聞きにいったり、館の数字情報を調べたり、噂を嗅ぎ付けたりして情報を集めたりしていることでしょう。

そもそも、何故そんなに他店情報が欲しいのか??と言えば、好調と言われるところを少しでも参考にし、売上アップを狙っている??かどうかは解りませんが、人間心理として周りの情報は気になるものです。

そんなときに、一番手っ取り早い?のは、上場企業の数値を調べることです。上場企業は決算説明会資料や、四半期(3か月)で決算短信でP/L・B/S・C/F情報を公開している等、様々な数値を公開しています。

とくに自分たちに近いスタイル・組織の数値を調べてみると、何かの足しになるやもしれません。そこで、最近好調と言われるTOKYO BASE調べてみると下記のようになります。

非の打ち所がない数値ですね〜。また、TOKYOBASEは仕入原価金額を公開していますが、仕入原価金額を公開していない場合は、

(期末在庫原価+売上原価)−期首在庫原価=仕入原価

の数式を用いれば、期の仕入原価は算出できます。期の売上原価と仕入原価がわかれば、期での消化率は算出できるということになります。(調べたところで・・・ということもありますが)

また、四半期の決算短信で在庫金額が公開されているので、平均在庫を算出できれば、在庫回転率も算出可能です。(あくまで目安の数値ですが)

また、現場に足を運び、品揃え・仕入業態・原価率等が経験値で推測できれば、年間のOFF率も推測でき、どのようなMDを実践しているかということが数値の側面からも推測できます。

もし、「隣の芝生が気になる」のであれば、一度自分たちのスタイルに近い、上場企業の数値を調べ、推理し、自分たちの商売に活かすのも悪くないかもしれません。

ファッションMD・マネージャー講義「正羽村塾」生徒募集してます。(個人・企業等)ご興味のある方は下記連絡フォームより気軽にご連絡ください。
http://www.msmd.jp/

私の記事はフェイスブックからご覧になれます。気軽にフォロー・友人申請してください。
https://www.facebook.com/masafumi.sato.777
このたびはこのブログを閲覧いただきありがとうございます。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。
 2017/09/14 08:00  この記事のURL  / 

むやみやたらに仕入を減らせばいいってもんじゃない
昨今のアパレル業界の現状から、在庫過多にお悩みの組織は多いことでしょう。そんな中、ネットニュース等を見ていると「仕入を〇〇%削減し、在庫削減を達成!!」なんて記事を見かけたりします。

確かに、在庫を増やさないようにするには、仕入金額を削減する方法が一番手っ取り早いと言えます。しかしながら、このことにあまりにも注力すると違うデメリット部分も出てきます。

そのデメリットとは??

・売上金額と仕入金額は相対関係であることが多く、仕入金額を削減すれば売上に悪影響が出る。
・無計画な仕入金額削減は、原価率上昇の可能性があり、収益が悪化する恐れがある。

等が考えられます。とくに、在庫金額だけをみて無計画に仕入金額を減らせば、ほぼ間違いなく大幅に売上金額がダウンします。

確かに在庫金額を削減するのであれば、仕入金額を減らすことが一番手っ取り早い方法ではありますが「売上をよくする。上げる!!」手段で一番有効なのも、新しい商品を仕入することです。

在庫だけを気にすれば、売上が下がる。売上だけ見れば、在庫が増える。このような難しい状況を脱するにはどのように手段が考えられるのでしょうか?以下私なりに考察してみると?

@ 売上・粗利・仕入・在庫の連動した帳票で数値を可視化すること。

→このことはこのブログ何度も書いていますが、在庫削減の手段に根拠を持たすにはこのことが重要です。この帳票がない限りは「羅針盤もなしに航海に出る。」ことと変わらず、下手すれば遭難・沈没の可能性があります。このことで数値を可視化した上で、問題点を抽出し、在庫削減の具体的な手段を構築すべきです。

また、この過去データが残っていれば、売上金額と仕入金額の癖を掴むことができます。この癖を掴むことで、必要最低限の仕入金額は確保しておくべきでしょう。

A まずは仕入アイテム数を減らせ

→@のことを行った上で、最適な仕入金額が算出されたら、まずは予定している仕入商品のアイテム数そのものを見直すことです。仕入金額が少なくれば、当然1アイテム辺りの仕入金額が減ります。1アイテム辺りの仕入金額が減れば、場合によっては原価率が上がり、収益に悪影響を及ぼす可能性が考えられます。その場合は思い切って仕入アイテム数を減らすというのも一つの手です。

現場に行かない。知らない。MD・バイヤーは品揃えを多くしないと不安がる傾向にあります。しかしながら、このことはデータを見ればわかることですが、売上の上位10品番でおそらく多くの売上を稼げているなんてことがよくあります。

そして、多くの商品が売上良い影響を及ぼしていないということも。その傾向を掴めば、実はアイテム数を減らすことなんてなんでもないことです。(組織によって数値に差があるとは思いますが)

