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大山将棋を堪能する

 将棋の楽しみ方には、実戦のほかに棋譜の鑑賞と言うのがある。いわゆる棋譜並べだ。単純に棋譜を並べるだけでも面白いが、初心者は、やはり解説が充実した実戦集を並べるのがいいだろう。ということで、最近わたしが並べているのが大山康晴十五世名人の『大山将棋勝局集』(講談社)。大山将棋を堪能しています。


 普通、プロ棋士の実戦集を並べると、妙手、鬼手に感動することが多いけれども、大山将棋は、じつに地味。堅実な差し手を積み重ねながら、終盤には圧倒的に優位に立っている。とくに驚嘆するのが、攻め合いに途中に自陣に手を入れ、玉に金銀を連結させる呼吸。こいうことは、分っていてもなかなかできない。
 序盤、中盤もじつに細かい。小さな得を見逃さない。河口俊彦七段が、名著『大山康晴の晩節』(新潮文庫)のなかで、大山将棋の特徴を「1円ずつ集めて、1万円にしてしまう」と評したけれども、棋譜を並べると、それがなんとなく分る。
 将棋は人生の縮図だから、いろいろ学ぶことが多い。まず、派手な一手よりも、平凡堅実な一手の積み重ねの重要性。また、苦しくなると派手な逆転技を狙いがちだが、これが自滅を早める。苦しいときこそ、小さなポイントを稼ぐことが反攻につながる。こういうセオリー、何事にもあてはまる。(M.U)

2010年06月21日(月)  09:49  / この記事のURL