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在庫管理の在り方を考える
この業界に関わっていれば、誰もが悩むこと、それは「在庫が残ってしまう。」このことに尽きるのではないでしょうか。

「在庫が残ってしまう。」要因は、単純に売れない!ということが大きな要因ですが、ブランド・ショップとしての売上・粗利・仕入・在庫コントロールがなされていないのも大きな要因でしょう。(そのことは私の別の連載にて方法論を掲載中です。)
http://www.senken.co.jp/author/masasato

そして、残した在庫は決算実地棚卸を経たのち、キャリー品として扱われます。

ここで少し専門的な話になりますが、現在”棚卸資産の評価に関する会計基準”は「低価法」が基本となっています。

低価法とは、簡単に端折って説明すると。以下の意味になります。
”低価法は年度末の在庫の時価がそれよりも下回っている場合、時価に評価金額を付け替えるというものです。”

更に、低価法の一種で強制評価減という手法があります。これも簡単に端折って以下説明すると。
”長期に売れ残ってしまった商品のように、機能的に古くなってしまったものや、品質が劣化してしまったような場合に、強制的に評価額を切り下げる方法です。”

ということです。なぜ、そのようなことが行われているかというと、この背景には、収益性の低下を早期に認識し、損失を先送りしないという近年の会計基準の考え方があります。

ということは当然、在庫の評価減ということは、その分は会社の決算書・損益計算書に損失分として計上される。ということになるわけです。

キャリー品として扱われる商品は、トレンド商品も多く鮮度が下がり、時間が経つにつれ商品としての価値が下がるという考え方から、アパレル業界でも、この考え方で会計処理がなされている所が多くある筈ですし、当然のことなのかもしれません。

しかしながら、多くのこの業界の企業では、そうしたことが経理以外の実務者(部長・MD・バイヤー)がそのことをよく理解できていないだけでなく、また数値的なややこしそうなことを避ける傾向にあるので、

「会計処理上。在庫が減ったから、いいんじゃねえ。」
的な意識になっていないでしょうか?その意識が前年の失敗や反省の意識を薄れさせる上に「キャリー品になったら、もう自分の部署の管轄じゃねえよ。」という実務者の責任感の欠如を招き、組織全体の停滞感を招いてしまいます。

こうした状況を避ける、改善するためには、以下のことを実行すべきです。

@会社の決算書(損益計算書)を社員と共有、説明する場を設ける。

→一部社員以外は会社全体の損益。また項目の詳細を知らないのが現状ではないでしょうか。「ただ、赤字だ。黒字だ。」と言われても実態が見えないでは、改善すべき方向性が見えません。決算終了後に、前期の決算の説明会を開催し、わかりやすく説明することで、実務者に当事者意識をより強めてもらうことが急務です。あと、簡単な会計に関する教育も必要ではないでしょうか。

Aキャリー品の消化計画を作成・実行する。

→一部大手などは、アウトレットを中心とした詳細なキャリー品の消化計画を作成・実行している筈です。しかしながら、それ以外の企業では現状、在庫を売価管理で行っているところも多く存在し、感覚で在庫が多いからといって、催事等で無謀なセールを実行し、むしろ多くの粗利益高を損失していることも多くあるのではないでしょうか。

また、在庫を評価減した時点で、商品管理帳票にそのことをうまく表現することをルール化することも必須です。各担当者がなんとなく、それぞれの帳票で在庫調整を行っていても、会社全体の実態がつかめないばかりか、キャリー品に対しての意識を喪失させることに繋がります。社として、実務者と経理が共通のルールを認識し、理解・実行するということが、なりよりも重要です。

B売上・粗利益・仕入・在庫を連動して管理する。

→このことはこのブログで何度も書いていることですが、まずは売上と粗利益は一体でみる。そして、仕入・在庫は原価管理し、売上・粗利益・仕入・在庫を連動して管理する。というルールに変えることが望まれます。このことによって実務者の粗利益・在庫に対する意識がより高まる筈ですし、採用してみると慣れれば、管理は今より容易になる筈です。

以上簡単に3つのことを書きましたが、その他にも実行すべきことはあるでしょう。但しこのブログがきっかけとなって、より会社、とくに実務者の在庫に対する意識が高かまることを願って今回のブログを〆させて頂きます。

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このたびはこのブログを閲覧いただきありがとうございます。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。
 2016/11/25 08:00  この記事のURL  / 


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プロフィール

マサ佐藤(佐藤正臣)

(株)エムズ商品計画・代表取締役

95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。
02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立ちあげをMDとして担当。
10年よりフリーランスとして活動開始。
シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。
その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。
企業へのMDアドバイスや文化服装学院で講義・また海外での講義等。
「お客様の側に立ち、人の役に立つ仕事をする。」
をモットーに、アパレル業界発展のため活動中。

株式会社エムズ商品計画
http://www.msmd.jp/


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