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次はエナメルのマウンテン

 東コレ・ブランドの1アイテムが、これほどまでに人気を集めるケースは珍しいのではないだろうか? ato(アトウ)が昨年発売した、未来的なルックスのベロクロスニーカーが爆発的に売れている。
 コアなモード系のファンはもちろん、意外にもB系の人たちに新鮮なバッシュのひとつとして受け入れられているようだ。あのカニエ・ウエストが色違いで3足買いしてヘビーローテーションしているなど、海外でも密かに話題になっている。
 そのアトウが今秋冬に提案するのが、写真のマウンテンブーツ。カラフルなエナメル色が新鮮で、ヒットの予感が漂う。(KM)
2008年06月30日(月)  06:30  / この記事のURL

65歳以上はお金を使わない?

 昨年から団塊の世代が60歳定年を迎え始め、会社社会からの引退が始まった。団塊の世代の退職による消費の押し上げ効果は7兆7762億円、経済波及効果は、07年から5年間で15兆3233億円という試算(電通調査)もあり、大量に発生する富裕層を当て込んだマーケットが注目される。
 しかし、あるホームファッション企業の社長は「あまり期待できない」ときっぱり。退職金を手にして多額のお金を手にするが、世の中の先行きは不安材料ばかり。老後を長年生きると考えると、そう簡単にお金を使わない。
 定年になったばかりは、体力もありいろいろな面で自信を持ち続け、欲しいと思ったものに購買行動を起こすかもしれないが、65歳ぐらいをさかいに、体力に自信がなくなり、「あと何年生きるだろうか」など寿命が気になりだすと、欲しくても我慢を決め込む。いざというときに困らないよう取って置くためだ。「人口の減少以上に、お金を使わない高齢者が増え、景気を冷やす原因になるのでは」と危惧する。
 となると、安心して暮らすための施策が必要。政治の問題か。後期高齢者医療制度など政策でつまずいているようでは、高齢者が安心して暮らせる社会は程遠い。(H・S)
2008年06月27日(金)  05:40  / この記事のURL

暑さを吹き飛ばす涼風

 25日から大阪市内で開かれたユニフォームアパレル大手、アイトスの秋冬物展示会で、来場者の目を和ませたのが、浴衣姿でお茶などの接待をしていた女性スタッフたち。粗品としても配られた「愛とスマイル ありがとう」とプリントされたうちわ(反対面に来場者の名前が印刷される)を手に、会場内を行き交う姿は、梅雨の蒸し暑さを吹き飛ばす涼風を運んでいた。(KM)
2008年06月26日(木)  06:35  / この記事のURL

パチンコ店に変わる染工場

 京都の西大路七条通りを西に向かうと、右手に大きな建物が目に入る。高さはビルの7階建だろうか。一瞬、怪しげなホテルかと思ったが、実はパチンコ店。盛況のようで、渋滞しやすい夕刻は同店に入る車などでさらに混雑している。
 周りにそぐわないほど巨大なパチンコ店だが、そこは昨年清算したクラボウの染色子会社、倉敷染工の跡地。変われば変わるものだと、つくづく思う。
 繊維産業のキーインダストリーと呼ばれる染色工場が清算され、跡地がパチンコ店に変わってしまうのは、繊維業界に携わるものからすると、若干の寂しさを感じさせる。
 再び西大路通りに戻り、まっすぐ南に下ると、今年3月に休止した東洋紡の染色子会社、大同マルタ染工がある。果たして跡地はどうなるのか。パチンコ店、それともマンションか。(TN)。
2008年06月25日(水)  06:51  / この記事のURL

胸騒ぎの腰履き

 日々、進化するメンズファッション。クールビズ登場以来、顕著だが、メンズはレディースに比較してまだまだ発展途上にある。そのため、開拓・改良などの余地がたくさん残っている。このことは、ビジネスチャンスが十分にあるということ。
 そこで、メンズアンダー。かつては白物ブリーフがその象徴的存在だったが、いまではトランクスやボクサータイプなどバリエーションが広がり、少数派となってしまった。
 ヘインズブランズジャパンでは、昨春から「ヘインズ」ブランドの若者向けアンダーウェアライン“Yスペック”(スマートシルエット、ポップなデザインや色使いなどが特徴)を導入。10代、20代が対象だが、ここにきて30代以上にも支持層を広げているという。
 そしてこの秋冬では、「“色気”に目覚めたメンズに向けて、“見せるアンダー”」を発信する。今のヤングたちは腰履き(ローウエスト)でパンツをはき、意図的にアンダーを見せる着こなしに抵抗感がない。現状、さすがに大人世代では見掛けないが、今後はわからない。しかし、中高年でのそういった姿に対し、女性が抵抗感を抱くことは間違いない。(Y・N)

