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色の効果

 産地の展示商談会もユニークになってきた。このほど開催された福井織物構造改善工業組合主催の「ふくい織物展示求評会」は、秋冬シーズン向けにしてはカラフルな色でにぎわい、中央の製品展示コーナーは華やかな雰囲気をかもし出す。
 プロデュースしたのは、ファッションデザイナーでドレスセラピストの池本紫さん。色と形のエネルギーを生かしたドレス作りに定評があり、小雪さんや神田うのさん、米倉涼子さんなど多くの芸能人のフォーマルドレスも手掛ける。
 「TPOや着用者の個性などを考慮しながら、その人の良さを最大限に発揮する色と形をデザインする」と言う。
 ふくい織物展示求評会でも、生地作りの段階から色とテクスチャーなどのアドバイスをしてきた。「職人さん一人ひとりのラッキーカラーもお教えしました」とも。今はやりのスピリチュアル系かと一瞬とまどった。似たような感想を持つ人はほかにもいるようで、カラー診断など科学的に説明してくれた。色は光のスペクトルで、それぞれに周波数があり、それが肌を通して健康や美容にも影響するという。
 池本さん自身、ニューヨーク留学中に黒い服ばかり着ていたら、健康を害し老けこんでしまったらしい。
 「海外生活のストレスもあったでしょうが、色をどう着こなすかは大切」と力説する。いくら黒髪や黒い瞳に合わせても、黒ばかりのコーディネートはお勧めしないと言う。
 出展者の生地で池本さんが作製した製品コーナーは、徐々に上昇するように羽根を取り付けた八角柱を中心に、ドレスやウエアでぐるりと取り囲んだ。“風水”を取り入れたそうだ。会場内は脳波に良いとされるスピーカーで心地よい音楽が流れる。
 同組合初の秋冬展だったが、予想以上の反響だった。出展者には開発・販売のうえで、色の効果という新たな切り口が加わり、来場したアパレルも消費者に対して同様の訴求効果が生まれる。産地展示会も商談+αで活性化するかもしれない。(N・O)
2007年10月31日(水)  05:54  / この記事のURL

ここがロードスだ。跳べ!

 「衣料品の店頭価格が上がらない以上は、この問題は根本的に解決しない」。糸・わた・生地の値上げと価格転嫁に関する取材をすると、決まって聞く言葉だ。ところで、なぜ店頭価格が上がらないかというと、小売店は、まずアイテムごとに価格帯を設定して、それに合わせた商品企画を作るからとしかいえない。
 なんだか原理原則が川上と川下で全く異なっていると感じる。川上企業にとって商品の価格とは、原料+労働力+利潤の総和としてとらえられている。だから、原料代、人件費が上がれば当然、商品の価格も上昇する。これは労働価値説に基づく古典経済学の世界だ。
 一方、川下企業からすれば、商品の価格とは消費者がその値段で買ってもいいと感じる価格に過ぎない。つまり、効用価値説に基づく近代経済学の世界である。原燃料が上がろうが、消費者が、その商品を購入することで得る効用が変化しない以上、商品の価格は上がるわけがないということだ。やっぱり原理原則がかみ合っていない。
 価格というのは難しい。そういえば、商品の使用価値と交換価値の関係を価値形態論として説明したマルクスは「ここがロードスだ。跳べ!」と一喝していたっけ。川上と川下が商品価格について分かり合うにも、やはりそれぐらいの飛躍が必要なのかも。
 しかし、事態は深刻化する。だから言いたい。
 ここがロードスだ。跳べ!
(M.U)
2007年10月30日(火)  06:15  / この記事のURL

ファッション界のブルームバーグ

 「ファッション業界で働く人にとってのWGSNは、証券関係者にとってのブルームバーグのような存在」とは、ファッション情報メディアサービスの英WGSN(ワース・グローバル・スタイル・ネットワーク)社長のスティーブ・ニューボールド氏(写真左)の弁。
 WGSNを金融・経済の巨大メディアになぞらえた英紙の文言を引用してみせた。
 英国の総合メディア会社イーマップの子会社で世界中から収集されたファッション、ライフスタイル、デザイン業界の膨大な情報量と独自のリサーチ、分析力。
 設立10年足らずで全世界のユーザー数は2200社に上り、2010年に4500社を目指す。
 「広告宣伝、自動車メーカーや家電など、非ファッション業のユーザーが全体の¥25¥%を占めており、誇大な数字ではない」とニューボールド氏。日本語版「WGSN・JP」は12月に稼働する。(S.T)
2007年10月29日(月)  06:10  / この記事のURL

セーラー服の元祖は?

 「日本で最初にセーラー服を採用したのは福岡?京都?」。今月上旬、そんな記事を一般紙で見かけた。学生服アパレル(岡山市)のトンボのユニフォーム研究室の調査がきっかけだという。
※参考アドレスhttp://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200710130124.html 
 詳細は記事を参照していただくとして、セーラー服が全国に広がるきっかけに1人の仕立屋の存在があったのはご存知だろうか。
 1920年、福岡女学院はセーラー服を制服に採用するため、地元の太田洋服店に持ち込んだ。しかし、初めて見るセーラー服に店主は戸惑う。何回も試作品を作り、やっとの思いで現在のセーラー服の原型を作り上げたのだった。
 その後、福岡女学院の名は全国的に有名になり、他の学校でもセーラー服を採用したいという声が上がった。しかし、当時は今のような学生服メーカーはない。そのため、大田洋服店が全国各地に赴き、地元の仕立屋にパターンを一から教えて回ったという。
 店主が惜しげもなく自分の技術を伝承したおかげで、セーラー服が全国に普及していった。(写真右は、現福岡女学院のセーラー服)
 と、長々と書いてきたが、これらはすべてトンボのユニフォームミュージアム(岡山市)で紹介されている。受け売りを偉そうに書いてしまってスミマセン……。(Y・T)
2007年10月26日(金)  06:15  / この記事のURL

繊維の宝石ビキューナ

 数ある高級獣毛の中でも「幻の繊維」「繊維の宝石」と呼ばれるのがビキューナ。
先日、フジイテックスの展示会でビキューナ100%の生地に触ることができた。
 これまで原毛に触ったことはあったが、織り上がっている生地に触るのは初めて。ほかの獣毛とは全く違う、独特のヌメリ感が気持ちよく、「これがビキューナか」と素直に感動している自分を発見した。
 参考出品されていたコート1着分の生地代金は500万円。
 3年前に東京の某老舗百貨店でコートを仕立てた人がいるが、それ以来、同社でも生地を購入した人はいないという。
 高級獣毛を扱ったモノ作りに生きる同社のシンボル的な素材。
 企画開発部長の「売れるとさびしい気がする」というのは本音だろう。
(K.M)
2007年10月25日(木)  06:13  / この記事のURL