@Aを実行した上で、必要な仕入金額は確保する。そして、在庫削減は@の数値を指標に、数値から見える問題点と実際に店頭に足を運び、見て・考えることで、数値と現場を結びつけ、問題点を探り、実現可能な具体的な在庫削減計画を実践することが必要です。

そして、施策ごとの数値目標を設定し、目標達成の期限を決めるこのことが重要です。

最後に、無計画に仕入金額を削減する。このことだけでは、その組織の再建は難しいことである。ということをお伝えして、今回のブログを〆ます。

ファッションMD・マネージャー講義「正羽村塾」生徒募集してます。(個人・企業等)ご興味のある方は下記連絡フォームより気軽にご連絡ください。
http://www.msmd.jp/

私の記事はフェイスブックからご覧になれます。気軽にフォロー・友人申請してください。
https://www.facebook.com/masafumi.sato.777
このたびはこのブログを閲覧いただきありがとうございます。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。
 2017/08/21 08:00  この記事のURL  / 

具体的に要因を突き止めよう
今回は「売れなくて困っている?」人に向けて少しでも役立つ?ようブログを書いていく努力をしてみます。

誰しも、売上が芳しくないと「何故売れないの??」と頭を巡らすことでしょう。そんなとき。現場スタッフに過酷なノルマを与え「もっと売れ!売れ!!」と鞭を全開に振り回しても、一時的に数字は回復するかもしれませんが、あまりよい解決策にはなりません。また、色々な弊害をもたらします。「根性論」は最後の最後。本当に何をやっても効果が上がらないというときまでとっておきましょう。

売れない要因には?外的要因と内的要因があります。

・外的要因→天候・景気等・館の集客等自分たちではどうにもできないこと。
・内的要因→自分たち自身の問題。組織としての致命傷等


当然、売れない要因を外的要因に求め、納得するようでは、その組織自体が良くなる筈もありません。当然、内的要因を具体的に見つけなければいけません。

内的要因をみつけるには?

・売上の公式を利用し、問題点を具体的にする。
・比較対象となるものを使用する。(データ等数値)


この2つです。

客数は分解すると、来店数×買上率と分解することができます。
・来店数が減少している場合は?
→(内的要因)PRの不足。店頭VMD等の問題。店内への入りにくさ等が考えられます
→(外的要因)館自体の入店・客数の減少が考えられます。

但し、館(フロアの数値)の数値を基準に、昨年対比より入店数(ここが調べるの難しい)・客数が減少している場合は、館以上に自身に問題があると捉えるべきです。(実はこのケースが多い)

購買率の低下があるとしたら、店頭よりも商品に要因を求めた方が、内的要因を掴みやすい筈です。

客単価は分解すると、1点単価×SET率と分解することができます。SET率の考え方は凡そ皆さん理解していると思うので、1点単価で考えると?

・1点単価をどう捉えるか?
過去に遡り、過去数年の既存店売上を分析した上で、
→好調年度より、±5%になっていれば、何かしらMD(価格政策)に問題がある。
→±10%ならば、お客様目線で見れば、違うブランドと認識し、MDの徹底改革が必要。

→数値がそれほど差がなく、売上が下がっている場合は、価格政策以外のMDの精度を疑う。他の項目から要因を探ってみる。このことが必要です。

昨今の原材料の高騰・為替に左右される等原価が上がりやすい時代です。そのことに左右され、原価率ありきで売価設定をしている組織がおそらく多くあるのではないでしょうか?

そういう組織こそ、MDの大切な要素である価格戦略ブレブレ。もしくはない。というのと同じです。そのことは、当然「お客様視点」ではないブランド・ショップということになり、大きな改革が必要となります。

以上のことを綿密に繰り返した上で、具体的な問題点が特定出来たら、すぐに改善へと動き出さねばなりません。

そして、誰に改善のリーダーシップをとってもらうか?部署間の協力。いつまでに数値を回復させるのかの期限等。本当に大変なのはそこからです

だからこそ、改善のスピードを速めるためにも、「売れない要因」を具体的にすることこのことが重要です。今回のこのブログが皆さんの役に立てたかどうかはわかりませんが、今回のブログを〆ます。

ファッションMD・マネージャー講義「正羽村塾」生徒募集してます。(個人・企業等)ご興味のある方は下記連絡フォームより気軽にご連絡ください。
http://www.msmd.jp/

私の記事はフェイスブックからご覧になれます。気軽にフォロー・友人申請してください。
https://www.facebook.com/masafumi.sato.777
このたびはこのブログを閲覧いただきありがとうございます。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。
 2017/08/07 08:00  この記事のURL  / 

« 前へ | Main | 次へ »

プロフィール

マサ佐藤(佐藤正臣)

(株)エムズ商品計画・代表取締役

95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。
02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立ちあげをMDとして担当。
10年よりフリーランスとして活動開始。
シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。
その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。
企業へのMDアドバイスや文化服装学院で講義・また海外での講義等。
「お客様の側に立ち、人の役に立つ仕事をする。」
をモットーに、アパレル業界発展のため活動中。

株式会社エムズ商品計画
http://www.msmd.jp/


最新記事
月別アーカイブ
カテゴリアーカイブ
更新順ブログ一覧