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若いうちからモノ作りを学ぶ

 【中国支局】菅公学生服(岡山市)と岡山南高校が協定を結んで取り組んできた「産学連携実学体験プロジェクト」の一つ、岡輝中学の女子学生服をリニューアルする取り組みが、このほど完結した。
 高校生が中学生の制服をリニューアルするという、全国的に見てもまれなプロジェクトだが、各方面のサポート、何より生徒たちの努力により見事な出来栄えとなった。
 発表会見では、制作に携わった岡山南高校の女子高生が進行役、スピーチ役、着用モデル役と完璧に仕事をこなす。実際のプロジェクトもこの調子で進んでいったのだろうと感心するばかり。発表会の複数のスピーチの内容をまとめると、デザイン力やプレゼン力だけでなく、コミュニケーション能力や調整能力も当然のように要求されたという。結果的に採用コンペを勝ち上がったのは一つの班だけだが、それを含めて参加した生徒たちは「モノ作り」の神髄を味わったのではないだろうか。
 発表会見では、あまりに堂に入った進行ぶりに「末恐ろしい……」という戦慄に似た感情すら抱いた。しかし、会見が終わると友人同士で談笑しながら記念撮影に応じる無邪気な姿に「らしさ」を感じ、よく分からない安堵(あんど)感を得た。(酒)
2016年11月30日(水)  10:00  / この記事のURL

炭素繊維の帯

 【大阪本社】先日、炭素繊維で織られた男物の着物の帯を見た。丹後織物工業組合が今月中旬に京都市で開いた「第67回丹後織物求評会」で、京都府織物・機械金属振興センターの丹織技術研究会が試作し展示した。
 産業資材用に使われることが多い炭素繊維の素材感をファッション用としてとらえ、これまでにない「男の帯」の製作に取り組んだ。カーボンの素材感から見た目は非常に精悍。締め心地はとてもよく、帯が緩むこともなく、全く着崩れしないという。一方で課題もある。折損の対策が必要で、今後の改善テーマとなっている。
2016年11月29日(火)  10:00  / この記事のURL

クリスマス景気

 【東京本社】11月24日、東京で降雪。今秋も暖かい日が多く秋冬物の動きも鈍かったが、今回の降雪を期に挽回されることを期待したい。
 横浜中華街に久しぶりに足を運んだ。食べ歩きや買い物、食事の店探しなど、観光客や行楽でかなりのにぎわいがあった。
 ハロウィーン関連に購買が抜かれたといわれるクリスマス。聘珍樓はじめ中華街にも大きなツリーや電飾が飾られていて、にぎわいに花を添えていた。ハロウィーンは若者参加型で、私にはなじみが薄く、景気につながっているようには思えない。でも、クリスマスは絢爛豪華なイメージがあって、プレゼントの購入など景気をあおってくれるように思える。
 聘珍樓からは満足げな顔の客が出てきていた。みんなが笑顔になれるよう景気になってほしい。(章)
2016年11月28日(月)  10:00  / この記事のURL

“ミドラー”とオーバーオール

【大阪本社】体を包み込む面積の布部分が多いだけに、冬向きのジーンズと言えば14オンスレギュラーデニムを使ったオーバーオールだろう。
 厳寒時でも「ヒートテック」様の機能を付加した長袖タイプのアンダーの上には、やや肉厚の綿のハイネックセーターを着込み、オーバーオールの両サイドベルトを襷掛け。最後の仕上げはMA―1ジャケットなど防風役もするミリタリー調の機能アウター。
 今、女性の間でこのようなファッションスタイルがプチ流行中だ。新鮮と言えばそうだが、大昔の記憶としてあるスタイルでもある。このスタイルの場合、「中間層」にあたるハイネックがポイントで、室内では“アウター”となる。世間では室内外で役目を果たすこの中間衣料を“ミドラー”と呼称するらしい。
 大学生の頃、夏は大阪・西成の奥地にある雪駄屋で500円の下駄を買い、ビッグジョンのオーバーオールとともに通学時にもよく履いた。
 冬は前述のミリタリーをイメージした男性版スタイルが好きで、定番だったように記憶する。ブーメランを繰り返すファッション業界、機能性が若い人を引き付けた時代が過去にもあった。(篠)
2016年11月25日(金)  10:00  / この記事のURL

機織り産地と麺の親和性

【東京本社】先日、山梨(富士吉田)産地の機業見学などができる「ヤマナシハタオリ産地バスツアー」に参加し、昼食として同産地名物の吉田のうどん(写真)を堪能した。
極太麺で、コシの強さは今まで食べたことがないほどで食べ応えのあるうどんだった。富士吉田織物協同組合の担当者によると、当産地は山間部で米が取れなかったこともあって小麦を使って作れるうどんが主流となったという。当時の同産地は女性が機を織り、男性が料理を作っていたこともあって、武骨さがにじむうどんになったとも言われる。
 ルーツがどうであれ、吉田うどんは紛れもなく同産地の名産物であることは間違いない。ここで注目したいのは、機業の名産地と麺の因果関係である。吉田うどんに加え、ジャカード産地で知られる群馬県・桐生産地には、まるで生地に見立てたように麺幅が広い「ひもかわうどん」が存在する。「米沢織」で有名な山形県・米沢産地でも、細くてちぢれた麺が特徴の「米沢ラーメン」が名産である。西日本の産地でも、シャツ地の産地で名をはせる播州の「播州ラーメン」などが挙げられる。
 根付いた理由は各地各様だと思うが、麺と機織り産地の親和性は少なからず感じ取れる。上げ潮だった頃の繊維業界は「ガチャマン」(ガチャ=織機の音、マン=万円)という例えが出たほど、隆昌を誇った時代もあった。寝る暇を惜しんで製織に励んだ時代にとって、麺は手早く空腹を満たすのに、うってつけの存在だったはずだ。(栢)
2016年11月24日(木)  10:00  / この記事のURL