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繊維が育てたガウディ建築―「バルセロナからの手紙」番外編

 スペイン・バルセロナといえば、アントニ・ガウディ。19世紀から20世紀にかけて隆盛を極めたモデニスモ(アール・ヌーヴォー)建築の巨匠である。バルセロナを訪れた人は、なにはなんでも代表作、サグラダ・ファミリアを見に行くことだろう。そのガウディの代表作としてサグラダ・ファミリアと並ぶのが、グエル邸、グエル別邸、グエル公園などだ。これらはすべてガウディ最大のパトロン、エウゼビ・グエルの注文によって建てられた。
 エウゼビ・グエルは、当時のバルセロナで活躍した実業家・政治家。後年、アルフォンソ13世から伯爵の爵位を与えられ、その子孫は現在でもスペイン貴族として続いている。
 グエル家の富の基礎になったのが繊維だった。エウゼビの母親は18世紀にバルセロナに移住してきたジェノバ商人の一族出身で、彼女の兄がバルセロナのサンツ=モンジュイック地区で機屋を営んでいた。このツテがあったことで、エウゼビもコーデュロイ機屋を立ち上げる。それが栄達の出発点であり、やがてはガウディのパトロンとして莫大な援助を行う基礎になった。
 いまや世界中の人々が見物に押しかけるガウディの建築も、元手は「糸ヘン」から出ているのだと考えると、同じ「糸ヘン村」の住人として、なんとなく愉快ではないか。(M.U)
2011年10月13日(木)  10:00  / この記事のURL