そろそろ手法を変えるときがきたのでは?
かつては、アパレル小売業のブランドやショップの品揃え計画は、自分たちのことと顧客であるお客様のことだけに集中して考えれば良かったように思えますし、現状もそのように考えて品揃え計画を実行している組織が多いでしょう。

通常なら、トレンド等情報を分析し傾向を掴んで、発注へ。という流れでしょうが、昨今の商品供給のスケジュールを考えても、情報分析がままならないまま発注の時期がくるなんてことも普通ですし、そのことで発注を遅らせたとしても必ずしも売れるとは限りませんし、むしろよく言われる同質化を招きます。トレンド情報を商品化するスピードならば、大手ファストファッションに敵うべくもありません。

作り手であるメーカーや工場の事情・心理も考えない。自分たち都合の都度都度の発注では、小売りや作り手側も共倒れする可能性の大きい時代です。

例えば、売上50億円のアパレル小売業が存在すると仮定する。パンツの売上構成が10%の見込みで、1点単価1万円のMD設計をした場合。5万本の売上数が見込めます。事前にそのことがわかれば、パンツメーカーや工場の選定や、スケジューリングに利用できます。目先のデザイン・品揃えに拘るよりは、事前に具体的数値を算出し、その数量をもって事前に工場・メーカーとの調整ができれば、売る側・作る側にもメリットがあるということです。

買い手のお客様側の視点をもってしても、長期的に考えれば品質・価格等のメリットがあります。その分売れ筋の見極めや、自分たちの組織以外のコミュケーション・コントロール等状況によっては、柔軟な対応が必要とはなりますが「自分たちさえ儲かれば、良ければ。」の発想だけでは、おそらくこの状況を打破するのは難しいでしょう。

また、作り手側も売り手側の思考を推理し、新しいアプローチでの提案と先を見据えた仕事の理解が求められます。

そのことに気づかずに何の工夫もなく、今まで通りの流れでMDやバイイングを行っている人がいるとするならば、MD・バイヤーのポジションを他に譲るべきでしょうし、上から目線で、工場・メーカーに無茶な要求ばかり呑ませるような姿勢でもいけません。また、メーカー・工場も先のことを見据えずに、目先のお金の大きさばかり考えて、取引先を門前払いするようではいけません。

一つのブランド・ショップ事業を成功させるには、今まで以上に、作り手側・売り手側の相互理解・協力が必要な時代になったと言えます。

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自分では得意だと思っていたことが本当は・・・
このブログでは服そのものに触れる機会は少ないですが、私はかなりの服好きであります。一般の人に比べればそこそこ知識もあります。(今は忘れてしまった知識が多いですが)

そんな私は、このブログでも何度か触れているように、過去ブランド責任者として、商品全般に携わる仕事をしていました。そのブランドが会社の協力もありたまたま売れるブランド・ショップになりましたが、当時の私は天狗になっており、組織や周りのメンバーの力を私の力と勘違いし、服好きのディレクション能力が私の中では一番得意な能力と感じていました。

しかしながら、そんな私も会社を退職し広い世界に出てみると、私なんかよりも上より上がいて私の能力を自分自身が履き違え過信していることに気づきました。

それから悩み、考え。自分自身の得意??長所とは何度も問いかけましたが、答えは見つからず、悩み続けました。その後、独立し現在に至るのですが、最初のうちはまだ悩み続けていました。しかしながら、かつて後輩が「MDに関することを勉強したいので、教えてほしい!」ということで、後輩に私がわかる範囲で教えることにしました。

そんな私に、後輩は「マサさんの説明は解り易く、実感が湧きやすい」と褒めてもらえたことで、実は私の進むべき道は「このことでは??」と考え、現在そのスキルを磨く努力をし、現在に至ります。

今でもその後輩には感謝です。

ここで、話は変わりますが、この業界でも実は「得意だと思っていたことが得意でない!」なんてことが多くあるのではないでしょうか??

例えば、日本製の商品はあたかもクオリティの高さが長所だと思われている節がありますが、現在では、消費者はそのことに魅力を感じていません。物によっては中国製の方がクオリティが高いのも厳然たる事実ですし、日本製を残したい、発展させたいと願うのであれば、違う視点も持たなければなりません。

私が従事しているMDの仕事目線でいうと、日本製のメリットはリードタイム(以下LT)の短さです。

私は長年、自社企画・生産の組織のブランドに携わることが出来たので、日本生産の商品に多く関わることができました。生地・付属が揃っていれば、縫製から納品までがあっという間です。