日々、おしゃれになっていくメンズアンダー
2008年06月24日(火)  07:10  / この記事のURL

勝因は信念を持って貫くこと

 有店舗販売の不振が深刻なだけに、無店舗販売が大きく脚光を浴びている。ネット販売には向かいないと考えられてきたテキスタイル分野でも、サンウェルが好調に伸ばしており、同業他社もノウハウを分析しているようだ。
 サンウェルがネットでも好調に受注を伸ばせているのは、同社が元々テキスタイルのカタログ販売が主力だったため。顧客は手元のカタログで生地の色や風合いを確認し、安心して発注できる。小ロット化の影響で、受注件数は2001年と比べて2倍にも増えているが、ネットでの受注だと人手を省くことができる。
 当初はネットでのオーダーを増やすために、様々な工夫を重ねた。まず、省人化できることを生かして、手間賃を電話やFAXでのオーダーに比べて2割ほど安く設定している。さらに、大阪や東京で説明会を開いたり、顧客に出向いて依頼したりした。マイレージのようなポイント制も導入。あの手この手で、顧客への浸透に腐心してきたのだ。
 決め手は、カタログで展開するテキスタイルをほぼ全部、ネットに載せたことだろう。綿の定番品は中国品に受注が流れるため、高級ラインの「SW−シック」を打ち出したり、昨年からは話題のオーガニックコットンを出したりと、時期に適った商品を相次いで載せているのも人気を支えている。
 何よりも、ネット販売の将来性を見越して、決して平坦な道のりではなかったにもかかわらず、他社が着手する前に信念を持って貫いたこと。最大の勝因は、ここにあるのではないだろうか。(FK)

サンウェルのネット販売は、時代に適合したオーダーシステムと評価が高い

ショールームでも全商品を紹介
2008年06月23日(月)  06:45  / この記事のURL

「備えあれば憂いなし」だが・・・

 昨日から本日までインテックス大阪で地域防災防犯展が開催されている。初日に取材に行ってきたが、不景気がささやかれる世情にもかかわらず、なかなかの盛況ぶりだった。
 出展者によると、ここ数週間、あれこれと大きな事件が発生し、その印象が強い時期の開催だけに来場者の関心は高いという。出展者も官民交えて広範囲にわたり、ビジネス的な観点でみても拡大中の市場であることは間違いない。
 会場内で大規模なデモンストレーションを行っていたのが地震の発生を短時間で知らせるSバンド防災放送だ。本来のSバンドは専用衛星を使って、全国津々浦々でモバイル機器向けにコンテンツ配信を行うために開かれた電波帯。その安定した到達性能を地震速報に活用するのがSバンド防災放送だ。
 受信機(置時計型など)があれば、理論上では、気象庁が地震を感知したのと、ほぼ同時に緊急地震速報を得ることができる。「テレビでも同じことではないか」と先週の経験上は考えがちだが、データの連絡経路の関係で、少なくとも数秒の差は出るし、そもそもテレビを見ていないとどうなるのか。
 そこがSバンド防災放送のメリットであり、訴求点なのだという。正直「もう少しで大きい揺れが来ますよ」といきなり言われても困るが、いきなり大きな揺れが来るのはもっと困るのも事実である。
 それだけに、この手の道具の普及が進むのは個人的には歓迎だ。しかし、防刃ベスト同様、出来る限り無用の長物であってほしいとにぎわう会場の中で思う。(K・S)
2008年06月20日(金)  05:50  / この記事のURL

ストレスフリーへ

 ブラジャーの締め付け感は昔から女性の敵だった。リラクシング、ストレスフリー志向の高まりもあり、年々締め付けを感じさせない商品への支持が高まっている。そんななか発売されたユニクロのカップ付きキャミソール「ブラトップ」は今春夏300万枚の販売を計画、既存の下着メーカーにとっては脅威である。
 一方、下着メーカーではワイヤーの研究も進んでいる。グンゼが今秋冬から発売するブラジャーは、既存の樹脂ワイヤーと金属ワイヤーのよいところをとった「新樹脂ワイヤー」を採用。造形性を保ちつつ、着用圧を樹脂フレームと同様にし締め付け感を軽減している。ブラが女性にとって帰宅すれば真っ先に外すもの、でなくなればありがたい。(EM)
2008年06月19日(木)  06:07  / この記事のURL

