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戦後70年の『記憶』

 【本社】母校の同窓会総会に初めて出席した。卒業して44年目の再訪である。会報で今年84歳になる恩師が講演すると知り、同窓生の何人かに声を掛け訪れた。
 郊外の懐かしい校舎は昔と変わらない。先生もまた朗読で鍛えた声は衰えず、1時間余りの『記憶』と題された講演はあっという間に過ぎた。僧侶でもある師の人生観に裏打ちされた素晴らしいものだった。
 師は最近の風潮に触れ、「あぶない。また戦前に戻った」と手厳しい。14歳で終戦を迎えた師はその年、3回の爆撃を大阪市内で経験した。そのうちの一つが近所に落ちた1トン爆弾。同級生の家族がこの爆弾で一家全滅した。
 その家を訪れたときに発見したのが写真の鉄片で、ギザギザの付いた爆弾の破片である。触ってみるとずしりと重く、鋼鉄製のこんな物騒なものが四方八方に飛び散れば多くの人が死ぬのは容易に想像がつく。
 「何事も疑ってかかれ。真実を見極める努力を怠ってはいけない」。「またな」と笑顔。自ら運転するクルマを見送った。(川)
2015年07月03日(金)  10:00  / この記事のURL