LTの短さというのは、MDを管理・運営することにおいて最大のメリットになります。ある意味素人MDでも運営可能です。

しかしながら、工場の縫製がいくら早くても、生地や付属が揃っていなければ、中国生産よりLTが長いという経験を何度もしました。完全に日本製の場合は、生地は生地。付属は付属。縫製は縫製と窓口が組織が別の場合が殆どで、MDとしてはこのことを完全把握・コントロールすることができれば、日本製の最大のメリットLTの短さを活用することができます。しかし、そんなMDはほぼ存在しないでしょう。

LTのメリットを享受できないとなると、当然中国生産にシフトします。中国生産は価格だけでなく、生地・付属・縫製の窓口が一括になっていることも多く、仕事の組み立てもしやすくまります。ましてや、商社のOEM部隊やOEM/ODMメーカーを経由すれば、メンドクサイやりとりも解消されますし、ある意味素人でも商品を作ることが可能になります。

現状、色んなしがらみがあって、日本製が分業なのを変えられないのは理解できます。しかし、常に状況に応じて変化できなければ、存続が厳しくなるのも、この世の常です。

であるならば、自分たちが得意だと思っていたことが実は違うという視点に立って、顧客側からみて、褒めてもらえるところ、認めてもらえているところに注視し、考えることで、自分たちの現状を打破できるきっかけになるのではないのでしょうか?

このようなことは、上記の例以外にもたくさんある筈です。一度他者からみて褒められること、認められていることは何のか??一度考える。良いきっかけになればと考えます。

所詮、人という生き物は、自分自身のことが一番理解出来ていない生き物です。

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改善できることから始めよう
どこの組織も喉から手が出るほど欲しいものそれは「売上」です。では「売上」が厳しい組織はどのようにして、現状を打破するのでしょう。

例えば、ある組織の売上が低迷した場合。まずどんな対策を考えるのか?というと商品を良くして(売れる商品?)売上を底上げしようと考えます。

また、商品の見せ方や売り方(販売戦略やVMD等)を改善して現状を打破するのが一般的ではないでしょうか。

当然、上記のことは、スピードをもって実行すべきですし、常に時代の変化に応じて対応しなければなりません。

しかしながら、商品をよくする一つとっても、原価率・価格設定・リードタイム・仕入業態の改善・見直し等。はやはり相応の時間を要します。

では、上記の理由以外に売上改善の方法はないのか?とMD的に考えてみると?下記2つのことはスピードをもって改善できるのでは?ないでしょうか。それは?

@ 納期遅れ
A 発注の精度


この2つです。

「納期遅れ」はそもそも何故ダメなのかというと?商品Aの販売期間が2か月。発注数量200枚だとしたら?MDは2か月で200枚売れるから、という理由で商品を発注しています。もし、その商品Aの納期が予定より10日遅れたとしたら、?16.7%の商品の在庫が残るということが確定しているということです。200枚発注ならば、33枚程度の商品が残ることが確定。更にこの商品に元売価が10000円だとした、33万の売上を逃したということです。

だからこそ、納期遅れが多発している組織はそのことを絶対に防がなければいけません。仕入先とのスケジューリング調整・工場等との密なやり取りは欠かせません。しかしながら、当事者である自分たちの対策を怠り、取引先ばかりにプレッシャーをかけても問題は解決しないでしょう。

そのためには、取引先に(無謀な)リードタイムの短縮をせがむよりは、むしろ現状の取引先の事情を受け入れた上で、納期遅れを防ぐ対策を練ることが必須です。そのためには自分たちの詳細なMDスケジュールの作成・共有をする必要があります。

発注の精度。これは中々難しい問題です。しかし、発注した時点でその組織の売上の白黒はほとんどついていまいます。だからこそ、慎重になりすぎて発注を遅らせたり、不安だからといって同じ数量フラットに発注しても、売れるどころか更に在庫が溜まってしまいます。

現状を打破するには、リスクを負わねばなりません。アイテム数を減らし、1アイテム辺りの発注量を増やす。商品の位置づけを明確にし、発注数量のメリハリを大幅につける。このことを大袈裟にでもしない限りは売上の回復は見込めません。

当然、そのことにはリスクは伴いますが、過去データを鵜呑みするだけではなく、常に足を使い現場・市場と結びつけ先のお客様心理を考える。推理・推測するこのことが重要です。

「売れない。売れない」と嘆くのは簡単ですが、まずは身近で早くできることから、リスクを負ってでも現状を打破していくこのことの繰り返しが重要なのではないでしょうか。

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自浄能力を引き出す
ここのところ株価も連日上がり、失業率も過去最低限の数値。求人倍率は過去最高と景気は上向きではありますが、景気が良い実感が湧かないという人も多くいます。これはバブル景気時も同じで、その最中は景気が良いという実感が湧かず、後になって振り返ると「あの頃は景気が良かったな〜」と思うだけの話です。

