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人間、この悲しくて強き存在

 ジャカルタの街はきょうも活気に満ちている。だが、だが、わたしの心は晴れない。日本を出発する直前、東日本大震災が起こった。後ろ髪引かれる思いでインドネシアにたどり着き、ホテルの衛星放送で目にする光景は、不思議なほど現実感を喪失した映像だ。
 ジャカルタからブカシに向かうためタクシーに乗ると、運転手が話しかけてきた。
「日本人か?」
「そう。日本人」
「『ツナミ』の被害はどうなっている。たくさん死者がでているのか」
「ああ。たぶん、いっぱい死んだ。1万人を越えると思う」
 運転手が、まじめな口調になる。
「家族や親戚は大丈夫か」
「うん。被災地は東日本。わたしや家族が住むのは西日本だから」
 運転手は、こちらを見る。
「2004年にインドネシアにも大津波が来た。アチェ州で何万人も死んだ。俺の伯父さん、伯母さん、みんな死んだよ」
 一気に現実感がよみがえる。そして人間という存在の悲しさを感じた。人と人は、シンパシーでつながることのできる生き物だ。でも、それは絶望的な状況に陥ったときだけかもしれない。それは、とても悲しいことだ。
 でも、すぐに考え直した。それこそ、人間の強さだからだ。人間、この悲しくて強い存在。ホテルに帰り、テレビをつけると、インドネシア政府が日本に救援部隊を送るというニュースが流れている。インドネシアだけじゃない。世界各国が次々と支援を実行しだした。世界中の人々がいま、日本とつながろうとしている。悲しいことだけれども、やはりそこには希望が残っている。(M.U)
2011年03月17日(木)  10:00  / この記事のURL