書庫が欲しい

 愛書家共通の悩みといえば、本の置き場所。部屋の壁はすべて本棚で覆われているのだが、いよいよ棚から本があふれ出した。仕方がないので、床に平積みにするのだが、日に日に“本の塔”が伸びてゆき、いまにも崩落寸前(写真)。わたし程度のプチ蔵書家でもこの有様なのだから、本物の蔵書家の苦労は、さぞ大きいことだろう。
 一説によると、個人での蔵書数日本一は、谷沢永一関西大学名誉教授の15万冊、2位が紅野敏郎早稲田大学名誉教授の13万冊。そして、3位がわたしの恩師、S先生の10万冊だといわれる。個人で蔵書が10万冊を超えるのは、この3人しかいないそうだ。
 そういえばS先生のマンションは、玄関まで本があふれていた。これとは別に、実家にもトラック数台分の本があふれているという。
 なぜこんなことを思い出したかというと、新聞を読んでいると、このほど発生した岩手・宮城内陸地震で、本の下敷きになって死亡した人がいたというニュースが目に入ったからだ。本当に恐ろしいことだと思う。
 結局、問題を解決するには、専用の書庫を設けるしかないのだが、日本の住宅事情が許さない。
 しかし、愛書家にとってもっとも恐ろしいのは、地震や火事など災害で、蔵書を失うことだろう。江戸時代の儒者、林羅山は明暦の大火で書庫を焼失し、万巻の蔵書を失う。その4日後、羅山はショックのあまり死去した。この話を聞くと、愛書家は皆、胸が苦しくなる。(M.U)
2008年06月18日(水)  06:00  / この記事のURL

クールビズとフライデーカジュアル

 環境省の提唱するチーム・マイナス6%のクールビズ(CB)の実施でサラリーマンの夏場のワークライフはすっかり快適になった。ついでに垢抜けした人が目立って増え、着こなしは若い人から年配の方までずいぶんとサマになった。髪型やめがねまで変化を与えている。
 CBが夏の「定番」となった今、その応用で、金曜日だけ若干、カジュアル色の強いCBを取り入れてみても面白いのではないか、と最近街を歩くサラリーマンのCB姿を見てふと思った。
 題して「CBF(クールビズ・フライデーカジュアル)」の実施案である。かつて日本でも実施経験のある金曜日だけカジュアルな服装で出勤可能にするというフライデーカジュアルの再考だ。
 4回目を迎えたCBは、スラックスにボタンダウンなどのビジネスシャツとセットというのがオーソドックスなスタイルだ。
 CBFでは綿パンやきれいな表情のデニムパンツ、トップスは柄物の麻混のオープンシャツやアロハなど様々なタイプが加わる。きれいなアロハだとパンツ下に入れるとオープンシャツになる。
 要は、TPOを知り、人に不快感を与えない服装ならばいいのではないだろうか。いろんな試みで着こなしは広がり、前年実績割れを続ける日本の百貨店やカジュアルチェーン店の手助けにもなる。(M・S)
2008年06月17日(火)  06:20  / この記事のURL

白い今治タオル

 今治タオルは11日、「白い今治タオル」を発売した。素材や加工の違いを比較して感じながら、自分に合ったタオルを選んでもらうのが狙いだ。
 企画を主導したのは、今治タオルブランド事業のクリエーティブプロデューサーの佐藤可士和氏。「今治タオルの優位性を表すのは白いタオルが一番、迷わず提案した」と語る。モノ作りの過程では「白いタオルは付加価値がついていない」などの認識のズレもメーカーとの間で生じた。
 「水はタダだと思われていた。水を買うようになったのはここ10年ほど。買うようになって水にも違いがあり、好みができた。白いタオルは水や米と同じ。タオルのベースになっている。クオリティーをアピールするには白いタオルが分かりやすい。デザインが付くとコーヒーと同じ。コーヒーの味が強いので、元の素材へ関心が行かなくなる」。
 かくして白い今治タオル・コレクションが生まれた。匁(もんめ)回しという重さで売買される白タオルではない。多彩な表情、接触感を持ち、使う人が高級感と満足感を得られるあくまで白いタオルだ。
(H.S)
2008年06月16日(月)  07:00  / この記事のURL

待ってろよヒマラヤ!