そんな中、アパレル小売業に限って言えば景気の良い話はあまりありません。平均株価は日本の225社の平均数値であるので、純粋なアパレル小売業ではユニクロだけがその225社の中に入りますから、あまり平均株価との相対性は少ないのかもしれません。

ここで話は変わりますが、ここ最近のアパレル小売業の厳しさ?からなのか?最近、企業の相談を受けることも少しずつ増えてきました。このブログを読んで頂いたり、他の連載を読んで頂いたして、少しでも現状を打破するヒントとして捉えて頂けているようです。本当にありがとうございます。

そんなとき、私は一度企業側からヒアリングをさせて頂いたり、現場を見に行ったりします。大概の企業は、誰もズルしているわけでもなく、一生懸命仕事に取り組んでいますが、現状を打破するのが難しいようです。

私はそんな皆様から、ヒアリングさせて頂いた内容を基に、まずはMDの数値基礎の講義を中心にさせて頂くことが増えています。当然、企業の事情によって言い方・話し方・内容は変化させています。

そのことによって、本来自分たちが見えなかった視点で自分たちの組織を見つめながら、数値の講義を受けることによって、数値以外の自分たちの問題点に気づき。その後自分たち自身で、業務改善案とスケジュールを策定し、組織改革を率先して進める組織もあります。そうなると弊社の売上が増えませんが、依頼側からの視点で見ればメリットになります。

本来、人という生き物は自然治癒力を持っている生き物です。逆に医療の発達等でその能力は退化したかもしれませんが、その能力を無くしたわけではありません。

そして、人が運営する組織にも、本来持っているであろう「自浄能力」がある筈です。

だからこそ、私は本来、企業・組織・人が本来持っている「自浄能力」を引き出せるような仕事が出来れば感じています。そして、少しでも「人の役に立つ」仕事が出来るよう今後も努力・精進を怠らないつもりです。

という。今回は決意表明のブログでしたm(__)m

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何かが起こってからからでは遅い
先日、台風21号が上陸し、多くの被害が出ました。被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。

そんな中、事前に台風の進路予測がある程度わかっていたにも拘わらず、東海・近畿地方の多くの商業施設は営業を強行していました。確かに、稼ぎ時の日曜日に営業中止の判断を下すことは難しいことと思いますが、その判断が間違っていて従業員に万が一のことがあった場合、どう責任をとるのでしょう。中止の判断の決断の遅れも同様です。結果的に、交通機関がストップし、暴風雨の中、従業員は帰宅せねばならず、極めて危険です。体力的な疲弊・心労も重なります。

当日はSNSを見てもそのようなコメントが多くありました。

今週も台風の22号の上陸が予測されています。商業施設には、次回は早い判断で営業の有無の決断をしてほしいものです。万が一に備えることこそ、責任者の仕事です。

話は変わり、私が携わるMD関連の仕事にも同じようなことが言えるケースがあります。

昨今、気温の変動が激しく極端になっています。結果、月次の反省として、

「今年の●月は気温の変動が激しく、対応しきれなかった」


との文言を多くの場所で見かけます。

確かに、気温の変動は中々よめるものではありません。当然、MDであれば気象庁のデータを喫緊。数か月先まで確認しておくべきですが、それでも想定外のことが起こりえます。

そんな中で、MDとして必ず守るべきものは、設定した納期を絶対に守るということです。
また、昨今の気温の変化に対応するためには、早めの納期設定が必要になってくるでしょう。

そのことによって、店頭スタッフが、今日店で何を売っていくべきか困らない品揃えができるよう、気温に対応した品揃えができるように、準備をしておくべきだということです。

しかしながら、結果的に納期遅れをメーカー・工場側に責任を押し付け、烈火のごとく怒る。そして、店頭スタッフには自分の責任ではないという。このようなことでは、その組織が良くなるすべもありません。

納期遅れが発生した時点で、納期遅れ分の売上が吹っ飛び、在庫が残ります。そうなってからどう対応しようとしても、「もうお前は死んでいる」状態なのです。

だからこそ、現場スタッフが困らないよう、最善の努力とまさかの事態。万が一のことにも備えをしておくこと。このことが商品発注責任者である人の仕事ではないでしょうか。

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プロフィール

マサ佐藤(佐藤正臣)

(株)エムズ商品計画・代表取締役

95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。
02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立ちあげをMDとして担当。
10年よりフリーランスとして活動開始。
シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。
その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。
企業へのMDアドバイスや文化服装学院で講義・また海外での講義等。
「お客様の側に立ち、人の役に立つ仕事をする。」
をモットーに、アパレル業界発展のため活動中。

株式会社エムズ商品計画
http://www.msmd.jp/


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