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テンション上げるエシカルってなんだろう
9月1日、仲良くしていただいているSecori Galleryさんのシンポジウムに参加。
「服づくり、MADEINJAPANへのこだわり」
https://www.facebook.com/events/211309245659566/?ref=br_tf


「2013 年、欧州でも評価の高い合繊高密度織物を製造する福井の第一織物株式会社と、SOMA DESIGNの森崇氏の間でメンズアウターブランド「IBUKI (イブキ ) 」が立ち上がりました。IBUKI の製品は、国内工場で裏地を含む製織から縫製まで行われ、徹底的にメイドインジャパンにこだわり作られました。

第3回目となるシンポジウムでは、第一織物株式会社の吉岡隆治社長、SOMA DESIGNの森崇氏、そして、ギンザファッションウィークの仕掛け人の松屋常務執行役員MD戦略室長・太田伸之氏にご登壇頂きます。」


難題としてずっと立ちはだかっているのが、「どうやってエシカルを伝えるか」という問題で、図らずも、そういった視点からも、はっとするようなヒントをいっぱいいただきました。
デザイナーの森さん、第一織物の吉岡社長からもたくさんの刺激を受けたのですが、いかにお客さまに伝える・売るという点から、太田氏の発言を中心にご紹介させていただきます。


最近、「エシカルって、『アンチファストファッション』のこと」といわれてしまったのだけれど、安直な「アンチ」と一言で片付けられて、ちょっと肩を落としてしまいました。
「じゃあなんなんだよ!」と聞かれると、一言で言い返せないからがっくりしてはいけないんだけれど。


MADEINJAPANっていうと、エシカルなの? と思われるかもしれないが、もちろんエシカル。
(伝統)技術保全 というクライテリアは、文化保全とほぼ同義と考えていいですし、深みのある技術でつくるには、いかんせん時間がかかります。時間をかけて熟成させてつくり、それを味わう。それをじっくり楽しむ。それがエシカルだなぁ〜と思います。

(「スロー」だから「アンチファスト」じゃん、といわれてもまたぐぅ〜の音も出ないんだけど。ファストファッションと呼ばれるところで買ったものをすぐ捨てるんじゃなくて数年着用してさらにリメイクしたりして楽しんだら、ファストじゃないと思う。ファストとかスローとか。ホント、カタカナにするの辞めないといけない気がする!)


太田氏「百貨店は経費削減で、産地行かないんだよ。だけどさ『実感』をしなさいって言ってるんだよ。工場の音、におい、雰囲気……直に、あれはできるか、これはできるか、って話し合うこと。(機械の)音が聞こえるところで話をする、っていうのが一番大事なの」


作り手とのつながりを「実感」すること。これも、エシカルですよね。


「実感」がなければ、何が自分にとってのエシカルなのかっていうのも、腹に落ちない。
腹に落とせるような体験が少ないのかもしれない。だから頭で想像するしかない。
そうするとたいへんだから、わかりやすいものばっかり売れちゃう。


中野京子も書いていた「いつの頃からでしょう、絵画の正しい鑑賞法は、いっさい予備知識なしの白紙状態で作品と向き合い、自分の感性のみを頼りに、色彩、タッチ、雰囲気などを心で味わうこと、と言われるようになりました。(中略)
絵画、とりわけ十九世紀以前の絵は、見て感じるより読むのが先だと思われます。一枚の絵には、その時代特有の常識や文化、長い歴史が絡み、注文主の思惑や画家の計算、さらには意図的に隠されたシンボルに満ち満ちています。現代の眼や感性だけではどうにもならない部分が多すぎるのです(『怖い絵』で人間を読む)」


これって、服も同じだと思う。時間をかけて学ばなければ、ホンモノなんて到底分からない。


太田氏「いいモノさえ作ればっていうのは大昔の話。買っていただいて初めて飯が食える。
それを上から目線で言うな。お客さんのこと考えて売るんだったら小売業の当たり前を勉強しろ!」
太田氏「ファッションとは、テンションを上げていかないと行けない産業。なきゃないで困らないものだから」


そして、この「テンション」というのが、非常にしっくりくる言葉だなと、腑に落ちてきたのです。


お客さんのテンションが上がらないと買っていただけない。
じゃあどうやってテンションを上げる? というと、それが<小売業のキホン>てやつなのかと。
楽しんでもらうためにどうしたらいい? 試着したときに「かわいい! ほしい!」とテンション上がるにはどんなふうにしたらいい?


森氏「お客さまに良さを分かってもらうために」
とおっしゃっていたけれど、良さという背景のストーリーを分かっていただくためには、
目を引き、手にとってもらってからが始まり。
だのに、エシカルの訴える内容って「テンション上がりづらい」。


ファッションとは「自分」のハナシ。自分がいかにかわいくなるか。追い求める自分の理想図にいかに近づけるか。自分に没頭する時間。
大田氏のいうように、試着室内でお客さまが考えるときの心理を考えても、それは「自分」に意識が一極集中する瞬間。


極度に集中した自我への意識を踏まえたうえで、いかにエシカルなファッションのメッセージを届けていくか。
時間をかけて考えていくしかないなぁ〜と私も時間とともに鍛錬です。

Secori Galleryのシンポジウム、次回も年内と言ってました。構想を聞く限りとっても楽しそう。参加しようと目論んでます。
 2013/09/06 23:47  この記事のURL  / 

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