 以前「EUダウンの古着に夢中」(http://apalog.com/daisen/archive/87)という記事を書いたが、その熱は蒸し暑い梅雨真っ只中の今も収まっていない。さすがに買いはしていないが、ここ2週間の間に行われているセレクトショップの秋冬の内覧会で、気になるブランドがまた増えてしまった。
 中でも気に入ったのが、写真の仏の「ピレネックス」。前シーズンに「ル・グローブ」などで出回っていたクラシックなタイプではなく、「ヴァランドレ」の「ベーリング500」などに匹敵する、ヒマラヤ登頂用の本格的なモノだ。この逸品を展開するシップスでは、メンズはもちろんレディース、キッズでピレネックスを大プッシュするという。
 山に登るわけでもないし、街でそんなモノは必要ないだろ! と言われて返す言葉もないが、どうしようもなく欲しい…。たぶん年に3回くらいしか着る機会はないと思うが、他の本格ブランドと一緒にハンガーに並べて、それを肴にお酒を飲みたい!
 今秋のダウン市場を予想すると、アメカジ人気を受けて米ブランドの人気が復活しそうな気配がある。各社のセレクトを見ると、「モンクレール」「デュベティカ」などの人気ブランドを扱う店が減り、各社ともマニアックなレア物銘柄をセレクトする傾向がある。とくに「フェザードフレンズ」はどのショップでも見かけたので、プチブレイクの可能性大。米の「クレセント」、ポーランドの「マラコウスキー」「タトラス」も本格仕様&リーズナブルプライスで人気が出そう。フリークスの「ミスターハーツ」で展開する「ヌナタク」もいい感じです。あ〜冬が待ち遠しい。  (K.M)
2008年06月13日(金)  06:00  / この記事のURL

薄くて強い生地が欲しい

 北京五輪の水着が自由化され、英スピード製の着用が可能となったが、あれだけ世界新記録や日本新記録が登場するとしかたがないとは思う。次の英国ロンドン五輪に向けては日本のスポーツアパレルの意地を見せてもらいたいところだ。
 水着に限らず、スポーツにおけるウエアの機能性は重要だ。購入する際の大きなポイントになる。記者が趣味のモトクロスは危険がいっぱいだが、下半身は骨折することはあっても擦り傷は少ない。パンツが守ってくれるからだ。素材は太繊度のナイロン織物、ひざ部分にはパラ系アラミド繊維を使う。防御するには良いのだが、これが分厚くて夏場は暑くてたまらない。素材メーカー、アパレルには薄くて動きやすく、かつ丈夫な素材、そしてパンツを作ってもらいたいものだ。ちなみに今はモトクロス専用の日本ブランドはないに等しい。(TN)
2008年06月12日(木)  06:00  / この記事のURL

夢の行列

 先週末で発売が終了したドリームジャンボ宝くじ。抽選日が17日ということで、その直前まで夢を見続けることができる。販売終了の3日前の昼過ぎ、たまたま西銀座デパートチャンスセンター横を通ったところ、大行列ができていた。販売窓口はいくつかあるのだが、その行列が目指すのは1番窓口。待ち時間は1時間を超えるという。
 確率論で言えばどこで買っても同じなのだが、チャンスセンターでの1等当選者の絶対人数が多いということと縁起物ということで1番窓口に集中するのだろう。同じものでも、買うところによって夢の大小が違ってくるということ。それはアパレルアイテムについても言える。
 モノそのものの魅力自体が売れ行きを左右した時代は、それなりにどの売り場も同じような動きをした。しかし今は違う。モノだけでの差別化が図りにくいこともあり、それを取り巻く環境・空間を含めての動きとなる。
 それでも行列ができたという話は、アウトレットの開店や福袋発売のとき以外、今ではほとんど聞かない。かつてはブランドショップや裏原宿あたりでよく見掛けたのだが、それははるか昔の夢のような話。 (Y.N)
2008年06月11日(水)  06:00  / この記事のURL

剣が峰に立つ

 繊維産業は他業界に比べ、何かと近代化が遅れている印象がある。だが、民間ベースで取引ガイドラインを策定し、基本契約書を取り交わす運動の推進は、他業界に先駆けたものだった。経済産業省が他業界に対し、先進的な取り組み事例として紹介したほどで、簡単に定着する課題ではないとはいえ、業界関係者はもっと自信を持って進めていい。
 その運動を進めた繊維産業流通構造改革推進協議会(SCM推進協議会)は、この6月で設立10周年を迎えた。同協議会の馬場彰会長(写真)は現状を登山で言えば5合目まで来た段階で、これから先が大切だと強調する。当初はどこから着手すればよいか分からず、IT化から進めたものの効果が出ない。と言うことで、「信頼関係に基づく魂が入っていない」と、ようやく根の深い問題に光を当てて、取り組む作業が始まった。
 誰もが気がついていながら、実現不可能だと内心諦めていたであろう問題を正面に据え、ここまで整理して道を付けたことは賞賛に値する。次は馬場会長も指摘する通り、業界に根付かせる作業。ここで挫けてしまえば、これまでの苦労が水泡に帰す。馬場会長は他人事と思わず、「自分のため、若い人たちのための近代化だと自覚して、頑張ろう」と呼びかける。まったく正論で、剣が峰に立ったといえる。(F.K)
2008年06月10日(火)  05:15  / この記事のURL

「がらがら紡」

 ガラ紡(和紡)というのがある。そのガラ紡の雰囲気を残して作った糸が「がらがら紡」で、商社のヤギがそれをテキスタイル化して販売している。同社の展示会(写真)をのぞくと、コットンの楽しさがあふれている。
 同社のパンフから少し引用すると――。綿糸を作るのに手紡ぎ(いわゆる手で回す糸車)で綿花を糸にしていた。この手紡ぎの糸作りから動力機械で作る方法を開発し、その初期の紡績機をガラ紡機と言った。綿を長円形の筒に入れ、その中のわたを上に引き上げながら、筒を回転させ撚りをかけて糸を作る。その時にこの筒がガラガラと音を出すことからガラ紡という名がついたといわれている。

 この「がらがら紡」。ガラ紡機で作ったわけではない。普通のリング紡機で、それに似せて作った優れもの。形状が自然なムラ感、膨らみが特徴だ。ニット生地を拝見したが、風合いがユニーク。
 展示会ではこのほか、「椿繊維」もある。椿油の成分をレーヨンで包み込んだ肌に優しい素材だ。「がらがら紡」に「椿繊維」とユニーク素材が相次ぐが、「これくらい工夫しないと日本品で勝負できませんよ」と言う営業担当者の言葉に納得した。(A.M)
2008年06月09日(月)  06:30  / この記事のURL

天駆けるスマイル

 ズラリ勢ぞろい明眸皓歯(めいぼうこうし)のスチュワーデス…おっと、このごろは「キャビンアテンダント」という呼び方の方が一般的か。
 写真はこのほど銀座三越で開催された「英国展」で、英ブリティッシュ・エアウェイズ(英国航空)が日本就航60周年記念としてお披露目した歴代の制服。トラディショナル・スタイルから、サイケ柄の紙製(!)ドレス、宇宙開発華やかなりし時代の幾何学模様ウエア、果ては和服まで登場し、大手の懐の深さを示した。
 近年はコストや動作性重視の観点から写真のような「帽子に手袋」の正装はめっきり減っている。制服は世相を映す鏡、「コスト削減」では少々寂しい。欧米の航空会社には、旺盛な遊び心を発揮して楽しませて欲しいものだ。フライト時間、長いし。(S.T)
2008年06月06日(金)  07:00  / この記事のURL

“新生蝶理”へ―CIを発表

 蝶理が5月30日、新しく策定したコーポレート・アイデンティー(CI)の概要を発表した。今年9月2日に会社設立60周年を迎えるに当たって「新しく生まれ変わった」(齊藤圭史郎社長)ことを前面に出しながら、今月1日から刷新した企業イメージを浸透させるのが狙いだ。
 3月期決算では5期連続の連続経常増益、3期連続最高益更新を達成、今期は17年半ぶりに2円の復配を計画するなど、企業として「完全復活」したことから、1986年以来22年ぶりのCI策定に至った。
 さて、新しいロゴマークはCHORIのOを球状として地球に見立て、空間・宇宙への広がりを強調。CHORIの中核からムーブメントを起こし、常に変化・改革を志向する企業であることをイメージした。コーポレートカラーは深い青。
 もともと蝶理のイメージカラーは赤。だから名刺の蝶理のロゴマークも赤で印刷されていた。ただ、お葬式では赤の名刺が使えず不便だった。そのため変えたというわけではないが、役員会ではイメージカラーの選定で意見が割れたという。
 カラーを決める役員会での投票は3回行われたが、齊藤社長は1回目を青、2回目を赤、3回目をまた青と相当迷ったとか。しかし、深い青と地球をイメージしたロゴマークは「躍動感あふれる蝶理グループ」のイメージにはぴったり。“新生蝶理”がこれからどういった飛躍を見せるのか、期待したい。(Y・O)
2008年06月05日(木)  05:35  / この記事のURL

梅雨は足元もカラフルに

 ジトジト……憂うつな梅雨。グレーに染まる梅雨空の下、せめて小物はカラフルに、さっそうと乗り切りたい。衣替えの2日、関東甲信・東海・近畿の各地方が梅雨入りした。関東甲信地方は平年より6日、最も遅かった昨年より20日も早い梅雨入りだ。加えて台風5号も。昨日3日の通勤時間帯はファッショナブルな長靴やレインシューズで街をかっ歩する女性の姿が目についた。
 今年は春先から長雨や台風が続き、靴のチェーン店だけでなく無印良品や通販カタログなどでもオシャレなレインブーツがよく売れている。色もデザインも丈も多様で、従来の野暮ったさが払拭されている。園芸用のガーデニング・シューズを転用するケース(売る側も・買う側も)も多い。筆者も二十数年ぶりに購入した。
 機能重視の長靴もオシャレになれば売れる。できれば収納ポーチ付きが欲しい。オフィスで履き替える靴を入れたり、雨上がりの帰り道にはレインシューズをしまえるから……。あったらうれしいですよね? (O.N)
2008年06月04日(水)  03:00  / この記事のURL

H博士のこと

 わたしが、H博士と初めて出会ったのは、学会のセミナーでのことだった。若手研究者の発表を厳しく批判するその姿は、いかにも斯界の長老という風格であり、今なお内に向学心と探究心の炎を激しく燃やしているといった風だった。
 H博士は、今では繊維メーカーであることをあまり主張したがらなくなってしまった綿紡績の出身であり、そのメーカーの繊維事業の一枚看板とも言える技術の生みの親だということを、わたしはその時初めて知った。
 さて、H博士は、一流の技術者であると同時に、なかなかのオーガナイザーである。ユニークな企画を次々と学会に提案する。なかには、繊維工学や高分子工学などだけでなく、経営学や心理学すらも取り込んでいた。
 先日、久しぶりにH博士に学会で会った。やっぱり若手研究者の研究に対してこっぴどくやっている。教育的指導の甲斐あってか、この若手研究者は奨励賞を受賞した。それに対してH博士は「あんなのに賞をやっちゃダメだよ」と。パーティー会場で受賞を知らされた本人を捕まえると、H博士は、またもや会場の奥で延々とダメ出しし続けていた。
 その姿を見て、わたしは、学問の道の厳しさと同時に、“教える”長老と“教わる”若手の関係を、麗しいと思った。(M.U)
2008年06月03日(火)  06:30  / この記事のURL

ある研究者のプロジェクトX

 東京繊維記者会加盟の記者を対象にした勉強会が5月29日、繊維会館であった。講師はユニチカファイバー生産開発部長の西尾俊幸さん。自身の研究開発の歩みを例に取りながら3大合繊のイロハを解説した。
 1982年から繊維全般の研究開発に携わってきた西尾さん。長年の研究で、とくに印象に残っているのがウールのプラズマ加工だという。
 プラズマとは気体分子に高周波のエネルギーを与え、陰と陽の荷電粒子に分けて活性化させた状態を指す。特定のガス(酸素、アルゴンなど)を0・001〜0・0001気圧に減圧、電気放電してプラズマ状とし、これをコントロールして加工処理することで、繊維表面に親水性を持たせ、縮みを防ぐ(本紙2005年4月22日付より引用)。
 この加工をウールに施した場合、スケールを残したまま防縮加工が可能だ。さらに、ウール本来の吸湿性や保温性、風合いを残すことができる。
 試行錯誤を繰り返しながら「防縮の薬剤を数%の濃度で使用したらうまくいった」と振り返る西尾さん。「この濃度に達したことが凄いと思った」と笑みを浮かべる。
 根幹に技術力があってこそメーカーなのだと、一人の研究者を通して痛感した2時間だった。(M・K)
(写真=ユニチカファイバー生産開発部部長の西尾俊幸さんからレクチャーを受ける)

2008年06月02日(月)  07:00  / この記事のURL